
総合評価
(631件)| 354 | ||
| 185 | ||
| 58 | ||
| 10 | ||
| 5 |
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
8/8 まだ読んでる途中だけど、良い、良過ぎるよ。 櫂が売れてきて、浮気もし、金遣いも荒くなり、暁海から別れを切り出すところ。 その場面の気まずい雰囲気とか、暁海の情緒(浮気してることなんかとっくに知ってる、シュシュとかわざとつけてみちゃう、理解のある女を演じてみる、何にもなれない自分に本当は一番イライラしている)が苦しくて苦しくて、 なんでこんなに繊細に、鮮明に書けるんだろう。素晴らし過ぎる。 暁海に「私といるの退屈?」なんて言わせないでよ。。。。時間がある限り読んでいたい。 8/10 読み終わりました。 この↑感想書いた後、櫂のターンが来て、 うわああああ、こちらはこちらで暁海のこと大好きなんじゃん、なんだようもうこんなすれ違いって、、どうにかしてくれよおおお と、またもや感情が乱れ、281ページの「なあ、暁海」で私は泣いていた。 とにかく第三章つらいな、、 たまに映画化がチラつくんだけど、これ横浜流星と広瀬すず、めちゃくちゃ頑張ってください、、、!!! あとどちらの母親もクソすぎ。櫂の母親は分かりやすくダメ親で金渡せばいんでしょ、はいはい。となるけども、 暁海の母親はめんどくさい系で。。そりゃ元々は夫の浮気が原因だからなんとも非難しにくいけど、暁海の憧れ具合が母<瞳子さんとなっているところからしてなんっかなあ。「櫂と一緒に東京に行ける未来」というのを壊した人っていうイメージで私はものすごく嫌いなのかもな。 やっとやっと、再会できたのが余命あとわずかの時って!ああもう!このままなにもないままお別れよりはずっと良かったんだけどさあ、、遠回りすぎたよ、、、、 来世では、出会って別れるまでずっと2人でいれますように、と願っちゃうくらいのめり込みました。
5投稿日: 2025.08.08
powered by ブクログ度々出てくる「夕星」という言葉は、 「どんな人生であれ、どこかに微かな光がある」という希望の象徴だと思う。 そうであるといいな。 自分の足で立ちながら、自分の心に従って物事を選ぶことを大切にしたい。
2投稿日: 2025.08.08
powered by ブクログ話題の作品。文庫化してくれたのを機に読了。 重厚感がすごい。読み終わった後ずっしりきた。 どうしようもないけど親だから、という理由で縁を切り離せない櫂と暁海の諦観(特に櫂)が辛い。 そして地方での女性の扱われ方も印象的。 ただいろいろ要素が詰め込まれすぎているなとは思った。
2投稿日: 2025.08.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
紀伊國屋特装版を読みました。 登場人物が全員傲慢。 コミュニケーションエラーからのすれ違い、 「相手ならこう思ってくれるだろう」という浅はかな思い過ごしが多すぎる。 島という閉鎖空間で両親からの必要な愛情や支援を受けられなかったという特殊な環境下で育ち、コミュニケーションの取り方が上手くないと推察してもあまりにも酷い。 共依存の関係性が多く、どちらにも共感できず自業自得としか思えない展開で同情もできない。 病気をキッカケにして2人の縁が繋がっていく展開は携帯小説っぽくてモヤモヤ… あからさまに「良い話」に纏めようとしたかったんだろうな、というのが透けて見えて興醒めしてしまった。 紀伊國屋特装版では、 青埜櫂が亡くなってから小説でヒットすることが示唆されているけれど 読者が手のひらを返したかのように、彼を再評価したのだろうなということが想像できてなんとも居心地が悪い。 彼の相方のスキャンダルで散々遊び、飽き、相方を病気にし命を奪ったというのに、それすらも美談にするのか。 悲しいけれど、良い話だよね! という評価をしたくないと強く思った作品だった。
3投稿日: 2025.08.07
powered by ブクログ物語に引き込まれ、胸が苦しくなるほど心に響きました。 なんでこんなふうにすれ違っちゃうんだろう 切なくてもどかしい。 何よりも、親がもたらす家庭環境や、狭い世間の価値観に縛りつけられ自由になれないのが本当につらい。 人のことをとやかく言ったり、よく知らないのに決めつけて噂したり、自分たちの価値観で善悪を判断したり、そういう人たちがとても嫌でした。 自分たちが正しい、相手がおかしい、 そう思う不寛容さが世の中の生きづらさや差別をうんでしまうのだろうな。
14投稿日: 2025.08.07
powered by ブクログ意外にも、初めましての作家さん。 ずっと読みたくて、なかなかタイミング合わず、、文庫発売で購入。 評価高くて期待していたけど、それ以上に良かったぁぁ。隙間時間にも読みたくて、でも読み終えるのが勿体無く感じる、あぁこれこれ。最後は集中して読了。 2人の焦ったさや、もどかしさ、とっくに切れてるはずの関係も、こうやってまた手繰り寄せて。 「手ぶらで生まれる子供と、両手に荷物ぶらさげて生まれる子供がいる」P224 親ガチャなる言葉をよく聞くけど、まさにそれ。でも結局は、その親を捨てられるか背負っていくのか本人次第。 「生きることは、なんて恐ろしいことだろう」P336 他人からの目をいっさい遮断して生きられる人なんてごくわずか。でも、一緒に生きようと思ってくれる人がいると、ネガティブな気持ちはオブラートに包まれる。 「過去は変えられないと言うけれど、未来によって上書きすることはできる。」P411 その時は絶望でも、意味は必ずある。逆に上書きされることもある。。 人間関係なんて、赤の他人に理解されなくても良い、でもそこまで強くも無い。自分を理解してくれる人が1人でもいることが幸せだけど、その幸せを感じたところで最悪の道を選ぶこともあるのか。尚人の場面、シャワーの音。小さく悲鳴あげてしまった。 こんな作品に出会えるから、読書はやめられない。これはもう、「星を編む」読むしかない。
80投稿日: 2025.08.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初め読みはじめた時は、一般的な恋愛小説に近いのかなという印象だった。けれど読み進めていくうちに主人公2人の人生が遠のいていく様子が描かれていた。遠距離だからこそ、それぞれの視点で書かれていることで、自分の内側を見せない2人に距離ができていくのが、それぞれの気持ちを知りながら読み進める読者にとっては歯痒く、むしろ現実味を帯びていた。そして最後まで読み進めると、小タイトルの付け方がとても上手いと感じさせてくれる。4章はそれまでの1〜3章があったからこそ夕凪と言えるストーリーであり、最後は少し笑っちゃうくらいの勢いで読み進めることができた。
3投稿日: 2025.08.06
powered by ブクログすごく良かったです。 暁海と櫂のそれぞれの想いや葛藤、成長が丁寧に描かれていて時折胸が苦しくなりながらも、ふたりの未来が知りたくて、先へ先へと貪欲な読み進めていきました。 何が正解で何が正しいのかはっきりとは言えないけれど、登場人物の誰もが自分が出来る自分の愛し方をしていたなぁと感じました。 かなりのボリュームだったのに、一気に読めました。物語にのめり込めました。 読みやすかったです。 映画も楽しみです!(読みながら主演のお二人が思い浮かべられるほどハマり役なのでは??と感じました) それにしても、愛と呪いと祈りは似ている、と言う言葉は強烈でした。
3投稿日: 2025.08.06
powered by ブクログどんどん内容が重くなって1人では抱えきれない感情になって、でも読み進めたい気持ちが大きくて私にしては早く読み終えた。 中盤、自分の現状と重ねてしまい私生活に支障が出るほどのめり込んだ。 また読むのは勇気がいるけど、何度も読み返したくなるフレーズがたくさんあった。 何にも諦めず夢を叶えた暁海に背中を押されたきがする。 私の人生本だと思える一冊。すごく良かった。 映画も楽しみ!
