Reader Store
満願(新潮文庫)
満願(新潮文庫)
米澤穂信/新潮社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

786件)
4.0
198
348
179
19
1
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編とは思えないほどの一つ一つの満足感と読了感。 最後に人間の恐ろしさというか、なんかドロっとしたものを感じるのは、江戸川乱歩を読んだ後の感覚に似ている気がする。 めちゃくちゃ面白かったので、他の作品も読みたい!

    12
    投稿日: 2024.02.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どれも、それでそれで、、、と先が気になって読み進めやすかった。読んだ後、どよーんとした気持ちになったり、ゾワッとしたり、それが面白くてまた次を読んでしまう感じだった。

    16
    投稿日: 2024.02.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    誰にも話せない、心の奥深くの本音。 それを覗き見しているような感覚。 こんな事思っちゃダメだけどって事。程度の差はあれど皆んなあるよね…。せきららに綴られています。

    6
    投稿日: 2024.02.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    評価が良かったので読んでみました。 6話からなる短編集。 米澤穂信は初読でしたが面白かった。 個人的には関守が凄く怖かった。

    12
    投稿日: 2024.02.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    一度中途した本を再読。 これってイヤミス?って思うような短編満載。日常的であり、非日常的でもある、そんな狭間を読み進めていく面白さがありました。 「関守」がホラーちっくでお気に入りですが、当分、山間のドライブインには行けないな・・・。 「夜警」「万灯」は組織の中で生きる者の悲哀を感じさせますが、特に「夜警」、度が過ぎてる感もありますが、いるんだよなぁこんな奴、とムカッ腹立ちつつ、自分にも似た所ないだろうか・・・と不安にさせられる、不愉快なお話でした(笑)。

    2
    投稿日: 2024.02.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    6作品を収録したミステリー短篇集。山本周五郎賞受賞。浅蜊を食していたら最後にジャリっと嫌な感触を味わう。そんな人間のエゴに焦点を当てた後味の悪さが全作品にある。この絶妙な不愉快さは好き嫌いが分かれるところだが個人的には好み。いずれも秀作だが「死人宿」「万灯」の結末は意外性合って面白く、「柘榴」は人間の狂気が最も描かれていて妙味がある。

    2
    投稿日: 2024.02.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    完全独立した短編集。 短編であるにも関わらず、一つ一つがしっかり構成されている。 ミステリーというより、サスペンス⁈ホラー⁉︎ ざらりとした作品たち。

    0
    投稿日: 2024.02.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どの短編も面白かったけど、刑事モノが好きなので夜警は良かった。どの話もなんか引っかかるな、なんか裏があるなっていうあの感じが読んでいてハラハラドキドキした。やっぱりなんかあったって見つけたときに言い方悪いかもだけど、やった!となっちゃう感じ。ゾワッとする恐怖みたいなものも感じる。人ってなに考えてるか分からないものだよ。

    11
    投稿日: 2024.01.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    #読了 2024/1/29 満願/ 吉澤穂信 六つの短編からなる小説。今時な全てが繋がってる…みたいなのではなく完全に別個。だけど全てが完成度が高く短編とは思えない満足度でした。しっとりとして、緩やかな、或いは何かに包まれた様な空気感の中で蠢く作品。珠玉の一冊。「関守」が1番好き。 個人的な話だけど、「満願」の前に読んでいた小説があまりにも厨二であまりにも稚拙過ぎたので、吉澤穂信さんの文章力に触れて「ああ、これが本当に面白い小説だ」と感服しました。

    0
    投稿日: 2024.01.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    『夜警』 警官に向かないある男を間接的に殺した男。ある日起きた警官に向かない新人の殉職の理由は、うまくいかなかった計画が関係していた。 向き不向きはあるし、理解の出来ない行動をとる人間はどこにでもいるんだろうな。 2023/02/03 01:40 『万灯』が1番面白かった。 バングラデシュでのガス開発業務を任された自信家のサラリーマンの不幸話。 短編集ってこの話を1冊分読みたい!っていうところで終わるから次々ページをめくって最後まで読んじゃう。 2023/02/03 16:28

    1
    投稿日: 2024.01.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初の米澤穂信さんでした、ミステリ3冠、山本周五郎賞受賞作品と言うことでちょっと期待し過ぎたかな。でも読み応えのある短編集でした。短編でここまで踏み込んだミステリーが書けるのは流石です。「柘榴」が特に怖かった。大きな展開はないけど、切ないなミステリーかな。

    6
    投稿日: 2024.01.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編集! 全部面白かったけど「夜警」「柘榴」「関守」が特に好きかな。 米澤穂信、氷菓(私気になります!)の作者だけど同じ人と思えないくらい比較的重かった… ちゃんとミステリーだったな 短編なのにこんなにちゃんと読了感重たいのすごい イヤミスってほどじゃないけど、スッキリはしないかも

    2
    投稿日: 2024.01.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    全六篇のミステリ集。 特段、「こんなトリックがあったのか!」「こんな予想外の展開が…!!」というわけではないです。 私は一日一篇ペースで読みましたが、 読んでいる時よりも日常生活の中で ふとしたときにこの作品思い出しました。 それはきっとどの作品も いい意味でどこかヌメっとスッキリしない そんなところがあるからだと感じました。 自分にとっては初めての読書体験でした。

    1
    投稿日: 2024.01.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編集。最初の「夜警」はまずまずだったが、全体にはそこまでではなかった。 好きな人は好きなのかもしれないが、全体にトーンが暗く鬱々する感じ。それでも読み進めることができるのは作者の力量だと思うが。

    1
    投稿日: 2024.01.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    流石は米澤穂信さん。どのミステリーも余韻が不気味。 短編のどんでん返しで、どのお話も好みでした。個人的に1番好きなのは『関守』ですね。 終わり方がゾッとします。 どのお話もシチュエーションが全然違うのに、スッと入り込めるし、話の流れも面白くてどんどん読み進めてしまいました。 今度は長編読もうかな。

    1
    投稿日: 2024.01.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    そもそも満願って願いが叶う的な意味かと思っていたけど、読みおわって調べると日を定めそこまでの間祈願や修行をしてその日が満ちるという意味だった。 そう理解して物語を振り返ると、少し違う印象になりました。

    0
    投稿日: 2024.01.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    スモールワールズ/一穂ミキさんを 読んだ感想をここで書きながら、 他の方々の感想を読みながら見つけた本。 読みながらゾワゾワする感じ、 最後のクライマックスに向かって ゾワゾワを越えてもう怖い感じ、 どの話しも現実にありそうだから余計に怖い。 もう『儚い羊たちの祝宴』も手元にあるので、 自分の怖気付いた気持ちがおさまった頃読みます。

