Reader Store
満願(新潮文庫)
満願(新潮文庫)
米澤穂信/新潮社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

788件)
4.0
198
350
179
19
1
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    3冠と山本周五郎賞は伊達ではない。最後になってどろりとしたものが現れるという解説が的を得ている。女性の凛とした気品さ加減は想像力をかきたてるには充分。 柘榴、満願、いずれも甲乙付けがたい。

    1
    投稿日: 2019.07.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    各話それぞれ、ゾワっとする結末。 どの話ももう一度読み返したくなる。 お気に入りの3話 『万灯』の後半スリリングな展開は一気に読めて、伏線の回収もとても良かった。マタボールの老人たちは、とは言うものの開発にも反対だったのだろうかと、想像が膨らむ結末となり恐ろしくなった。 『関守』先輩がヤバイと手を引いたネタは、ある意味本物だった。ラストに戦慄を覚えた。 『満願』恩人で憧れの存在だった人の二面性に気付いたときの後味の悪さったら無い。

    1
    投稿日: 2019.06.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人間の深奥に隠された業に、物語の最後に一筋の光を当てて、ストーリーを丸ごとひっくり返すミステリー短編集。軽い気持ちでは読まないほうがいい。

    1
    投稿日: 2019.06.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編集。 全てに共通しているのは、やるせなさが漂うところだと思う。なんともならない、どうしようもない、やるせなさ。 『関守』 やっぱり知らない人と二人きりは怖いよ。

    0
    投稿日: 2019.06.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「夜警」★★★★ 「死人宿」★★★ 「柘榴」★★ 「万灯」★★★ 「関守」★★★ 「満願」★★★

    0
    投稿日: 2019.06.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    しかけのある短編6作。細部まで設定や描写が行き届いていて雰囲気よし。趣の異なる悲しい話を一つ一つ味わうことができる。マイベストは「死人宿」だが表題作も捨てがたい味がある。

    1
    投稿日: 2019.05.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    夜警 よく警察小説と言えば、刑事や公安がピックアップされがちであるが、あえて交番の地域警察官に焦点を当てたことは斬新だった。なかなかにきめ細かでリアルなお巡りさん事情が描かれる。 死人宿 決して後味は良くないんだけど、こういう終わり方もアリかなと思った作品。元交際相手が姿を消して途方に暮れる主人公だったが、そんな彼女がとある辺境の地で宿を営んでいるという情報を得る。さっそく宿に赴いて彼女と再会。けれどこの宿は自殺の名所だった。どうやら宿から噴出する有毒ガスが安楽死に導いてくれるんだとか。おかげで宿は大繁盛。複雑な思いを抱きつつも彼女を連れ返そうと説得すると彼女から奇妙な相談を受けた。 柘榴 あまり好きになれなかったお話。登場人物たちに感情移入できなかったことと、結末がある程度は予測できたのが原因かな。 万灯 綺麗な夜景はいわば残業の光と言える。無数に広がる夜景は労働の結晶なのだ。そう再確認させられた作品。 満願 表題作。調布の深大寺にはなじみが深いので別の焦点から感激させられた。 全体を通じて言えることは後味が悪いということ。けれどありがちな悪さではなく、余韻として心の奥にしみこんでくるため、万人受けはしないだろうが、ありきたりなミステリーに飽きてきた方はぜひ。

    0
    投稿日: 2019.05.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    3.5 短編ミステリー。各短編のオチがよく考えられており、全編共通して、なるほどなり、気持ち悪かったりとミステリー要素が盛り込まれている。読みやすくなかなか面白い。新人警官のミス隠蔽の話「夜警」、恋人との復縁を望む主人公が訪れる自殺が多い山奥の「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」、峠道のドライブイン付近の不可思議な連続事故の真相に迫る「関守」、先祖の掛け軸とその思いを守り抜こうとする下宿先の妻の話「満願」の6編。「先祖は私塾を開き、身分の低い武士を支えて出世を助けた」先祖の模倣が苦しい日々の中で彼女が誇る方法。酒に強いのも不幸だが、女房が立派なのはなお悪い。

    1
    投稿日: 2019.04.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最後の最後に、こわーってなる感じがたまらない。解説にもあるとあり、ミステリーの短編ってたしかに難しいけど、この本はすごいわ。深夜に読み終えて、ぞわぞわしながら、眠りにつきます。

    1
    投稿日: 2019.04.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最後にくるりとひっくり返る、ブラックな短編集。なんとなく途中から見えてくるけど、どれも書きぶりがとても静かで、ひたひたこわさごちかづいてくる。

    1
    投稿日: 2019.03.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    米澤穂信=氷菓のイメージだったたのでここまで未読だった作品。甘いの苦手なのよ。嫌いじゃないけど綺麗すぎる世界は息苦しいから。苦味だったり渋みだったりを現実逃避の代償行為として投影すると言うか・・・わかりやすく言うと、ストレート麺にスープを絡みやすくする為に縮れさせたりの表面に傷を付ける行為がより美味しくさせるじゃないすか。そんな感じ。大丈夫、OK、スベってない。 しかしどうだい!面白いと同時に味わいがこんなにも違う短編集だったとは。 警察モノ、火サス風、美人姉妹。おぉ!おぉ!と読みすすめてガツンと来たのは「万灯」すぐに浮かんだのはTHA BLUE HERBの路上。歌詞の内容がとかじゃなく世界観っつーか空気感。渇いていながら肌にまとわり付くジットり感っつーか焦燥感が似てる。いや面白い!他にも都市伝説モノときてのラスト「満願」読後に溜息が出たわ。すごいねコレ。内容にあえて触れずに書いてますけどこんな作品集は今以上にもっと売らなきゃ!自信を持って薦められる。そう思いました。・・・例によって思っただけですけど。でも、売るべきってキブンはアガった!そして僕の中での米澤穂信さんの評価もあがった。

    1
    投稿日: 2019.03.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なんとなく苦手意識が働いちゃって、ほとんど読めてない穂信さんだけど、これはよかった! 短編集だし、またいつか読み返してみたくなりそうな予感w

    1
    投稿日: 2019.03.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本が出版された時から気になっていました。その間にテレビで放映されたのも見ました。テレビのもとても面白かったですが、やはり原作はいいなぁと思いました。。 どの話もみんな惹きつけられました。 他の著書もぜひ読みたいです。

    1
    投稿日: 2019.03.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    久しぶりの米澤作品。相変わらず外れがない。本格だったりイヤミスぽかったり、テイストが少しずつ異なりながらもじとーっと暗い雰囲気は共通。 「夜警」が1本目ということもあり、最も新鮮に読めて面白かった。「柘榴」は既視感覚えつつもゾッとしました。この読後感の悪さは女性ならではじゃないかな……うう……

    1
    投稿日: 2019.02.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    氷菓よりも面白い。 結末までしっかり引っ張ってくれる感じがする。 夜警、柘榴、万灯がおすすめ。 夜警はありふれた設定のようでいて、ラストまでぐっと持って行く。違和感がある部分もあるが、それは短編ならではの見逃しポイントでは。 柘榴は、美しい女性が狂気を孕んだふるまいをするところにぐっとくる。恩田陸先生に通ずる女性のしなやかさと力強さがある。 万灯は、緻密な表現により、緊迫した状況が具に伝わってくる。手に汗握る展開。 おすすめの作品。