2投稿日: 2025.08.06
powered by ブクログ切ないけど読んだ後、ちゃんとスッキリする。読み進める手が止まらない。 暁海にも櫂いずれにも共感できることも多かった。誰でも一度は感じたことのある感情が散りばめられていた。読了後は大切な人に優しく接したくなります。色々書くとネタバレしそうなので、、とにかく、読んでもらいたい作品です。
3投稿日: 2025.08.06
powered by ブクログあ〜青春は素晴らしい。尾崎豊の歌のようなふたり。狭い世間の島で繰り広げられる甘くも切なくそして悲しい物語でした。最後のエピローグの最後で…そう来ますよね。恐れ入りました。お見事です。吸い込まれるように読み切ってしまいました。
1投稿日: 2025.08.06
powered by ブクログ読むのを止めることなんて出来なくて、夜更かしして一気読み。経験はないはずなのに、痛くて胸がぎゅっとなる。唸りたくなったり、涙がでたり、祈ったり、心に残りすぎる読書体験。こんな物語が読めるなら、もう充分幸せ、と思えるほどよかった。
2投稿日: 2025.08.06
powered by ブクログ読んでいて苦しかった。苦しいけれど、ページをめくる手が止まらない。そして読了後は寂しいけれど素敵な話だった。 感想はたくさんあるけど、世間に振り回されて自分を見失うことはしたくないなと思った。どうしても人の目を気にしてしまう自分。そして自分も無責任に他人を評価してはいけないと思った。難しいけどね。
12投稿日: 2025.08.06
powered by ブクログ重荷になる親を切ることも出来ず、諦めて、耐えて、自分の弱さに苦しむ2人はもどかしかった けど、星と花火と刺繍、とても綺麗だった。
1投稿日: 2025.08.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ずっとずっと胸が苦しかった 半分くらいから涙が止まらなくなって、あとは一瞬。 暁海、櫂 重なり合う学生時代。すれ違っていく未来。いいことが1つあると悪いことが2つ起こる。なんなんだこの世界はと悲観的に思う。 自分で選ぶという自由。親に縛られる不自由。親を支えるという選択だって自分で選んでいる。でも、でも、、、どうしたって不自由なんだ 自由・不自由が大きなテーマで、サブテーマは他人からどう見られるかという点かなと感じた 暁海や、島の人たちはその小さなコミュニティでの噂話に翻弄され、上京した櫂や尚人はSNSでよくわからない声からぶっ叩かれる。なんでこうも、世の中の声にならない声は大きいのだろう。私たちがなぜ自由に生きてはいけないのだろう。 誰もが持つしがらみ・生きづらさを最大限に大きくした小説だった。 その中でも、瞳子さん、北原先生は他人の目を気にせずに自分の意思思考で行動する人。島の人たちから見ると非常識な行動でも、暁海と櫂にとっては救われる存在であってキーパーソン いろんなテーマがふんだんに含まれていたが、ごちゃ混ぜにもなっていない。最後のページまで涙は止まらず、感情を揺さぶられる、良い作品だった。
3投稿日: 2025.08.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
登場人物の生立ちがいちいちややこしく、そのせいで世の中と上手く折り合えない物語は、嫌な気持ちになります。 他人の不幸が楽しめる人向きでしょうか。 私は、大事な人が若くして死んでしまう物語が嫌いです。
0投稿日: 2025.08.05
powered by ブクログ飛行機の中で読もうと買ったはいいのですが… 既視感……前に読んだことあった笑 完全にタイトルを忘れてました。 感想を書いてなかったので、とりあえず再読します。
7投稿日: 2025.08.05
powered by ブクログヤングケアラーは辛いよな…親がマトモに親をやってくれることを有難いと思わずにはいられなんだ。北原先生という素敵な大人がいて二人とも良かったなぁ… この本、図書館の予約で3年待ったよ。長すぎて予約してたことすら忘れてました。
18投稿日: 2025.08.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
待ちかねた文庫本が出たのでやっと読了 島での櫂と暁海の関係は素敵だった でも取り巻く環境の変化でどんどん心のすれ違いが生まれて、気づいたらそれは慢性的で深刻で、取り返しがつかないところまで行ってしまったのがとてもリアルだった 櫂の身勝手さに結構イラついたな。暁海が何も気づいてないと侮っているところとか、平気で裏切っているけど傷つけたと気づかず都合よく会おうとするところとか。 ヤングケアラーにさほど同情できなかったのは、私が幸運にも荷物を背負っていない側の人間だからだろうか この物語に対して、切ないとかはあまり思わなかった それは自業自得やんね〜みたいなところ結構あったし 自分の考えてることがどんなに拙い言葉になってしまったとしても、伝える努力をすることが良好な関係を築き維持していくために必須なんだと実感できる本だった 瞳子さんと北原先生、結ちゃんは好きだった
3投稿日: 2025.08.05
powered by ブクログ諦めて。受け入れて。覚悟して。 暁海と櫂の人生は穏やかな瀬戸内の波のようにはいかず。微妙に違うパズルのピースがはまらないようなもどかしさに感情を揺さぶられる。 心の葛藤がとても繊細に描かれており、終始心にささるフレーズが溢れてました。 読んでよかったし、たくさんの人に読んで欲しい。
17投稿日: 2025.08.05
powered by ブクログ展開が気になり1日で読了した一方、登場人物たちの、恋愛価値観が理解できなかった。 でも、理解ができないのは自分の経験の浅さなんだろうなあとも思った。 東京生まれ東京育ち、精神的にも身体的にも健康な両親、正社員として働いて自分一人で暮らせる稼ぎがあること。 自分には見えていない地獄が存在すること、それを分かろうとすること。 自分の感想を、みんな理解できない!最低!で済ますのは勿体無いかも。
1投稿日: 2025.08.05
powered by ブクログ瀬戸内のある島。男女の17歳から32歳までの物語。 櫂、暁海、それぞれの母、瞳子さん、北原先生、結ちゃん。 ヤングケアラー、LGBTQ、島と都会、夢を追うこと、愛すること、生きること。 もちろん恋愛小説なんだけど、現代社会のいろいろなテーマが織り混ざった物語。 こんなに会わなくても想い合う関係性って素敵だなぁ。プロローグとエピローグの構成も練られていて良かった。そして何より北原先生のスピンオフが気になりすぎる。
2投稿日: 2025.08.05
powered by ブクログ久しぶりにスマホそっちのけで読めた本。頁を捲る手が止まらない体験も久しぶり。 凪良ゆうさんの小説はなんだかんだで読んだのは今回が初めて。映画版 流浪の月が凄く良かったから、原作小説も読みたい。 大好きな横浜流星くんがこの小説を読んで絶対映画化してほしいと藤井道人監督に直談判してついに映画化という流れもたまらない。 続編も早く読みたい!
