
総合評価
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powered by ブクログ恋人や自分のコンプレックス、人への執着を描いた作品。最後にはミステリーのようなどんでん返しがあって予想を裏切られる。どちらかというと恋愛が綴られた美人な蘭花よりも、人や自分への執着と自分の気持ちを素直に語るコンプレックス塗れの留利絵の物語だったと思う。
0投稿日: 2021.09.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
辻村深月さんの心理描写は暗くどんよりした昔を思い出す。それがあまりに生々しくて読むのが苦しいくらいだった時もある。(でも作品に引き込まれて最後まで読んでしまう)今回はそこにミステリも加わり目の離せない展開だった。
0投稿日: 2021.09.18
powered by ブクログ購入済み この作品は、面白かった。 内容は面白がってはいけないものなんだけど、人間の弱さとか欲とか嫉妬とか誰もが心の奥底に持っていて普段はなるべく目を合わさないようにしている醜い部分が曝け出されたと思った。 どんなに善良な人でも、どんなに美しいひとでも、恵まれた環境にある人でも、すぐそばで奈落の底が口を開けているんだということ。 一気読み。オススメ
0投稿日: 2021.09.15
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読み終わった。 すごかった。 あらかじめ山本文緒の解説と、結末に近い部分(橋の上と下)を先に読んでいたので「結末は知っている。プロセスを楽しもう。」と思ったのですが、実際読んでみると、全然違った。 二つ解釈ができるので(「留利絵の妄想である」「蘭花の衝動である」)他の人の解釈を読んでみることにしようと思います。
0投稿日: 2021.08.19
powered by ブクログ図書館でなんとなく手にとった本。 元タカラジェンヌの娘で大学生の蘭花は、学生オーケストラの指揮者の茂実星近に恋をする。美男美女のドラマみたいな恋愛模様から次第にミステリーっぽい展開になっていって目が離せなかった。特に後半の「盲目的な友情」に焦点を当てた学生オーケストラの同期のルリエの語りはコンプレックスと、認められたいという私欲にまみれた背筋がゾッとするような内容だった。 辻村さんの作品は2つ目だったのだけど、こういう恋愛と友情のドロドロさを書くこともあるのかと驚いた。サクッと読めて面白かった。
0投稿日: 2021.08.02
powered by ブクログ女の子同士の友情は尊い どうしてこんな男に…って周りは思うけど、好きって気持ちはそう簡単じゃないんだよなー
0投稿日: 2021.08.02
powered by ブクログ大学に通う蘭花の「恋」と「友情」の話で2部構成となっています。「恋」は彼女は大学のオケに所属し、そこの指揮者の男と恋に落ちます。その恋人がひとつの失敗で堕ちていく中でも彼女はまだ彼との恋から覚めることなくまた、そんな彼から離れることの出来ない自分に苦しんで行くという話です。 そしてもうひとつ「友情」は、蘭花の親友の女の子の話です。蘭花が堕ちていった彼と苦しんでいる中、自分が蘭花の1番の親友として、彼女ももがき苦しむ話です。こっちの方はドロドロすぎてここであまり言えません(笑) とっても面白かったです。
0投稿日: 2021.07.28
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初めて辻村深月さんの本を読みました。 盲目的な恋と友情を描いているから 仕方がないものの、 友情部分のるりえパートは、 すごく不快だった。 凛花への執着が怖かった。 自分にも、虚言癖のある同級生がいたが、 その子に少し似ていた。 凛花は誰とでも仲良くしていたがために、 変な子(るりえ)とも仲良くしてしまった。 結果として独占欲を満たす道具として扱われ、 殺人犯にまで仕立て上げられた。 誰とでも仲良くするのは良くないのかなと思った。 総じて、この本で出てくる登場人物は これまで自分が会ったことのあるタイプだった、、、。 盲目的な恋、盲目的な友情って怖いね。
1投稿日: 2021.07.24
powered by ブクログ恋と友情に盲目的な2人の視点から語る物語。 どれだけ熱く語っても相手に響いてなかったりと、盲目的で視野の狭さがが生々しく書かれている。そこが辻村美月らしいと感じる。 恋と友情を比べたときに恋の方が重要視されて、友情は裏の話。でもその盲目的な友情に女は悩まされる。
0投稿日: 2021.07.24
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蘭花ちゃんは、かわいそうなわけじゃないよ。私にもみんなにも反対されているのに茂実さんに執着しているのは、蘭花ちゃんが優しいからでも、茂実さんにいいようにされているからでもないよ。蘭花ちゃん自身の欲のせいだよ。好きだからって言うけど、『好き』って気持ちはそんな、何もかもより1番偉いの?それは、蘭花ちゃん自身の快楽と欲だよ。それが周りを苦しめてるんだよ。わかるよね?
