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自由研究には向かない殺人
自由研究には向かない殺人
ホリー・ジャクソン、服部京子/東京創元社
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総合評価

612件)
4.2
229
241
92
13
3
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公ピップのひたむきさに胸が熱くなる作品。 真相に近づく度に親しい人を疑わなければならないという状況に陥ってしまったら自分ならどうするかを考えずにはいられなかった。 もともとはティーンエイジャー向けの作品らしいが、どの世代が読んでも楽しめると思う。 全3部作の第1作目ということで、これから先が楽しみ。

    2
    投稿日: 2022.06.12
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    登場人物が若い人が多いので言動がみずみずしい。フェイスブックやインターネットを駆使した手法が新しい。

    1
    投稿日: 2022.06.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自由研究って、夏休みの宿題の、ではなく、イギリスの大学受験システムの一つ。 だから主人公のピップはかなり真剣にこの課題に向き合っている。 5年前の少女失踪事件。 彼女を殺し、自分も自殺したとされる少年は、ピップもよく知る人だったということもある。 彼はそんなことをする人じゃない! その思い出ピップはかなり突っ込んだ行動をとるのだけど…。 最初は挟み込まれているレポート部分が読みにくかったりもしたけれど、関係者(みんな知人)に取材を重ねるうちに、親しい人たちが隠していた闇が顕わになってくる。 犯人とされた少年・サルの弟・ラヴィと協力しながら謎を追うピップに脅迫状が届き、愛犬が誘拐される。 事実は思った以上に悪質で、ピップ自身にも危険が襲い掛かってくる。 っていうか、ダメだよ、素人がそんなことまでしちゃ。 それ、犯罪だから! ってこともたくさんやっています。 でもね、町のみんながサルを真犯人だと信じていた時、残された彼の家族に対してひどい仕打ちをしていることに対する怒りがピップの中にずっとあるのよ。 それはフェアじゃない、と。 誰もが心の中に無意識に持っている偏見を弾劾するピップ。 だって、サルって本当にいいやつなんだよ。 ピップの父親がナイジェリア人ということでいじめられていた時、いじめっ子に行ったセリフ。 ”いじめを理由に学校を退学になったら、となりのグラマースクールはここから三十分かかるよ。それも入学できたらの話だけどね。退学処分を受けたあとにまったく新しい学校へ通いはじめる苦労を、ちょっとは考えたほうがいい” やっぱり海外ではいじめた方がいられなくなるのか。 白人のピップのお父さんが黒人ということでいじめられたのだけど、このお父さんもいい人。 パーティーに招待されたピップに「ピップ、ほんの少しぐらいははめを外すべきだということを覚えておいてもらいたい」 こんなこと言ってくれるお父さんっている? 私は絶対はめをはずすなと育てられたから、このセリフすごくうらやましかったな。 彼女の正義感が、彼女の大切な人を危険に巻き込むかもしれない。 一人で問題を抱え込むピップが痛々しい。 もっと大人を信じなさい、と言いたい気持ちでいっぱいだったが、その信頼すべき大人が…ねえ…。 最初に怪しいとは思ったけど、実際犯人となるとびっくりしましたわ。

    1
    投稿日: 2022.06.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分はペットを飼わないので、ペットに対する愛着心というか家族同然みたいな感覚が薄いから、そこは共感しにくかったなぁ。 やっぱ人っていろんな面があるから、1面だけ見てわかった気になるのは危険ですね。 ラヴィが、ピップの様子がおかしい原因を察してまた会いに来るシーンが好きです。

    8
    投稿日: 2022.06.09
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    明るく爽やかな推理小説❗️陰鬱で凄惨な北欧ミステリー好きの私にとっては、あまり読むこともない、気楽に読めるミステリーでした。

    4
    投稿日: 2022.06.02
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    未解決の殺人事件を自由研究にするというかなりくった題材のチョイスが面白い。 結局わかりませんでした〜みたいなオチになりそうなのに、次第に明らかになっていく被害者や隣人の闇。 大長編なので間伸びしますが、合間合間でレポート調にまとめてくれるので考えが整理できます。 捜査方法がSNSやショートメールを利用したりとそこもティーンっぽい。 主人公のピップが真っ直ぐで明るいので応援したくなります。 ラストも爽やかな締めでまさしく青春小説という感じでした。

    0
    投稿日: 2022.05.28
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    主人公の女子高校生が勇敢でフェアであることを貫き通すところが清々しかった。 イギリスの文化や価値観が織り込まれていて新鮮だったし、生徒が謎を紐解いていく自由さは海外文学ならではの発想だと感じる。 登場人物が多く関係が複雑なうえに英語名、さらにページ数がボリューミーなので手に取るハードルが高いかもしれない。 原題では翻訳版で載せられなかったものがあるらしいので、原題にもあたってみたい。また本著者の次回作にも期待したい。

    0
    投稿日: 2022.05.22
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    女子生徒失踪事件で容疑をかけられた彼女のボーイフレンドは事件後死亡する。彼の死亡により事件の裁判は行われず起訴されることはなかったが彼の身体から彼女の血痕発見されたこと、死亡後彼が送信したとされる自白メール、友人によるアリバイ崩し(?)など物的証拠や周囲の人たちからの証言により彼は殺人者として街の人に認められるようになる。5年の年月がたち女子高校生のピップは学校の研究テーマにこの事件を取り上げる。 事件の真相をピップとともに迫る楽しさや、ピップもつユーモア、ティーンエイジャーを取り巻く環境がよく作中に表れている。

    0
    投稿日: 2022.05.20
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    最近、ことミステリに関しては、翻訳モノの方が楽しめる気がする。そんな思いを新たにさせられた本作。ただし、個人的には”いわゆる古典や、それに準ずるもの以外”という条件は付くんだけど。この流れからは当然、本作もかなり楽しめたのです。タイトルも秀逸だし、自由研究の体裁を少なからず取り入れた内容もお見事。色んな方向へと主人公の論考が及ぶさまを、上手い具合に追体験できる結構も楽しい。今年刊行が予定される続編も気になる。

    0
    投稿日: 2022.05.20
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    「自由研究」というと日本人的には小学生を想像してしまいますが、本作の主人公は車も運転できる女子高生。なんだろう、海外ではこういう制度があるんですね。受験にあたって論文というか研究みたいなものをすることで評価だか加点だかがある、と。なんにせよ、5年前に起きた失踪事件をその題材にして真相を探る・・というお話。 面白かったんですが、いろんな意味でちょっとでき過ぎなところもあるし(結構あっさりと有力な証言とか証拠がすぐに見つかる)、「それは無茶だろう」という証拠集めもしてるのでハラハラしました。違法な方法で入手した証拠は証拠として認められないとかそういうのなかったでしたっけ?いや警察に再捜査させるためのものだからそこのところはいいのかな?国によっても違うのかもしれないし。。。

    1
    投稿日: 2022.05.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    高校生のピップは自由研究で、自分の住む町で起きた17歳の少女・アンディの失踪事件を調べている。犯人とされている少年・サルと親しかったピップは彼の無実を信じていた。 ピップの行動力には脱帽だが、猪突猛進にはついていけず、ハラハラし通し。登場人物が多くてごちゃごちゃしたが、枝葉を取り払えば、王道のミステリ。 それにしても、自由研究を進めながら、高校の課題をこなし、大学受験にもチャレンジしている(関連しているとはいえ)とは、なんと優秀でタフな子だろう。

    12
    投稿日: 2022.05.09
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    こういう世界観好きだから好みでした。 独特な言い回しとか好きだし家族関係とか良好でほのぼの要素もあり。 そして読みやすい。 事件については犯人が早々に分かってしまうけど(気をつけて!ピッパ!と何度も言いたくなる)でもその後の展開には驚いたので完全には見抜けてはなかったな、と。

    11
    投稿日: 2022.05.09
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    自由研究の題材として、表面上は解決しているけど本当は未解決な事件を調べる、というテーマが中々面白かったです。 一番最後の展開は結構ツッコミどころ満載なのですが、「こいつが怪しい!」という登場人物が何人もでてきて、且つ、最後の最後までみんな怪しさを保つので、推測しがいがありました! イギリスの高校生の日常や裏側についても描かれているのですが、日本の高校生と大して変わらないんだなという発見もあって(所謂ヒエラルキーとか。あとみんながみんなお酒もホームパーティーも好きじゃないよ、という話)、新鮮でした。 ページ数が多いので、手に取るのを嫌煙してしまうかもですが、テンポがいいので読み始めると比較的さくっと読めます!