2投稿日: 2025.08.04
powered by ブクログようやく読めた。この作品には、人のどうしようもない弱さと強さ、そして強い繋がりが描かれている。『業と縁』だ。櫂と暁美の一途な想いが貴い。仏のような北原先生もナイスな存在だ。映画版なら井浦新さんかな。p438に安堵と感涙。
1投稿日: 2025.08.04
powered by ブクログとても切なくも美しい物語だった 暁美の成長を感じつつ孤独になっていくさまは読んでいてつらかった 続編も文庫化されてら真っ先に読みたい
7投稿日: 2025.08.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
話題の本が文庫本化されてたので読んでみた。 久しぶりにこんなに止まらなく読みたくなった本だった。 「わたしは愛する男のために人生を誤りたい」 この言葉きっかけで読んでみた本。 今の私はそのまでの覚悟を持っていないと気付かされたと同時にそこまで愛することを羨ましいとも思った。 その背景にある、ヤングケアラー、ジェンダー、地方格差、社会問題とともに描かれる2人の人生は到底想像できるものではない。 2人の母親にも苛立ちを覚えたが、実際にこういう思いの子供もいるのだろう。親は子を選べないし子も親を選べない。けど、やはり1人の人間として自分を自分たらしめることができる力は必要だと思った。 それでも読み終わった後はなんだかすっと落ちてきて、違和感なくハッピーエンドとは言えないのに嫌な気持ちにならない、不思議な気持ち。続編も読んでみたいし映画も気になる。
2投稿日: 2025.08.04
powered by ブクログ他の本を読んだあとは感想が波のように湧き出てきて思ったことをすらすら文字にできるのに、凪良ゆうさんの本は流浪の月もそうだけれど 読んだ後すーっと、すとん、と胸に落ちてくるような気がする 浜に打ち上がった波が静かに引いていくような気がする 櫂は強くなりすぎた。母を切り捨てられなかった櫂はどこまでも優しくて、瞳子さんが言うようにその優しさは同時に櫂の弱さでもあった。 暁海のことを大事に思うが故に本音をぶつけられない。 この本は視点を登場人物ごとに描いている。同じ出来事でも同じ発言でも与える人受け取る人によって感じ方は違う。その言葉の奥にある思いが伝わらないもどかしさ、相手の受け止め方まで考えられないことがある。思っていないような捉え方をされることがある。 強い人になりたいと心から願うけれど 全てにおいて本当に強い人、強くいられる人はいないんじゃないかって北原先生も言ってたしそう思う。 強い弱いの基準はは明確ではないし人それぞれだけど、私は凛とした強さのある人が好きだ。芯があって中途半端な態度を取らない人。いい意味で自分中心であれる人。(他人に左右されない部分を持ってるってこと。)他人に縋らずに生きていける人。他人に依存しない幸せを見つけられる人。 他人に振り回されない強さを持ちたいと思う反面、一緒に生きていきたいと思う人ができた時、その人と離れて一人で生きていきたいとは思えないだろう。 頑固と芯があることはどこに線引きがあるんだろう。
2投稿日: 2025.08.04
powered by ブクログ今年初めて凪良ゆうさんの小説を読み、新たな推し作家を見つけたと喜んでいた最中、ちょうど文庫化すると知り、待ち望んでいた作品。 暁海と櫂、お互いがお互いを想い合っているのに、どんどんすれ違う様に、歯がゆい気持ちになった。 けれど、傷つき、傷つけられ、たくさんの人に出会い、遠回りしたからこそ、最後には自分の人生を自分で決めることができた2人の姿を見て、読者の背中を押してくれるような読後感をくれる素晴らしい作品でした。 『星を編む』も必ず読みます。 また、映画化も決まってるとのことで、『流浪の月』と同じ主演の2人による作品が観られること、とても楽しみです。
21投稿日: 2025.08.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
お互いに両親の都合で心に孤独と欠落を抱えた二人の物語 生きることの自由さと不自由さを描き、ただ、その中にもそれを説いてくれる大人である北原先生がいたのが二人にとって幸運だったと思う。 プロローグは、全く意味不明だったけど、全く同じことを描いていたエピローグは全然違う印象を抱くとても良い作品だった。
11投稿日: 2025.08.03
powered by ブクログ続編の『星を編む』まで読むと登場人物に対する見え方が変わるので、ぜひ星を編むとセットで読んでみてください。 本作は、凪良ゆうさんの綺麗な文章とストーリー展開もさることながら、恋愛・家族・友人・夢・仕事…と色んな題材が描かれているので、色んな人に刺さると思います。 この本では『矜持』というワードがよくでてくる。 主人公の暁海の矜持は何で、折れてしまうシーンも注目してみて欲しいです。 ・第二章のポイント 生まれ育った島で生活せざるをえない主人公の暁海と夢に向かって成功していく彼氏ーー櫂の対比。 あんなにも通じ合っていたはずの両者がすれ違って いく。。。 「いつからか対等に話せなくなったこと。 よしよしと適当に頭をなでて、それで満足すると 思われるようになったこと。」 つらい… ・第三章前半のポイント 今度は櫂の方が転落していき、暁海を想うシーンが増える。 「なんだか笑えてきた。切実に寂しい。 誰かに必要とされたい。愛じゃなくてもいい。 そう思いながら、どうしようもなく暁海の顔しか 浮かばない。一体いつまで繰り返すのだ。」 特に[四万返せない?]のくだりは刺さった。 「ーーとっくに切れとったやん。 ーーよかったやん。なあ、暁海、おめでとう。」 あのとき暁海は、自分の矜持を折ったのだ。 そんなことすら気づかず、借金をきっかけにやり直せるかもしれないと思った俺は最高に馬鹿で卑しかった。 色々あったけど櫂はどうしても優しい心の持ち主だと思ってしまうのは私だけでしょうか? ・第三章後半のポイント 暁海が苦しみながらも自分なりの正解を辿っていく姿が素晴らしかった。 「永遠に辿り着けない場所を目指して疾走するものが恋ならば、ゆったりと知らないうちに決定的な場所へ流れ着くものが愛のような気もする。」 「いざってときは誰に罵られようが切り捨てる。 もしくは誰に恨まれようが手に入れる。 そういう覚悟がないと、人生はどんどん複雑になっていくわよ。」 「いつかわたしなりの正解に辿り着ける可能性があるのだ。そうか、じゃあがんばろう、がんばらねば。 でも神さま、それはいつですか。 正しい答えを見つけられるまで、わたしはがんばれるでしょうか。」 「わたしにとって、愛は優しい形をしていない。 どうか元気でいて、幸せでいて、わたし以外を愛さないで、わたしを忘れないで。 愛と呪いと祈りは似ている。」 ハッピーエンドかどうかは分かりませんが、読後の余韻と何回でも読み返したくなる素晴らしい本でした。
7投稿日: 2025.08.03
powered by ブクログ泣いた。 子どもにとって親が重荷になってはいけない。けど子どもだってそんな簡単に切り離せない。親子の距離感の難しさや、「優しさ」なのか「弱さ」なのか、線引きの難しいことを気付かされる物語だった。 自分も田舎出身だからこそ、目に見えない何かに縛られている感じに既視感を感じました。 何かを選ぶということは何かを捨てるということがどの人生にもついてきて自分は何を捨てたのだろうと心苦しくなります。 また、女性が生きていくことについて心に刺さることが多かったです。結婚や出産で一時的にできなくなっても、いつでも一人で生きていけるだけの力をつけておくことというのが結婚して経済的には頼っている自分にぐさっときました。 そして、個人的に櫂によく似た環境で育った人を知っているからこそよりリアルに感じて泣いてしまいました。 恋愛だけでなくて、生きていくことについてを教えられる大事な1冊になりました。
12投稿日: 2025.08.03
powered by ブクログ暗い!暗すぎる!読めば読むほど暗い! 令和版恋空を彷彿とさせるオチ… 読みながら自分の呼吸が浅くなるのを感じました… とりあえず、未成年は酒を飲むな。フラペチーノを飲め。正社員になれ。そして年に一回健康診断受けろ…以上。
7投稿日: 2025.08.03
powered by ブクログずっと気になっていた作品。もっと早く読めば良かったと後悔。20代後半あたりの人に刺さりそう。藤井監督で櫂を流星くんが演じるなんて映画楽しみです。瀬戸内舞台だし映像美にも期待。自分で稼いで、自由に生きるってやっぱ大切だなと改めて実感。自分の人生はどんな困難があっても人に左右されず自分で切り開いていきたい。北原先生や瞳子さんのセリフが刺さった。遠距離の難しさも描かれてました。 この本は大切に本棚にとっておこうと思います。
12投稿日: 2025.08.03
powered by ブクログ胸が張り裂けそうになったり、 楽しみや幸せの中に飲み込まれそうになったり、 読んでいる時に感じたひとつひとつの気持ちは きっと忘れてしまうけど、忘れたくないと思った エピローグまで読んで、改めてこの本がすごく大切に思えた 22歳の私、 まだまだ短い私の22年間、でも私にとっては今を生きるのが精一杯で、生きてきた中でいちばんの辛い今だからこそ、この小説を読んでよかった
4投稿日: 2025.08.03
powered by ブクログすっげえ良かった。 大人に翻弄される高校生の男女2人、時に逞しく、時にみっともなく、同じ時間と違う時間を過ごすお話し。 文章の端々から人物の心理が痛いほど伝わって、胸が詰まる詰まる。 映画化されるってことだけど、原作を汚さないような作品になってほしいです。
1投稿日: 2025.08.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
高校生カップルの壮大な愛の物語。 彼氏が自らの才能で成功し裏切り少し離れてしまったり、家庭の問題で上手くいかなかったり… 2人どちらも地獄のような家庭で育ってきたけど、早く経済力を身につけれた方はまだ良かった。 暁海の母親の毒っぷりはヤバい。 高一から今まで妻と一緒にいる僕は彼らを重ねて辛い瞬間がたくさんありました。彼らのように聡明ではなく言いたい事を言い合う関係だから続いているのかも。
0投稿日: 2025.08.03
powered by ブクログ瀬戸内の島で出会った暁海と櫂の15年間。毒親という自分ではどうしようもない事に翻弄される二人が切ない。どんな状況でも、理解してくれる人がいることも忘れちゃいけないとも思いました。読んでいて色々な感情を揺さぶられる作品でした。
8投稿日: 2025.08.03
powered by ブクログ凪良ゆうさん 3冊目 読んでる途中から結末を想像し、胸が締め付けられ やり切れない気持ちでいっぱいになった 読めば読むほど強烈なじれったさ… 「切ない」なんて在り来りの言葉では表現したくないほど歯がゆく苦しい物語だった 寝ようとしても勝手に二人の物語が頭の中で進行して いても立ってもいられないほどのめり込んだ 笑 最初の方は次から次へと頁を捲る速度が速かったが 後半につれ、読む速度を落とすことで幸せな時間が長く続くのではないかと真剣に思ったほどだ ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 涙腺崩壊 また大切な一冊、手元に置いておきたい一冊となった 『歪みなく生きる方が難しい』 このことば、気持ちが軽くなった
1投稿日: 2025.08.03
powered by ブクログ最後の章は、涙が止まりませんでした。不思議なのは、どの感情から来た涙なのか今でもよく分からないことです。救われない最期への悲しみ?今まで2人に重くのしかかり続けた枷への怒り?それとも、10数年かかって同じ答えに辿り着けた2人への…? 自分の拙い語彙では言葉にできませんが、たくさんの思いが胸の中できれいに混ざって、読後の今、すごく爽やかな気持ちです。 子ども、家庭、仕事、人間関係、奇しくも2人と同世代の自分は、色々なものを言い訳にして、不自由に甘んじています。けど、2人の最期を見て、不自由に安住することなく、自分の生き方を考えてみようと思いました。(家族は本当に大好きです!)