    1
    投稿日: 2023.12.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この著者らしいクライマックスでの展開が、どの作品でも味わえる。特に「柘榴」の浅はかさは苦々しい読後感を味合わせてくれた。

    0
    投稿日: 2023.12.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    米澤穂信先生の作品を初読。 6つの話が楽しめるミステリ短編集で、どの話も切れ味鋭い展開が気持ちいい。 気に入った話は『万灯』と『関守』。 どちらのエピソードも人の闇や弱さに強くフォーカスした作品で、読み終えたときにはつい「ふぅ…」と憂いと感嘆の入り混じったため息を出してしまいました。

    23
    投稿日: 2023.12.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どれを取っても秀逸な短編集。 全話読後感が素晴らしく、ずっと読んでいたかった。 1番好きなのは『柘榴』。

    1
    投稿日: 2023.12.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    6篇の違った作品からなる短篇集 表題作になっている『満願』を初め素晴らしい作品が散りばめてありました。 近頃は、連作短編に慣れ親しんでおりましたので、とても新鮮な気持ちになり楽しく読み進められました。 解説の杉江松恋さんの言葉を借りますが、なんと、切実な。各篇の最後に明かされるそれぞれの結果は、それぞれの必然、《そうするしかなかった》という呟きを聞きながら、ああ、なんと切実な、と畏怖の念に打たれる、人間が孤独な存在であることを思い知らされる短篇集でした。 表題作『満願』の他に、怖いなぁと思った作品は、『関守』と『柘榴』でした。 『関守』は、鄙びたドライブインの年老いた女性店主の語り口調に・・・ 『柘榴』は、夕子という少女の思考と行動に・・・ 米澤穂信先生 恐れ入りました。

    26
    投稿日: 2023.12.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    【あらすじ】 ◇夜警 勇敢に殉職したとされた巡査。違和感を感じた交番長は、彼が自らの拳銃暴発事故を隠蔽するために犯人を射殺したという真実に辿り着く。 ◇死人宿 死人宿と呼ばれる山奥の宿を訪れた男性。自死しようとする宿泊者がいることがわかるが特定できず、またしても新たな死者が出る。 ◇柘榴 両親が親権を争う姉妹。男性として父を愛する姉は母からの身体虐待を偽装するが、その真意はライバルである妹の身体を傷つけることであった。 ◇万灯 資源開発のため異国の妨害者と共犯者を殺害した商社マン。完全犯罪のはずが、被害者からコレラに感染し、死か自首かの選択を迫られることになる。 ◇関守 交通事故死が相次ぐ死の峠を取材するライター。取材した地元の老婆が実は殺人の加害者であり、ライターも過去の被害者と同じ運命を辿る。 ◇満願 殺人を犯した女。弁護人は正当防衛を主張するが、女は控訴を取下げる。女の真の目的は、家宝に血痕を残すことで差押を免れることであった。 【感想】 米澤穂信さんの短編集。ゾワっとして面白い話ばかりだった。そうくるか〜っていう意外性も満載。万灯が一番好きだった。タイトル作の満願は、最後で期待しすぎたからか、期待外れだった。短編もいいなあと改めて思う。

    2
    投稿日: 2023.12.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人の心の奥底にある暗いものを、ゆっくりと炙り出していくような短編集。 それぞれのストーリーが後半に差し掛かると、それぞれの抱える闇の内容が表れてくるが、それでもそれが必ずしも納得できるようなものでもなく、モヤモヤした感じが、この一冊のある意味良さなんだと思う。

    0
    投稿日: 2023.12.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    6篇の短編集 ジワジワと剣呑な空気が迫って来て、一気に不穏なラストへ引きずられました。誰の心にもありそうな隙間に、何かが入り込んで取れなくなり、行動をしてしまう。しかし、それは気味が悪く、ザラザラと後味が悪い。そんな感じでした。 「夜警」ミスをなんとかしたい気持ちは誰にでもありそうだけど。後輩の性格に気づいていても見て見ぬふりもありそうだけど。 「死人宿」確かに見ていた。が、気付けなかった。 「石榴」美しい母娘。父娘。姉妹。この先、どうなるのだろう。そして、最後の一言にゾッとする。 「万灯」仕事熱心すぎたことで、巻き込まれていく。そして、信じられないような状況で審判を待つ 「関守」それぞれの事故の話が、こんな形で繋がっているとは。 「満願」『酒に強いのも不幸だが、妻が立派なのは、なお悪い』殺人の動機にため息がでる。 それぞれの登場人物に満願があるように思いました。だだ、満願成就に至ったのは、、、。

    54
    投稿日: 2023.12.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ★特長 6つの短編ミステリー。 『満願』(まんがん)は、米澤穂信による日本の推理小説短編集。『小説新潮』(新潮社)および『小説すばる』(集英社)などでの掲載を経て、新潮社より2014年3月20日刊行。 第27回山本周五郎賞受賞作。 2014年の「ミステリが読みたい!」(早川書房)、「週刊文春ミステリーベスト10」(文藝春秋)、「このミステリーがすごい!」(宝島社)において国内部門1位となり、史上初のミステリーランキング3冠に輝いた。 2014年12月現在、17刷・10万500部の売り上げを記録している[3]。 「夜警」「万灯」「満願」の3編がNHK総合テレビでミステリースペシャルとして2018年8月にテレビドラマ化された。 ★魅力 いずれも伏線回収やたね明かしがある。 ★感想 どのお話もなぜか雰囲気は暗いです。  ⚫︎「夜警」 柳岡が遭遇した警官に向かない男たち。 どの世界にもこんな人たちがいるのだなあと思った。 ある失敗を犯し、それを隠すために、取り返しのつかない結末を迎える。 警官に向かない人たち。 普段から少しズレたことを言い、何らかの障害ではないだろうかと思ってしまった。 周りの人間はその違和感に最初から気付いていた。 どう対応、教育すれば良かったのか? やり方を変えても悲劇に終わってしまった。 やりきれない話だったが、謎が解けて良かった。 ⚫︎「死人宿」 自殺しやすいと志願者から人気の宿。 宿の女将が脱衣所で遺書の一部を発見。 自殺を思いとどまらせるため、 宿泊客の中から落とし主を探し出そうとする。 遺書の文面を手がかりに推理しながら、 宿泊客一人一人と会っていく。 果たして思いとどまらせることは出来るのか? ⚫︎「柘榴」(ざくろ) 美しい母、美しい娘姉妹と、 働かないが優しく魅力的な男(夫であり父)をめぐる人間関係。 母、娘それぞれの立場から描かれている。 こんな男の人たまにいるよなーと思い、 嫌悪感を持ちながら読み進んだ。 しかし、その先もっと怖い女性たちのプライドや嫉妬が描かれてぞーっとした。 ⚫︎「万灯」 海外で相次ぐ困難に見舞われながら、日本の万灯の為、エネルギー開発に奔走するビジネスマン。 開発の成功のため、犠牲を出しながらも突き進む。 内紛に巻き込まれていくが、開発成功のチャンスととらえてヤバい話に乗っていってしまう。 万全を期し、うまくいくはずが、意外なことから裁かれる身に。 モーレツビジネスマンの悲哀を感じた。 ⚫︎「関守」 都市伝説記事を書く為、伊豆半島の峠の茶屋でおばあさんから話を聞き出す主人公。 最初はバラバラと思われた4つの転落死。 共通点がないと記事には出来ないなあと思っていたところ、話好きのおばあさんの話は思わぬ方向へ。 「世にも奇妙な物語」のようでした。 ゾクっ! ⚫︎「満願」 司法試験を目指す大学生だった主人公は、勉強に煮詰まっていたある時、下宿先の奥さんに 達磨の願掛けに連れてきて貰う。 2つの達磨、1つは主人公の司法試験合格、もう1つは奥さんの何らかの願掛け。 主人公は見事試験に合格し、弁護士になる。 下宿先の主人は仕事に身が入らず、遊興で借金の末、肝硬変で倒れ、妻が借金取りに悩まされる。 ある夜、その借金取りが包丁で刺殺され、妻が容疑者となる。主人公は初めて殺人事件の、しかもかつて世話になった奥さんの弁護をする。 借金から逃れる為計画的だったのか?関係を迫られた為突発的だったのか?が争点に。 容疑者は夫の病死を知った途端に、なぜか頑なに控訴を取下げ、実刑に服する。 はたして奥さんの心中はどうだったのだろうか? 奥さんにとっての満願成就は何だったのだろうか? どんな過酷な境遇でも誇りを保って耐え忍ぶ女性の強さを感じました。 ★オススメの人 短編ミステリーが好きな方