    0
    投稿日: 2022.05.07
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    ふつうの女子高生が事件を調べるという展開が新鮮だったし、メッセージや日記など見せ方にも工夫があり、読みながら一緒に推理できるのがフェアでよかった。ピップとラヴィのやり取りは時にユーモアがあって可愛かった!!

    0
    投稿日: 2022.05.05
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    とても面白かった。 推理小説の定番、最も犯人らしくない人が犯人というのは当たっていたが、最後まで、本当に誰なんだろうと、思わせる設定があったのは楽しめた。 現代人のIT環境を駆使して、違和感なくストーリーが進んでいく。 次作が楽しみなので、早く翻訳出版してください

    2
    投稿日: 2022.05.03
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    「電車男」のような書き方は私あまり好みでなくて…最初と最後と真ん中だけ読みました。。。。 というのも終始、主人公目線かつ口語的表現で、主人公ティーンエージャー(イギリス人)…人によると思うけど少なくとも私は内容が入ってこない。無駄に長いと感じてしまった。内容もモースかな…どっかで見た感じ…。ハッとするものはなかった。

    2
    投稿日: 2022.04.30
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    素晴らしかった。解説にあった「風通しの良さ」という表現がぴったり。目線も登場人物も大半が学生だけど、児童文学というよりも、しっかりプロットが組まれたミステリーとして、きちんと成立している。主人公の好感度も高く、大人が読むとすごく励まされる作品だと思った。「文学じゃないし幼稚」と言う感じのレビューを見かけたが、完全にお門違い。コンセプトをきちんと理解して読むべき。続編もあるらしく、邦訳が待ちきれない

    0
    投稿日: 2022.04.27
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    TwinPeaksを思わせる小さい町で消えた美少女の謎。 探偵でも捜査官でもない素人の学生の自由研究の一環としての捜査は特殊な能力ではない、現れた時日だけで真実に辿り着く可能性と、SNSの記録としての価値は面白い。 一気に読み通した佳作

    0
    投稿日: 2022.04.23
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    面白かった!少し謎やら疑問やらは残っているけれど、続編があるてーことなので翻訳を期待しています。もうあるのかな。 海外作品を読むことが少ないのだけれど、海外の勉強にもなるし、今後は読んでいこうと思えた作品でした。

    0
    投稿日: 2022.04.20
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    移動の合間にちまちま読んだから読了に時間かかったけど、ミステリーだけどコメディぽい雰囲気なとこもあって気軽に読めたし、ミステリーとしての展開のワクワクもあってとても面白かった。

    0
    投稿日: 2022.04.18
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    レビューはこちら↓ http://blog.livedoor.jp/bunkoya/archives/52598911.html

    0
    投稿日: 2022.04.14
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    ハイスクールに通うピップという女子高生が主人公。ピップ頑張れっ!て、思わず応援したくなる本でした。とあるサイトを見てめちゃくちゃ面白そうな感想(こんな感想が書きたいっ!)だったので、これは読まなきゃということで購入。軽快な文章で読みやすく、グイグイと物語に入っていけます。学校の自由研究の題材に、街で発生した未解決の事件を調べることにしたピップ。。高校生のくせに、これが地味にすっごく優秀な捜査をするのです。うまく友達をたらし込んでハッキングをしたり。そしてピップの自由研究のレポートが合間あいまに入り、これが事件の整理として分かりやすくていいアクセントになっていてすごく良かった。このミステリーで、ピップの大ファンになってしまいました。

    0
    投稿日: 2022.04.10
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    関係者への取材や調査で集められていく資料がある推理に行き着いた終盤、物語が真実に向かって加速していく。主人公はじめ登場キャラクター像がとてもいい。舞台となる田舎町の闇はまるでローラパーマー殺人事件のようで、続編、続続編が待ち遠しい。

    0
    投稿日: 2022.04.08
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    自由研究で、五年前に起こった失踪事件を調べることにした女子高生のピップ。事件は犯人と目された少年の自殺によって終わったかに思えていたが、彼が犯人とは思えないピップは関係者たちに次々インタビューを重ね、真相に迫ろうとする。爽やかな青春ミステリの要素がありつつも、サスペンス感と苦さにも満ち溢れたミステリです。 地道なインタビューにより少しずつ手掛かりが集まり、事件の真相が見えてくるかも、というところにはわくわくさせられますが。一方でピップの身近な人物に容疑が浮上したり、そしてピップ自身に危機が迫りつつあるところにははらはらさせられました。もちろん犯人が焦っているということは真相に近づいているということでもあるけれど。現実問題として正体の分からない犯人に立ち向かうすべも持たないんですよね、彼女は……。そして親しい人物が犯人だったらどうするのか、という苦悩。あくまでもミステリをミステリとして楽しめるのは、他人事か絵空事かなのだよなあ、と思えてしまいました。実際真相が明かされて、一抹の苦さも残りましたし。 でもそれを上回って、ピップと相棒であるラヴィのキャラクターが素敵なのです。賢くて元気で、そして思いやりもあるし。読んでいてとても楽しい気分になれる一冊でした。

    0
    投稿日: 2022.04.07
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    少し長かったけど、最後まで読めて面白いと思った。主人公の女子高生のピップ、凄く芯が強く正義感があり、最後までやり遂げる強い精神力、頭が下がる。途中この主人公が女子高生というのを忘れてしまうぐらい事件の真相を暴いていく。でもそこから離れると、やっぱり普通の女子高生なんだ、と実感する。そのギャップが凄く楽しかったから最後まで読めたと思う。

    0
    投稿日: 2022.04.04
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    高校生の自由研究の視点から、殺人事件を見るとこうなるよと、色々と可能性を見せてくれた作品でした。 ちょくちょく無理のある状況等はありましたが、トリックどうこうではなく、"自由研究"のテーマと、それに伴う友情や愛情を読む作品かなと思います。 私は家族愛の描き方が大好きでした。

    0
    投稿日: 2022.04.04
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    他の本を読んでいる途中に気分を変えたくてこれを読み始めたら止まらなくなりました。これがデビュー作?すごいです。ストーリーも面白かったけど、何より主人公のピッパが共感しやすくて良かったです。偏見がなくて、一生懸命で、勉強もちゃんとやるところがまたいいですね。犬のところでは泣けちゃいましたが…。 余談ですが、アングリーバードをやってんじゃないというような箇所があり、懐かしくなってゲームをやり始めてしまいました。馬鹿だなー。

    0
    投稿日: 2022.03.28
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    傑作。処女長編で大傑作が出ることはままあるが、本書もその好例。 本国では推薦児童書ともなっているらしいが、主人公が高校生(3年生?最終学年)であるだけで、筋や構成も複雑によく練られているし、登場人物(特に主人公)も魅力的。 大人たちの助けを全く借りずに(むしろ妨害を避けながら)独力で過去の冤罪事件の真相に迫る。 中盤以降は展開が早く一気読みとなる。 真犯人が暴かれたあとのダメ押しは海外ミステリーにはよくある展開だが、一粒で2度美味しい感が味わえる。

    0
    投稿日: 2022.03.23
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    とても面白かった。こういうミステリーが成立するのかという感じ。今時は警察でなくても、高校生でも捜査ができるのだ。もちろん小さなコミュニティ内での事だが、この作品のクォリティはかなり高い。ミステリーとしても、ちょっとした青春ものとしても面白い。こういう作品では主人公の人物造形がポイントか。