13投稿日: 2025.08.02
powered by ブクログ休みの日、半日で読み切った。 人生の選択 「求め続けていたもののいくつかを手に入れて、 いくつかを永遠に失った。」 この本をキッカケに、過去の選択で現在も 残ってるものと失ったものを考えた。
0投稿日: 2025.08.02
powered by ブクログ今回も最初と最後が繋がる話。 凪良ゆうさんの本を読むのは2回目だった。 とても繊細で重くて複雑な物語だった。 いくら現実から目を背けようと、現実からは逃げられなくてそれを受け止めるしかない状況。 愛そうとも上手く愛せず、時間は過ぎる。 少し分厚いと感じたけど、とても読み応えがあって良かった。
1投稿日: 2025.08.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み進めていて、途中からまでは多様性とか自由とか、そういう社会的なことを題材にした、ちょっとクサい小説で、あからさますぎて好きじゃないかなとも思った。 読み進めていくうちに、そういう社会的問題とかそんなことすら飛び越えて、「とりあえず好きに生きろ」というメッセージが伝わってきてよかった。 もちろん、最後は2人は出会えまし、その後タイミングでの最適解で幸せに生きたのだと思うけど、やっぱり重く苦しい結末ではあるから、好きに生ききれなかった2人なんだ考えると切ない。 ただ、櫂くんは途中から割と好き勝手生きてたんじゃないか?とはいえ、彼は人生がとても理不尽なもので溢れていたから、寂しいのか…
1投稿日: 2025.08.02
powered by ブクログ「流浪の月」に続きこちらの作品もグッと心に刺さり、考えさせられる物語でした。 櫂と暁海それぞれの視点から物語が描かれていてそれも良かったです。
25投稿日: 2025.08.02
powered by ブクログまだ私には早かったのかも。 『流浪の月』がすごく好みだったのでこちらも挑戦したけど読むのが結構難しかった。 いつか再読したいけどなかなか重いテーマ。
0投稿日: 2025.08.02
powered by ブクログ泣きました、、 もっと素直に自由に生きられたらと思ってしまうけど、何かを選ぶには捨てるものも決めなきゃ行けない。
8投稿日: 2025.08.02
powered by ブクログ生きることは難しい。もっと楽に生きたい。それでも、自分の人生を生きるためには闘い続けるしかない。何を捨てて、何を選ぶか、自分の意志で決めなければならない。誰にも依存せず、何にも左右されない自分自身を持って、たとえ強くなくてもずっと立っていられるように。
1投稿日: 2025.08.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
オススメです! すれ違いながらもぶつかっていく人間関係だったり、周りに振り回されながらも必死に生きていくそんな人生の様子に切なく、応援したくなる気持ちになります。 読み終わった時にはなるほどと思いながらもきれいに終わり、また読みたい作品です。
1投稿日: 2025.08.02
powered by ブクログビタミン剤のような小説だった。 人生に悩んでいる人にも、これから歩き出す学生にも読んでほしい一冊。 「愛とは何か」「自立して人生を歩むとは」―― 静かに、でも確かに押し付けがましくなく伝えてくる。 私もかつて精神を壊し、 暁海のように虚勢を張って、人の優しさすら警戒していた。 ギリギリだと、 助けを求めることも、助けに縋ることもできない。 どうか、どこかの“あなた”に、 この物語が届きますように。
1投稿日: 2025.08.02
powered by ブクログ読みやすくてどんどん読んでしまいました。環境が変わると関わる人も変わり自分自身も変わっていく。私自身も経験あることで読んでいて心を抉られました。心に刺さるフレーズもありこれから生きてく上で大切な1冊になりました。
2投稿日: 2025.08.01
powered by ブクログ図書館では予約を躊躇するほどの人数待ちで、どうしようと思っていたら、文庫が出たので購入。 なんというか、いろんな感情が渦巻いて、言葉が出てこない。(語彙が貧弱なだけ) ちょっと期待値が高すぎたのもあるし、思っていたよりずっと恋愛小説で(とは言い切れないほどいろんなテーマがあるものの)、こういうのだと思わなかった、というのが勝手に残念な点。 親に振り回されてなかなか普通に生きられない子供たち。なんでもすぐ噂になる小さな島での日常生活。そんな環境で考える自分の生き方。出るのか残るのか。仕事は。結婚は。 いろいろ腹も立つし、いろいろ辛い気持ちになるけれど、暁海の前向きな姿勢とか、北原先生の押し付けない程よい優しさに救われる。 私は物語の主要人物たちには幸せになってほしいタイプなので、個人的には心から満足な物語ではないんだけど。辛すぎるなぁ。
12投稿日: 2025.08.01
powered by ブクログ気軽な感じで読み始めたのですが、途中からは辛くてなかなか読み進められませんでした。 周囲の都合に振り回されてなかなか自分のことを優先できない2人の生き方が描かれています。 特に女性(に限らないかもしれませんが)のお金に対する考え方がとてもリアルで、自分自身も含め同じような悩みや考えを持っている方はたくさんいると思いました。 今、まさにこの本に書かれているような状況にある人に読んでもらいたい一冊です。
7投稿日: 2025.08.01
powered by ブクログ女性としてどう生きるかを考えさせられた。ひとり親を支えなくて、という物語にふれるたび、自分はそういう立場にいないという前提を再確認していたけれど、相手がそうである可能性もあったんだな、と新たな気づきを得た。 何にせよ、自分の人生の手綱は自分で握りたい。
1投稿日: 2025.08.01
powered by ブクログ大変読みやすくスラスラ進むことができました。 普通の恋愛小説とはちょっと違いました。 恋愛×社会 確かに人はいろいろな不自由や厄介事を抱えて生きてますね…。 自由に生きるのにもそれなりの準備が必要。 自分の人生だから、自分で選択し、納得できる場所が見つけられるといいなぁ。 映画化が楽しみです!
1投稿日: 2025.08.01
powered by ブクログ冒頭の1行、月に1度、私の夫は恋人に会いに行く。 この言葉に引き込まれ読む手が止まらない1冊でした。 成長し、ぶつかり合い、すれ違う2人の13年の大恋愛物語。 プロローグとエピローグが同じ内容なのにどちらも全く違う捉え方ができるようになっててすごい良かった! 誰かにすがったり、求めたりするよりも自分を芯に持つことの大切さを感じました。 文庫本になって購入できて良かった1冊です!絶対手元に置いておきたい1冊になりました!