    1
    投稿日: 2019.02.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    米澤穂信さんの作品は読むのが初めて。 去年8月、万灯・夜警・満願がNHK総合でドラマ化されましたね。ドラマを観て面白かったので、原作を買いました。 各短編のミステリーに惹きつけられ、それぞれの物語最後に背筋がゾクッとしました。 他三編も是非、ドラマ化してほしい。

    1
    投稿日: 2019.02.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    夜に読むことはお勧めしません。心がざわざわして寝つきが悪くなった気がします。(私は特に柘榴が印象に残ってます。) ただ、面白い本であることは間違いありません。 不思議な現象、考えられないことには必ず、何らかの人間の感情が渦巻いていると教えてくれます。 久しぶりに本を読みたいなと思っている人に特におすすめできる一冊です。

    1
    投稿日: 2019.01.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    さっぽろ図書館本。2014山本周五郎賞、このミスなど史上初ミステリー3冠達成した米澤穂信「満願」短編集6編どれもこれも凄いですが、私はNHKで西島秀俊さん主演でドラマ化された万灯が好きかもです。

    1
    投稿日: 2019.01.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ずっと読みたかった作品。ミステリーに、ちょいホラーが絡んでるのかなぁ。在外ビジネスマンの話は、まぁ良かったんだけど。私には余りパッとしない一冊でした

    0
    投稿日: 2019.01.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    短編集。ストーリー面白い、物語のオチまでいっきに読ませるし、オチも良く計算されている。 このひとの長編の作品もチェックしたい 物語はダークな雰囲気につつまれている。「世にも奇妙な物語」を上質な文章にした感じ 6篇あったけど、どれも甲乙つけがたく、良かった。

    0
    投稿日: 2019.01.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「夜警」1番印象に残った。ぐっと引き込まれた。ヤスケンがドラマをやっていたようで是非再放送を見たい。 「万灯」すごい内容でした。

    1
    投稿日: 2019.01.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ひとつひとつの短編は読みやすく吸引力があり、読み進める手が止まることはほとんど無かった。短編でこれだけのミステリを書き上げる作者はすごいと思う反面、個人的にスッキリする話ではなかったので☆3にした。結構「それアリ!?本当にできる!?」みたいな話もあった。けれど作者独自の世界観が小説から香ってきて、他の作品も読んでみたいと思った。☆3,5くらい。

    0
    投稿日: 2019.01.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    米澤穂信は久々。彼の作品では古典部シリーズが好きで。日常の謎を得意としてるのかなと思いきや、今回読んだ短編はミステリー。巧妙で鮮やかだった。「満願」「関守」が特に良かったけど、全てオチもありゾッとする場面もあり見事でした。 今年は米澤作品も読破しよう。

    1
    投稿日: 2019.01.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2015このミス大賞作。 短編でこのミステリーの完成度はすごい。 人間の深層心理をつくような内容に引き込まれた。 個人的には美しい中学生姉妹の話がスキ。

    1
    投稿日: 2019.01.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編集。 短い話でも登場人物の心情が読み取れ、各話の結末も秀逸。 時代や背景も様々で、読んでいて飽きない。 初めて読む作家さんだったが、長編も是非読みたいと思う。

    1
    投稿日: 2018.12.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    米澤穂信さんのラノベっぽいヤツ以外は 期待できる、ということが分かった。 短編集だけどどれもハズレ無し。 読み応えあった! *** バンクーバーの旅のお供に読みました。

    1
    投稿日: 2018.12.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ミステリ賞をいっぱい受賞している作品。 短編作ではあるが、 どの作品も話の終盤にミステリの残り香を残した 素晴らしい作品 である一方 文章表現が卓越しすぎて、意味がたまに分からないものが出てきたりするので、読みにくさを感じてしまった。 これは自分の無教養なだけなのだけど、 あまり日常的に使わない表現があったので 文学作品としてはかなり高尚なものかもしれないが、 庶民のボクとしては読みづらかった。 内容はどれも面白いです。

    0
    投稿日: 2018.12.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    夜警 死人宿 柘榴 万灯 関守 満願 山本周五郎賞 著者:米澤穂信(1978-、岐阜県、小説家) 解説:杉江松恋(1968-、東京都府中市、文芸評論家)

    0
    投稿日: 2018.12.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このミステリーがすごいとの事で購入しましたが、思っていたよりは普通でした。大げさな仕掛けや発想がある訳ではなく日常の中に住むミステリーという感じで暇つぶしににはちょうど良い程度かな

    0
    投稿日: 2018.12.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    唐突に始まるそれぞれの物語は、唐突だからこそ 怖いものみたさにどんな結末が待っているのか 流行る気持ちを抑えてページを捲る手が速くなる。 全体的に何気ない展開から最後のオチは 全て良い意味の後味の悪さが残る。

    1
    投稿日: 2018.12.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読書中に眠くなったり、気が散ることがあるけど、この小説には一切それがなかった。 これを機に未読のミステリー小説を掘り出します笑

    1
    投稿日: 2018.12.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    苦手な「短編集」と「ミステリー」のダブルで、それに気がついた時(本を手に取った時だけど)はガーンだった。ただ、読んでみると、短編ミステリーってことで、期待値ががっくり下がったマイナス状態から、だいぶ最後持ち直してくるくらいまで、面白かった、とは思う。 ただし、やっぱり好き好きだな。ここからは私自身の好き好きの話。 確かに、書き方は丁寧で、内容は興味をそそられるし、最後までぐぐっと読み進めるくらい面白いんだけど、でも好きじゃない。 あと、最後の最後の結末が(ゴールのイメージはもう出来上がってるんだけど)、書かれていないっていうのも、なんか思わせぶりで好きじゃない。 やっぱり、ミステリーはどうも、、、、遠慮させていただきますって感じ。 こういう作品がすごく好き!っていう人も多いと思う。最近思うのは、図書館とかの品揃えや本屋さんの並べ方など見てみても、世の中の多くの人はミステリー好きなんだと思う。ただし、私はどうも・・・ってだけ。 しかし、選んだつもりでもどうしてもこういう話に当たってしまうのは、やっぱり世の中に多いからだろうな。読んだことのない作家さんの本もどんどん読んでみたいけど、あたりハズレは仕方がないな。

    0
    投稿日: 2018.12.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    米澤穂信の著作を読むのは、『儚い羊たちの祝宴』以来久しぶりだ。短篇集は初めてである。『儚い-』を読んだときにも感じたことだが、米澤の描く小説世界は邪悪だ。一見ハートウォーミングな結末を予感させたりするけれども、ついには暗黒世界に突き落とされる。最後に示される真実、真相は、いつだって残酷なのだ。 読後感は決して爽快ではない。むしろ爽快感を装って始められる物語は、読み進むにつれ、ざらっとした感触を纏いだす。一見救済のない物語を、ではなぜ我々は読み、かつ魅かれるのか? 現実の世界で、人が抱く孤独や葛藤といったネガティブな心理は、とかく隠蔽されている。時に本人すら気づかない心の奥底に秘匿されることすらあると思う。米澤氏は、物語の中で、そうした人の内部に潜む「もの」を具現化し、我々の前にあからさまにして見せる。だから、物語の主人公には救いは与えられないが、読む者は主人公への同情を含めて、人という存在の弱さに深い共感を覚えるのだろう。 氏の小説を読むということは、そうしたことの疑似体験に他ならない。

    7
    投稿日: 2018.11.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    "いやぁ。面白かった。 ミステリーの短編集。 交番の話、死にたい人が泊まる宿、隠微な親子の話、バングラディシュの資源開発、都市伝説を追う記者、そして表題作の満願。 どれも、独特の雰囲気があり、どの作品も好きにならずにいられない。"