0投稿日: 2021.07.22
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「かがみの孤城」の作者:辻村美月さんによる恋と友情をテーマに描いたサンペンス小説。 主人公とその友人の視点からなる2部構成で物語は展開されており、タイトルの「盲目」通りの視野の狭さや思い込みの深さを強く感じる作品だった。 個人的には後半の留利絵目線の内容にグロさを感じた。 容姿にコンプレックスのあり恋愛経験のない留利絵は、センチメンタルかつ思い込みも激しく、自分の都合のいいような解釈をするシーンが多く見られた。 自分は典型的な奥手な理系大学生なので、留利絵とは価値観に違いはあれど、どこか似たような匂いを感じ同時に恐怖すら覚えた。 また、コンクールの打ち上げの際に女子の人気投票のシーンでは、同じようなことを過去にした経験があり、胸が痛くなった。 自分もまた留利絵のような女の子を知らないうちに傷付けているのかもしれないと思い、申し訳なさで胸がいっぱいになった。 しかし改めて、みんなから好かれる人間など存在しないのだなとも感じた。
0投稿日: 2021.07.10
powered by ブクログ留利絵のような、自分に自信が無いのに感謝してもらいたい、感謝されるべきと言ったような承認欲求の強い人は実際たくさんいるんだろうな、と思いました。 それにしても、友人の助言も耳に入らない位盲目的になってしまう恋愛は怖いですね(-_-;)
1投稿日: 2021.07.08
powered by ブクログ恋に執着した蘭花と友情に執着したるりえ。 どちらにも共感できるところがあり、一気に読んでしまうほど面白かった。
0投稿日: 2021.07.03
powered by ブクログ『好きだからって言うけど、「好き」って気持ちはそんな、何もかもより一番偉いの?』 『選ばれるのと、選ばれないのとだったら、選ばれる人生がよかった』 『何人と付き合ったか、が話題になることはあっても、、何人の友達がいるか、そのうちの何人から真に心を開かれ、わかり合えているかが語られることはない』 男女の、そして女友達の妄執を描き切る長編ミステリー。 前編が恋、後編が友情。 恋も友情も歪んでいてエゴ、傲慢、ドロドロ、まるで昼ドラみたい。 盲目的なのは恋と友情だけでなく、読者も…驚きの真実が最後に明かされる。
1投稿日: 2021.07.01
powered by ブクログ【盲目的な恋】は蘭花の視点。冒頭の「あの人が死んでしまったら、とても生きては行けないと思った」…こんな想いを味わった経験者は少なくないだろう。私も然り。。。そんな恋を実らせて人生を進めた人も中にはいるのだろうけど。 【盲目的な友情】は同じ時系列と事柄を留利絵の視点で描く。 恋ver.も友情ver.も独占欲と執着が共通で痛々しい。 盲目的な恋は想像しやすいけど、友情の方は⁈ 異性を好きという気持ちは友情より優先させることなのか?これがテーマでもあり、自分の価値観を顧みるところ。 【黒辻村】そして、さすが辻村深月。
12投稿日: 2021.06.30
powered by ブクログ男に執着 友人に執着 盲目になるって怖いな〜 けど同じ女性だからか、理解できない事もない。 自分が20代だったらあり得るのかも、、。 30超えた今は客観的に物事を見ることができる。 星近の様なこうゆうダメ男いそうだな、って思った 名前イケメンすぎる
0投稿日: 2021.06.29
powered by ブクログ盲目的な恋と友情(新潮文庫) 著作者:辻村深月 発行者:新潮社 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 恋と友情。あなたが大切にするのはどっち?
2投稿日: 2021.06.24
powered by ブクログ同じ時間帯を二人の視点で語る話でした 一方は恋について一方は友情についてでした タイトルどおりでしたけど それなりに楽しめました 人それぞれの思いの差が激しい でも現実でもそういうものでしょうね
4投稿日: 2021.06.13
powered by ブクログいやはや辻村さんの筆力すさまじ。 決して気持ちよく終わる話じゃないけれど、人物造形、描写、構成、すべてに感心。
0投稿日: 2021.05.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
盲目的な恋は想像できるけど、盲目的な友情って?と思いながら読み進めていました。 恋人も友人も必要だけれど、若い時や、女性だと特に、優先順位は恋人になってしまうのではないかと思う。たとえ予定を変更しても、彼氏なら仕方ないね、と了解してしまう事は自分も自然だった気がする。 この物語は、『恋』と『友情』の2部構成。辻村さんの『傲慢と善良』を読んだばかりだったので、それと通じる人間の内面が描かれていると思いました。 結局、人は人を想うフリをしてやはり自分が大切なのだろうか。みんなそんな仮面を付けて生きているんだろうか。 自分は違うと思ってみても、それは偽善だと心の中でわかっているような気もする。 『恋』編の主人公、蘭花は、冒頭の結婚式当日でも、5年付き合った昔の恋人が忘れられない。傍目には結婚相手の方が条件も良く、幸せだと思う。けれど、私にはこれから続く安定した刺激のない結婚生活の方がよっぽど長くて辛いのではないかと思う。人を好きになるって、条件や世間体ではないのだ。好きは好き。盲目的に。だから仕方ない。止められない。 逆にこの気持ち(盲目的な恋)がわからない、『友情』編の瑠利絵は、自分の常識、正論で蘭花に執着していく。 男性同士の友情だと、描き方がまた違うのだろうと思うけれど、嫉妬と憧れは紙一重。 もし、瑠利絵が蘭花の冴えない元彼と付き合ったり、その日限りの関係だけでも持ったとしたら、彼女の心にも変化があって、蘭花に対する気持ちも違う方向へ行けたのではないかと思う。 辛い思いをしながらも、5年もの間激しく人を愛した蘭花。 その愛という形ないものの正体がわからないまま、自分は正しく真っ当だと生きている瑠利絵。 どちらが幸せなのだろう。 知らないまま人生を過ごしても、問題はない。 …けれど、『こんなに好き』という気持ちを知ってしまうと、知らなかった自分には戻れないのも事実。 でもそれを同じように友情に当てはめられない自分がいるのも事実。 ラストは盲目的な友情って…とストンと理解できたような気がしました。