1投稿日: 2025.08.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本屋大賞直近5年分を読む第2弾 初めて恋愛小説を読んだ。 本屋大賞になった本を読もうってなってなかったら一生手にとることはなかったと思う。って打ったところでふと思ったけど東野圭吾の「秘密」は恋愛小説みたいなもんなんかな? 結論、本当に読んでよかった。 各章のタイトルの意味をぜんぶ調べた。 自分なりの解釈 ・潮騒 →かいとあきみの恋心が燃えて 惹かれあっていく様子 ・波蝕 →徐々に2人の関係が蝕まれて 削り取られていく様子 ・海淵 →2人には完全に溝ができてしまった あきみは北原先生と結婚、かいは他の女と 付き合ったり最終的には1人になる ・夕凪 →かいが病気で息絶える様子 かいは死んで風は一時的に止むが、 また吹き始める 夕凪=夕方に海風から陸風に変わる際に、風が一時的に止んで凪の状態になること 夕凪って言う言葉はなんか好き 以下の本文の引用についてはめっちゃ大事やことやと思うし、自分もそーしたいと思う。 【本文の引用】 自分で自分を養える、それは生きていく上での最低限の武器です。結婚や出産という環境の変化に伴って一時的にしまってもいい。でもいつでも取り出せるよう、メンテはしておくべきでしょうね。いざとなれば闘える。どこにでも飛び立てる。独身だろうが結婚していようが、その準備があるかないかで人生がちがってきます。 今の所 1位 汝、星の如く 2位 成瀬は天下をとりにいく
0投稿日: 2025.07.31
powered by ブクログ暁海、おれはおまえみたいな女になりたいよ。 男に縋りたいわけじゃないのにいつのまにか縋っていて、それを軸に生きてしまっているのに気づく。気づいた時には手遅れのように感じ、自分の足で立っていなかったことに気づく。失いたくないと思えば思うほど相手からは嫌われるような気がして、でも止められなくて。わかる!わかるよ!本当にわかるんだ!読んでいると、自分もそういうムーブしてたなと思うし、読んでいる視点になるとあまりにも痛々しくて、でもそれがそのときの精一杯の自分でどうしようもできない苦しみの中をもがいていたんだなとしみじみと理解できた!!暁海は最終的には自分の足で立ち上がってたし、本当にかっこよくて尊敬するよ!!!!! 暁海視点、櫂視点から描かれる気持ちの描写、北原先生の気持ち。周りの人は表面的な部分しか見られない。当たり前だけど冷ややかな目で見られる。でも、人ってそんな簡単な生き物じゃなくて。読んでいて悲しくて寂しくてなんやこの救いのない展開!!!と途中で叫び出しそうなところもあったけど悲しくなる暇もないくらい怒涛のストーリー展開に読む手が止まらなかった久しぶりに没頭して読んだ本は久しぶりだった!!
0投稿日: 2025.07.31
powered by ブクログ【きっかけ】 オーディブルでおすすめに出て来たので、聴いてみた。 【聴いてみて】 重くて深い恋愛話だなと思った。 普段ポップな本を読む事が多いので、衝撃的だった。
7投稿日: 2025.07.31
powered by ブクログ自分と大切な人の物語は、自分と大切な人達が知っていればいい。その他大勢の人達にどう思われようと、自分は自分と大切な人達のために生きているのであって、その他大勢の人達のために生きているのではないのだから。 ただしできるだけ周りに迷惑をかけないのは当然として。
2投稿日: 2025.07.31
powered by ブクログ良かった。面白かった。 途中でうんざりしてきたけど、最後までいけたら良かった。映画楽しみ。 ○男側の考え方がすごく女の人。心情がまったく共感できなかった。 ○映画化。イメージは広瀬すずじゃない。男側、横浜流星はなっとく。 ○女性の考える理想の男性(北原先生) ○生徒にちょっかい出す教師は気持ち悪いって。 ○男側と女側の熱の入れようが違いすぎる。
3投稿日: 2025.07.31
powered by ブクログ凪良ゆうさんの作品は『滅びの前のシャングリラ』を読んでの二作品目! 木綿のハンカチーフと言う歌がありますが、『東へと向かう列車〜で』と歌うからには近畿よりも西かなぁと思っていたのですが、瀬戸内だとしっくりくるなぁと本書を読んで思いました。 【湊かなえ】さんのNのためにも思い出しました。 いずれにいたしましても、構成、展開、伏線、オチ、登場人物達の尖り方等含めて手に取って良かった小説です! そして読み終わった後、表紙を見るとじんわり浸れます。 表紙がヤケに綺麗だなぁと思っていたら、初回限定箱推しカバーでした!!! 瀬戸内海のとある島で育った暁海は父の行動のせいで良くない家庭環境に置かれていた。また、恋愛体質の母を持つ櫂も、母に散々苦労をかけられ高校生ながらも壮絶な人生を送って来た。 そんな家庭環境に置かれた2人が恋に落ちるのに時間はかからなかった。 成長して、お互いにぶつかり、色んなものに傷つけられ、足を引っ張られながらも生きていかなければいけない愛の物語・・・ とても切ない 2023年本屋大賞は伊達じゃない!!!
61投稿日: 2025.07.30
powered by ブクログ痛みごと愛すとはまさにこのこと。 人と比べたり、羨ましかったり、 普通じゃないとか、苦しいこととか、 辛いこととか言い訳とか、 全部全部大事な人だけが知ってくれてれば それでいい
6投稿日: 2025.07.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
──夕星やな。 風光明媚な瀬戸内の島で育った暁海と母の恋愛に振り回されて転校してきた櫂。 心に孤独と欠落を抱えた二人が恋に散るのに時間はかからなかった。 ときにすれ違い、ぶつかり、成長していく。 単行本が発売されてからずっとずっと文庫化を待っていました。 紀伊国屋限定のカバーがそれはもうよくて、どこか身近に彼らの物語が存在しているんだなとより奥深く感じることができました。 そして、物語を読む前と読んだ後のプロローグの印象ががらりと変わり、私もこんな風に人をいろんな角度から見れたらいいななんて思いました。 まったく同じような経験をしたわけではないのに、心の奥に眠っている、昔に経験したほろ苦い失恋や失敗による自分への失望など忘れてしまいたい感情が物語を読み進めるごとにふつふつと湧いて出てきました。 あの時こうすればよかったなんてことの繰り返しの人生だけど、この物語を読んであの時こうしていたから、今の自分がいてそこで元気に幸せに暮らしているんだと実感し、過去の自分を責めるのではなく褒めてあげようって自分に対して優しくなれる物語でした。 きっと運命だったらまた出会えるから、あの時の選択は間違ってなかったんだと思える強さを少しだけもらえました。 やるせないこと、仕方のないこと、諦めたくないけど諦めなきゃいけないこと、そんなことばかりだけど ただ一つ自分の中で守れるものを作りいざとなったら闘える。そんな武器を持っていなきゃと背筋がピンとしました。 生まれてくる場所は選べない、生まれた瞬間から背負わされる荷物があるかどうかそれで人生が大きく変わってしまう。 背負うのも勇気、手放すのもそれもまた勇気。若いころになんて正しい選択はできないものだけど、その正しいも誰かが図った正しいだから、自分にとっての正しいを選択できるように手札は多いほうがいいよね。 毒親、節操のない島民たち、ストレスの吐き口として標的にされること、そんなどうしようもない世の中で、櫂と暁海だけが星のように変わらずに輝き続けているんだろうなと思い心が熱くなりました。 まとまりのない感想になっちゃったけど、生きることの難しさと正しさの正しくなさ、いろんなことが詰まった大切な一冊になりました。
2投稿日: 2025.07.29
powered by ブクログ読み始めは、恋愛青春ものに付き合わされるのかなーと思ったら大間違い。この日本の社会、いや世間の中で、人はどう生きていくのか、どう生きていけるのか、さらには、女性は何を背負わされ、そこからどう自由になっていけるのか、そういうことを丁寧に丁寧に書いた作品。どんどん読み進めて、気がついたら終わってて、あぁ、素晴らしい作品だったといま息をつく。
5投稿日: 2025.07.29
powered by ブクログ所々、『Nのために(湊かなえ)』がちらつきました。 心抉られる内容ではあるけど、個人的には断然『流浪の月』の方が好きです。切ないより、悲しいや苦しいの方が勝ってしまったからかな? あとめっちゃ手に職つけろって言ってくるやん!もう何回も聞いたわ!って作品全体の雰囲気にそぐわないメッセージの主張の強さが気になってしまったからかも。
11投稿日: 2025.07.28