    2
    投稿日: 2018.11.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    推理小説というくくりではないのかもしれないけれど、何のことはない普通のお話を描いている風でいて実はミステリー、みたいな短編集。どれも味わいが違うのだけれど、異国の地でエネルギー開発に全力を注ぐ駐在員を題材にした「万灯」と、昔話的こわさのある「関守」がよかった。後味の良くないざらざらするお話もあり。いかにも昔の男性作家という筆致、思わず作家さんの年齢を確認してしまいました。

    0
    投稿日: 2018.11.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    本格的なミステリ短編集。作品間の繋がりはない。しかし、それぞれ印象に残る。登場人物の狂気のようなものを感じ、妙に生々しい後味が残る。

    1
    投稿日: 2018.11.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    『儚い羊たち〜』に続き、米澤作品四作目。短編集。p236の文章を読んで、装丁の提灯?たちが思い浮かんだ。この万灯を読んでいるとき酷い腹痛に見舞われた…。嫌な唾液がどんどん溢れ出てくる—— なんというタイミングだろうか ——?海外など行ったことないのに。 ・・・と、基本的に短編集は物足りなくてあまり読まないのだが、これは凄い!長さ以上に内容が濃い。スーッと世界観に入り、次はどうなるんだ!どうなるんだ!!と、ページを繰る手が止まらない!!! 個人的にワールドワイドな「万灯」最後に背筋がゾワっとくる「関守」が好き^^ これは星五つだわ。

    2
    投稿日: 2018.11.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どの話も初めから不穏な空気が漂っていて、もしかして、と思い当たる頃に物語は去ってしまう。殺意がサラリとしたものであるが故に、恐怖心は止まらなくなる。「柘榴」が一番好き。暫く余韻が消えない1冊。

    1
    投稿日: 2018.11.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どの短編も、終盤になって一気に全てが明らかになる形式のミステリー。 それぞれ全く別のお話なので、各人物のキャラクターについて掘り下げられる部分は少ないが、その分前半の「それってどういう事?」というモヤモヤが最後の謎解き(と言うのか、真相解明?と言うのか)でスッキリできる要素が盛り込まれている。

    1
    投稿日: 2018.11.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    6編の短編集。 ・夜警 ・死人宿 ・柘榴 ・万灯 ・関守 ・満願 ドラマ化されたとき、表題の「満願」だけ見損ねたので購入。 「夜警」も「万灯」も原作に忠実につくられてたんだなあと思うと、見損ねたのがつくづく残念・・・と思ったら、11月に再放送あり。嬉しい。 他の3編ももちろんおもしろかった。

    0
    投稿日: 2018.10.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    全編に共通して最後の謎解き部分で心抉られる快感。 すべての作品テイストが違うけど、この後味の悪さが米澤作品の魅力なんだろうな。 『関守』がそんなぁ感が一番強くて好き。最後の決め台詞も薄気味悪くてざわっとした。 エンターテイメント性が強いけど、物語性も相まって非常に読みやすいし引き込まれる作家さんだ。

    2
    投稿日: 2018.10.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    古典部シリーズを読んでいたので、こんな話も書くのだと意外に感じた。人間の執着心などを描いた話もあり、面白いという感想は相応しくないかな。個人的には「万灯」、「関守」は印象深かった。「柘榴」なんか読むと女性の怖さを感じてしまう。

    0
    投稿日: 2018.10.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    夜警、死人宿、柘榴、万灯、関守、満願。思いもよらぬ人の行動とその心の深淵を覗く短編集。 一気読みしてしまいました。論理的で難しいイメージがあったのですが、面白く読み進められました。

    0
    投稿日: 2018.10.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    大変よくできた短編集で面白かった。 清張の短編と似た匂いを最初からかんじていたが、読み終えて解説を読んだら杉江氏も同じ感想を書いていた。 事象が見たままの動機で生まれたものではなく、ざらついた人の性が見えてくる。そんな短編集でした。

    16
    投稿日: 2018.10.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    何かありそうだと思わせる導入部。 お腹に小石を落とされたような余韻。 陰りのあるトーン。 足元の空気が重く感じようなミステリー。 踏み台がえぐった砂壁、先の見えぬ山道、じっとりとした異国の暑さ、など、それぞれそこに身を置いた時の感覚が伝わってくるよう。 私のおすすめは「夜警」と表題作「満願」 交番長の苦い思い。妙子さんの佇まい。特に心に残った。

    1
    投稿日: 2018.10.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編集。其々独立したお話。 後味の良い小説ではないのだけど、結末を予想させない展開なので最後までよんでしまう。

    2
    投稿日: 2018.10.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「意味がわかると怖い」系の話が好きな人にはハマるんじゃないかな、と思います。ドラマで見るよりわかりやすくてずっと面白いので、ドラマよくわからなかったな…という人にこそ読んでほしい…! タイトル「満願」に沿ったような、人間の願望が生む執念の激しさ、おどろおどろしさを突きつけられるような短編が並び、どの話も伏線などの意味がわかるとゾワッとします。彼らのその先を想像せずにはいられない、知りたいけど知りたくない…読み終わった後もゾワゾワ、モヤモヤをなかなか忘れられませんでした。

    2
    投稿日: 2018.10.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    NHKが3夜連続ドラマをやったらしいが、知らずに読了。米澤穂信作品は初だったがかなり読みやすい。この人の言葉遣いや言い回しが好き。 「夜警」「死人宿」「柘榴」「万灯」「関守」「満願」 どれも良かったなあ。 「夜警」「万灯」「関守」はゾクゾクして一気に読んでしまった。短編集でこんな捨て話がないのも珍しい。 イヤミス?という部類なのかな、とにかく後味が悪い。 だけど、何度も読みたくなる、私にとっては珍しい本だった。

    1
    投稿日: 2018.10.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    夫が浮気を疑い妻を殺そうとしているところを助けようと警察官が割って入り、結果警察官が死んでしまうという一見するとヒーローのように見えるけど本当は違う話。 ただちょっとしたミスをごまかしたかっただけなのに死んでしまった。 行方しれずだった女性を追いかけた先の宿は自殺の名所。宿泊客の中から自殺志願者を探すことになる話。 みんな自殺志願者だったんじゃ。 仕事をやり遂げるために没頭した結果道を踏み外す話。 何というかここまで行くと仕事が宗教みたいです。 堕ちたライターが都市伝説を記事にすることになり、ある町の休憩所でおばあさんに話を聞きに行ってミイラ取りになる話。 ほんとうに怖いのは幽霊よりも人間ですね。 弁護士を目指す学生が下宿している家で優しくしてくれたおかみさんが、数年後殺人を犯し弁護する話。 理由が普通のひとではなかなかないですね。

    1
    投稿日: 2018.09.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    上司の机上にあったところを何気なく声をかけ、お借りして読むことに。その後NHKでドラマ化されたと知り、映像イメージが着く前に読了。 全6編のバラエティに富んだ短編ミステリー集。 それぞれの登場人物にはなんの相関関係もなく、完全な1話完結ものだが、どれもなんとも言えない後味の悪さ。 それぞれの主人公の日常に潜む些細なことが事件の発端である。事件のきっかけや動機は様々だが、そこに横たわるのは犯人の強烈な拘りや執着であり、それがやがて狂気に変わって…と言うのが唯一の共通点。 そして、どの話も其処彼処に散りばめた伏線を見事に回収して終わる。読者にざらりとした読後感を残して。 この人の作品をもっと読みたくなった。