3投稿日: 2021.05.29
powered by ブクログこの作品は大きく分けて、彼氏への依存と友達への依存の2つの物語なのかな?と思った。 最後の展開は想像できなかったが、感動の結末ではない。読み終わったあとも少しモヤモヤが残るようだった。 親友という言葉に取り憑かれ、その人の1番になりたい、1番になるために自分の人生をかけて必死に足掻く友人が哀れだと思った。 自分の人生は誰のものでもない。誰かに依存することなく自分の道を進めたらいいなと感じた。
0投稿日: 2021.05.29
powered by ブクログ面白かった!!! 解説で触れられていたように、女の友情に恋と結婚と0807を思い起こすテーマで、でもどの作品よりも煮詰めて煮詰めてドロドロにした恋と友情だったし、辻村さんの作品では珍しく、もったりと重たいラストだった。 恋に溺れる藍花と友情に溺れる留利絵。2人によってそれぞれ語られる前後編は、同じ時間の同じ出来事でもこうも見え方が変わるものかと、つい見比べながら読んだ。 個人的には、友情パートで留利絵ちゃんの自意識が描写される度に自分とダブっていたたまれなくなると同時に、藍花以外の友人との接し方にすら、留利絵ちゃんの依存気質が見え隠れしてゾワゾワした。 「かわいねー」「きらきらだー」「ふわふわ」と敢えて子供っぽい言葉選びで友人に触れる女の子像がリアル過ぎてゾッとしたし、本当に偏見だけれどこういう子は依存気質でメンヘラの気があることが多い。 こんな事をここで感想として書いて良いものか悩んだが、ここの描写で留利絵というキャラクターの解像度がグッと上がったんだ・・・。
0投稿日: 2021.05.26
powered by ブクログここまで大袈裟ではないけれど、自分と重なる部分が多々。 本当にタイトル通り。 定期的に読みたくなって読み直したくなっちゃう作品。
0投稿日: 2021.05.25
powered by ブクログ終盤鳥肌が立った。 ありきたりな表現だけど「まさか」としか言えない私は、本当に語彙力がない。 序盤は「えっ!えっ!これ辻村深月?えっ!」 って思ってしまうくらい、意外にも濡れ場が登場してビックリした。でもこんなしっとりした話でも、言い回しや、文章の流れみたいなのがやっぱり辻村深月だなぁ、と読みながら思っていた。 2人とも、こんなに1人のことを長く深く好きでいられるなんて、もうすごい。偏りがすごいけど、でもここまで突き抜けてると好感しかない。 結果的に留利絵の希望が叶ったのではないかなあ。 蘭花ちゃんは星近以外、誰にも興味なかったんじゃないかな。あれだけ恵まれてると興味を持たれることが多すぎて、自分から興味を持てないのかも。留利絵は全くそれの対岸にいる感じ。 そういう意味ではピッタリな2人なのかも。 欲を言えば、室井の妻にもっと社会的な罰が与えられてほしかったな。 辻村深月の世界がますます広がって、ますます好きになった一冊でした。
10投稿日: 2021.05.19
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留利絵の歪みが結局その容姿コンプレックスから来ていると思うとほんと見た目優れた人間ずるいなと思う。まあ姉はいたのだけどその姉だって優れた側の人間だったから大きな救いにならなくて当然だよなあ。いいよなあきれいなひとは。 私生活で互いの中に溶け合っている私たちが、いまさら、まじめくさった顔で他人の前で目を合わせるというのは、途方もなく官能的だ。
1投稿日: 2021.04.24
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蘭花の語り手で読んでから留利絵のを読むとあの時の違和感はこうだったのかと納得がいく。 盲目的な恋をしていると失うものの方が多い。 やはり自分がまた幸せになりたいのなら、その人から離れるしかない。 蘭花はななこの存在に辟易していたけれど、それでも彼が魅力に溢れているから愛し、離れずにいたのだと。魅力を失った茂実を自らの殺意ある手で離したのだと。 留利絵は昔されたことから、自分に劣等感がありすぎて人の目をすごく気にしている。 自分が想うより他人は他人のことを気にしては生きていない。それが自分に余裕がある人間は尚更。 留利絵は蘭花に執着し、そこに美波の存在が嫌で嫌で仕方なくそれと同じくらい彼女の存在を気にして自分の写り方を観察している。だが美波は留利絵のことなど全く眼中にもはいってない。 蘭花は茂実や留利絵から執着されてゾッとする。 でもこういう人の在り方はどこにも存在するし、誰もがなんとなくわかるような人間関係ではないかなと想う。 留利絵の感情を知った上でもう一度再読しようと想う。
0投稿日: 2021.04.08
powered by ブクログほんとにタイトル通りの本。 うわぁ、と思わず口に出てしまう。これは自分が男だからだろうか。もし仮に女だとしたら、わかる、と共感する気持ちの方が強いのだろうか。それぐらいに、良くも悪くも心を動かされる物語だった。とにかく引き込まれてしまった。
0投稿日: 2021.04.03
powered by ブクログ恋愛と友情が入り混ざった男女三人の話。 そもそも、このようなテーマで描かれる小説が初めてだったので非常に読み応えがあった。 恋愛も友情もどちらも利己的な感情であり、その盲目的な感情が時にはその相手さえも傷つけることになるのだと改めて痛感した。
0投稿日: 2021.04.01
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同じ時間の経過を恋愛至上の主観からと、友情至上の主観から、書かれた物語。留利絵と蘭花が対照的すぎて面白い。蘭花目線では、自分のことはあまり書かれていない。とくに容姿に自信がある様でもなければ、どちらかというと中身に対する自身の無さが垣間見える。 ところが留利絵目線になると、蘭花のその圧倒的な美貌が強く書かれており、同時にこうも卑屈になるのかというくらい歪んだ自己愛と他人への執着。その差が2人の女性の生い立ちの違いや心情が嫌というほど伝わった。題名通り、盲目的な恋と友情。最後は、これぞミステリーで締めてくれてスッキリ。 解説に書かれた「女性の幸せを100満たすには、どうしたって男性からの愛情が必要不可欠」のようなことが書かれてあり、真理だなあと思った。男性女性は問わずもが友情ではなく、恋愛としての愛情。その壁が留利絵からすると厚く、もどかしく、理解できないものだったのだろうな。逆も然り。。。