    0
    投稿日: 2022.03.21
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     ヤングアダルトを読むことになるとは思わなかったけれど、これだけ話題となっていれば、60代の読者であれ、半年遅れであれ、読んでみなければ気が済まないという気にもなるのだ。  ミステリーには変化球がいろいろあると思うけれど、これはタイトルから類推できる通り、斬新なアイディア。自由研究というと夏休みの小学生を思い浮かべるが、この物語の主人公であるピップ(ピッパ)はグラマースクールの最上級生とされている。ネットで検索しても、「グラマースクールの最上級生」という年齢がよくわからないのだが、18歳くらいのイメージで読んでいた。登場人物欄を見ると17歳という記述がありました。最初から見ておけよ、ですよね(汗)  この本を開くまでは、主人公はピップという名前の男子と思っていたのだが、実はピップは、本名ピッパの愛称で女子だった。しかも変な名前である。ピッパ・フィッツ=アモービ。義父がナイジェリア人、弟は母と義父の間に生まれたハーフだから、何だか複雑な家庭である。  彼女が大学進学に向けての自由研究課題として選んだのが5年前にわが町で起きたミステリアスな事件の再調査。17歳の少女が失踪し、彼女を殺害したとされた容疑者の少年が森の中で自殺したとして解決を見たとされているが、どうにも疑わしい。容疑者の少年が人種的マイノリティであることと、ピップが人種混合の家族育ちであることが、表現されてはいないが作品のある面でのモチーフになっていることは比較的想像しやすい。  なおかつ、事件の捜査(というよりインタビューに近いかな?)ドラッグや売春に関わる町の闇の仕事に携わる怪しい人物たちが捜査線上(?)に浮上するにつれ、謎と真実への追求の道筋は複雑さを増してゆく。  主として物語は少女の脳内独白で綴られてゆくのだが、挿入されている様々な小道具が新鮮かつ楽しい。それは、自由研究の自分向けの覚書、インタビュー記録などの文章であったり、時には自作事件地図であったり、人物相関図であったり、さらにはFacebookの投稿履歴やメールのやり取り画面(スマホやパソコンの画面と思われるもの)であったり、と賑やかかつ個性的。  変化にとんだ調査の末、自分自身も危険な領域に踏み込みながら、見た目通りではない人々や家々の真相に近づいてゆくピップの脳内アクションと、行動としてのアクションが綴られてゆくので、長い作品でありながらとても新鮮な読書感覚である。普通のミステリー小説にも料理できたかもしれない題材を、目線を変えてヤングアダルト向きにデコレーションしたことで、どんなにか小説の奥行きが得られただろうか?  平和な街に起こった5年前の殺人が埋没させた人種、性差別、ドラッグなどのいつも変わらぬ問題を、発掘して衆目に曝してしまうピップ、そして自殺した容疑者とされた兄サル・シンの無実を信じてピップと行動を共にするラヴィ・シンの何だか頼もしくハートウォーミングな存在が、物語の残忍性や人間の暗い部分を打倒してくれそうな展開に、読者は心躍らせるだろう。  読書的に新しい感覚世界を与えてくれた本作は、続編があり三部作となるようである。何とも楽しみな新鮮さをもたらしてくれた傑作。人気の高さもむべなるかな、といった読後感でした。

    6
    投稿日: 2022.03.20
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    主人公によって引き込まれていく。行動にハラハラしながらも、早く一緒になって真相を掘りたくてたまらなかった。丸ごと一冊ページを余すことなく面白い。どろっとしてるけどどこか清々しい最高のミステリ。次作が早く読みたい。

    1
    投稿日: 2022.03.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    凄く面白かった。分厚いけれど、ほぼ一気に読んだ。 女子高生のピップが5年前に自分が住んでいる町で起きた女子高生の失踪事件を調べ直していくお話。 ピップはこの調査を自由研究の課題にしており、事件の関係者の何人かはまだ町に住んでいる。 失踪した女子高生アンディは捜索されたが遺体すら見つからず、アンディのボーイフレンド サリル(愛称サル)は自分がやったというメッセージを家族に残して自殺した。以前サルがピップをイジメから救ってもらったことがきっかけでピップはサルを知っており、サルは殺人なんて犯したりしない、という気持ちを持っている。本当にサルがアンディを殺したのか、という疑念を解消するためにピップは調査を進める。サルがアンディを殺したということが既成事実になっている町リトル・キルトンでピップはサルの弟、ラヴィに接触する… 本当に面白かった。ピップは勇気があって、物事をいろんな面から見る女の子。こんな自分になりたい、という気持ちを体現している気がする。ちょっと無鉄砲だけれど、きちんと安全対策も忘れない。 ラヴィとのパートナーシップも見ていて爽やかな気持ちになる。 対してアンディは綺麗で人気がある女の子だけれど、裏ではドラッグの売買に手を染めており、ライバル視した女の子のトップレス動画を流したりしていた。サルにも気づかれずに。 このアンディの人物像は昔のアメリカのドラマ「ツインピークス」を思い出させる。あれは死体から始まるけれど。 ピップの愛犬バーニーが死に、家族やラヴィに危害が及ぶのを恐れてラヴィに「調査をやめる」と告げて、けんか別れになった後、ラヴィがピップの真意に気づき、ピップの家に行ってピップと話すシーンがとても好き。 人にはいろんな闇があり、「けれども、ピップはあらゆることに光をあてるのは無理だと悟り、受け入れた」の部分。凄く現実感がある。もちろん、女子高生が5年前の事件を解決する、のは荒唐無稽なお話だけれど、いろいろな人がいろいろなこと、いいことも悪いことも、考えて、暮らしており、それをすべて明らかにすることは出来ない、ということは現実だ。 女の子の飲み物に薬を入れてレイプする、という話、あれは現実にはなかったらいいのに、と思うけれど、現実にもある話なんだよな、それこそ日本でさえも。 しかしこんなこと抱えながら、ケンブリッジ大学を受験するって、可能なのか? イギリスはやはり犯罪者の家族に厳しいんだな、ということも感じた。社会的制裁がある、ということはきいたことがあるけれど。 また門限が凄く遅いのが驚き。高校生が車でいろいろどこかに行けることも。文化の違いが感じられる。

    6
    投稿日: 2022.03.17
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    英国の小さな田舎町リトル・キルトン。グラマースクールに通うピッパ(ピップ・フィッツ=アモービ)は、ケンブリッジ大学受験を控え、自由研究に取り組み始める。テーマは、あろうことか、5年前にこの町で実際に起きた女子学生アンディ・ベルの失踪事件。彼女の遺体は見つかっていないが、アンディのボーイフレンドであるサル・シンが殺害を告白して自殺したことから、町の人たちの間では殺人事件とされている。でも、ピッパは確信していた。あのサルが、殺人なんてするはずがない! サルの弟ラヴィをバディに、関係者への聞き取り調査を開始すると、平凡な田舎町リトル・キルトンの暗部が少しずつ明らかになっていく。そしてピッパのもとへは、真犯人からの脅迫状が…。 女子学生の失踪というとヒラリー・ウォーの『失踪当時の服装は』や、モース警部シリーズの『キドリントンから消えた娘』がすぐに浮かぶが、本作はそれら過去の名作よりもずっと軽やかで読みやすい(モースは最高だけど)。それというのも、主人公のピッパが明るく、前向きな女の子だからだろう。 また「〜には向かない」という日本語タイトルからは、女探偵ものとしては先輩格の『女には向かない職業』が連想される。訳者の服部さんもこのタイトルが少しは念頭にあったのでは。だがピッパは、確かに犯罪実録のポッドキャストを好んで聴く変わり者ではあるが、探偵志願というわけではない。警察顔負けの行動力で捜査を進めていく、その彼女の情報源はFacebookなどのSNSで、Googleを駆使して調べ物をするあたりは現代の女学生だ。 そもそも本作はヤングアダルトとして書かれ、優れた児童文学に贈られるカーネギー賞の候補にもなっている。少なからずドラッグやセックスに関する記述がある本書が候補になるのだから、英国の児童文学は間口が広い。日本なら、これは児童文学にはならないだろう。 しかし、ヤングアダルトと侮るなかれ、本書は多民族社会イギリスの課題も見え隠れする。ラヴィの一家はインド系であり、ゆえに不当な差別を受けていると彼は感じている。ピッパの家族も複雑だ。愛すべき義父のヴィクターはナイジェリア人で、ピッパと弟は肌の色が違っている。好奇の目で見られることも一度や二度の話ではない。しかし、だからこそ、ピッパは偏見という色眼鏡でサルやラヴィを見ることなく、捜査に邁進するのである。 本書には楽しい趣向がいくつも施されている。SNSのやり取り、日記のコピーなどが捜査資料として挟まれているのもその一つ。何はとまれ、絶対に読んで損はない。この魅力的な作品を多くの方に読んでもらいたい。間違いなくハマるはず。 作者のホリー・ジャクソンは1992年生まれの若い書き手。ピッパのシリーズは3部作とか。まだあと2作は楽しめるわけだ。乞う続刊!