    0
    投稿日: 2023.12.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    表に出ることがほとんどないから自他共に気付いていないだけで、人間なら誰もが奥底に秘めているであろう真っ黒な感情がここぞというときに、じわじわと顔を見せてしまった、、、みたいな短編が綴られた一冊かな。 ず〜っとどんより曇り空なイメージ。 衝撃的なラスト!とまではいかないけれど、だからこそ現実味を帯びていて、ぞっとするような。 個人的には『儚い羊たちの祝宴』の方が好き!!

    0
    投稿日: 2023.12.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どの短編も一見些細な謎でありなごら、人間の奥深い心理にフォーカスしており、ミステリーとしても圧巻のもの。そのなかでも私のお気に入りは「夜警」。あるベテラン警察官と新人警察官の物語。ベテラン警察官はその新人警察官が警察官に向いていないと感じるが。そこから物語が始まり、最後にはあっとさせられた。

    0
    投稿日: 2023.12.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    その年の読者賞を総ナメにしたミステリ短編集。 普通の切り口で物語が始まり、徐々にぬるっと怖さが滲み出てくる。 官能ホラー要素が強い「柘榴」は好みだったけど、他は特に。

    0
    投稿日: 2023.12.03
  • 私が一番好きな話は。。。。

     6編の短篇集なのですが、流石ですね。一つ一つの話は短いながらも読みごたえがあり、充実した感じでした。  中でも私が一番好きなのは「関守」かな。語り手が殺されてしまう話はよくある手法かもしれませんし、途中から結末が見えてくる気もしますが、危ないぞ?大丈夫か?なんて感情移入してしまいました。人里離れた、滅多に人が来ないような峠の茶屋でおこる話は、如何にもありそうな感じで怖いですね。他の皆さんが絶賛している「万灯」もスゴイのですが、私には海外赴任の経験がありませんのでね。  人は誰もが心に闇を抱えているのでしょう。それは誰にも知られてはいけないことなのです。きっと。

    0
    投稿日: 2023.12.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ★★★★ 今月4冊目 非常に良かった。文章が上手い。 短編ながらかなり引き込まれる。 この人の本、いくつか読んでみる

    0
    投稿日: 2023.11.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どの作品もオリジナリティがあって読み飽きないし、そして派手さは無いけど1冊の本として上手くまとまってるなと感じる。 なかでも海外が舞台の万灯は、コロナ前に描かれた作品にも関わらず、結果、伝染病によって冒された日本人が犯行を暴かれるかも知れない、と含みを持たせた終わりかたも魅力的。関守の展開も面白い。

    27
    投稿日: 2023.11.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ミステリランキングを総なめの勢いだったので、期待しすぎたかも。 儚い羊達の祝宴のほうが面白かったです。 全体的にどんよりした話で、読んでいて辛かった。 柘榴が1番良かったかな。

    1
    投稿日: 2023.11.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この短編集はすごい。特に「万灯」、「満願」は是非とも一読して頂きたいです。 決して元気が出るとかの内容ではありません。 何気ない描写力、そして伏線が折り重なる様に、読者を惹きつけて行きますねー。

    0
    投稿日: 2023.11.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編集になっていて一つ一つがとても読みやすい。隙間の時間でさっと読むことができる。 このあとどうなったんだろう・・・というイヤミスが多い。 人の中の魔が差すような部分だったり嫌な部分をあえてとりあげて話が作られている。そんなマイナスな部分を丁寧に取り上げ作られている話だからこそ、人ってこんな嫌な部分も見せれるんだなと思わさられる。 きちんと嫌な(ミステリ的な意味で)気持ちにさせてくれる最高のミステリ小説でした。

    12
    投稿日: 2023.11.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本格的なミステリー小説を読んでみたいと思い、図書館で入手。 適当に本棚を見回して、目についた作家の棚から代表作を調べて借りたが、当たりだった。 何気ない描写に巧妙な伏線、ミスリードも含めた予想の上をいく展開、まさに王道ミステリー小説だった。 全部で6篇の作品が収録されており、どれも良かったのだが、個人的に面白かったのは『夜警』『死人宿』『柘榴』あたり。 登場人物の心理描写が非常に生々しく、いい意味で不思議な読後感に陥った。

    0
    投稿日: 2023.11.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    これほど余韻に浸る小説は久々だった。 六篇もあったのかと思う程、全篇読み応えがあり、一文字一文字大事に読んだ。 普段はミステリーを読まないため、最後のどんでん返しは全て予想ができず、悔しさありながらも楽しめた。

    5
    投稿日: 2023.11.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    これぞ、美しいストーリー構成。といった話が6本も読めてお得だった。読み始めの「これ読みたい!」と思わせる掴み、大事な情報と気づかせないよう巧みに混ぜこまれる伏線、意外なオチ。読み終わった後にもう一度読み返すと、読み流したところにきちんと伏線が仕込まれていることに感動させられた。あっさりとした読み口なのに、満足感がすごい。 「夜警」「死人宿」「万灯」が特に好きだった。短編集なので、ぜひ人に勧めたいと思う。