1投稿日: 2021.03.30
powered by ブクログ辻村先生の本を拝読したのは二回目だが、最後の全く予想できない展開にまたもや驚いた。この本を読んで、心を素直に表現できれば盲目的にはならずにすむと思った。だが、それはとても難しいことであり、自分の気持ちを話せるような信頼できる人はとても大切なのだと思った。
1投稿日: 2021.03.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
女の子ってこーゆーところあるかも…。共感してしまった。主人公始め登場人物は、自己優先なので同じ出来事でも視点が変わると、ずいぶん違った見方のストーリーとなり面白いが、現実に自分の周りでも有り得ることだから怖い。蘭花が美波から「客観的なところが好き」と言われるが、ストーリーが進むにつれ、客観的ではなく、自分にしか興味がないように思えてくる。タイトルの通り、盲目的なのである。安直で自分の欲に忠実なように見えるが、ほんとうに客観的だったのは美波なのでは?と思った。みんな誰かに必要とされたくて、誰かの特別になりたくて。やっとそうなれた!と思っても一瞬で掌から零れていってしまう。だから努力して手に入れなきゃいけない。手に入れたら零さないように大切にしなきないけない。
0投稿日: 2021.03.23
powered by ブクログまさにタイトルの通りの話。蘭花の茂美に対する恋と、留利絵の蘭花をはじめとする周りの人への友情を、かなりそれぞれの一方的な視点で書いている。 自分だけの視点から見た世界は、こんなにも独りよがりで自分勝手に出来上がっているのか、とドキリとする。自分から見た相手、相手から見た自分はお互いの捉え方が違っていて、その全てを正しく理解し合っているわけではない。だから、自分の見えている世界だけが正しいとか、なんでみんなこうなのとか、決めつけるべきじゃない。相手との関係性に盲目的になるほど、自分の独りよがりな世界から抜け出せなくなる。なんて危うい。
3投稿日: 2021.03.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
続きが気になってどんどん読み進めてしまいました。 読み終わってから1日経つのにこの話にすごく引っ張られてる自分がいます。 蘭ちゃんにはすごく感情移入できたけど、ゆりえには無理でした… 蘭ちゃん、どうやったら幸せになれたんだろう… 本当に不憫で、悲しくて悔しい気持ちになりました。 星近を影で支配しているおばさんは無傷だし、本当に腹立たしかった。なんでそんなおばさんにいつまでもくっついて支配されるのか。蘭ちゃんで目を覚ましてほしかった。 ゆりえは、自分勝手なイメージ。 周りがそういうゆりえをつくりあげてしまったとはいえ、最後の最後まで、憎らしい… なんで蘭ちゃんが幸せになることを許してくれないのか。 そして、自分が星近を殺していないと認識しているところももう、ひどい。 でもこういうところが辻村美月の作品の良さで、ひきこまれるんだよな… 全てがハッピーエンドだったら絶対つまらない退屈な作品だと感じると思う… すごくよかったです。 また辻村美月の世界に浸りたいです。
0投稿日: 2021.03.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
友人にオススメを聞いて、貸してもらった一冊。 貴方は透明なトンネル、歩いていませんか? 自分は気づかないから透明に見えるかもしれない。 だけどそこは狭く、暗く、気づけば戻り方も分からない。一方通行な場所。 貴方が縋っている、先に見えるその光は本当に出口でしょうか。 以下ネタバレ、感想 タイトルは寸分の狂いもなかった。 この文章に引き込まれ、余分なことを考えている隙が与えられなかった。次は、次はどうなると読んでいるうちに自分も盲目的な視点を追体験していた。 こういう事なのか、と恐ろしくもなった一冊。 ただ1つ、乙田くんめちゃくちゃ可哀想………
0投稿日: 2021.03.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
設定的にはありがち 学校、先輩と恋愛、 先輩は不倫がバレ仕事を失う クズになっていく先輩が彼女を蝕む
0投稿日: 2021.03.03
powered by ブクログ正直、「えっ…これ辻村深月さんという同姓同名の方の作品…?ちょっと嫌かも…」と思いながら「恋」パート前半読みましま。 でもでも、「友情」パートを読んでいくと、やっぱり辻村深月さんだーと思う人間関係と自意識のドロドロさを味わえました。(かなり消耗しました) 大学生な生活や社会人での生活で、こういった恋や友人のもつれはなかったと思うけど、それでも、自分の中に未だある、コンプレックスや妬みや、羨み、を再確認させられました。 読み終わってまだ、かなり、どんよりした気持ち。 ダーク辻村作品です。
2投稿日: 2021.02.24
powered by ブクログ終盤まですらすらと読み進められていたため、普通に面白いなと著者が誰なのか完全に忘れていたが、最後にああやっぱり辻村深月さんなんだなと思わざるを得ない展開だった。まじか。というのが1番の印象。 話は、同系列の物語を、好き故の恋人に執着してしまう蘭花視点のものと、誰かに愛されたくて友達に執着してしまう留利絵視点のものの2編構造で描かれている。 茂実が留利絵に言った「君さ、誰にも愛されたことがないでしょ」は新雑ながらも核心をついた自分自身にも当てはまる強いフレーズであった。 頼って欲しい、信頼し合いたい、あなたの1番でありたい、そういった留利絵の気持ちは痛いほどわかった。 自分は留利絵ほどではないながらも、望む人とはうまく関係を作れず、人と深く関わらないように、期待しないようにして日々をやり過ごし、逆に深い関係になった人には色々と執着してしまうそういった節があるため、この小説のテーマである執着はド直球すぎて心が沈みつつも色々と考えさせられたように感じる。 もっと話したいことはあるが、展開を知らずに読む方が面白いし、ネタバレ不可避なので、書くのは控えたい。知り合いに勧めてみたい一冊でした。