    21
    投稿日: 2022.03.14
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    ケンブリッジ大学への進学を控えている女子高生のピップが自由研究として地元で起こった殺人事件を再考察する。スマホやSNSなどを活用して殺人事件の謎を解くのが今風で意外と斬新だった。ピップは関係者へのインタビューや当時の資料の洗い直しなど地道な捜査を進めるが、時にはスパイのような活動もするし、脅迫のような危険な目にもあう。それでもへこたれないピップの姿が清々しい。ピップの思考は作業記録として作品中でも整理して残され、読者は探偵の推理をそのまま味わえる。それが臨場感につながる。分厚い本だが、一気に読める。

    0
    投稿日: 2022.03.14
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    導入部から少しずつ全体が視えてくる中盤くらいまでは一気に読み進んでいたが終盤に息切れ。何となくオチが見えて来て予想通りだったせいか。 Facebookの画面などを挿絵のように織り込みリアリティがあって面白いが、まだ回収しきれていない伏線が幾つかあると思う。次回作の為なのか、もう少しスッキリしたかった。

    0
    投稿日: 2022.03.03
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    ピップの行動力、物怖じのしなさ、そして公平であろうとする態度が、とても素敵な作品。小さなコミュニティで暮らす人々の息苦しさも全然感じないし、ピップの自由研究が進んでいくごとに明らかになる真実、それに基づいてどんどん変化していく推測に、共に真実を追い求めているような気持ちになって、とても楽しかった。

    0
    投稿日: 2022.03.03
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    なんて瑞々しいミステリーだろう。主人公のピッパは高校の自由研究で五年前の殺人事件を取り上げ、事件の犯人とされる弟のラヴィと共に調べ始める。ピッパは明るく聡明で公平で思いやりもあるが、頑固なところもあり、こうと決めたら引かないところも好感が持てる。真実に向けて突き進む姿が、危なっかしくてハラハラしどうしで、グイグイ読ませる。警察が無能すぎるのが気になるところでもあるが、面白かった。

    0
    投稿日: 2022.02.27
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    良かった!主人公のピップがとにかくいい!フラットに物事を見て頭が良くて行動力もすごくて最高。相棒のラヴィもいいし。ラストのスピーチでおばちゃんは泣いたよ……若さが眩しい。二十年前に読んだらまた違う感想かも。

    0
    投稿日: 2022.02.23
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    面白かったです!主人公の大胆な行動に、やめとけやめとけと、ハラハラしながら読み進めることができました。スマホやSNSもツールとして使われていて、今風のミステリーです。

    1
    投稿日: 2022.02.19
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    海外小説が得意ではない方や、普段あまりミステリー系を読まない方には翻訳が優秀で読みやすい作品。 主人公の女子学生ピップが数年前に起きた殺人事件を自由研究の題材として調査していき、次第に真実が解き明かされていく物語。 ミステリーとしての謎とき要素がそれ程緻密ではなく、調査パートが多いわりには結末がわりとシンプルな印象。 驚く展開は特にないが、彼女の真っ直ぐで公平性な性格と明るさ、周りの家族や調査の相棒であるラヴィの何気ない暖かさややり取りが殺人ミステリーものにありがちな重苦しさをなくしてくれている。 重厚なミステリーを期待している方には向かない。 海外では続編が既に刊行されているので、さらなる飛躍に期待できる新鋭の作家さん。

    0
    投稿日: 2022.02.19
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    翻訳物ミステリー、登場人物の名前が覚えられない…という点を除けばドキドキしながら面白く読み進められたミステリーでした。主人公の女子高生が知り合いのお兄ちゃん(既に死亡)は殺人犯でないのではないかと、イギリスのとある町で起こった五年前の事件を探り始めるお話。捜査に使う技は身の回りのもの。フェイスブックの履歴捜査やなりすましラインなどとても身近で、そこも良かった。一番良かったのは主人公の平等で正しい勇気を持ち、賢い在り方。続編も邦訳されることを望みます。

    1
    投稿日: 2022.02.18
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    かつての恩人の汚名を雪ぐために、自由研究の題材として、女子高生が殺人事件の調査を行うストーリー 当時の捜査資料にアクセスできないという制約のなか、地道に関係者へのインタビューを重ねて、一歩づつ真実に近づいていく

    0
    投稿日: 2022.02.17
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    圧倒的★5 自由研究の課題が殺人事件?! 面白い、爽やか、大冒険が楽しい! 極上エンタメ本格ミステリー 超絶、面白いです! 本格ミステリー好きは今すぐ読め、後悔はさせない(断言) 自身が住む街で発生した過去の失踪、殺人事件を、自由研究という名目で再調査に奔走する本格ミステリー。取材、SNS調査から潜入捜査まで、素人の高校生ができる最大限のフィールドワークで、なんの変哲もない田舎町の闇を少しずつ解明していく。 世界観は推理ものアドベンチャーゲームみたいで、夢中になって読んでしまいました。 現代風なアイテムやツールを使っての調査描写も目新しく、小道具の使い方がうまい。友人やファミリーとの掛け合いも小気味よく、超さわやか。海外映画で見る、あの感じです。ストーリーも丸ごと見事で、ハラハラドキドキする展開はそのままドラマにできると思います。 そして、なにより主人公の描写が素晴らしい! 少女の頑なな思いとともに、少しずつ捜査と推理が進んでいきます。 調査が進むにつれ事件にのめりこんいってしまい、人の暗黒面や人間関係も垣間見ることにりますが、そんな軋轢の中、奮起を出し戦っていく成長過程がスゴイ。 海外ミステリーでなかなかの分厚さですが、とっても読みやすいのであっという間に読破できます。続編もあるようで超期待しております。出版社、翻訳者の方、早めにお願いしたいっ

    46
    投稿日: 2022.02.16
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     ドラマや映画に邦画でやってみても面白いだろうなと思いながら読んでいました。  ボーイミーツガールの要素も合って楽しい作品でした。  翻訳の作品ですが読みやすい。

    11
    投稿日: 2022.02.11
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    本当に面白かったです。 ページを捲る手が止まらなかったし、読んでいる内容が自分の身に起きていると錯覚してしまうほどゾワゾワさせられました。

    2
    投稿日: 2022.02.11
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    普段、海外の小説はカタカナの名前が苦手でほぼ読まない(というか読めない)のだが、この小説はそんな私でも楽しみながら読めた! 登場人物もたくさん出てきて、みんな怪しく思えてくるのだが まずシンプルな「犯人探し」でわかりやすくていい。 ふしぶしに海外特有の言い回し?アメリカンジョーク?みたいなのがちょっと馴染めないけど 全体的にテンポも良く、最後まで楽しんで読めたかな。 大どんでんかえし!まではいかないけど、この登場人物の多さなのに飽きさせずに読ませるのはなかなか。 でも、めちゃくちゃ面白かった!おススメ!まではいかないかなぁ… シンプルに楽しめるミステリ作品だとは思う。

    1
    投稿日: 2022.02.04
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    「自由研究には向かない殺人」タイトルの斬新さと表紙の雰囲気で選んだ作品。翻訳がとても良く読みやすかった。解説の言葉を借りる通り、風通しの良い爽やかさがあり、面白い。そんな、失踪ミステリー!!