    0
    投稿日: 2023.10.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2023年83冊目 米澤穂信さん/満願 以前ご紹介した「儚い羊たちの祝宴」でファンになった作家さんです。 今回も、読み終わった後にゾッとさせられたり、後半に大どんでん返しがあったり。 怖いけど楽しんで読みました。 個人的なオススメは4番目の「万灯」です。 #読了

    0
    投稿日: 2023.10.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    これはとんでもない本だ…全ての短編作品が綺麗な伏線回収とともに、私のような凡人では想像もしなかった結末を迎える。 「柘榴」の最後の一文には心底震えたし、「万灯」という作品名の意味に気づきゾッとした。すごく重いけど爽快感も感じられる謎の読後感。

    0
    投稿日: 2023.10.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    オーディブルで読了。 貧しさとは、豊かさを見て初めて気づくものなのか。豊かさに比べて足りぬということが貧しいのか。 なるほどなぁと思っていたらその後の展開に全て持って行かれた。そうなるのか…。

    0
    投稿日: 2023.10.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どの話もハズレなしの満足感得られる短編集で、あっという間に読み終えた。 個人的に、人の心情が伝わってくるミステリーが好みなので、この作品はドンピシャだった。「人間の不可解な心理を謎の中心に据えた作品集」という解説には首がもげるほど頷いた。 誰しも孤独で自分を生きるのに必死になるよな、それも人間らしくていいな、と思いました。 ▼勝手に好きなランキング No.1:関守(鳥肌たった) No.2:万灯(オチ…!発行日が2020年ではないか確認してしまった) No.3:夜警

    1
    投稿日: 2023.10.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    かなり好きな作品 満願ずっと読みたいと思って読んだらあらこれ読んだことあったわ 面白かったものは全部覚えていた 私が好きなのは柘榴 途中からじわじわ、あこれやばいやつだってなる感覚 素晴らしい 他の作品も全部面白い あとどの話も口調が全部違ってすごいなと思った 雰囲気が全然違う 途中からのめり込んでいく 米澤さんの作品もっと読みたいと思った

    0
    投稿日: 2023.10.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本書は、各短編を通して、人間の闇の部分や本性をありありと見せてくる。冒頭から登場人物のそれぞれの抱えている問題が仄めかされていきながら、ストーリーが進んでいく。ところどころ怪しいと思いながらも話は進んでいくが、終盤になるとそれらの怪しい点が繋がっていき、登場人物の本性がはっきりと見えていき話が終わる。

    6
    投稿日: 2023.10.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2015年「このミス」1位の作品。 他にも受賞しているらしく「驚異の三冠、ミステリ最高傑作」の帯に惹かれて購読。 作品は6篇からなる短編集。調べてみたら2010年~2013年にかけてそれぞれ単独で発表された作品の短編集との事。 時代背景はどれも昭和40年~60年位で、暗い印象。読んでいる最中は古いアルバムの写真を見ているような感覚。全編ノスタルジックな感じがなんだか薄気味悪く、同時にスッキリとしない不快さが漂う作品だと感じた。 全篇通じてその重たい暗い背景が最高のミステリーを感じさせているのだと感じた。 藤子不二雄さんの「笑うセールスマン」やテレビの「世にも奇妙な物語」等を感じさせるような、言い様の難しい読後感だなと感じた。 作品は全て単独で発表されていたからなのか完成度が凄い。また題材も全て違うため作者の力量の深さを感じる。 どれも甲乙つけがたく最高傑作だと感じた。 また近いうちに作者の別の作品も読んでみたい。

    99
    投稿日: 2023.10.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが……。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、「夜警」「関守」の全六篇を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。 どれも個性的であった。 しかも後味すっきりとは行かない為、「えっ?」や「それからどした?」など読了後に何らかザワザワ感を残された。

    5
    投稿日: 2023.10.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ミステリー短編集。6作収録。 米澤穂信さんは以前『ボトルネック』を既に読んでいたが、人間の嫌なところをリアリティを持って表現するのがすごく上手い人だなと感じた。 今作に収録された6作の登場人物たちも人間らしい嫌な部分をしっかり持っていてうわっとなりながらもどんでん返しの爽やかさが重なる。 『夜警』 殉職した川藤浩志の真実。 ナイフを振り回す田原という男に発砲し死んだ川藤、世間では良いふうに評価されたようだが、上司の柳岡は疑問があった。 川藤みたいな人間って割といるし自分もちょっと分かるとこがあって嫌でもあった。 拳銃弄んでたら撃っちゃって誤魔化すために事件を上手く利用したが、犯人を舐めていて死亡。「こんなはずじゃなかった」「上手くいったのに」の死の直前の言葉がより怖い。 『死人宿』 自殺が起こりやすい宿。 別れた恋人に会いに来た主人公。恋人であった女性の職場での苦しみに気づけなかったが、宿で起こりそうだった自殺を食い止める。しかし自殺志願者はもう一人いたというオチ。 以前恋人の言葉を鵜呑みにしなかった主人公が、今回はしっかりと向き合い遺書を分析し、自殺をくいとめるまではスッキリするのだが、疑っていた別の1人が死んでしまうのはまさかの展開。 『柘榴』 ドロドロ。 美しい女性から夕子と月子が生まれるも、離婚となり夫は親権を求める物語。 通常であれば親権は母なのだが、娘たちは父を選び、そのためにお互いの肌を靴べらで打ち、母から虐待をうけたと偽る。 本当に怖いのはその後で夕子と父との関係、夕子の嫉妬から母と月子を遠ざけたということ。 柘榴に関連する神話と夕子と父親の物語のリンク。 『万灯』 二人の男を殺したという男の物語。 伊丹はアラムと森下を殺し、ついに裁かれたという。話は過去に戻る。伊丹はガス資源を得るためにアラムという人物をその村人と森下と協力し殺してしまう、しかし森下は怯え帰国し退職してしまう。ことの発見を恐れた伊丹は森下を殺す。 ここからの展開が凄い。 まさかの森下はペストにかかっていて、伊丹も森下を殺した際に感染してしまう。自身がペストだと病院に逃げこめば恐らく森下を殺したことがバレてしまうし、ペストを黙っていれば近いうちにそのまま死んでしまうはず。 因果応報。 殺さなかったら恐らくペストにならなかっただろうし。 『関守』 都市伝説の記事を求められた記者がある峠で起きた四つの事故を調べる物語。 ドライブインのおばあさんに男は話を聞くのだが事故の原因はおばあさん(家族も含む)だったというオチ。 タバコ休憩辺りでドライブインのおばあさんが気に入らないやつをどんどん殺しているのかなと思ったらもっとしっかりとした構成だった。 恐らくコーヒーには睡眠薬が入っていたんだろう。 小さなことではあるが、ドライブインのおばあさんが先輩と主人公を同一人物だと認識しているところも絶妙にモヤモヤして良い。 『満願』 人を殺めた女性が夫の死後控訴を取り下げてしまう物語。 主人公と妙子の日々は優しい空気が流れていて好きだった。 何か大きな理由があって妙子は殺しをしたのかと思ったが、そもそも矢場が掛け軸を狙っていたことだったのか。 家宝とはいえ妙子がそんなにも掛け軸を大切にすることに共感できなくて今作の中では1番イマイチだった。人間人それぞれ。