2投稿日: 2021.02.19
powered by ブクログ留利絵と過去の自分が重なった。 眩しいくらいに美しい友達に執着していた。 彼女の一番になりたかった。 私だけのものになってほしかった。 恋をしていたのではない。 ただ、愛していた。 盲目的な友情だった。
0投稿日: 2021.01.16
powered by ブクログどうして、いつの日も、友情は恋愛より軽いものだと言うふうに扱われるのだろうか。 恋愛という愛に盲目な女の子と 友情という愛に盲目な女の子。 恋愛も友情も性別もどこに差があるんだろうか、 何が違うんだろうか。
1投稿日: 2021.01.10
powered by ブクログ表紙やタイトルのお洒落感に負けない本。 恋と友情のチャプター両方面白い。 個人的にはかなりハマった。留利絵に感情移入出来たらだと思う。 しかし登場人物をのだめカンタービレのイメージで想像してしまうのは自分だけだろうか。ま、致し方ないね。 女性作家の本を好む方には自信を持っておすすめ出来る。
0投稿日: 2021.01.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
恋と友情、どちらが大切? 蘭花は大学のオケの指揮者だった茂実を愛し、友人たちがどんなに彼を悪しく言っても、自分でもひどいと思っていても、彼を愛している。茂実との死別を経て、会社の後輩と結婚式をあげる彼女を見つめる、蘭花の友人である留利絵の想いは。 蘭花の視点から描かれた「恋」はまさに盲目な恋が描かれている。美しい蘭花が自分に見合う男と思っていた茂実の落ちぶれていく様を見ていると、美波たちのようにやめておけと言いたくなる。また、蘭花を慕い、お互いに助け合おうとする留利絵の友情の厚さに、これぞ友情とも思う。最後だけが不穏だが、留利絵がその友情から茂実に手を下したのか、と納得する。 しかし、留利絵の視点から描かれた「友情」を読むと、これは友情で片付けてしまう話なのか、と疑問に思ってき始める。留利絵が蘭花に並々ならぬ想いを抱いているのに、蘭花はまったく無頓着なのだ。同じ時系列で話が進むので、気になったらその都度「恋」を読み返してみるが、かなりのズレがある。もちろん人の思いが寸分違わず相手に受け止められることはない。留利絵の認識は明らかにズレている。その恐怖を感じながらも、留利絵が示した命題は心に残る。友情は恋より軽く扱われていいのか? 恋愛を理由に友達を疎かにしていいのか? そもそも留利絵が蘭花に抱いているのは「友情」なのか? 美波に同性愛者か尋ねられた留利絵は否定していたが、果たして、では何が「友情」で何が「恋」なのか? 執着の感情だというのなら蘭花の茂実に対する「恋」も留利絵の蘭花に対する「友情」も執着である。執着といえば留利絵は美波にも執着している描写がある。本当によく思われたかった相手は美波なのでは。 ラストで明かされる茂実を殺した人物と、その隠蔽と、発覚までの流れがまた執着である。私から離れていくことは許さない。これは「恋」なのか「友情」なのか。盲目的な感情に、揺さぶられて一気に読んでしまった。
1投稿日: 2020.12.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
辻村作品は『かがみの孤城』『噛み合わない会話と、ある過去について』「青空と逃げる』『傲慢と善良』『朝が来る』に続いて6作品目の出会いになる。表紙に惹かれて今回手に取った。 率直な感想としては、「流石、辻村作品!」と読み終わった後に頭に浮かんだ。 私個人としては辻村作品は「誰もが抱える喜びや悲しみ、怒り、劣等感を主人公が抱き、自分が同じ立場だったらそうするかもしれないその状況をリアルに描かれる」と思っている。二人の主人公、蘭花と瑠莉絵はまさにそうと思う。 前半の蘭花はまさに「盲目的な恋」 初めて好きになって付き合った彼氏・茂実星近との恋に溺れ、周りから何を言われても離れようとしないその姿はまさに溺れていた。最初の彼氏の大塚と瑠莉絵のことも気づかない、コンマスのくだりで美波と瑠莉絵が不仲なのも気づかない、茂実星近という人物に出会ってから彼以外全てに盲目的な彼女がリアルに描かれていた。 後半の瑠莉絵は「盲目的な友情」 過去のトラウマから、誰かに認められたい、私をみてほしいといった承認欲求を拗らせて「親友と認められたい」という友情への、ひいては蘭花への執着心が露わになった話。恋も友情も愛情も何一つ得られなかった彼女にとって、蘭花は唯一無二で彼女しかいなかった。自分という存在に対して何も言わないのは恋があるからだとどこかで思ったのだろうか…最後の彼女の行動が執着、盲目を超えて狂気的で、辻村作品のラストには欠かせない存在であることは言わずともわかるだろう。 彼氏だった茂実星近はそんなに魅力的出ないのに何故そんなに執着するのか、とふと思ったがそれこそ盲目的になっているんだろう。 瑠莉絵パートでも書かれていたが誰が見てもダメな男として描かれている彼。学生オケ時代に「今年もこの季節がやってきたことを嬉しく思います」のようなセリフがあった時に上級生は笑っていた、という表現からして、上級生には彼のことは魅力的に見えてないのだ。それまでの色々を知っているから。ひいてはその後付き合うことはなかった蘭花以外の周りの人もそうだ。彼のことを一貫して魅力的だと、好意を持っていたの作中では蘭花ただ一人。それがまさに盲目的だと言える。 二つの盲目 どちらも、同じような感情を誰でも抱いたことのあるような痒いところに手が届かないようないい意味で気持ち悪いその感情。 その描写がとてつもなく辻村作品はいいのだろうと私は思う。
1投稿日: 2020.11.28
powered by ブクログ恋に生きる蘭花と友情に生きる留利絵。 顔の良い茂美星近と菜々子の関係。 単調には終わらない結末。 恋愛物語であり、友情物語であり、サスペンス。 辻村先生さすがです。
1投稿日: 2020.11.27