    2
    投稿日: 2022.02.04
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    1人の少女の失踪事件。 その犯人と思われる少年の自殺。 事件は終わったと思われたが、この事件を掘り進めるにつれてどんどん出てくる怪しい人物。一体誰が嘘をついて、何が真実なのか。先が気になり読む手が止まらない。

    0
    投稿日: 2022.02.01
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    夏休みの自由研究として、5年前に自分が住む町で起きた少女失踪事件を調べることにした高校生の話。 これはおもしろかった!主人公が少しずつ真相に近づいていくのにハラハラする。 ジャーナリスト志望の主人公には誰か「忠告」が出たら進んじゃいけないことを教えてあげてほしい。これをあっさり破るから別の視点で心臓に悪かった。

    0
    投稿日: 2022.02.01
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    イギリスのロンドン郊外の小さな町が舞台で、日本でいうと女子高校生の受験や友達関係、交友関係などを織り交ぜたミステリー。人種差別や田舎町の閉塞感もありながら、とにかく向こう見ずで明るい主人公のおかげてはらはらするが重い気持ちにはならない。青春ノベルっぽくて読みやすい。

    0
    投稿日: 2022.01.31
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    私の知識と読解力の無さを痛感しました。 大変面白かったのですが、国や文化の違いで、主人公の背景や現状を理解出来ませんでした。あと海外の作品はやっぱり名前が覚えられなくて、確認しながら読み進めるのがストレスになってしまい、物語に集中するのが大変でした。 もう一度ゆっくり読みます。

    1
    投稿日: 2022.01.30
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    英米での大ベストセラー作品 主人公のインタビューで少しずつ真実が明らかとなっていく過程がとても面白く、疑惑の人が沢山現れてきて、犯人特定の醍醐味を味わいました 原書と翻訳を交互に読んで自分の読解力を確認しながら読み進めたけど、最後は結論が気になって原書の一気読みで終わりました

    0
    投稿日: 2022.01.27
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    閉塞したコミュニティの中で発生する事件を調べていくうちに様々な人間の裏の顔、身近な人の闇まで掘り起こされる…というのはミステリーあるあるかと思いますが、 確かに題材の割に重苦しくなく、なんなら青春小説ぽく読めてしまうのは、ひとえに主人公の女子高生ピップやその周囲の人間のキャラクターのおかげ。ラヴィも、ピップの家族もチャーミング。 しかしながらやっぱり実際起こってることはなかなかの腐敗具合。機能不全家庭、いじめ、レイプ、ドラッグ、それ以外にもなかなかハード。ピップの日記のラフな感じも高校生らしいし、友人たちとの会話もジョークの応酬ばっかりなのでヤング向け小説ぽく読めるんですが、その割に改めて考えると闇深すすぎな話やな……って感じでした。 まあ、とはいえ、翻訳された文体はライトだし、捜査手法もSNSストーキングだったり現代的で、普段小説読まない人も読みやすいはず。 この街の人たちは報道された情報のみで、いわば伝え聞いた情報で、見知らぬ誰かを審判している。その人がいかに誠実で、善人であろうと、そんな事実を彼らは知ることなく、どこかで歪んだわずかな情報を元にして、こいつは美しく愛らしい女子高生を死に追いやった悪魔だと思う。 あーこれって、現代の誰しもがやってしまってることだよな……と。私自身も改めて反省させられる話でした。 身近な存在、友人や家族のように思える人だって本当は知らない顔があって、なんでも包み隠さず話してくれるわけじゃなし、 いわんや見知らぬ他人をや。 でも私たちは知った気になってしまう。良きにつけ悪しきにつけ、勝手に憶測で物語を補完して。 なんてことを考えながら、読み終えました。 こんなライトでカジュアルな作りにしてあるのに、テーマも材料もリアルで重いのよ。 ミステリーとしての終い方は、想定内の意外性(?)という感じで、割に無難なんですけどね。 腐敗したコミュニティの闇と、まっすぐに諦めることなく突き進む若者の冒険譚が背中合わせに進んでいく、面白いミステリーでした!

    1
    投稿日: 2022.01.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読みやすくてとても面白かったんだけど、絶賛できるかと言われると悩む。ピップは好感度の高いヒロインなのだけど、青春小説らしく無謀で危険な行動ばかりするし(こればかりは青春小説の大前提だから仕方ない)、最後に危険な状況になって助け出されるあたりも既視感しかない。でもそういう王道青春冒険小説を書きたいから書いた!みたいな振り切れてる感じで押し切られた。 人が死んで謎を解く話は自分の中で安易にミステリに分類してしまうのだけど、狭義のミステリでの謎解きはないので物足りない。もっと冒険小説であることを意識して読むべきだった。 あと飼い犬が死ぬなんて聞いてない。別にバーニー死ななくても良くない!? 地の文が一人称的な三人称で、これが多分読みやすさに繋がってるんだと思うけど、二次創作みたいでちょっと笑ってしまった。慣れ親しんだ視点操作すぎる。

    2
    投稿日: 2022.01.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    第三部は一気読みでした。 各所にスリルがあって、こちらも推理する材料をたくさん与えられ、面白い小説だった。 ピップ。頑張ったね。 ラヴィがどんどんかっこよく感じるのも、このお話の醍醐味かも。

    0
    投稿日: 2022.01.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    17歳の少女が,かって自分のヒーローだった少年の汚名を晴らす,新ヒロイン誕生のミステリー. 5年前の少女の殺人犯として自殺したサルの無実を信じるピッパは学校の課題「自由研究」を口実に調査を開始する.まるで課題をこなしているような記述の仕方が独特のテンポを醸し出し,殺されたアンディの実像が分かってくるごとに容疑者が増えていく.そして届く脅迫状.そして驚きの結末.ピッパの頭脳の冴えに乾杯である. 2作目もあるとのこと,楽しみだ.

    0
    投稿日: 2022.01.22
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    帯に惹かれて。 真面目な女子高生の自由研究、という形で調査されていく過去の事件で、色々浮き彫りになっていく人々の差別意識や思い込みが非常にリアルで面白かった。それにしてもピップ、度胸すごいな。もしかしたら犯人かもしれない人に、丸腰で真正面から体当たりして、報復とか考えなかったんだろうか。考えなかったんだろうなぁ。その辺りもアメリカが舞台の作品では無いなぁと思いました。アメリカだったら主人公側も、質問される側も両方銃を所持してそうだし、そもそもこんなに踏み込む前に殺されてそうだよな… 個人的には骨の髄まで怖がってるくせに、犯人に一人で対峙しようとする姿勢が「えええ?」って感じ。特に最後。個人的にはアリエナイな。警察が頼りにならないという気持ちはわかるけど、だったら親とかだれか頼れる大人に相談できないんだろうか…と思いました。それとも自分なら大丈夫、という驕りなんだろうか。若いってスゴイ。 亡くなった人を悪く言うものじゃないとこの場合は持ち上げ過ぎていたと思うけれども、日本は反対の事もあったからなぁ。こんな女性だから殺されたんだ、こんな事をしていたから事件に巻き込まれたんだ、みたいな報道があったし。被害者に人権は無いのか、と遺族が言ったそうだけど本当になぁ。加害者の方は未成年だとか、報道に制限が入ることもあるんだけれども。報道やそれを受け取る一般市民もきちんと自分で考えることが必要だよな、と改めて思いました。 イギリスで有色人問題というとインド系なんだなぁとぼんやり思いました。植民地支配も長かったですしね。

    0
    投稿日: 2022.01.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    タイトルを見た時から絶対おもしろいと惹かれていて、Amazonから届くと予想以上に分厚くでびっくり。 主人公の住んでいる街で過去に美少女の失踪事件が起きその犯人は主人公の知人の少年とされていたが、主人公は冤罪と確信していて高校の自由研究を隠れ蓑に再調査をしていく。女子高校生が過去の事件を警察みたいに捜査できるの?と思いきやむしろ意外な視点から謎解きが展開されていくのがおもしろかった。刑事や探偵でも無い高校生の女の子がどうやって過去の事件の結末を覆す証拠を掴んでいくのかが見どころ。

    1
    投稿日: 2022.01.20
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    一気に読めました! 手に取ったときは、以外と分厚くてボリュームがあるなと思ったけど、その分読後の満足感が感じられます。 主人公が事件に関わったであろう色んな人物にインタビューしながら、思考を巡らせて事件の真相を探る様子は、読み進める手が止まりませんでした。 海外文学好きにはもちろん、二転三転するストーリー展開なので、ミステリーが好きな方には是非主人公と一緒に推理しながら読んでほしい一冊です。

    2
    投稿日: 2022.01.19
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    面白かった。。 翻訳本だから読みづらいかな〜と思ったけど、 ジョークとかも上手く訳してて面白かった。 登場人物の名前がカタカナだし、どいつとどいつが家族だっけ?とかも良くわからなくなったけど、 人物説明あるからそこ見ればまあ大丈夫。 謎を解いていく過程が丁寧だし、結末も納得できる! あと自由研究っていう題材が、他にはなくてよかった。

    2
    投稿日: 2022.01.15
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    どんどん引き込まれていって、 どんでん返しが多すぎて、 一気読み必至で。 前向きなピッパの行動とラヴィとの友情、 勇敢な行動、夢中になる一冊!