    2
    投稿日: 2023.10.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    友だちに勧められて読了。 ミステリーを読んだのはいつぶりか、初めてかも。 そしてミステリーと言われると、大きな謎と明快な解答なイメージだけど、この短編集は全く違った。人の中の、「魔が差す」って感じの、社会や環境や自分の中の自分のせえ、みたいなものが最後に分かる感じのミステリーだった。 文章だけでイメージがハッキリできる本だった。凄いしかない。 あと、この人は男か女か、年齢は、容姿や性格はどうか、言葉遣いだけで決めずに、そこの伏線もあるかもと思って探りながら読めた。誰かに偏らず、何かに傾けず、唯だ文章と唯だ自分な感じで接せれたのは、やはりこの本の文章力、適切な言葉だったからだと思う。 良い本を紹介してくれてありがとう。

    1
    投稿日: 2023.10.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    バラエティに富んだ短編集で、しかも外れなし。バングラデシュで天然ガス開発に挑む商社マンの顛末を描いた「万灯」が特に好きです。初の米澤作品でしたが、あまりの才能に驚きました。この一作だけで大ファンになりました。

    4
    投稿日: 2023.10.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    オーディブルにて。 初の米澤穂信さんなのに短編集から。 一つ一つが短いから読みやすい分浅いかなー。 可もなく不可もなく。

    0
    投稿日: 2023.09.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    違和感に大小はない あれ、なんか変だぞ?と思ったらそれは絶対に変なんだ この本も、なんか変だぞ?と思いつつ最後まで読み進めると、うわ、やっぱり変だったんだ、と安心する ただ、この変だな、という気持ちは自分が抱いてるだけで登場人物からしたら何も変なことはない 確固たる軸がある 適当に息をしているだけの自分とは比較するまでもない 達磨に願いを込められるほど何かに打ち込みたい人生だったなあ

    4
    投稿日: 2023.09.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    随分前にNHKドラマで本作収録の「夜警」「万灯」「満願」を見て、とても面白かったので、原作はもっと面白いだろうということで購入しました。 お楽しみは後に取っておくタチなので永らく積読のままでしたが、満を持して読みました。 本作は「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「ミステリが読みたい!」それぞれ第一位で、史上初の三冠達成&第27回山本周五郎賞も受賞ということで、いやが上にも期待感が高まります。 「夜警」「死人宿」「柘榴」「万灯」「関守」「満願」の六篇からなる短編集で、バラエティに富んだ内容です。ノーマークだった「死人宿」「柘榴」も意外な結末だったり、「関守」も結末にはゾワッ〜としたりでそれぞれ楽しめましたが、NHKドラマの秀逸さも感じた一作でした。

    9
    投稿日: 2023.09.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    一つ一つの章のボリュームが丁度いいだけでなく、 クセのない読み易い文章も相まり、 クオリティの高さに安心してスルスル読める。 また各章の犯人たちの動機、行動原理、行動力、気の遠くなるほどの執念は どれも推理小説のフィクションのそれだと分かってはいても、 しかし頭のどこかでは日常生活の延長線上で起こっている出来事のような気もしてしまう。 登場人物らの描き方が上手いからだ。 その観点でいくと、私は一章目の殉職した若手警官なんて、 こんな欲求を抱えた警官も実は現実に存在するんじゃないかと考えさせられてしまった。 恐ろしく人を見ていて、それを巧妙に自分の小説内に落とし込んでいる、それにしてやられたと思わずにはいられない。 本当にスルスル読めた。

    2
    投稿日: 2023.09.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ミステリー小説で短編なので読み始めやすかった。 万灯が一番好みだった。 今時のミステリーよりは少し前の題材や文体といった感じ。

    0
    投稿日: 2023.09.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    とにかく読みやすい短編集 思い返すと一つ一つの作品をしっかり覚えてるし 読んだあとに「ということはあれは?」 とページをめくり返してしまうような 結末が待っている作品ばかり。 読書やミステリ初心者におすすめしたい。 個人的にはミステリー要素の強い「死人宿」が好き

    1
    投稿日: 2023.09.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    羊たちの〜 を読み終え、同じ作家の本が引き続き読みたくて図書館で借りた 世にも奇妙な〜に出てきそうな話がたくさん この方のストーリーは最後のネタ明かしでそうくるかーッッッッッッ!となるので、伏線を見逃すまいと結構しっかり読み進めるのだけれど、そんな私の想像の上の上の上を行くので、どれも面白かった 万灯と満願が特に好き ドキドキがとまらん

    1
    投稿日: 2023.09.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    この作者さんは初読みです。 正直期待しすぎた感はありました。 どんでん返しというよりは全部じめっと嫌〜な感じで終わるのが多かったです。 柘榴は結構好きな話でした。

    1
    投稿日: 2023.09.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初の米澤先生作品でした。どれも緻密に描かれていてで読み応えのある短編集でした。 「万灯」「満願」が好みです。イヤミスかなと思いました。

    8
    投稿日: 2023.09.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    物語の規模は決して大きくないものの、結末に至るまでの意外性に驚き、また登場人物たちの行動にこめられた切実な思いに胸を揺さぶられました。なかでも印象的なのは表題作「満願」と「柘榴」の2作品。特に柘榴は、犯人の動機のなんとも言えない後味の悪さ(とエロさ)が心をざわめかせ、しばらく頭から離れませんでした。

    7
    投稿日: 2023.08.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    めちゃくちゃ面白かった。何年か前にNHKで連夜放送のドラマになっていて、それで「夜警」をチラ見した際に面白かったため原作本を買っていたのだが、ずっと手付かずのままだった。 気になってはいたため余裕ができた最近になって読んでみたのだが、ある程度話を知っていた「夜警」はもちろん、どの短編も面白い。 謎の提示やその解決の鮮やかさもそうだが、人間の裡にある薄暗い部分を、時にまざまざと見せ、時にほのかに示す物語に釘付けになった。 6つの短編が収められているが、「夜警」「万灯」は社会派寄り、「死人宿」は王道の謎解き、「柘榴」は耽美とエロス、「関守」はホラーテイストといったように、趣の違う作品群であることもまた面白い。各作品はそれほど長いわけではないが、かなりの満足感がある。 ミステリに関する賞の3冠に輝いたことにも頷ける秀作である。ミステリ好きに限らず、ぜひいろんな人に読んでもらいたい作品。