powered by ブクログタイトルを見た時に苦手なジャンルかも〜甘い言葉で囁き合っていたり、ポエムチックな描写が羅列してたら小っ恥ずかしさのあまりに息も絶え絶えになってしまう〜と思ったけど、そんな心配は無用でした、良かった 辻村さんだからそれはないか!とは思ったけど ・ 物語は『盲目的な恋』と『盲目的な友情』の2部構成になっていて一部は育ちのいいとても美しい蘭花、二部は蘭花とは対照的な見た目にコンプレックスを持つ留利絵のそれぞれの視点から描かれています ・ 最初はドロドロした愛憎劇なのかと思いましたが、途中からミステリーの要素が色濃く出て来て私好みの作品でした 一部で菜々子さんという女性が出てくるのですが、この人のやってることは人道的ではありませんが、年齢も近いせいか何となく共感する部分もあったりして… 若さってその時は価値が分からなかったりするのよねー 菜々子のように嫉妬したりはしないけど、羨ましい〜と思うことはあるからなー ・ それにしても、辻村さんは人間の内面のザラザラした感情を描くのがうまい!時に感情移入して苦しくなりました
0投稿日: 2020.11.25
powered by ブクログ綺麗な蘭花は、初めて真剣な恋に落ち、そして溺れた。 ただ相手の茂実は恩師の妻と愛人関係にあった。 それを知った蘭花は愕然とするが、それでも茂実とは別れられなかった。 そんな蘭花の友人の留利絵は、蘭花に執着する。 ろくでもない茂実と別れない蘭花にいらつきながらも、蘭花の近くにいる自分の立場に満足していた。 そして、そんな関係の結末は… 辻村さんらしいというか、恋愛に友情にだけではない要素もあって、面白かった! 2020.11.23
0投稿日: 2020.11.23
powered by ブクログテレビ番組の「先輩ROCK YOU」に辻村さんが出演していた時にこの作品の話をしていた。 男女の出会いのシーンについて、どんなに運命的に思える出来事も他人から見ればなんてことのない出来事だという趣旨の話をしていたと思う。 本作は前半の恋する女性の視点と後半のそれを傍から眺める友人の視点で構成されており、同じ時系列の中で対比されているのがおもしろい。 恋は盲目というが、盲目になるのは恋だけではなく友人関係やあらゆる人間関係でそうなのかもしれない。 本作品では、特定の人間にこだわって周りが見えなくなり、ぐちゃぐちゃになっていく人物たちが描かれる。 恋が優先されて友人関係がどうでもいいものになってしまったり、周りへの迷惑を顧みなくなってしまう。 人間はよく描かれているが、物語としてはダメ男に溺れる女の話でしかないし、読んでいて気持ちのいい展開ではない。
1投稿日: 2020.11.23
powered by ブクログ辻村さんの作品を読んでいると、いつも完全に引き込まれて虜になる。 作品の中で、主人公が、盲目的に恋をするように、夢中になる。 いつだって彼女の作品には、登場人物の命が宿っている。 解説を書かれた山本文緒さんの言葉が、的確にこの作品を表現している。 「客観性を失って自分の問題しか見えなくなっているふたりの一人称を並べ、家族や仕事などの要素を最小限に留めて、彼女たちの狭い視界をきめ細かく追った。それによって、混乱の渦はより濃く、凄みのある素晴らしい作品になった」 「恋」の章ではタカラジェンヌの母を持ち、とびぬけた美人の蘭花が、とびぬけた美男の星近と恋に溺れる様子が描かれ、 「友情」の章では蘭花の友人、留利絵の視点で蘭花と留利絵の友情関係が描かれる。 初めての恋、美男だけどダメな男星近とずぶずぶと溺れていく蘭花は見ていて痛々しくもある。 親しい友人は言う「別れなよ」と。 傷つく蘭花を見ていられない友人からしたら、適切な助言である。 でも、蘭花は。それでも彼を好きなのである。例え彼がクズだったとしても、彼を好きなのである。 好きという感情は、人間の心と、考える頭脳を、奪う。 留利絵も、蘭花と星近が別れた方がいいと思っている友人の一人だ。 ただ、留利絵の友情は、他の蘭花の友人のものとは異なる。 もっと熱烈で強烈だ。他のどの友人よりわたしを選んでほしい、ここまで蘭花のために自分を犠牲にしているのだからもっとわたしに感謝をすべき。 それは一方的な慕情だ。 だからそこに、相手からの見返りを求めてはいけない。 そんなの分かってる、それでも求めてしまう。 友情とは平等に存在するものだ。それが、相手から選んでほしい、感謝されたいと、そこに見えない優劣が生じたとたん、その慕情は暴走する。 わたしにもいつか、そんな風に思う友人はいた。 でも、そんな関係は自分が都合よく頼られているとわかると、とてつもなく疲弊する。 いつも自分だけが相手に合わせていて、なぜかいつもドタキャンされ、それを許している。 それを許さずに彼女と関わらなければいいのに。それでもその関係性を捨てられないのは。 ずっと人並みに扱われることがなかった自分を、人並みに扱ってくれたから。 もうこれ以上、自分が魅力的な友人に恵まれることはないと思い込んでいるから。 縋ってしまう、依存してしまう、期待してしまう。 「恋の前には、友人に失礼なことをしてもいいのか、思いやりを欠いてもいいのか、恋ならばすべてが許されるのか」 何より残酷なのは、恋と友情を天秤にかけた時、恋の方が、ガクンと下に、傾くことだ。 気付かないうちに、人は恋人を優先する。 つまり、自分自身を優先させる。 だから、恋は友情には勝てない。 結局、また友人に傷つけられておしまい。 今はもう、そこまで強烈な思いをもって関わる友人はいないけれど。 それが、恋なら。 今自分が抱えている慕情が、いつか暴走してしまうのでは。 いくら気をつけていても、その暴走に気付かなくなるほど強烈な愛情を孕んでいると、盲目になる。 他人事ではない、そんな不安に駆られる瞬間がいくつかあった。
135投稿日: 2020.10.14
powered by ブクログ本屋にふらりと寄った時に見つけた本。 最初は恋の話…?溺れすぎた恋の話…? なんて思いながら読んでました。 確かにそうなんだけど、 そうじゃなかった。 盲目的って、こういうことなのかと思いました。 鳥肌立ちながら読みました。 ところどころ、抱えてしまいがちな感情だ、と共感できる場面もあって。 人間の愚かさ、どうしようもなさ、弱さ、 そんなものを感じました。
6投稿日: 2020.10.10
powered by ブクログ題名通り、盲目的な恋と友情。本当に盲目的!刺激的な作品。 人間の愚かしさがグサッとくる。それでも、 盲目的というのは、他のことが見えない究極のフロー状態ではないかと思う。それにどこか憧れているからこの作品に惹かれるのだと思う。 女同士の敵対も共感できる。共感できることが悲しいなぁと。 次の展開が気になってどんどん読んでしまった。