    1
    投稿日: 2018.09.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ドラマを観て、活字でその間を埋めるため 本を手にした。 「夜警」 柳岡(安田顕)の心の葛藤が 行間からにじみ出てくる。 ラスト、これから柳岡はどうするのだろうか。 一番好きな話は「関守」 ライターとして、ヒットを飛ばしたい記者。 『死を呼ぶ峠』などの名称で都市伝説のように語られていてる、桂谷峠近くにある店に取材に行く。 近年、奇妙な事件が多発していた。 果たして、その真相は・・・。 「万灯」などは 映像化したことで分かりやすくなっていた。

    1
    投稿日: 2018.09.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ドラマを観てから読みました。ドラマのときから、話の展開がまったく読めず、淡々とストーリーにのせられて行ったら、意外な結末が、という印象で、原作もまた然り。関守が一番印象に残った。現代版ホラー。

    3
    投稿日: 2018.09.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    予告編から気になっていたものの2話見逃し、唯一見た「満願」もドラマだけではイマイチすっきりしなかったので読むことに。 途中でなんとなく引っかかりを覚えた部分が伏線で、ちゃんと最後に回収されていて、ゾワっと背筋が寒くなる話や後味の悪い話が多いものの、読んでよかったと思う。 先にドラマを見ていたから洞察が深まったのかもしれないが、テレビの映像では流れてしまっていた部分が、文書を読みながらの脳内映像では重要なポイントだと気付いたのも個人的には興味深い点であった。 タイトルもよく言葉が選ばれていて、最後まで読んだ時の全てのつじつまがあったような、ストンと腹に落ちる感じとゾワゾワ感が面白かった。

    1
    投稿日: 2018.08.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編集でそれぞれの話のつながりはなし。世にも奇妙な物語のような内容。今回の作品もこの作者の雰囲気は全て通してあった。 ドラマ化されたのも見たけれど、役者さんも頑張っていたけれど、やはり本のようにはいかないか…と、思った。でも、それは逆に言えば、演じきれないぐらい、本には丁寧に細かやかに描写がされているということだと思う。 そんなに、えー?!と、驚くようなびっくりポイントはないけれど、一つ一つが短いので、隙間時間にも読めた。

    4
    投稿日: 2018.08.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最近テレビドラマでやっていて、前々から気になっていたのもあって購入。 長編、ではなく、ストーリー的にはまったくつながりのない短編集。読み始めると、なんとも居心地の悪い、捉えどころのない、不思議な作品。 読後感がわるくて、すっと寒気がする感じは『世にも奇妙な物語』と、よく似ている。 そうして、すべてのストーリーを読み終わるころに気づく。 これは、人間の狂気、の話なのだと。 キャラクターも境遇も設定もなにもかも、違う登場人物たち。ただし、ひとつだけ共通点がある。それは、その人が生きていくにあたって、決定的に重要ななにか、自分の尊厳をひっくり返すなにか、を「失いつつある」状況に追い込まれている、ということ。 その状況に追い込まれたとき、人は狂気の人となる。 気づけば、その狂気にその人自身が飲み込まれ、狂気が独り歩きをはじめる。 なんとも言えない薄気味悪さはこの狂気から発せられている… 一方で、読んでいる読者自身もいつ自分が狂気に飲み込まれるかわからない、ということを感じて寒気を覚えるのだ… 面白い作品でした。 夏の夜にぴったり。

    1
    投稿日: 2018.08.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    NHKドラマの「夜警」「満願」を見て興味を持ち読んでみた。 「夜警」も「満願」もほぼ原作に忠実にドラマ化されているのが分かった。60分という短い時間の緊張感が短編でも味わえた。TVでは見逃したが「万灯」でのバングラディッシュでの天然ガスをめぐる商社マンの話は長編ドラマにしてもおもしろいかもと感じた。 一番最後でガクンとやられたのは「関守」。山姥みたいな話でけっこうオチとしてはある話なのかもしれないが、伊豆の暗い細い峠道にある侘しいドライブインに、樹木の枝葉の暗がりと夜の薄闇が忍び寄ってくる空気を感じた。 あと「死人宿」では”栃木は八溝の山深く”の温泉という、かなりなマイナー設定。栃木というと那須、日光はポピュラーだが八溝は茨城県境の割と低い里山という感じなのだ。米澤氏はどこで知ったのか。 「柘榴」はけっこう粘っこい内容。 続編で残りの3つもドラマ化されないかな。 2014.3新潮社 単行本で刊行

    3
    投稿日: 2018.08.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なんとも不気味な…… 6編の短編集 夜警 警察学校を出たばかりの新人警官「川藤」の不気味な性格 死人宿 会社で行き詰まり恋人と分かれて叔父の経営する民宿に仲居として勤め出す佐和子 その佐和子を探しあて引き戻そうとする恋人 しかしその民宿には不気味な噂が 柘榴 美しく育ったさおりは佐原成海と結婚し夕子と月子を授かった。 成海はどうしようもない男で離婚する事に 自分が働いて自分が全て面倒を見てきた子ども二人の親権は当然自分にあると思っていたが裁判所からの通知は父親に親権があると言う どうしても納得いかず裁判官に食い入るが…… 二人娘夕子と月子の不気味な生い立ち。 万灯 井桁商事の伊丹はバングラデシュのガス田開発に乗り込む。しかしライバル会社の森下も同じくガス田開発に乗り出していた。しかし中々前に進まない。バングラデシュの要人から同じ要人の1人を殺してくれたらガス田開発は任せると言われ伊丹と森下は夜、車でその要人を轢き殺す。その後伊丹は日本で森下を殺す事に、しかし森下はコレラに感染していた。自分も感染したのか?伊丹の不気味な今後 関守 先輩からある峠の茶屋の不気味な噂を聞く。その真相を探ろうと取材に出かける。おばあさん1人で切り盛りしていた。近くの崖から4人が落ちて亡くなった事件を聞く。段々とそのおばあさんの話が真相に進むに連れ眠たくなってきた。最後に話しかけるおばあさんの不気味な 言葉 満願 昔お世話になった下宿のおかみさんが殺人を犯した。弁護士になった自分はなんとか助けようとするがおかみさんが二審の控訴取り下げをし8年の実刑に。 なぜおかみさんは殺人を犯したのか。一審までは裁判をやる気になったのになぜ急に控訴の取り下げをしたのか。 山本周五郎賞を取ったこの作品。 やはり面白かった。散りばめられた不気味さ。 凄く面白かったです。 自分的には「関守」が一番面白かった。やさしそうなおばあさんが最高です。 読んでいて、なんとなく違和感というかひっかかるものが……なんだろう…… もやもやしながら読み終えました。 しばらくしてそのもやもや感の正体が! 頭の中に「世にも奇妙な物語」の音楽が流れていたのでありました「まる」