    6
    投稿日: 2023.08.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なんか変だな、、と思って読んでいると、ゾッとする種明かしがある。面白い。 設定は奇抜でもなく、入りは穏やか。でも展開が早く、飽きることなく読んでしまう。 短編集で満足度が高い。

    3
    投稿日: 2023.08.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    きちんとギミックが仕掛けてありつつ淡々と話が進むので、読み手も飽きずに読める良い本でした。 舞台が昭和の話も多く、令和の現代との描写の違いも個人的に面白い要素の一つでありました。自分自身が最近SFばかり読んでいたので、こんな日本もあったよなと思い出すきっかけになりました。

    1
    投稿日: 2023.08.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かったけどそんなに凄いとは思わなかった。エンタメの範囲を超えていない印象。 比べ方があってるかわからないけど、松本清張のほうが断然味わい深いと思う。 感想ではないけど、自分が「エンタメの範囲を超えていない」と感じる本とそうでない本の違いを考えてみた。 前者は世間にうけるとか評価されることを意図して書かれた匂いのする本で、後者は作者が内発的に書きたいことを書いていると感じられる本かなと思った。作者の生い立ちとか経験とか書いたときの背景に紐づいているほど自分には興味深く感じられる。

    1
    投稿日: 2023.08.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    連作短編ミステリ。ああ、この人はホラー作家なんだと改めて思った一作。後ろめたさ、後悔などを推進力に、見事人間の黒い部分を浮かび上がらせている。一人称というフィルターを通してだからこそできるアクロバティックな芸当。6篇ともゾクゾクさせられた。万灯好き。

    3
    投稿日: 2023.08.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    米澤穂信さんは初めて読みました。 全部読みやすくて面白かったです! 個人的には「夜警」と「関守」が好みでした

    3
    投稿日: 2023.07.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どれも読み易く、完成度の高い短編集。 個人的お気に入りは「万灯」。 資源開発のため海外で奮闘する主人公のモチベーションの高さと有能っぷりはつい応援したくなる。 結末も不思議と後味の悪さを感じない良作。

    4
    投稿日: 2023.07.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編集。短編だけどしっかり登場人物に入り込んで読めた。 ホラーっぽい話もありストーリーが多様。 比較的暗い話が多くて読後感は決してよくない。 ただ暗い中にも垣間見える希望や生きる執念のような人間臭さがそれぞれの話に感じられた気がする。

    7
    投稿日: 2023.07.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どの話も読みやすかった。久しぶりのミステリーだったので、3話目くらいで人間の愛憎にやや気分が悪くなったが、休憩しながら読了。 一番好きなのは「関守」。伊豆のある峠に都市伝説の取材に行く主人公の男。山深い峠にある古びたドライブインで老婆に話を聞くことに。だが…

    7
    投稿日: 2023.07.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読みやすい短編集。隙間時間にどきどきしながら読めて刺激もあるので、他の長編本との併読にもお勧めです。

    10
    投稿日: 2023.07.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    それぞれ独立した短編集。 主人公はベテラン世代の男性ビジネスマンが多く、時代も自分が知らない昭和がほとんど。 令和では身近にあるスマートフォンやSNSといった単語、ワークライフバランスを実現しようとか多様性が大事だとか、そういう思想は一切ない。 なのに、なんの違和感もなく物語に入っていける不思議なリアルさが絶妙で、ちょっと怖い。 展開が広がる前に、すでにそういう怖さがあるのに、読み進めるごとに物語そのものの怖さが加わって、ラストまでずっと緊張は上がりっぱなしだった。 この物語に共通する怖さは、目的を成し遂げるために、とんでもないことをしてしまう人間の欲深さだ。 真相には、いつもじわじわと辿り着く。 このじわじわさが、たまらなく依存性がある。

    6
    投稿日: 2023.07.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    サクサク読めるライトな短編集です。 個人的にはもう少し重厚感のある作品が好みですが、軽い読書がしたい時に読む分にはちょうど良い感じです。 読後感がザラっとするのが特徴です。 どれもスッキリせずに嫌な雰囲気で終わる話ですが、ミステリ要素があって楽しんで読めました。 しかし生理的にも倫理的にもどうしても好きになれない話が1話だけあり、めちゃくちゃモヤモヤしました。「柘榴」だけは無理。気持ち悪いし有り得ない。男の願望でしょうか?キモイ。物語とはいえ不快感しか残りません。 あと、全体的に男性が書いた話だなぁってヒシヒシと感じる作品が多くありました。 昔の作品だからということもありますが、令和の時代の女性像とは少しズレを感じます。 世界観はわりと好きなので、軽いものが読みたい時に他の作品も読んでみます。

    2
    投稿日: 2023.07.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編なのに1つ1つの完成度が高いのでそれぞれ読み応えがある。 どれも重い、恐ろしい、面白い。人を殺める動機が、惹き込まれます。

    3
    投稿日: 2023.07.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    米澤穂信の小説は初めて読んだが、とてもおもしろかった。 どの話も構成が巧みで、伏線の貼り方も自然。一気に物語に引き込まれ、飽きることなくページをめくることができた。全ての話がホラー的要素を含んでおり、人間の怖さが身にしみる。短編集なので、話の長さもちょうどよく、読みやすい。 特によかったのは『夜警』と『柘榴』。 『夜警』 読んだあと、じわ~っと鳥肌が立った。自分のミスを隠すためなら嘘をつくことも、殺人すらも厭わない人間の恐怖。そういう人間が普段からのぞかせている些細な片鱗。 『柘榴』 こちらも読後、寒気を覚える。夕子という人間、どこまで恐ろしいのか。母を陥れるために虐待を偽装するのみならず、その策で同時に妹の魅力まで潰してしまうとは。さらに、自分を先に鞭打たせることで、妹の逃げ道を塞ぎ、自分は存分に妹を傷つけるという周到さ。空恐ろしい。夕子と父の関係、夕子が母を陥れようとしていることは途中で気づいたが、まさか妹のことまで計算に入れていたとは。著者はなぜこんな話を思いつき、こんなに面白く語れるのか、笑えるくらい感銘を受けた。