0投稿日: 2020.09.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
私の好きな文章を書くあおちゃんが2019年1番だと言っていた本。なんだかんだ一番仲の良い友達がこれは面白かったと言っていた本。絶対に交わりそうにない二人の感想が一致している作品ってどんなもんだと思って興味深く読み進めた。間違いなく盲目的な二人の過ごした平行世界は、とてつもなく不器用で、人間臭かった。結婚式のシーンから始まって、結婚式のシーンで終わるんだけど、同じ状況を描いているのにページをめくりはじめたあの時の私と、今この本を読み終えようとしている私では全く違う世界を見れるあの感覚が味わえて、乾くるみのセカンドラブとかこの本とかは好きだと思った。だがしかし救いがない。朝井リョウの切なさはどことなく綺麗で儚いのに、この本には綺麗さがあんまりなかったように思う、あ~~~朝井さんの新作が読みたい少女は卒業しないっぽいやつ。ごめんこれのネタバレ思いっきりすると私るりえが殺したかと思ってたららんかが突き落としてたのね手が出たって突き落とした表現かと思ったら口を抑えただけなのね。駄目だと分かりながら誰かを愛すことほど盲目的になる瞬間はないし、だれから何を言われようが戻れないことを知ってる。だって誰よりも自分の理性止めてるのに戻れない道を行く人を、他の誰が止められる?幸せだって言い聞かせながら本当は選びたかった人を捨ててしまった女がほかの人との結婚式を終えて幸せになれるのか?警察が来てくれてよかったんじゃないだろうかと思う、よくはないけど。
4投稿日: 2020.09.27
powered by ブクログあの人ではない人と私は結婚する。 すべてをかけて愛したあの人は、もういない。 恋愛において盲目的という表現はよくありますが、友情においては考えたこともなかった。 客観的にみれば気付けるはずのことが、盲目的になると気付けない。 周りから見れば異常なことがわからない。 恋愛も友情も愛ありきですが、いきすぎたものは何かを壊す。 盲目的な恋愛をしていた頃の私自身も、周りから見るとこんな風に愚かで壊れていたのかな。
5投稿日: 2020.09.19
powered by ブクログ書影に惹かれて思わず…。 "盲目的な"って言葉、"友情"も形容し得るのですね…私には少し遠い世界。 G線上のアリアは正統派で美しいと純粋に思ってたけど、その完璧な響きは少し触れただけで壊れてしまうような…そんな脆さもあったのかも…
0投稿日: 2020.09.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
暗めの辻村作品。 私が1番理解しているはずなのに、、といった友人への執着って醜いな〜と。 自分にも思い当たる過去があったからか苦しくなる場面がいくつもありました。 おい!彼女へのプレゼントを違う女と選ぶな!!
6投稿日: 2020.08.24
powered by ブクログ蘭花の美しさ。 恋が生活の全てを覆っている。 友情なのか、執着なのか。 安心できない、常に不安で心細くて。 認められたい、求められたい。 ぐぐーっと読み終えちゃうね。
3投稿日: 2020.08.15
powered by ブクログ冒頭はオケとか文化的なもの興味ないな〜という感じで読み始めたが、途中から一気読みした。 ザ、女子という感じの話。 美波には、蘭花、留利絵に対する「いい家の子達」というレッテル、話が合わない感覚に共感し、物語の中で唯一冷静に蘭花、留利絵を見てる子としての物語も読みたいと感じた。 また、留利絵の承認欲求の強さには驚くが、学校内のカーストや、友達を独り占めにしたい気持ちが少なからず私にも中3くらいまであったなと感じた。 本当に痛くて、一番共感してしまう人物であった。 蘭花には、茂実が不倫相手との関係を精算せずとも受け入れてしまう部分には共感したが、困ったときだけ友人に頼る感じがとても嫌な感じがした。 茂実が留里絵に言った誰にも愛されたことないでしょという言葉がとても痛かった。
6投稿日: 2020.05.10
powered by ブクログ初めて辻村さんの本を読んだ。とっても読みやすい。文章が上手。お話にもどんどん引き込まれていきました。「恋」と「友情」それぞれの視点で違う面白さがあってよかった。これからもこの人の本は読みたい。
0投稿日: 2020.05.07
powered by ブクログ出てくる登場人物に誰一人として好感を持てる人がいない、かつ登場人物たちの心理描写を読んでて不愉快な気持ちになる…それだけぐちゃぐちゃしてる心の描き方が上手いんだなと思うんだけど。恋に溺れて自己憐憫や自己陶酔に浸ってる蘭花も好きじゃないし、承認欲求の塊の瑠利絵もその自己愛と卑屈さが拗れすぎていて好きになれない…端的に言うとこの本、好みではなかった。 でもテーマになっている恋とか友情のことについては色々考える機会になった。 ============= 「 何人と付き合ったか、が話題になることはあっても、何人の友達がいるか、そのうちの何人から真に心を開かれ、分かり合えているかが語られることは無い。 恋はいつ終わるとも知れない軽いものなのに、長く、ずっと続く友情の方は、話題になることが、ない。」219頁 ============= 「恋」>「友情」 恋は、それも大体の場合異性との恋愛は友情に優先する。恋愛感情の方が友情よりも特別、とでもいうような風潮は確かにあるな、と思う。 パートナー選びについてもそう。 「パートナー」って、唯一の特別な存在になるわけだけど。 その「特別」には「恋愛的な」あるいは「異性的な」要素が前提になっていることが多いと思う。 例えば10年以上友人で、お互いノンストレスで居られて、家族みたいな存在の友達であっても、人生のパートナーに選ぶことってあんまりない。結局出会って数年位の異性と恋人関係になって、数年後に結婚する、という。 同性の友達はあくまでも「友達」だから、それそれ、これはこれ。比べるものじゃないの、「友達」と「恋人」はジャンルが違うんだから、別に優劣をつけているわけではない、という考えもよく聞くけど。 パートナーを選ぶってことはつまり、自分の中の人間関係にある意味ではっきり序列をつけるわけでしょ。 どんなに居心地がよくても、どんなに仲がよくても、一緒に生きていくパートナーには選ばない。これって何なんだろうと思う。 「盲目的な恋と友情」 瑠利絵の心の中の色んな屈託を読み進めながら、これを「友情」と読んで良いものかわからないけれど、でもやはり「友情」と表現することもできて、結局恋であれ友情であれ、人間関係は良くも悪くも「欲」がつないでるものなのかな、という気もした。