    3
    投稿日: 2018.08.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    年始に購入後、楽しみに温め続けてきた本。 先にNHKのスペシャルドラマを観てしまったので、短編6本中の3本は結末を知っている状態で読むことに笑 (書籍に対する感想ではなくなってしまうが)映像化はうまくハマってたなぁ、と思う。 短篇集だが、一貫して重苦しい雰囲気が漂っている。 全篇とも、他人の持つ嗜好・志向・大切にしているものをきっかけに、語り手が日常から少し離れた場所に迷い込んでしまうような話。うまく言えないけど。 ・夜警 間抜けというか…まさに「上手くいったのに」 部下の一挙一動を気にしなければならない憂鬱。ある意味一番コミカルな話。 ・死人宿 本気で推理しながら読めばもっと楽しめたはず。全員死にそうな勢いだったから結末は特に驚かなかった。幽霊とかオカルトものかと思った。 ・柘榴 しなくていいけど理解できない、気持ち悪い。乙一の作品にありそう。 ・万灯 「資源と言う名の神」謎の使命感に突き動かされて仕事に邁進してしまう怖さ(違うか) ・関守 お婆さん怪しいよ!と思っていたら最後にドミノ倒しのように明らかになる事故の真相。知らぬが仏。 ・満願 論点は殺人の計画性かと思われた。実は違う。殺人するまでに彼女を追い詰めた理由とは何か。それも違う。矜持を持つ彼女にとって殺人はやむを得ない、くらいのものだったのかもしれない。「犬はどこだ」の読後感に似ている。

    1
    投稿日: 2018.08.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    nhkのドラマになるとかで予告編を見ておもしろそうと思って購入。 「関守」「万灯」がおもしろかった。 どれもよくつくられた話の展開で、またいつか、この人の本を買いたいと思った。

    1
    投稿日: 2018.08.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    夏の夜更かしにぴったり、ホラーなミステリー。 短編集だけど、一つ一つの話に、何とも言えないじっとりとした余韻が残って、読み応えあり。 どのお話も、ラストに向かって「ん?なんか怪しい展開…」「え!突然そうなる⁉︎」で、最後はスッと落とされるジェットコースターのような快感。 一気に読み終わってしまって放心したのも束の間、なんと今月特別ドラマに! 映像でもっかい見てみよー

    3
    投稿日: 2018.08.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    普通に面白かったけど、世間の評判ほどは楽しめなかった。基本的に登場人物の言動に共感出来ないことが多く、どの短編もラストのオチに向かって登場人物が動かされてる感があった。読後感の悪さが売りなのは理解できるが、何も解決しないぶん投げオチにも見える。

    0
    投稿日: 2018.07.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編集は伏線が見え見えでちょっと苦手でした。ただこの本の中の話は、予想を上回り、裏切られ、スッと落とされる。 それぞれはミステリーなんどけど、掛け合わせで警察小説、社会派小説、エロティック、裁判系、多種多様だけど、裏切りの仕方は共通している。一人称の主人公の立場から、読み手も主人公になりきって世界にズンズン入り込んでいった結果、意外な裏切りです。 おもしろい!

    2
    投稿日: 2018.07.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    米澤穂信の面白さは安定している。何を読んでも満足度が高い。久しぶりに読んだけれど、この本も変わらず面白かった。少しの引っかかり、と解説されていたけれど、まさに少しだけ引っかかるような、小さな謎を題材とした6編の短編集。さっぱりという感想がちょうど良い気がする。 180719

    1
    投稿日: 2018.07.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    米澤さんは傑作しか書けないのではと逆に不安になる短編集。各作品のテーマや人間関係といったクライマックスと謎の解明が見事にリンクしてぞわりと脳が痺れるような感覚になりました。 殉職した新米警官の意外な面が浮かび上がる『夜警』、中学姉妹のどす黒い愛情があざとく恐ろしく『柘榴』、ラストの光が目に焼き付いて消えない『万灯』などなどどの作品も見事で、強烈なものを残す作品集です。

    2
    投稿日: 2018.06.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    何かを守ろうと、手に入れようとする人達の話。 どの話も裏のあるストーリーで、結末に驚きながら読むことができた。 しかし、登場人物の性格があまりに現実に即してない感じがして、どうにも入り込むことができなかった。 小説なので、そんなこと言っても仕方ないが… 罪を犯した動機にもう少し工夫が欲しいと思った作品である。

    0
    投稿日: 2018.06.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    6の短編集。 解説にて杉江松恋いわく、テイストも背景もあえて重複しないように気を配ったらしい。 私がなんとか共通するものを見出すとすれば……いまひとつ生き方に自信を持てない茫漠とした男と、かたやはっきりと魔性の女と、ということだろうか。 前者……「夜警」の全員、「死人宿」の語り手、「万灯」の全員、「関守」の語り手、「満願」の語り手。 後者……「死人宿」の某、「柘榴」は魔性そのもの、「関守」においては意想外、「満願」の某。 言い換えれば、ぐずぐず留まる男と、突き抜けてしまった女と、とも。 杉江氏に頼ってしまうが、語り手の側の切実さ、松本清張の連想、は私も感じた。 明らかに「オッサン読者を意識した賞狙い作風」の小器用さを、個人的には通例なら嫌悪するのだが、 ……「柘榴」や『儚い羊たちの祝宴』『インシテミル』『追想五断章』といった「毒」が、一般世間に(秘密裡に)流通すると考えれば、まあ万々歳だね。

    0
    投稿日: 2018.06.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編集。表題作の「満願」は以前アンソロジー集「Story Seller 3」で既読。警官の不祥事を描いた「夜警」、湯けむりサスペンスチックな「死人宿」、「儚い羊たちの祝宴」にも通ずる女性の怖さを描いた「柘榴」、企業人の破滅を描いた「万灯」、都市伝説の正体を描いた「関守」の五編に血筋を守ろうとする女性を描いた表題作を加えた計六編を収録。全編通して人間の狂気が描かれており、爽快さは皆無だが、一編一編読み応えあり。これだけ夜が似合う短編集もなかなか無いのでは…?

    0
    投稿日: 2018.06.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    とても面白かった。緊張感のあるスリリングな内容ではないが、読者をうならせる結末がとてもよかったですね。短編集ながら読み応え十分でしたね。どれもよかっなですが、「柘榴」「関守」が特にインパクトがあったような気がします。

    1
    投稿日: 2018.06.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    六篇全ての質が異常に高いミステリー短篇集。特に喝采を送りたいのが「万灯」。語り手を追い詰めたモノの正体、その斬新さと容赦の無さ。あまりにも鮮やかな"詰み"に感動してしまった。

    2
    投稿日: 2018.06.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    とある交番内の警官が綴る事件の真相の裏側とは? 自殺志願者の多い旅館に辿り着いた男が気づく自らの心情風景は? 中学生姉妹の両親への思いからくる決断、そして姉妹間の深い葛藤とは? 海外に赴任したビジネスマンの熱意の結果とは? ある交通事故の都市伝説の記事のため取材に訪れたフリーライターが聞いた事は? かつて下宿先で世話になった奥さんが殺人を犯した。果たして真意は? 全6編、誰にでも起こりうる心の葛藤がトリックになりミステリーとなっている気がした。

    4
    投稿日: 2018.06.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    短編集。人間の業というか、綺麗なだけじゃない、生身の人間の姿が面白い。短編だが中身は1つ1つ重みがあり、濃い。 万灯は最初どこに向かう話なのか見えにくかったが、引き込まれた。

    1
    投稿日: 2018.06.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    全編を通して完成度が高い。特に「万灯」が面白かった。「 裁かれている」のは法廷か、もしくはそれに並ぶような場所でかと思いきや、実はそういった場所や理由で裁かれているのではない。 すべての話で、続きが気になるような終わり方になっている。

    1
    投稿日: 2018.05.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白い。作中の人物が目先の利益に目が眩んで、越えてはいけない一線を越えてしまい、かつ、最後に救いが見当たらない結末に、後味の悪さを感じずにはいられない。 バッドエンドが嫌いでなければ星5つか。