powered by ブクログ昔の自分に重なる場面が多くて辛くなった。 使えるカードが少なかったのも、親が頼りにならなかったのも、たくさん諦めてきたことも。 ただ私と違って秋海と櫂はやりたいこと、夢があって素敵だなと感じた。夢があっても叶う訳ないと諦めて夢なんか持ったことないし、同じ境遇の人と付き合うとか傷を舐め合ってる気がして避けてきた道だからそこは共感できなかった! 202ページが完全に自分の思考と同じすぎてさらに自分が嫌になった。 最後は24時間テレビでありそうな物語になっていって涙と鼻水止まらなくなりました。 2025.07.24〜07.28
0投稿日: 2025.07.28
powered by ブクログある種の恋愛小説。でも、それだけでは終わらない。 環境やタイミングによってすれ違っていく男女の姿に切なさを感じつつ、物語は「人が生きる上で、何に属するか」「どこに身を置くか」という選択の難しさを突きつけてくる。 結婚、仕事、家族、住む場所…。人生には、自分で決めたようでいて、社会や他人に決められてしまうことがたくさんある。 その中で「自分で自分を養うこと」が、真に自由を手にするための前提条件だというメッセージが強く響いた。 どこにでも飛び出していける力を持ってはじめて、人は何かを選べる。 そんな静かで力強い教えが、この物語には込められていたように思う。
0投稿日: 2025.07.28
powered by ブクログ楽しみにしていた文庫化。 期待通りの面白さで一気読みしてしまった。 凪良さんの一つ一つの言葉がとにかく心に刺さる。 2人の親が毒親すぎて最後まで辛かったけど、感動の最後だった。 よくわからないプロローグが、全て読んだ上でエピローグに繋がるのも良かった。 文句なしの星5
0投稿日: 2025.07.28
powered by ブクログ自分が知る中で最高の小説。 初めて読んだ時の感動は今でも忘れられない。 文庫化して手元に置いておきたくなったので購入。 読み直してまた感動してしまった。 がむしゃらに生きる若者が切実に描かれていて、それに共感できるところが魅力だと思う。 人に薦めたい本ランキング1位。
0投稿日: 2025.07.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人を愛するって大変だし、難しい。 自分の気持ちに素直に生きるには、若さだけでは足りなく、積み重なる経験が必要で、後に後悔しないためには決断する意識が必要で、決断するためには残された時間のカウントダウンが必要か。 幸せを感じるには、苦難と絶望、大きな後悔が必要。 昔住んでいた愛媛が舞台で懐かしく、しまなみ海道から海を見たくなった。
0投稿日: 2025.07.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
瀬戸内の島の高校生2人が過酷な家庭環境の元、社会に出て成長していく様子が丁寧に描かれている。中盤から2人の行く末が気になり一気に読んだ。 みんな何かしらの生きづらさを抱えていて、もう生きていたくないという無力感とこうなりたいという未来への期待の矛盾に苦しんでいる。 お金があればある程度自由になることができ、特に女性は稼ぐ力の有無に人生が大きく左右される。自立する道は困難だが、着実に進んでいくことで自分で何を大切にして生きるか選択することができるようになる。何を大切にして何を切り捨てるかを決めることが人を強くする。
2投稿日: 2025.07.27
powered by ブクログよみやすかった すこしさけをひかえないと と 自戒 あとは海を暁海、星を櫂のメタファーとしているのだろうと読み進めたのだけれど、そうなると入れ子状の相似形をなぞる小説タイトルの『汝』には違和感。読み違えてるかしら。 -追記- 意外なほど読後の余韻がながく続く そのへんが多くの人々に愛される所以なのかな
1投稿日: 2025.07.27
powered by ブクログ文庫化されて知りました。 2023年本屋大賞だった暁海と櫂の物語 一気に読みましたー! もうやめられない、止まらない状態 笑 映画化されるので、この役はこの人かな? この人はあの役者さん? 色々想像しながら、、、 はぁ、、、人生ってほんま辛い、切ない、淋しい
5投稿日: 2025.07.27
powered by ブクログ櫂と暁海の2人の物語は切なくて苦しくて読書中ずっとヒリヒリと胸が痛かった。人生は自分次第とよく耳にするけれど、何の疑いもなく素直に何かを選択できることは普通のことではないのだと思った。家庭や生活の大変さに流されずに自分の状況を把握してより良い選択をしていくのは難しい。暁海と瞳子との関係には最後まで違和感を感じたけど、読書の後も余韻が残って、いい意味でボンヤリしている。
2投稿日: 2025.07.27
powered by ブクログおっさんの穢れた心にも、星のごとく。何 プライオリティを誤り大切な選択を軽んじてしまった過去。その小さな選択は人生をどんどん捻じ曲げてしまう。まるで自分のようで途中から正座読書です。 自分の為に世間体を気にした人生、それは自分を苦しめるだけの人生なのかもしれません。 決まった形って何だ?普通って何だ?と何度も問いかけられて、土下座読書のスタートであります。 何故か無垢な昔の自分がフラッシュバックしました。 あの時、ああ言えば良かった。と。
27投稿日: 2025.07.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本屋大賞、高校生直木賞等を受賞された作品だけあって読みやすかったです。平成初期生まれですが、読みながらずっと既視感を感じていてなんだろう…なんだろう…と考えた結果、ケータイ小説と構成がとても似ていることに気づきました。 櫂と暁美、2人の主人公それぞれの目線で交互に物語が展開されます。理不尽に思えた相手の言動が次のパートで本人目線で語られており小さな伏線回収をしながら読めて楽しかったです。 魅力的に思える登場人物も何人かいたので続編も買ってみようと思います。
11投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログ続編の「星を編む」から先に読んでからこちらを読む。 間が空いているのでまた星を編むを読み直ししたいなぁと思った。 重くて苦しい話で周りの人の身勝手さや理不尽さにイラつくことも苦しくなるところも多々あるものの読むのをやめようとは思わず最後まで読み切り。ハッピーエンドではないけれど最終的にじんわり優しい気持ちになれる。 人の幸せに関係ないものがとやかく口を出したり評価するものじゃない。つくづくそう思う。 「愛と呪いと祈りは似ている。」という言葉。すごいなぁと思った。
29投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログ自転車で通り過ぎたあの明るい島々にこんなドロドロした人たちがいたのですね。がっかりです。最初から最後まで現実感のない小説でした。本屋大賞に相応しい分かりやすさですが、私には登場人物全員が不愉快。都合良すぎの展開、表面的な描写、三文小説も真っ青な下ネタ。男の京都弁はただでさえ今ひとつなのに文字にすると最悪。フィナーレに向けてのお涙頂戴、泣け泣けの怒涛の攻撃はうんざりで完全に白けました。なのに最後予想どおり本のタイトルと著者名が出た時胸が熱くなったのは何故なのでしょう。それでも、流浪の月とこの本と読ませていただきましたがこの著者の次は私にはもうありません。
10投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読むのが息苦しかった。 島の閉塞感、親の身勝手さ、理不尽でどうにもならない不自由さ。 もう全て捨ててしまえばいいのに! 全てが腹立たしい! わかりすぎるぐらいわかるから痛い。 周りにどう思われようと、自分を生きるしかないのに、このままならなさ。 許せないのは、絶望で自暴自棄になってお酒に逃げるなんて、1番最低だ。弱すぎる。。。 どんなことがあろうと、もっと自分を大切に生きて欲しかった。
8投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログ同じ本を2度読むのははじめてだしやっぱり大号泣 櫂くんを横浜流星、アキミをすずちゃんに重ねながら読んだ 北原先生を鈴木亮平、なおとを窪田くん ゆいちゃんを芦田愛菜、おかんは山本未来に勝手にキャスティングしてたけど藤井監督ならやってくれそう Nのためにと花束みたいな恋をした、セカチューのいいとこをギュッとまとめた話 既視感大有りだしこれは?って思うところはあるけど、全部大好きだからたまらなくなけた あんなたくさん素敵な言葉を生み出すなぎらさんは最高。当たり前じゃない、曲がってるからこそ素敵なんだと感じさせる素敵な作家さん 流浪の月もそうだけど同性愛だったり新しい恋愛とか結婚の形が凄く多様。 複雑な親との関係性を描くのが上手くて、汚いものも全部綺麗に見える。 比べたらダメだけど辻村さんの価値観は全く合わなくてイライラすることが多いけど(傲慢と善良とかかがみの孤城とか)こっちは好き 好きなところに行っていいよどこまでも追いかけるからって言うフレーズがこの世で一番好きです。 瀬戸内に花火に全部好きだった 映画は絶対見る