    3
    投稿日: 2023.07.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かった。儚い羊たちの祝宴と同じような感じかな。もう少し浅いと言うか、薄い理由で人や自分を痛めつけていそう。でも人はこんな理由でこんなことをすることもあるよなと逆にリアルだった。面白かったです

    3
    投稿日: 2023.07.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人間の怖さを思い知らされる短編集 1番怖くて面白かったのが「関守」 題名の通りの結末だなと・・ でも凄く意外! 「万灯」は企業戦士が起こす事件 最後が何とも切ない・・ 儚い羊たちの とはまた違う現代版の短編集 ブラックな面白さ

    8
    投稿日: 2023.07.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    優等生すぎる短編が6つもはいってお買得 だけど人物設定を都度インプットする必要があるので毎回読み始めがしんどい マンガンときくと満貫(12000点)を想像するが、 読了した人は満願成就を想像し、あの余韻に浸るのだろう

    55
    投稿日: 2023.06.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    古典部シリーズ以外の米澤先生作品は初めて読みました。 夜警は話の進み方が古典部シリーズっぽく、でも話はずっと暗く淀んでいてこの雰囲気に馴染むのに読みやすい一作。 柘榴がある種一番怖く、万灯は読んだ後に面白さを口に出すほど。 表題作である満願を読み終え、どの作品も「満願」というタイトルにぴったりだったと思えました。 古典部シリーズを読んだときにも思いましたが、情景が浮かぶ分かりやすく読みやすい文章に散りばめられた伏線とその回収、どれも良くて他の作品も読んでいきたくなりました。

    4
    投稿日: 2023.06.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短篇ミステリの真髄 読みやすく引き込まれる文章 背中がぞわぞわしてくる感覚 他の作品も読みたくなった

    3
    投稿日: 2023.06.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    #満願 #読了 6篇どれも読み終わるとゾワっとなる。。 ミステリとしてとても良いし、後味はとても悪い。でもその後味の悪さがクセになる。結末はリアルすぎて嫌だ。でもこの本はすごく良い。 #米澤穂信 #新潮文庫 #読書 #読書感想文 #読書記録

    3
    投稿日: 2023.06.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    とても読みやすい文章 さすが直木賞作家 短編集なのに、いつのまにかストーリーに引き込まれてしまった 峠の事故の話は、かなり怖かった

    3
    投稿日: 2023.06.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ドラマ化されていたものを見て、感動したので読んだ。 ぞぞっとするようなものばかりだった記憶がある。また読み直します。

    1
    投稿日: 2023.06.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    これは珠玉のミステリー短編集だと思います。非常に最後まで興味をそそられて読ませますし、意外な展開もある。この作家さんが好きになりました。 特に「関守」が好きでした。

    17
    投稿日: 2023.06.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    本作品は幅広いジャンルのミステリを揃えた短編集である。こんなにもジャンルがばらけているというのにどの作品もとてもクオリティが高く、文字通りのハズレなしである。特に、死人宿、関守、満願が気に入った。死人宿は、『儚き羊たちの祝宴』からもわかるが米澤氏の圧倒的といえる情景描写力が余すことなく披露されている。この描写の中にひっそりと紛れ込んでいる伏線には簡単のため息が漏れ出てしまった。関守と満願はある一つの不自然から今までの人物像が瓦解していくことの面白さがウリである。満願とは神仏に祈った願いという意味で各短編の共通点となっている。上にも書いたが、本作品はまごうことなきハズレなし。必ず手に取って欲しい。

    3
    投稿日: 2023.06.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    盛り上がってきたところで次のストーリーに行ってしまうので短編はあまり好まないのですが、 こちらの満願はどのお話もすぐに引き込まれるストーリーで最後にヒヤッとするようなミステリーだらけ。 いくつもいくつも短編を読みたくなりました。 人間の心の奥に潜むあらわにできない感情を 巧みに表現されていて素晴らしかった。

    4
    投稿日: 2023.06.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ミステリ短編集。各話のメインキャラの視点で話が進むので、読み手もその気持ちで読むと思うけど、そこかしこの違和感の正体が最後に明かされる構成。 個人的には「万灯」が好み。 ◆夜警 銃を撃ちたいだけの新人刑事が殉職した話かと思いきや、その裏に隠された発砲の理由。そこにたどり着くまでの描写やキャラ付け、本話の視点であるベテラン刑事の洞察など、短いながら読みごたえがあった。 ◆死人宿 クローズドミステリの一種で、自殺志願者を探す話。想像の外からの結末はなかなか見ない趣向。 ◆柘榴 母の視点と長女の視点で交互に進行する。結末はちょっと後味がよくない。タイトル含めて、ギリシャ神話?を下地にした現代風な作品と言えるかも。 ◆万灯 冒頭の「私は裁かれている」から始まる。海外での非合法な行いに対する裁きかと思いきや、意外な展開への発展、そこに至る論理がきちんとしていて良い。終わり方も含めて余韻の残る作品だと思った。 ◆関守 何となく嫌な感じが終始付きまとっていたけど、その理由が最後に明かされる。やや非現実的な部分がぬぐい切れないなと思って、ちょっとだけモヤモヤが残る作品だった ◆満願 表面的な殺人の理由の裏には、他の人に理解できない理由が隠されていることがある。その真偽の検証も含めて、探偵役(読者)は真に相手(他人)のことは理解できないことを痛感させられる。

    1
    投稿日: 2023.06.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ・繋がりのない独立した短編集にも関わらず、濃密な内容で満足度が高い。 ・難しいトリックは一つもなく、それよりも「動機」に重きが置かれている。 ・どの編の動機も共感はできないが、どこか納得してしまう妙な雰囲気があり、だからこそミステリーなんだと思う。 ・僕が一番好きなのは「関守」

    3
    投稿日: 2023.05.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ゾワッと感が味わえる独立短編集。 『関守』が読後にこわっ!!となって好きだった。 『万灯』もなかなか興味深い。

    2
    投稿日: 2023.05.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    黒米澤の真骨頂とも言える短編集。 全編を通して人間の闇や狂気が描かれています 不穏でジメジメとした雰囲気が最後まで続きますが、氏の読みやすい文章も相まってサクサク読めました! 個人的に「万灯」「関守」「満願」が良かった

    21
    投稿日: 2023.05.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    自分のミスを隠すために起こした事件、好きな人の1番になるための事件、仕事のためならと起こしてしまった事件、娘と孫を守るための事件、家宝と誇りを守るための事件。 叙述トリックもさることながら事件をめぐる登場人物たちの様々な心情を感じることができる作品で非常におもしろかった。