    0
    投稿日: 2018.05.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    〇 総合評価 ★★★★☆  全編を通じた仕掛けなどがない、純粋な短編集。いずれも及第点以上のデキである。白眉は標題作の満願。どの作品も短編ミステリの教科書のような作りとなっている。米澤穂信は小説が上手いと感じさせる作品ばかりだが、大きな驚きがある作品はない。古典落語のような「良くできた」ミステリぞろい。寝る前に軽く読めるような作品ではなく、やや重めの作品ぞろい。米澤穂信好きなら当然オススメだし、初めて読む人にも勧められるようなデキの作品。★4で。 〇 メモ 〇 夜警 ★★★☆☆  川東浩志巡査が殉職する。田原勝と田原美代子のトラブルに巻き込まれ、田原勝から切り付けられたことが死亡の原因。川東は田原勝を射殺していた。  川東は正真正銘の者だった。些細なミスをごまかそうとする性格だった。川東が射殺された日には美代子が交番に相談に来ただけでなく、交番の側で交通整理をしていた誘導員がヘルメットに衝撃を受けて倒れていた。  交番長の柳岡は川東浩志の兄と話をする。通報があり、田原勝の家に行き、川東が発報する。田原勝は即死せずに川東を切りつけた。川東は、死の直前に「こんなはずじゃなかった」「うまくいったのに」と言っていた。川東が撃った弾は5発。うち1発は庭に落ちていた。川東は死亡した日の昼、「とんでもないことになった」というメールを兄に送付していた。柳岡は真相について考えた。川東は死亡した日の昼、拳銃を触っていた。拳銃が暴発し、警備員に当たった。大事には至らなかったが、発報したことについて責任を問われる。それをごまかすために発報しようと考え、田原勝に「妻の浮気相手は交番にいる」と言ったのではないかと。  柳岡と川東という警察の考え、内面描写がかなりリアルに描かれている。真相はミステリとしては弱めだが、世にも奇妙な物語系の作品としてはよくできている。川東みたいな男はどこにでもいそう。柳岡のような男も。妙なリアルさがある佳作。★3 〇 死人宿 ★★★☆☆  佐和子という職場でパワハラを受けて失踪していた昔の恋人が、山奥の旅館の仲居をしていることを知って会いに行く。佐和子は「死人宿」と言われる自殺の名所の宿で働いていた。私は「合理性より優しさが大事な時もある、と学んだ気がする。」と佐和子に伝える。佐和子は、脱衣所で見つけた遺書を見せ、三人の客のうちだ誰が自殺をしようとしているか、見付けてほしいという。  「私」は、本当に自殺をしようとしているのか…合理的な疑いを挟む。しかし、「合理性より優しさが大事な時もあるということを学んだ。」ことを佐和子に示すために推理をする。脱衣所で拾われた遺書は一部であり、川に流された分があると考え、落ち鮎を獲る梁にあった遺言を発見。「丸田」という名字を見付け、自殺を阻止する。佐和子は「あなたは、どうして自分から死のうとしている人を止めなければいけないのか。」と訊かなかったという。  最後は、胡桃の間に泊まっていた別の女性が自殺するというラスト。主人公は、胡桃の間に死装束だと思われる浴衣があったことを思い出し、自殺に気付くことができたと後悔する。  最後に、米澤穂信らしい皮肉なオチがある作品。ハッピーエンドでは終わらせない。ミステリ的にはトリックらしいトリックもない。丸太の遺書が川に流れたことを示す伏線がさらりと書いてあるのはうまい。いい話で終わらせると見せて、なんとも言えないイヤな読後感でインパクトに残る作品。佳作 〇 柘榴 ★★★☆☆   ヒロインは皆川さおり。不思議な魅力を持つ佐原成海と学生結婚をした美しい女性。夕子と月子という娘が生まれる。成海は仕事をしない結婚相手としてはひどい男だった。娘二人を育てるために離婚をしようとする。成海は娘二人の親権を争う。  夕子と月子は成海から母親を引き離し、自分達が成海と一緒に生活するため、夕子と月子は虐待をされていたと思わせるため、双方を傷つける。  最後は親権を成海が得て、さおりは愕然とする。さおりは夕子と月子が虐待を受けていたと思わせるため自作自演していたことを知る。また、夕子は将来自分より美しくなりそうな月子の背中に傷をつけるという目的も持っていた。  非常にどす黒い話。近親相関が裏にあって、父と一緒過ごし、母親を陥れる娘の話…というだけでもブラック。それに加え、妹の背中に傷をつけるために妹まで騙した姉というのは…。全くいいところがない成海という男が諸悪の根源。読後感は最悪の米澤穂信らしいひどい作品。インパクトは抜群 〇 万灯 ★★★★☆  井桁商事という資源開発をする会社に入った伊丹という男の話。インドネシアの開発を成功させ、次はバングラデシュの開発。事故により高野という部下が右手を失い、バングラデシュ人スタッフが死亡する。開発を進めるための拠点としてボイシャクという村を選ぶ。斎藤という男が交渉に当たるが、マタボールという村の指導者的な立場に当たるアラムという男の反対よりリンチにあう。斎藤は強盗にあい、仕事を辞めてしまう。  ボイシャク村からの誘いを受け、伊丹は一人でボイシャク村に向かう。そこでOGOというフランスの開発会社の森下という日本人の男に会う。アラムはバングラデシュのためにガスは使いたいと考え、外国による開発反対するという理念を持っていた。 伊丹と森下は別のマタドールの依頼を受ける。アラムを殺害し、開発を進めてほしいと。伊丹と森下はアラムを自動車事故に見せかけて殺害する。森下は殺人のプレッシャーに潰され、OGOを退社し日本に戻る。伊丹は日本に戻り、森下を殺害する。  森下はコレラだった。本来であれば伊丹と森下を結びつける要素はなかった。しかし、伊丹は森下からコレラに感染してしまった。伊丹が失踪前に森下に出会っていたことが分かると伊丹は破滅する。万灯の前で伊丹は裁きを待つ。  ひと昔前なら十分長編ミステリになっていそうなプロットの作品。短編(中編?)に仕上げられているので非常にスピーディな展開となっている。倒叙ものであり、森下という人物を殺害した伊丹が、どうして失敗したのかがポイント。本来であれば伊丹と森下を結びつける要素は何もないはずだった。しかし、森下がコレラに感染しており、伊丹がコレラをうつされたことが犯罪の発覚につながるというストーリー。   しっかりとした伏線が張られている。倒叙モノのお手本のようなよくできたミステリ。 〇 関守 ★★★☆☆  桂谷峠という峠で起こった4つの自動車事故。その自動車事故を先輩ライターから「都市伝説」の取材として引き継いだ男の話。峠にあるドライブインにいるお婆さんから4つの事故の話を聞く。  4つ目の事故の死者は前野拓也という県庁職員。3つ目の事故の死者は田沢翔と藤井香奈。二つ目の事故の死者は大塚史人。フィールドワークをしていた学生。そして最初の事故の死者は高田太志  最初の事故の死者はお婆さんの娘の二人目の亭主だった。実際は高田はお婆さんの娘に殺害されていた。事故に見せかけて処理をしたが、そのときの凶器が石仏  大塚は石仏が接着剤で修理されていることに気付いたので殺害された。田沢達はたまたま石仏を壊してしまい、接着剤で止められていることに気付いてしまい、殺害された。前野は観光資源を探して石仏の存在に気付き殺害された。そしてこれらの事件を記事にしようとした主人公も…。  これは世にも奇妙な話系の作品。ミステリ的に見ると4つの事故のミッシングリング。そのミッシングリングはお婆さんの娘の殺人を隠すための殺人というもの。単なる情報提供者であるはずのお婆さんが狂気の人物であり、主人公のライターが被害者となるというオチ。これも短編の教科書のような仕上がりのミステリ。 〇 満願 ★★★★☆  主人公は鵜川家で下宿をしていて司法試験を受けていた弁護士。世話になった鵜川妙子という女性の殺人事件  弁護をしていた。服役していた妙子が出所する日から始まる。  妙子は私塾を開いた功が認められ、お殿さまから受け取った掛け軸を家宝だと言っていた。  鵜川妙子は借金取りの矢場英司を殺害する。主人公は弁護士として計画性がなかったことを立証しようとする。殺害現場にはかつて、妙子と一緒に買っただるまがあった。  家宝の掛け軸が掛けられ、血痕があったことなどから計画性がないと主張する。結果は懲役8年の実刑  妙子の旦那が死に、保険金で借金を返済したことを知ると妙子は控訴を取り下げる。  主人公は事件を振り返る。殺害の日、だるまは後ろ向いていた。妙子は家宝の掛け軸を守るため、証拠物として押収させたのではないか。殺害は計画的なものだったのでは…。家宝の掛け軸を取り戻すため、妙子はまた弁護士である自分のもとに来るのではないか…。  標題作。鵜川妙子という女性が亭主を思う貞淑な女性だという印象から、がらっと変わる。この世をままならぬものと思い、世が世ならとほぞをかんでいたのは妙子だったのではないか。主人公の学問を助けたのは家宝でもあり誇りでもある先祖を模倣してのことで、それだけが苦しい日々の中で妙子が自らを誇る方法だったのではないか…。掛け軸を守るために計画的な殺人をした狡猾な女性という印象にガラリと変わるラストは印象的。これは傑作といっていいデキだろう。