6投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログきゅっと苦しく所々元気を貰い自分の経験と重ねて苦しくなるところもあり。涙がでた。 良い読書時間になった。
5投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログ瀬戸内の島を物語の始まりにした小説はとても多い。流れ着いた人、逃げたいと願いながら流されるしかない人。一見弱いようで実はとても強い。夢とは、希望とは?今を抜け出すためにそれはあるのか、それを心に置かないと生きていけないのだろうか。
8投稿日: 2025.07.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
終始重い雰囲気で、人に刺さる言葉も多く辛い本でした。 本の構成自体テンポも早く非常に読みやすい。想像以上に話は展開されるもののとそれを思わせない情景描写。 登場人物のセリフや行動になんとも唸らせられるような物も多く、良い本と出会えたと思います。 ただ、、ただ、、ほんとうに内容は自分と合わなかった。 こうならざるを得ない結末といえど、最後は明るく終わってほしかった。 なまじ読みやすく他の本に比べて読み終わるのがはやい。それは二人の登場人物の人生を一気に体感することでもあり没入感はすごかったです。 結果、読み終わったあとのなんとも言えない悲しさや虚しさは強く出てしまいました。 なんとも情緒をぐちゃぐちゃにされた本でした。 ありがとうございます。
3投稿日: 2025.07.24
powered by ブクログとんでもない小説を読んでしまった。。。 余韻がすごい。 ドキドキして眠れない。 ミステリー以外に一気読みした小説は初めてかもしれない。 切なすぎて美しくて儚くて、もう胸いっぱいです。
3投稿日: 2025.07.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ずっと待ってた文庫化。待たないで単行本買えばよかった。久しぶりに本を読んで涙が堪えられなかった。 東京に行ってから変わる櫂の姿にイライラした。男女という括りで見るのはどうかとは思うけど、男性心理の描き方としては正確だと思う。櫂と同じように東京で成功したら、多くの男性はこうなるだろう。 それで言うと長年櫂のことを忘れられなかった暁海は一般的な女性心理とは異なるのかな。 普通とか一般的なんてどうでもいいんだけどね。 暁海と櫂は背負ってきたものが重すぎるけれど、苦しんで、倒れて、立ち上がって、また苦しんで這いつくばって成長していく2人。 2人が結ばれるにはあまりにも遠回りをしすぎて、最後に一緒にいた時間はあまりにも短く儚い。それでも2人は満足なのかもしれない。 あぁ、何より2人が出逢えたことが奇跡。櫂にとっては暁海は生きる希望であり、人生そのものなのかもしれない。 最後に花火をこんなふうに出すなんてズルすぎる。その後タイトル回収してしっかり涙して余韻に浸ってる。 凪良さんの作品は「普通」にとらわれないことの大切さを教えてくれる。自分の道は自分で切り拓く。その道が間違っているかどうかは、自分次第。人生は自分のもの。ひとつひとつの選択を大事にしたい。 広瀬すずと横浜流星で映画化か。自分のイメージはちょっと違うし、横浜流星がDV彼氏と化さないか心配(流浪の月のペアすぎるのよ)。そこまでやるなら北原先生は松坂桃李にしてください、、、
26投稿日: 2025.07.24
powered by ブクログ前回読んだときは、自分の恋愛価値観との違いが受け入れられず、どちらかと言えば否定的な感想でした。 しかし、昨年『星を編む』を読んだことで、もう一度『汝、星がごとく』を読み直したいという思いが芽生え、今回再読しました。 暁海と櫂に起きるさまざまな出来事が、それぞれの視点から描かれており、 お互いに強く惹かれ合いながらも、すれ違っていく二人の姿に、今回はとても切ない気持ちになりました。 自分自身を確立していく10代から20代という大切な時期を、親の都合によって搾取される子どもたち。 いずれ親は先にいなくなるのに、人生にとって最も重要な時期を失ってしまった子どもたちは、自分の人生を歩むことが困難になります。 青春は、二度と戻ってこないのだという重さを強く感じました。 大切なものを諦めて誰かのために尽くす姿勢は、必ずしも優しさとは言えません。 それは、「自分の人生を大切にできない弱さ」であり、 また、選択によって生まれる自己責任からの逃避でもあるのかもしれません。 あなたの人生は、誰かのものではないし、 誰もあなたの人生の責任を取ってはくれない。 「自分の人生は、自分で決める」── その強くて静かなメッセージが、本作には込められていると感じました。
151投稿日: 2025.07.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ほんとうに自分にとって大切なものは自分で選び取らなくてはならない。 苦しくて嫌なのに愛しい、ページを捲る手が止まらず最初から最後まで心を掴まれて苦しかった。 何かを得て何かを失わなければいけないけど 遠回りだと感じたその道で大切な人が笑っていてくれたら、どこかで自分の中で間違ってなかったと感じられたら、 これで良かったとこれから先の人生を肯定できるだろうか やっぱり人生に無駄なことなんて一つもないんだよなあ。
4投稿日: 2025.07.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2025.07.24 最初から引き込まれる文章だと思った。 「ついに文庫化」のポップと一緒に色々な書店で目立つところに平積みされており、初めての作家さんだったが迷わず手に取った。 登場人物の感情の機微を、繊細に丁寧に、これでもかと深掘りして描かれており、感情移入せずにはいられない。 冒頭から不穏な雰囲気を纏った始まりで、嵐の前の静けさを思わせるプロローグ。 同じ文章であるはずなのに受け止め方が180度変わるエピローグの対比は見事。エピローグは言うなれば嵐がさった後の凪いだ海のよう。 お互い重たい錘を持って産まれたと感じる暁海と櫂。 狭い島の中では共感し合い、お互いがお互いを支え合う関係であったはずが、 一歩島を出た瞬間、成功を手にした櫂はまるで別人のようになってしまう。 すれ違う2人。素直になれない2人の関係にやきもきしながら、どうプロローグの内容に終着するのだろうかと気になり気づいたら読み終えていた。 暁海の「私は愛する男のために人生を誤りたい」 という一文に、これまで「母親」や「世間の狭い島という世界」などの何重にも絡みついた呪縛から解き放たれて、初めて自分が手に入れたいものを、今の現状を捨てでも手に入れようとした、瞳子さんのあの一言を実現できた瞬間はホッとしたと同時に読み手も報われた気分になれた。 でもきっとそれは北原先生という、基盤があったからだろうなと思う。 「離れていても北原先生の言葉は、ほんのりと足下を照らす灯火のように私を導いている。」 この暁海の心情からも、北原先生の陰ながらの支えが、今にも崩れ落ちそうな櫂を支える暁海を支えていたのだと思う。 ▶︎お気に入りの文章 ・視界を滑っていくだけで頭に入ってこない 集中できてないときの読書はこんな感じだなと共感できたのでお気に入り。何度読んでも頭の中で文字が滑っていく感じ。表現が的確でお気に入り。 ・櫂のお母さんのようなわかりやすい女らしさではなく、植物に水やりをする姿は健やかな若木のようだ 瞳子さんの人柄を表すのに、ぴったりの表現で、姿を見たことないのにベリーショートでコットンワンピースの丁寧な暮らしをする彼女の姿が鮮明に思い描けた。 ・それは美人とか、いろっぽいとか、若さとかよりもずっと長持ちする上等な品物のようだ 美人や色っぽい、若さの対義語ではないのに、なぜかしっくり瞳子さんの人柄の輪郭をくっきりさせる文章でなんだか好き。 ・どこまで続くかわからない。けど続くところまで共に歩きたい。互いの目に同じ星が映っているうちは。 なんの星かは明言してないけど、 この作品に何度も出てくる「夕星」のことなのだろうなと想像させるところがなんだかいいな、と思えた。
5投稿日: 2025.07.24
powered by ブクログプロローグ読んだ時は、ん?なに?どういう状況?となりましたが、エピローグで全てが繋がり、あぁそういう事かと思わされました。 多様性の時代、本人達がよければ こういう形もありだと考えさせられた一冊でした!