    1
    投稿日: 2022.01.08
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    CL 2022.1.6-2022.1.10 主人公のピップは、頭が良くて行動力があって人を思いやる気持ちも強い。ちょっとできすぎな気もするけど、面白かった。ただ、犯人のひとりは悲しかった。 ラストは暖かくてよかった。

    0
    投稿日: 2022.01.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    飽きずに読み進められる面白さはありましたが、ヤングアダルト向けだからか、主人公がやることはだいたいなんだかんだ上手くいくし、危ないことをしても間一髪助かったり敵(?)の詰めの甘さのため一大事にならなかったりで、展開のぬるさが少し気になりました。期待しすぎたか、そもそもミステリー好きじゃないか、個人的にあまり好きではなかったです。

    0
    投稿日: 2022.01.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    翻訳本とは思えないくらい話に引き込まれた。新幹線で乗り物酔いを我慢しながら読み続けるくらいに。 登場人物も多く、ディテールも多い中、論理的に少しずつ明らかになっていく真相。 でもそれまでサルの家族に嫌がらせをしていた人たちは、きっと手のひら返すんだろうなと思うと、現実でもフィクションの中でも大衆は残酷だと感じた。

    1
    投稿日: 2022.01.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    女子高生のピップは高校の自由研究の題材を地元で起きた少女失踪事件にすることに、容疑者はピップの親しかった少年で失踪した少女の恋人!自由研究を口実に関係者にインタビューをしながら事件の真相を追うピップ!少年の無実を証明できるのか??真犯人は??って感じの青春ミステリー作品。 海外の作品は本のそでに書いてる登場人物紹介がかなりマストで必要やわ!この作品も出てくる人が多すぎて覚えられへんかって一瞬へっ??誰?ってなってかなりありがたしやった 地元で起きた殺人事件を自由研究のテーマにする女子高生って時点で面白いやん!って思ったけど一応自由研究やから途中レポート風の作業記録も書かれていたりして読みやすいし面白かった 全然本筋とは関係ないけど途中のセリフの「ありがと、ありがとベリーマッチ」ってthank you thank you very muchをありがとベリーマッチって訳して若者感を出してるんかなぁ〜って海外作品は和訳する人のセンスも楽しめるんやなぁ〜って思った

    6
    投稿日: 2022.01.01
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    おもしろかった!話の展開が気になって、読むことをなかなか止められなかった。主人公の事件を解決する方法が新鮮でおもしろかった。そして、主人公の事件に対する向き合い方が素敵だった。

    1
    投稿日: 2021.12.31
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    読んでいて、何となく懐かしさを感じ、何故かなと思っていたんだけれど、文体というかノリが、中高生の時分に読んでいた、『トラベリング・パンツ』とか『プリンセス・ダイアリー』のシリーズに似ているんだ。ティーンエイジャーの女の子の日常。 そこに殺人事件が絡んでくるから、もちろんもっとこちらの方が物騒ではあるんだけど、感覚としてはあの頃夢中になって(多分あこがれつつ)読んでいた物語に近い。 主人公ピップ(ピッパ)の人物造形が素晴らしく、誰もが好きになって応援したくなる女の子で、頭の良さと正義感も申し分ない。学校の「自由研究」で過去の殺人事件を調査する、というのは少し突飛といえばそうだろうか。 親友の女の子たち、自由研究のパートナー、両親や弟、学校の仲間たち……ピッパの夏の大冒険(にしては悲劇と危険が多すぎるが)、今どきのSNSやメッセージアプリというツールを上手く使いつつ最先端の少女探偵が見出す真実。 ピッパはとても良いジャーナリストになるだろう。 続編も刊行されるようなのでとても楽しみ。

    2
    投稿日: 2021.12.27
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    17歳の高校生ピップは自由研究の題材を5年前の少女失踪事件とし、過去の事件に取り組む。少女を殺したのはピップの知人の少年サルで彼は自殺したことになっていた。自由研究として関係者に当たり、警察も見逃した違和感に気づき、パソコンやスマホを駆使して推理し…。ピップがやっていることは驚くほど無鉄砲で強引なのに、本当に一生懸命で普通の17歳の姿も見えて好感が持てる。相棒となる少年はもちろん、友人や家族の描かれ方も印象的。ヤングアダルト向けということだが、きちんと練られたミステリだと思う。ラストも好みで面白かった。

    0
    投稿日: 2021.12.23
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    ある意味現代的なミステリー 自由研究、ドラッグ、SNSなどが出てくるのが今回のティーンエイジャーの事件にマッチしてる

    1
    投稿日: 2021.12.21
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    海外翻訳小説を読むのは初めてで読み終えるのにかなり時間がかかってしまったが、読み応えがありとても面白かった ピップの公平に物事を見る力、家族友達を思いやる心、どんなことにも立ち向かっていく勇気、とても良かった。とてもピップのことが好きになった。

    8
    投稿日: 2021.12.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自由研究で過去にあった失踪事件に迫る話。自由研究のレベルじゃないって笑 重くなりがちな事件背景だけど、魅力的な主人公と相棒のおかげでさっぱりとした読後感。読みやすかった。 シリーズ化されているとのことで、次巻が楽しみ。 (なんとなく主人公の雰囲気が、チャイナタウンのリディアと被ったけど。。。)

    3
    投稿日: 2021.12.19
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    「わたしはピッパ・フィッツ=アモービ。 学校でEPQ(自由研究で得られる資格)に取り組んでいて、、、わたしのプロジェクトのインタビューに応じてもらえないかなと思って、、、、5年前に起きた出来事について、、、、わたし、あなたのお兄さんがやったと思っていないから。それを証明しようと思うの。」 イギリスのリトル・キルトンという小さな街で、5年前にティーン・エージャーが事件に巻き込まれた。 被害者はアンディ・ベルという17歳の少女。彼女が忽然と姿を消したのだ。犯人として疑われたのは彼女のボーイフレンドだったサル・シン。サルは容疑を否定していたが、ある日、自分が悪かったという遺書を残して、森の中で窒息自殺してしまった。そして、アンディの死体は見つからないまま、サルが犯人だったという事で決着した、、、ように見えた。 5年後にサルの弟のラヴィ・シンに対して、ピッパがこの事件の真犯人探しを自由研究の課題として取り上げると宣言するまでは。 物語はピッパが自由研究としてまとめるための作業記録レポートなどを交えながら進む。犯人当てを競うタイプではなく、ピッパの自由研究が進むに連れてクルクルと変わる容疑者リストと、ピッパが調査を進めるためにアイデアを絞って仕掛ける調査手法、そしてキャラクターの明るい雰囲気で読者を惹きつける。

    3
    投稿日: 2021.12.18
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    本格的な推理小説は今回が初めてでした。 正直最初は読むのが辛くなるくらい登場人物が覚えられなかった。 しかし、最後の怒涛の展開で一気に心を持ってかれました。少し辻褄合わせ的な所もありましたが、第3章以降は寝る間も惜しんで読み耽りました。

    2
    投稿日: 2021.12.16
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     2021年の話題作だから、と考えなしに購入したが、触れる機会の少ない海外文庫であることと本の分厚さに、読み始めるまでに時間を掛けてしまった。  日本語とは違う、訳文特有のものがあった。 言い回しや会話の中で登場するジョークにはピンと来ないものもあったが、全体を通して、一読でスッと理解できた。  登場人物は多くない。 人物相関図は頭の中でしっかりと描けるが、調べるうちに一人ひとりの意外な一面が明らかになっていくため、物語が進んでも誰も容疑者から外れてくれない。 それが読み進める原動力となり、最後まで推理を楽しめた。

    1
    投稿日: 2021.12.16
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    話題作。 自由研究の作業記録やFacebookのコメント、相関図が織り込まれていて面白かった。快活でひたむきな主人公が良い。 解説も超良い。続編は来年翻訳刊行が決定してるとの事なので楽しみ。いろんな人が推すのも納得。

    1
    投稿日: 2021.12.14
  • 2021年の"このミス"と"文春"で2位は納得も...