    2
    投稿日: 2023.05.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    とても読みやすかった 夜警 自分もそういう変なミスするわって思った。弾のミス隠すために撃って死んだ。 死人宿 頭ごなしに否定しがち。決めつけない。遺書が元カノのやつだったら良かった。 柘榴 お父さんモテすぎ。 万灯 商社マンが仕事のために殺し。ビビった共犯ころし。そいつがウイルス持ち込んでて、ばれる。 関守 分かりやすく怖かった。俺じゃないのに感。おばあさん怖い。 満願 ダルマの頭を回転させるのが伏線

    3
    投稿日: 2023.05.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    伏線を巧みに潜ませ、見事に回収して、そうだったのか!という納得感を短編ごとに味わえる。 長編のミステリ小説を読み終えた時と同じような満足感を、こんなに短い小説で実現できるのはすごい。

    1
    投稿日: 2023.05.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2023.05.08 意外と辛口の評価が多いことに驚いている。 それぞれの作品の長さにばらつきがあり、内容もバラエティーに富んでいる。それを弱みと捉えるか、さまざまな態様を楽しめるかで評価がわかれるのだろう。 私は、最初と最後のミステリがお気に入り。それぞれの配置にも納得。

    5
    投稿日: 2023.05.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編傑作集です。 何ともいえない読了感です。読んだ人にしか解らない。 サクサクページを進める感じではない。 でも、また次も読みたくなる。

    9
    投稿日: 2023.05.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    米澤穂信の世界が大好きなので贔屓してしまいますが、短編集の中でずば抜けて面白い! これまで沢山の人にオススメしています。

    16
    投稿日: 2023.04.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    短編なのにどれも重たい内容で見応えがあった。 夜警 ★★★★ 死人宿 ★★★ 柘榴 ★★★★ 万灯 ★★★★★ 関守 ★★★ 満願 ★★★★

    3
    投稿日: 2023.04.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    星4ではなく実際は星3.5 評判通り面白くなかった作品はないし 集中して一気に読み切れた。 でも「そうきたか〜」と圧巻するまでの作品はなかったかも。もしかしたら私は米澤さんの気持ち悪いミステリーを求めすぎてるからこんな評価なのかもしれないが。でも「関守」と「柘榴」は米澤さんのサイコ的なミステリー感感じられて好きだったなぁ。満足。

    1
    投稿日: 2023.04.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    色んな願いが詰まったミステリー短編集。 NHKで一部の話がドラマになっていたけどとてもドラマにできない どろっどろに煮詰めたジャムみたいな柘榴という話が1番怖くて心に残った。 人間の醜い部分が非常に分かりやすく書かれていて重すぎて 一気に読めなくて話の途中でもしばらく読めなくなったりして…。 米澤さんなんでこんなに嫌な気持ちにさせるんですか。 好きです。もう本当に大好物。 読書を再開した際に最初に選んだ本がこの本で自分の選択は間違ってなかったと思うくらいに刺さり自分がイヤミス好きだと気づいた1冊です。

    6
    投稿日: 2023.04.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ミステリーというかホラー小説みたい。 人間の恐ろしい一面がテーマのような感じだったので一人で読んでるとちょっと怖かった。 短編小説だから全体的にあっさり目。

    3
    投稿日: 2023.04.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    もっとこうなんとなく明るい、長編なのかと思っていたら 色んなところから覆されて めちゃくちゃ面白かった。 これ、面白いから読んでみて!! って元気に人にオススメできる本ではないけど。笑 "満願"っていうタイトルが 読み終わった瞬間になんだか腑に落ちるような感覚。 真相の裏側にあるもの。 自分が見ている世界が決して正解だとは言い切れないこと。 人間の恐ろしさを感じる内容だった。 人は自分の願いを満たそうとするあまり 怪物になってしまうことは 誰しもあるのかもしれない、、、。

    5
    投稿日: 2023.04.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    何と表現するべきか… 軽い気持ちで読み出したが、読み終えた今、これはミステリーではなくホラーだと思う。 人間の本性はホラーだ… 文体は非常に読みやすい。 つい読み進めるが、いくら読んでも解決したという爽快感は全くなく、暗いものが残り続ける。 受賞作品だからと安易に手に取ると、ダメージをくらいます。

    2
    投稿日: 2023.04.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    6作の短編ミステリ集 ・夜警 ・死人宿 ・柘榴 ・万灯 ・関守 ・満願 ・夜警 殉職した新人警官 警察官としての適性がなかったと思っている先輩警官から見た事件の振り返り 何故発泡したのか? 発泡前の違和感のある言動 事件の前に遺族の兄への相談したかった事とは? 拳銃の取り扱いについて、警察ではしばしば不祥事が報告されている だからこそより厳重にチェックされるし チェックや違反時の処罰が厳しくなればなるほど隠す輩も現れる道理ですね ・死人宿 自殺で有名な宿で働いている元妻のところに行った元夫 風呂場に遺書のようなメッセージの紙が残されていた事を相談されて、紙の持ち主を探そうとするお話 持ち主が誰かという謎が描かれているけど、お話の主題はそれではなく 如何に相手の置かれた状況を想像できるかということなのでしょうね 相談されて合理的な答えを返すことが正解ではない 私にも足りてないところでしょうねー ・柘榴 ろくでなしの男と結婚した見た目のよい女と、その娘と妹 うーん、何というか女性への偏見を若干感じる 女の敵は女というか、いくつになっても女は女というかな感じだろうか 母親への対抗意識や妹への嫉妬 そしてそれを実行する精神が理解できないな それにしても離婚調停の話は何とも重く感じてしまう ・万灯 バングラディシュでのガス田開発を巡る殺人事件の振り返り 殺すに至った経緯、冒頭の現状に繋がる行動 いったいどこで判断を間違ったのか? 検疫の話題はまるで数年前を思い出すようですねぇ ・関守 事故が頻発する峠のドライブイン スポーツジャーナリストになりたかったが、どんなジャンルでも書けてしまうが故にどっちつかずになってしまったライター 先輩からネタを提供してもらって、向かった先での取材 イメージとしては山姥だろうか? ・満願 金貸しを殺してしまった奥さんのところに下宿していた学生が、弁護士になっての回想 奥さんの本当の目的とは? そこまでするか?という疑問と、人によって何に価値と重きを置くのかは違うからなぁという納得感がある 全編通じての総評として どこか気味の悪さを感じるのは何故だろう? 特に柘榴が怖い 姉の目的、そして更なる意図が明らかになるあたりでゾワッと来る 関守もなかなか やはり、怖いものは不思議な出来事ではなく人なんですねぇ 多分、どの話も人それぞれの信念のような想いが、偶然とも思える形で後の展開に影響を与えているところが何となく怖さを覚えるのではなかろうか? 必然ではないけれども、そう考えたく鳴るような怖さ ミステリとしても成立しているけれども、これはホラーというジャンルの方がふさわしい気がする

    5
    投稿日: 2023.04.05