2投稿日: 2025.07.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ただただ、しんどい話だった。 きっともうすぐ救いがあるはず、とページをめくっても、気持ちが沈んでいくばかりでした。 田舎の閉塞感だったり、昔ながらの男尊女卑社会の中で、捨てられ壊れかけた母親を支えて必死にもがきながら生きる暁美が辛すぎて。必死に耐え続けた10年以上の時間は、彼女の視野を極限まで狭めていったと思う。島じゃなければ、もっと広い世界で色んな人に会えていたなら、好きな幸せを選んで掴むことができただろうに。 一方、櫂は成功してからがとにかく酷くて、理解できる部分が何一つなく同情もできず。母親に泣かれるのに一番弱い、とあったけど結局は向き合う事から逃げ続けただけでは。 成功に酔ってその場の感情や雰囲気でお金を使っては女を取っ替え引っ替え、好きなように遊んで、面倒ごとからはお金で逃げて、酒で現実逃避。暁美を『愛しい』なんて言葉で括って女遊びとは別物のように語っていたけど『可哀想で優越感を感じる存在』の間違いだろうと。暁美が浮気に気付いていることも知っていた。彼女を退屈でつまらないと感じていたのに、相手の気持ちも測らずに急に結婚に思い至る。本命だと別枠にしていればどう扱ってもいいと思える、身勝手すぎる傲慢さ。もしそのまま結婚していても変われずに上手くいかないのが目に見えているし、作家人生としての転落がなかったら暁美の事を振り返る事もなかったんじゃないかと思う。過去の淡い思い出として振り返るだけで特段反省もしていない。暁美に対しては結局最期まで一度もありがとうの言葉すらなくて、人としての魅力を感じられなかった。 依存体質でネグレクト、息子に対しての愛情はおろかATMのように扱い、晩年すら身体を気遣う素振りもない差し入れを寄越すような母親も含め、終始身勝手すぎるこの親子の描写がきつかった。 言い分は瞳子さんが述べていたけど、恋人を作って出ていった当の暁美の父親が見て見ぬ振りで何もしなすぎてどうなのかとも思ったし… 尚人に関してはもう救いがなさすぎて、物語に存在自体を消費された感が… 人生における取捨選択だったり、愛の形は人それぞれで普遍的なものであるというメッセージや結末も分かるけれど、学生時代の最初の恋に囚われ特殊な環境下で次に進めなかった暁美にはもっと他の幸せの形があったんじゃないかと思えてならないし、先生との風変わりだけど穏やかな結婚生活が唯一いいなと思えていただけに、終盤はなんだかやるせなかった。 本人の気持ちは違えど、結局は人に尽くして自分をすり減らすことばかりしていた彼女が、その後の自分の人生を幸せに生きられることを願う。
10投稿日: 2025.07.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
胸に刺さった言葉がいくつもあった。 暁美と櫂が傷つきながら成長していく様はとてもエネルギーに満ちていた。生命のエネルギーに溢れていて、それが言葉に乗って伝わってきた。 人は矛盾した生き物。一人で生きていく力を蓄える必要があるが、一人では生きていけない。不自由になる居場所を自由に選ぶためにも、自分で自分を養えるようになったほうがいいと言っていた。どんどんと周りの大人たちに助けられながらも逞しくなっていく姿を見て置いていかれる気分がした。 それを実感した暁美の言葉を聞いたとき震えた。 「好きなとこ飛んでいっていいよ」「ほんま?」「ちゃんと追いかけるし、追いつくから」
3投稿日: 2025.07.23
powered by ブクログ大好きな1冊が文庫になると目にして、単行本も持っていますが文庫本も手にするという初めての経験ができました。 文庫版でも大切に読みます。 限定カバーも嬉しいです (追記) 既に内容は知っているのでカバーを外しました 鳥肌が立ち思わず声が出ました。 本当に大好きな作品です
1投稿日: 2025.07.23
powered by ブクログやっぱり凪良ゆうの本は読みやすい 重く苦しいけれど、少しの肯定感をくれる 情景がよく見える けれど、櫂に対して気持ちがそこまで乗れなかったし、終始腹がたって厳しい目で見てしまったのは私の受け止め方なのだと改めて己を感じた そういった意味でも本は自分の感覚感情を知れるよね 映画化の広瀬すずと横浜流星はちょっとイメージ違うかも 流浪の月すぎる
2投稿日: 2025.07.23
powered by ブクログ親に振り回されっぱなしの二人、子供にはどうしようも出来ないながらも必死にもがいて、生きて、大人になって分かること、大切な人がいてわかってくれる人がいる、それだけで凄いこと。色々あって今がある、遠回りしすぎな二人が切なすぎて涙が止まらないかった、素晴らしい作品!
33投稿日: 2025.07.23
powered by ブクログ瀬戸内の島で17歳の時に出逢った櫂と暁海の33歳までの物語。17.19.22.25..26.28.30.31.32歳の櫂と暁海が交互に語られていきます。 最初は高校生の2人の境遇が辛くて、この先に希望はあるのかなと読み進めるのが怖かったです。暁海が大きな決断をする時の、北原先生の何を捨てて何を選ぶのか、ぼくたちは自らを生きる権利があると背中を押した言葉が心に残りました。 続編も読みたいと思います。
89投稿日: 2025.07.23
powered by ブクログ人生は、予め背負わされたものと、幾つもの選択で出来ている。瀬戸内の島で出会った男女の長年に渡る愛の行く末を描く。男と女、地方と東京、自立と依存。胸を締め付ける展開と心揺さぶる言葉たち。弱くても歪んでいても間違っていても良い。但し、何を手離して何を背負うのか、誰と何処で生きるのかは自分で選べ。覚悟を決めれば、呪いも星となる。
2投稿日: 2025.07.23
powered by ブクログ圧倒的崖っぷち。そんな二人の神秘的な恋愛。 誰も「正解だ」なんて言ってくれないからこそ、自分たちで信じた道を進むしかない。 この二人は幸せだったのかな。そうあってほしいな。思わずそんな感想がこぼれてしまう、不思議で、不明瞭で、不謹慎なお話。
0投稿日: 2025.07.23
powered by ブクログ文庫派の私はこれを、ずっと待ってた もう読んだ後のうわーーーー、、、ていう高揚感と切なさでいっぱいになった。 どこをとっても自分と重ねる部分が所々にあるが故に、物語に引き込まれた。 生きるって難しいし、本当に一人ひとり課題も生き方も違うんだなあと思った。 そして小説の終わりに向けてページを進めていくと、凪良ゆうさんの引き込み方の凄さを感じて、最後はまた最初の数ページを読み返した。 続編、星を編む、読みたい けど、文庫はまだまだだろうなあ でも買ってしまおうか、と悩んでしまうくらい引き込まれていった作品 まだこの悩みは続いています。 また年齢を重ねたらまた違う気持ちで読めるんだろうな
23投稿日: 2025.07.22
powered by ブクログ既に、図書館で借りて読んでいたのですが。 文庫本販売ということで、手元に置いておきたいと思い、購入しました。 概略は、覚えているんだけど、詳細はかなり忘れてたので、読み直して正解です(((o(*゚▽゚*)o))) 脈々と綴られる親ガチャ。 親なのに自立していないこの人達にホンマに腹立つなぁ(;°□°)ホンマニ! ヤングケアラーは、こうやって作られていくのだ。 最後の島の花火大会のシーン。 何度読んでも泣けちゃう。 そしてキタハラ先生が、いい!( ` -´ )bイイネッ やっぱりスピンオフの星を編むも続けて読みたいなぁ。早く文庫化しないかなぁ。 来年映画化されるらしいけど。 原作が損なわれないような表現をして欲しい。 大概映画はガッカリさせられることが多いからなぁ心配(´・ω・`)
43投稿日: 2025.07.22
powered by ブクログわたしの美しい庭 が好きだったので期待しすぎた。 ここまで共感できることが1ミリもない登場人物しかいないのが逆に凄い。 言うべきことを言わずに後悔ばかりしているように感じた。 一途というより引き摺りすぎて拗らせまくってるようにしか見えない。 ただ、読みやすい文章ではあった。それだけ。
2投稿日: 2025.07.22
powered by ブクログ本屋大賞って駄作でもあげるの?何でもかんでも他人がいいと思えばいいって判断なのかな?なんか幼稚くさいんだけど。会話とかもうーんて感じ。ラジオでこの作品はなんか腑に落ちないみたいな感じで言ってた人がいる。ビジネスの匂いがする。タイトルも意味がわからない。本屋大賞イコール芥川賞は同じと思ってる。その証拠にこういうのって古本屋さんに結構あるんよな。手放したくない本を読むと価値があるのに。人によって価値なんか違うんだよ、なんていうとフッサールもびっくりするよ。
3投稿日: 2025.07.21