    読後の印象を良くしているのは、主人公の高校生ピップを取り巻く家族の存在が大きい。 明るく仲が良く、誰かの試練の時には皆で寄り添い励ましあう。 とりわけ義理の父親ジョシュアは、体もデカければ声もデカい、繊細さゼロの陽気なナイジェリア人なんだけど、随所に見せる優しさがたまらない。 白い肌との対比にとまどう周囲をよそに、何のわだかまりもなく人と接することのできるビップが、今回の事件の渦中の人となったインド系のシン家族に手を差し伸べるのも、ほんと違和感がない。 邦題もうまいし、時折挟まれる図や写真などの仕掛けも斬新だ。 未成年が探偵役になる作品はあまたあるが、自由研究(EPQ)にかこつけてというのは例がなく面白い。ただ、ちょっと残念に思ったのは次の3点。 1)事件に取り組む動機がイマイチわかりづらい。小さい頃優しかったサルが犯人だなんて信じられないという直感だけで、関係者にドンドン突撃して聞き取りして、研究の枠を外れてのめり込む様が不自然。 2)ちょっと信じられないくらいのスーパー高校生で、危険な捜査の傍ら、同時にケンブリッジ大学の受験もそつなくこなし、最後の最後である人物との明暗の付き方が酷いくらい広がり、同情を覚えた。 3)ミステリーを読み慣れた読者なら、ある段階からあからさまに呈示された手がかりからではなく、慎重に張られた伏線から、犯人の目星を付けることはできるが、大団円を迎えて改めて事件の構図を振り返ってみると、あれ?と思う所や、詰め込めるだけ詰め込んでわざと複雑にしている所など、ちょっと釈然としない印象も残った。

    0
    投稿日: 2021.12.12
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    自由研究で過去の殺人事件の真相を探る青春ミステリ。登場人物誰もが怪しく見え先が読めない展開に夢中に。主人公の探究心と行動力も気持ち良い。作業記録やマップ、iPhoneなど最新ガジェット、映画ネタなども登場するのも面白かった。 各ミステリー誌の今年のランキング系の評判通り個人的にも『ヨルガオ殺人事件』(アンソニー・ホロヴィッツ著)と並んで今年の海外ミステリーNo.1候補です。この2作本当に甲乙付け難いです。

    1
    投稿日: 2021.12.07
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    ミステリとしては荒削りだったり、予定調和に見えたところもあるけど、主人公のピップとサヴィがとても魅力的でグイグイ物語に引き込まれた。 シリーズがまだ2作あるらしいのでそちらも読んでみたい。

    1
    投稿日: 2021.12.05
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    分厚くて読み進めるのが大変と思いきや、一気読みでした。今っぽい軽妙な語り口で読みやすく、ぐいぐい引き込まれた感じ。次回作も楽しみ♪

    2
    投稿日: 2021.12.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ネタバレ:何も後ろ暗いところのない者が、そうではない者に陥れられることになっていたというところが切ない。 あと、ワンコがっていうところも。

    0
    投稿日: 2021.11.27
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    南山大学図書館 所蔵なし 愛知東邦大学図書館 所蔵あり イギリスの小さな町に住むピップは、大学受験の勉強と並行して自由研究で得られる資格に取り組んでいた。題材は5年前の少女失踪事件である。交際相手の少年が遺体で発見され、警察は彼が少女を殺害して自殺したと発表した。少年と親交があったピップは彼の無実を証明するため、自由研究を隠れ蓑に真相を探っていくミステリー作品。

    0
    投稿日: 2021.11.25
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    小説を読む時は、時代をきちんと考えて読む必要があるということを実感いたしましたw ピップよ、ハラハラさせすぎです。 もう、親のような気持ちで心配しまくりながら読み進めました(/ω\) 本当にあなたが無事でなによりです。 素敵な家族と友人にも感謝。 そして王子様だね ラヴィ(´ω`*) 久々の一気読みでした。 続きが早く読みたーい。

    1
    投稿日: 2021.11.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    探偵役が調べれば調べるほどどんどん容疑者が増えていくこのスタイルは新しいかも。それともクリスティーとかがすでにやっているのかな? 解説にもあるように、主人公ピップのキャラ設定がこの物語の魅力度を上げていると思う。ピップ視点の文章と作業記録という形式をうまく配置してあるがゆえに、飽きずに読み進めてしまう。それ以外のイレギュラーな書式もいいアクセントになっている。スマホやSNSの利用とか、話している内容とか、まさに今の時代の物語で、今現在イギリスで起きてもおかしくないような事件に思えてくる(イギリスに対しての勝手な想像だけれど)。なぜか最初の段階で、舞台はアメリカだとばかり思っていて、しばらく後に「ロンドン」という地名が出てきたときには混乱してしまった。もう少し早い段階で、どこだか分かる描写があったら、引っかかりを感じずに済んだかも。

    1
    投稿日: 2021.11.21
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    これがデビュー作とは驚き! 高校生の少女が5年前の少女失踪事件の真相を探るミステリー。主人公の純粋で、まっすぐな性格がとても魅力的。ネットを駆使して疑わしい人物たちの関係性を暴いていく所は、まさしく今っぽく、非常に面白かった。 ラヴィとのその後が気になる所なので続編の日本での発売を待ちたい。またNetflixあたりでドラマ化にうってつけの作品だと思うので、そちらの方も期待。

    2
    投稿日: 2021.11.19
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    話題のイギリスYA作品。評判通り大変面白かった。キャラクター設定が大変よく、ローカルな事件であることがリアリティを増している。続編の翻訳も楽しみ。

    3
    投稿日: 2021.11.16
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    女子高生が自由研究で地元で謎のままとされている女子高生失踪事件を探ることになるミステリなのですが、語り手であるこの女子高生・ピップの軽やかさがとても好ましく、彼女の前向きさ、力強さに引っ張られるようにこのなかなかなボリュームの物語も楽しく読むことができました。 彼女自身の出自も単純なものでなく、いわれない差別を受けたこともあるという立場で、タッグを組むのは犯人扱いされて自殺したとみられる人物の弟。そんな一癖あるコンビが、ネットやSNSツールを柔軟に活用して真実へ差し迫っていくさまは、そのテクニックすらが旧弊な大人たちや社会へ一撃を与えている効果もあるせいか、題材には実は陰鬱な部分を含みつつも、全体的にはとてもさわやかな印象にまとまっています。 作中では確かに頭脳の回転が早く描かれているピップですが、ただ賢いキャラとしてだけではなく、この年頃ならではの友人や家族へへの想いなどが行動へ影響し逡巡や惑いをもたらしてもいて、そういう面も含めてリアリティある魅力的な人物に仕上がっていて、とても素敵なキャラクタでした。 彼女のシリーズは三部作予定とのことで、これからのウイットに富んだ台詞回しとはつらつとした彼女の活躍を楽しみに待ちたいと思います。

    6
    投稿日: 2021.11.14
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    夢中で読んだ、最高に面白かった。。 すごく読みやすくて主人公ピップの感情がダイレクトに伝わってきて、ピップと共にあれこれ推理をしながら読んだ。 緻密な構成、最後は点と点が線となり、そういうことか、、と。 今年読んだ本の中でおすすめ1位タイ。

    1
    投稿日: 2021.11.07
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     楽しく読み終えたのだが、さて、この本の素晴らしをどう伝えたら良いのだろう。「爽やか」で今現在等身大JKが謎解きする物語。ダメだそんな感想書くくらいなら書かないほうが良いに決まってる。是非お読みください。ああもう(ーー;)。