    3
    投稿日: 2018.05.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読んだのは1年以上前で、内容をほぼ覚えていないのだけど こんなに読むのが止まらない本は久しぶりだ! なんだこれは! と思ったのをよく覚えています。 吉本ばななさんが二日酔いのときに村上龍さんの本を夢中になって読みすぎて 間に合わずについ吐いてしまった…というようなエピソードを読んだことがあるのですが そういう感じです(雑ですか。) 時間を飛ばすような読書をしたい! そういう方にオススメ本、1位です。 ジカドク、1位です。

    1
    投稿日: 2018.05.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編6作品、驚異の3冠と、第27回山本周五郎賞受賞、ミステリ最高傑作・・・と帯に記載あり、これは読まないわけにはいきません笑 感想:普通、特に強く印象にはのこらず残念

    1
    投稿日: 2018.05.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人間の心の闇を鋭く暴く、不気味な短編集。前半は苦難に立ち向かう立志編、後半は1つの過ちからジェットコースターのようにゴミクズになってゆく「万灯」は特に秀逸。

    1
    投稿日: 2018.05.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編集。どれも共通して人間の裏の顔が描かれている。 読了2,3日後に警官が上司を銃殺した事件があって、夜警を思い出した。 米澤穂信さんの作品はインシテミルや氷菓などラノベ寄りの作品しか読んだことなかったから、こういう作品も書くんだ…ってびっくりした。 この手の作品を長編で読みたいかも。

    1
    投稿日: 2018.04.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    短編6話。全体的に薄暗さだったり、ちょっとした後味の悪さだったりを感じます。ミステリー(話によってはホラーも)を存分に楽しめる内容でした。 夜警・・・こんな奴いたら困るけど、いそうで怖い。結末にゾッとしました。 死人宿・・・あまり印象に残らず。よくわからず(笑) 柘榴・・・カエルの子はカエル的な話。でも、その心情は全く理解できなかった。 万灯・・・やってはいけない領域に踏み入れてしまった企業戦士の末路。オチがこうくるかと驚いた。 関守・・・ホラーっぽい。おばあさん怖い。 満願・・・想像し創り上げた人物像が見事に裏切られた。そこまでして守るべきものだったのか疑問。 個人的には夜警、万灯、関守が面白かった。

    1
    投稿日: 2018.04.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    え、そんな帯で絶賛するほど面白くもないし深みもない、凡庸な中篇集じゃん。過去の読書の記憶を呼び覚まされるというか、目新しくないからだよ。特に柘榴はグロテスク。ラストの満願もチープ。期待はずれ。

    0
    投稿日: 2018.04.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    作家の技術力が光る短編集。 全編通して重く湿った空気が漂う文章は、この人の個性と技術の賜物なんだろう。 読み終わって満足感を得られる話は無かったが、文章が空気感を持つということを実感できるくらいのジメジメ度。好きな人は好きでしょう。

    0
    投稿日: 2018.04.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    六つの作品はどれも、始まりはよくある日常の中にありながらも、籟籟と気味の悪さが響き始め、あぁこう成るだろうと思わせた頃に、巧みに雲行きを変えながら、納得しつつも意外な結末に着地する。どの作品も平均的に完成度は高く、読後の満足感はどれも甲乙がつけ難い。数十ページという中にこれ程までストーリーをしっかりと展開させ、且つ意外性のある結末で結べる筆力は、つい作者の他の作品も読んでみたいと思わせるほどだった。普段伺い知ることの出来ないような人間の陰の一面を、上質なミステリーで堪能できる快作。

    1
    投稿日: 2018.04.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    本を開いてガッカリした。私の嫌いな短編集だったからだ。 が、すべて面白かった! 私の短編はつまらないという思い込みは消えたかも。 その中で関守がいちばんお気に入り。 ラストはドキドキが止まらなかった。

    1
    投稿日: 2018.03.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    夜間の緊急通報。部下はなぜ発砲したのかー夜警 逃げた女を追った先は楽に死ねるという噂の宿ー死人宿 美しい女美しい姉妹魅力にあふれたろくでもない夫ー柘榴 赴任先のバングラデシュで依頼された殺人によってー万灯 その峠は毎年のように事故が起こるー関守 下宿のおかみの行いはー満願 以上「願い・望み」を軸にした短編6本。 どれもまったく違ったテイストで飽きないつくり。 ほんとにどれも違うので「どれが一番好きだった」と言えないですねぇ。 物語にスイっと引き込まれてしまうところがすごい。

    6
    投稿日: 2018.03.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    普段短編を読まない方にもおすすめできるほど、一つ一つが濃厚です。読み応えのある一冊。人の心の動きを鮮やかに表現している上、風景も浮かぶような繊細な文に惹き込まれます。

    3
    投稿日: 2018.03.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編は深みがないのであまり読まないがこれはすごい。短い中で最後に180度景色が変わる。あっという間に読みました。

    1
    投稿日: 2018.03.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    事件推理だけでなく、いろんな種類の話が詰め込まれたミステリーの短編集。 個々のストーリーは短いので深さはともかく、心理描写は細やかで、展開も早くてストレス無く楽しめる内容。 ただ『◯◯で1位!三冠!』という帯の文言に期待しすぎてしまった感はあるかも。

    1
    投稿日: 2018.03.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2018.3.3読了 ☆3.8 6つの物語からなる短編集。 設定がバラエティに富んでおり、最後まで飽きずに読めた。 どの作品も怪談のようにゾクリとするがクセになる話だった。 著者の作品は「氷菓」を読んだことがあるが、こちらの方がゾクゾク感、スリルがあって好み。

    1
    投稿日: 2018.03.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    個人的に短編はあまり得意ではない、というのが前提にあるかもしれないが、ミステリー大賞などでかなり話題だったこともあり、勝手に期待値が上がりすぎていたのかもしれない。 思ったより普通、というのが正直なところ。

    0
    投稿日: 2018.02.01
  • みんなが絶賛するわけが分かった!