    2
    投稿日: 2021.11.06
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    イギリスの高校生が自分の住む町で起きた不可解な殺人事件の解明を夏休みの課題として取り組む、と言う、主人公ピップの明るさと賢さが救いのミステリー。SNSやメールを駆使しながらも自ら事件を再現して捜査?しているのがリアルでハラハラさせられる。 単なるミステリーに終わらず、根底に地域や家庭内でのあらゆる差別、男女や民族はもとより兄弟姉妹にも横たわる無意識の圧力への強い怒りが流れている。シリーズ作品らしいので早く読みたいと思った。

    5
    投稿日: 2021.11.01
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    ヒップ、すごく好きな主人公だ それにしても、めちゃくちゃ読みやすい翻訳本だった あー、楽しかったぁ

    1
    投稿日: 2021.11.01
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    女子高生が自由研究に5年前の事件を選び、それをIT社会のツールを駆使しながら解決しようとするところが新しいかも。 肝心の終盤に解決に向かうところが、ちょっとバタバタとして練り上げ不足のところが感じられるのが惜しいかな。 アフリカからの黒人奴隷の人権とかは、アメリカよりもずっと早くに対処したイギリスでも、根深い人種差別があることを描いていることが印象に残る。 しかし、こんなに長い推理小説がヤング・アダルト部門とは恐れ入った。 なお、服部京子さんの翻訳は読みやすいものの、ところどころで若者口調を意識しすぎたか、映画字幕でいうオス・メスの区別がつきにくく、一瞬戸惑って読み直すところがあった。

    0
    投稿日: 2021.10.31
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    読みながらジュブナイル小説かなと思ったらあとがきでカーネギー賞候補だったと知って納得。学生が学校の課題を通して過去の殺人事件の真相を調べる。その過程でネットやIT機能を駆使しているのがいかにも現代的。原著ではFBなどの画面もそのまま使われているということだが翻訳では一部なのが残念。行方不明となっているアンディの容貌や二面性、そして町の人々が抱える秘密は『ツイン・ピークス』を思い出させた。アンディはほぼローラ。作品に英国らしさをあまり感じず、米国のような印象を受けたのはそのためか。『ツイン・ピークス』ではFBI捜査官のクーパーは小型カセットテープレコーダーに吹き込んでいたけど、ピッパはUSBやPC機能を駆使しているのが21世紀生まれのデジタルネイティヴらしい。シン殺害犯は見当はつくけど、その身勝手さとやり口は反吐が出る。ピッパな聡明でまっすぐな性格がこの物語を明るくしている。ケンブリッジ受験準備と並行してこの調査をするってところが凄い。

    0
    投稿日: 2021.10.28
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    原題は“A Good Girl's Guide to Murder”。30年以上前のベストセラー『女には向かない職業』を知っている人なら、この邦題に食いつきませんか。私も釣られた一人です。 自由研究といえば夏休みの宿題と思っていましたが、違うんですね。大学入学のためにも必要な自由研究でテーマは本当に自由。しかしだからと言って、解決済みの殺人事件を高校生が取り上げ、自殺した犯人とされる少年の無実を証明するだなんて、無謀ですよね。無謀と思われることにも挑むのが小説か。 字が小さい創元推理文庫で580頁の大迫力。主人公の女子高生ピップと、彼女の調査を手伝う容疑者の弟ラヴィ、共に良い子で賢すぎる。良い子すぎて、読んでいると若干疲れるきらいはありますが、真相を解明することだけに走らず、解明することによって友人やその家族がどうなるか考えているところがいい。 日本で翻案映画化しても面白いかもしれません。浜辺美波とかどうですか。それだと“屍人荘”になっちゃうか。でも剣崎さんよりはピップのほうが普通だと思う(笑)。

    1
    投稿日: 2021.10.13
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    東京創元社の文庫はとにかくびっしり細かい字が詰まっている印象で、毎度それなりに読み終わるまでに時間がかかるんだけど、これは本当に一気読みだった。自由研究という形を取ってるからなのかな?レポートと実際の出来事の描写とが交互に書かれるので読みやすい上に、解説にもあるように失踪事件を扱いながらも重苦しくない。 ずっとピッパを応援しながら読んでた。ヴィクター最高だな。

    2
    投稿日: 2021.10.09
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    高校生のピップは自由研究(EPQ)の題材に、5年前、地元の高校生女子が失踪してしまうが、犯人と疑われた少年は死体となって発見された失踪事件を取り組むことにする。表向きの研究はこの失踪事件とメディアの在り方だが、ピップは少年の無実を証明すると決心し、行動を開始。主人公のピップはなかなかの行動派でパソコンとスマホを駆使して真実に近づいていく。捜査が進み危険度も増していく。家に忍び込むし、ドラッグの密売人と会うし、そこまでするのはさすがにどうかな感じるものの、YA小説として楽しく読めました。

    4
    投稿日: 2021.10.08
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    高校生のピップが自由研究を名目に、5年前の失踪事件を調べるミステリ。 インタビューやデジタルメディアを駆使して事件の様相を紐解く過程はどこか身近。ピップとバディのラヴィの真っ直ぐな心が気持ち良い一作。 ここで言う自由研究は、小学生が夏休みにやる自由研究とは違うものだけど、ヤングアダルトを連想させるにはぴったりのチョイス。良い邦題。

    0
    投稿日: 2021.10.07
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    ああ、読み終わってしまった。 読んでいる間ほんとうに楽しかった。 あんまり得意でない海外翻訳小説。文庫本で600ページ弱という分厚さ。文字のサイズもほかより小さい印象。カタカナの人物の多さ。 最初は読みきれるかなぁ…と不安だったけれど全くの杞憂だった。 気づけば主人公のピップと一緒になって事件の真相を探った。 ピップと同じ気持ちで、容疑者を洗い出し、あいつではないか、それともこいつか、いや、あの人物も怪しい…と推理した。 楽しかった。気づけば物語の世界にどっぷり浸かって、展開が気になってついついページをめくった。最後の最後まで物語の世界に没頭した。引っ張られた。 ピップが前向きで明るくて好印象。 友達のために、真実のために、正義のために、脅迫にも負けずにひたむきに真相に迫るのが気持ちよかった。 そしてラヴィ。彼女の味方であり続けてくれてありがとう。 原題は「A Good Girl’s Guide To Murder」。 友達や知人が関係している事件。 無邪気な響きの「自由研究」の題材にするにはあまりにも複雑で、危険で、多くの人生を変えてしまうものだった。

    29
    投稿日: 2021.10.06
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    ――  まるで見当違いに聞こえても、  これは、ひとりの少女が世界を背負う物語だと読みます。  EPQを自由研究と訳しているのも、YA狙いとしては良いと思います。なんとなく日本語で自由研究って云うとぼくの夏休み感が出て、もう少し若い年代のお話かと思ってたのだけれど、それで敬遠してるひとは是非読んでみてください。ハイティーンで、しっかり青春で、そして骨太。  探偵の全能感や、その危うさも上手に描かれていて、それが上手く、ティーンエイジャーの万能感や挫折とリンクしている。青春が冒険ミステリであることを教えてくれる。  ピッパが真相へのガイドを止められないのと同じように、先行きが危うくても読み進めることをやめられない。  イングランドというよりアメリカ風に感じたホームコメディ的なパートも、あんまり脂っぽくなくて好み。そしてこういう家で育った娘がこういう眼をもてている、というのも素敵だと思いました。  ストーリィの見せ方であるとかは少し熟しきってない部分があるかもな、と思ったけれど、補って余りある筆勢や物語の力を感じました。  シリーズになるようなので今後も期待! ☆3.7です。

    1
    投稿日: 2021.10.05
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    とてもテンポ良く読みやすい作品でした。 主人公の行動にヒヤヒヤしながら読みました。 続きが出るなら読みたいです。

    1
    投稿日: 2021.10.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    高校の自由研究で主人公のピップ自らのヒーローである人物が起こしたと思われる5年前の殺人事件について調べることにした。この作品では人種差別、加害者家族に対する誹謗中傷、薬物、レイプなどの重い題材を扱っているものの、ピップのまじめなひたむきさや人に対する偽りのない感情がこの物語を読みやすく、そして考えさせてくれる作品だった。ピップの視点から物事を見ることによって彼女視点で楽しみながら一緒に推理をするという楽しい時間を過ごすことができた。続編も来年刊行されるみたいなので楽しみ!

    1
    投稿日: 2021.10.02