    古典部シリーズしか知らなかったので、著者が書く「人間の心の闇」には度肝を抜かれました。 しかもシリーズものでない短編なので全部が関係のない場面。 様々な場面での深い闇には著者の考える力に感服するほかありません。 犯人捜しの定番ミステリーではなく、犯人の動機を考える新ミステリーと言えます。

    0
    投稿日: 2018.02.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「古典部」シリーズの米澤穂信さんの短編集。 ひとつひとつが、どれも濃い! 連作短編集かと思えば、どれもまったく違うテイスト。 どれも面白くて、怖い。 「満願」は、最後の短編のタイトルなんだけど、 そこまで読んでみて初めて、 「この短編は全部、ひとつの願いを貫くことに決めた人たちの話だったんだ」 と気がつく。 怖いのだけど、ここに出てくる人はみんな幸せそう。 自分の願いを、自分の力で叶えたから…ですね。 だからこそ、面白くて、やっぱり怖い。

    6
    投稿日: 2018.01.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このミス2015年版1位、本屋大賞2015年7位。6編からなる短編集。最近多い連作短編ではなく、構成の意外性などに頼らず、オーソドックスに個々の短編の内容できちんと勝負している。題材はバラエティに富んでるが共通の雰囲気を持っており、殺人が絡むものの事件そのものが論点かさえわからないまま最後の方に謎が顕在化するとともに謎解きされる。すごく新鮮な感じがした。ミステリー3冠とってるように、ミステリー的には最高峰。この人の本何冊か読んでるけど、今までにないようなきっちりとした文体で完成度の高い仕上がりと思う。

    2
    投稿日: 2018.01.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     何を隠しているのか、何を知られたくないのか。  他人の心のうちまでは、外から見ても分からない。  その深奥を垣間見るとき、人の心の不気味さを感じる。  短編六編、    警官の殉職死の裏に、彼が隠そうとしたものは(夜警)  致死性ガスが溜まる温泉宿に落ちていた遺書は誰のものか(死人宿)  勲章として手に入れた夫だが、離婚を突き付ける母の誤算(柘榴)  人を殺してでも海外油田開発に取り組んだ男に下った報いとは(万灯)  一年に一度、転落死亡事故が発生する峠のドライブインで語られる老婆の話(関守)  殺人を犯した女は控訴を諦める。彼女が守りたかったものとは(満願)  米澤穂信は、人の考えを最後まで隠し通してラストで落ちをつける。  途中まで不気味ながら、展開が読めない。  心理ミステリ―が抜群にうまい。

    1
    投稿日: 2018.01.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編集です。収録されていた全ての話が、バリエーション豊で、かつ洗練されており、引き込まれるように読みました。 巧妙に仕組まれた伏線と、隠された謎が、しっかりと最後で胸に来るミステリとしての完成度の高さもさることながら、一つ一つの物語に込められた、人間の業に対する示唆の深さも見所でした。 とても、満足度の高い一冊であったと思います。

    2
    投稿日: 2018.01.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どれもこれも一山超えた先のラストがなんとも言えない。 短編なので読みやすくさらに読み応え抜群。 その読み応えたるや電車移動中に読み始め時間つぶしの読書じゃもったいなく思い区切りの良いとこでやめ、家に帰ってのじっくり読書に変更させるほど。 「柘榴」の切ない話かと思いきやの驚きと「関守」の怖さがお気に入り。 女性って怖い…

    2
    投稿日: 2018.01.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初、米澤作品です。 以前から読みたいと思っていました。 どの話も読みごたえのある短編集でした。 『関守』、『満願』が特に良かったです。 著者の他の作品も読んでみようと思いました。 面白かったです。

    0
    投稿日: 2018.01.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2年前に大きな賞レースを総なめにしていた印象がある満願、やっと読めた。短編、それも読後感がなかなか苦い部類のものばかりなので「読み切って充実!」という感じでは無いけど、ひとつひとつが濃い。 「柘榴」は以前に何かのアンソロジーで読んだことがあったけど、少女の悪意と話からただよう色気は何度読んでもぞわぞわする。 「万灯」の、ああこう繋がるか!という絶望感も良かった。

    0
    投稿日: 2017.12.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読み終わってひと月ほど経つけれど、思い出してゾクっとくる作品が多い。警察官の話、娘と父親の異常な関係、異国の地で罪を犯した男性など、バラエティに富んだ短編集。どれも設定がどこかリアルで、妙に神経に触れてくる話が多い。ただどれもドラマ仕立てのようではないのがとても良い。今年はあまり本を読んでいないけれど、間違いなく今年1番読み応えのあった本。

    1
    投稿日: 2017.12.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    米澤さんらしい、隙間なくかちっとはまるパズルのような緻密さをもった短編集。 短編でありながら人物描写も深い。 恐れ入りました。

    1
    投稿日: 2017.12.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かった けど、そこまで皆さんが絶賛するものとは思えませんでした(笑) 帯には 「このミステリーがすごい」第1位、 「週刊文春ミステリーベスト10」第1位、 「ミステリが読みたい!」第1位 の脅威の三冠、そして27回山本周五郎賞受賞作 と大絶賛です。 6編からなる短編集 「夜警」 新人警察官が現場で暴れた犯人へ発砲し射殺するも、犯人に刺され殉死! しかし、その警察官がたびたび起こしていた不審な行動。そして、ついにはその発砲の裏に潜む真相が明らかになる 「死人宿」 2年前に救えなかった彼女は宿の仲居に。しかしその宿は自殺の名所。風呂場に残された遺書から、自殺志願者を割りだして、救うことはできたのだが.. 「柘榴」 かいしょがない男の間にできた二人の娘の親権を確保したい母親と二人の娘の立場で話しが進みます。 結局家庭裁判所で下された結論は.. この話はかなりブラックな感じ。 サイコが入っている話です 「万灯」 商社に勤めるビジネスマンがガス開発のために犯したバングラディッシュの小さな村での殺人事件。しかし、共犯関係にあった別商社の男が会社を辞めて帰国。事件が明るみに出ることを恐れたビジネスマンは、その別商社の男を殺害するために帰国しその男を殺害。完全犯罪と思いきや... この話は好きです。 特に落ちが面白い 「関守」 峠の連続事故を都市伝説の切り口で記事にしようとしているライターが尋ねたドライブイン。 そこで語られる話を聞くうちに、真相がわかってしまう話。 これもブラックな話で面白い 「満願」 借金取りを殺害したのは、弁護士が学生時代に居候していた家さんの奥さん。しかし、いくつか不可解な言動が.. 結局、懲役8年で結審するも、納得いかない弁護士が導き出した真実。 ーー っということで、それぞれの短編はブラックあり、落ちがあり、で楽しめました。 自分としては、「万灯」が一番好きです。このビジネスマンの苦悩、そして、どんな手段があってもやり遂げるという意志力、結果、あまりに残念な運命と.. また「関守」のブラックさも楽しめました。 お勧め!!

    7
    投稿日: 2017.12.23