3投稿日: 2020.05.05
powered by ブクログ「何人と付き合ったか、が話題になることはあっても、何人の友達がいるか、そのうちの何人から真に心を開かれ、わかり合えているかが語られることはない。 恋はいつ終わるとも知れない軽いものなのに、長く、ずっと続く友情の方は、話題になることが、ない」P219 女の子なら首がもげるほど頷くこと間違いなし!!! AパートとBパートで2人の女性視点に分かれて語られるこの物語は、タイトルのまんま、「盲目的な恋と友情」についてが描かれている。 Aパートの女性は恋に溺れ、Bパートの女性はAパートの女性を思う。しかし、AパートではBパートの女性はあくまでサブ的にしか登場せず、彼女の恋愛を支える駒にしかすぎない。この2人の思いの違いに、胸が苦しくなってしまう。 思春期の女の子同士の友情って恋に似ている。 AちゃんがBちゃんと仲良くしていたら「どうして私の一番になってくれないの?」なんてメンヘラ彼女みたいに嫉妬してBちゃんを影でコソコソ悪く言うことなんてザラだ。 それだけじゃない。 私たちに取って一番の天敵は「彼氏」だ。 私も大切な親友に彼氏ができたときは、いつも複雑な気分になる。10年以上かけて築いてきた友情を軽々と超えて「Aがいつもお世話になってます〜」なんて上から挨拶してくる。 うるせぇ!!!!3ヶ月やそこらで対等になったみたいな顔すんな!!!!!こっちのほうが長い付き合いなんじゃ! と言いたいのをグッと堪えて笑顔をつくるけど、本当はすごく苦しい。あの子の隣にいるのは私のはずなのに、とどす黒い感情が渦を巻く。決して恋心ではないんだけど。 そんな微妙な気持ちを言語化してもらえて、思わず親友に読んでほしい気持ちになる。重いと思われるのが嫌で言葉にしたことはないけれど、本当はこんなふうに思っているんだよって。 「恋愛が、それほどまでに友達を疎かにしていいことなのだと。その浅はかな思考がまかりとおるこの世の中に、ほとんど、嫌悪感を覚えた」P235 「私は、恋愛ができないんじゃなくて、恋愛が好きじゃないから、しないだけ。気持ちは穏やかだった」P230 辻村深月作品のなかで至高は『凍りのくじら』だと信じていたが、この作品もトップに置いておきたい。 これは辻村さんにしか書けないものだ。友人の彼氏を疎ましく思う気持ちも、恋愛がうまくできないことを「恋愛が好きじゃない」と思い込むことで自尊心をギリギリ保つことも。
5投稿日: 2020.04.28
powered by ブクログ恋は盲目と言いますが、友情まで盲目になってしまったらそんな怖いことになるのだな、と始めて思った。 盲目になってしまえば欠点も見えなくなって直面することを恐れてしまう。 友情まで盲目になってしまうとその他が邪魔になって特定のその人だけを守ろうとしてしまう。 それぞれ人間関係は付かず離れずがいいのかな。
8投稿日: 2020.04.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
うーん、、、うーん、、、うーん、、、すみません。ピンときませんでした。ゴメンナサイ!という感じ。 「本日は大安なり」が抜群に面白くて、「ツナグ」が結構面白くて、で、この作品はどんなんやろ~?とワクワクしながら読み始めたのですが、、、すまん。すまんです辻村さん。全然ピンと来なかったよ。すまんです。 うん、まあ、ダークやねえ。って感じ、と言いましょうか。でもまあ、うん。茂実星近、一瀬蘭花、傘沼留利絵。この三人が、主要な人物。という感じなのでしょうが、誰にも魅力を感じなかったよ。というのが、辛かった。なんだかなあ~どいつもこいつも、って感じ?と言いましょうか。 茂実は、うーむ。顔が良くてセックス上手いだけの男じゃん。という感じ?でしょうか。でもまあ、男前で、セックス上手かったら、そらあモテるか、って話なんですけどね。まあ、自分が単なるモテない男なんで、そのヒガミなんですけどね。 全然こう、「こいつ、、、そらモテるわ。カッコええし。しゃあない。こいつには勝てませんです。男として、彼には魅力しか感じねえですよ。勝てません。完敗です!」というフィーリングは、皆無。単なるダメ男やんか。はいはい、って感じ、でしょうか。なんで、誰かに、お金をたかるんだろうか。自分でバイトでもなんでもしろよ。で、その金で酒を飲めよ。うだこだいわずに、働けよ今スグに。とっぱらいのバイトでもなんでも、って思いましたね。 まあ、どうなんでしょうね。この作品が映画化されたとして、茂実を、すげえ男前の俳優が演じたら、「そらあ誰でもこのダメ男に惚れるわ!しゃあないわ!」って、一気に納得できるのかもしれませんけども、文字で読むだけでの茂実には、ま~ったく、魅力、感じませんでしたねえ。 映画「ゆれる」で、早川猛を演じたオダギリジョーは、とんでもねえワル男のダメ男の魅力を最高に撒き散らしていてホンマに最高だと思うんですが、是非ともこの作品、映像化の暁には、あの位のとんでもねえ魅力ある悪い男に、最高の男優に演じてもらって、自分を「マジ生意気言ってすみませんでした!!」くらいに、グウの音も出ないくらいに凹ませまくって欲しいですね。 まあとりあえず、この小説の茂実星近には、男としての魅力を、コレッぽっちも感じませんでした、って事が言いたかった。たんなるアホなダメ男やんか。あと、あんだけ長い事、室井菜々子と不倫?みたいな事しといて?なんで師匠の室井(旦那)にバレなかったのか?というのが意味わからん。 あかん。茂実への文句だけで感想が終わってしまう。あかんです。まあ、モテる男への、モテない自分からの僻み、というだけですね。平たく言いますと。 蘭花と留利絵の関係は、うーむ。「ツナグ」のなかの「親友の心得」の、嵐美砂と、御園奈津の関係の方が、ゾクゾクしてガツンと来たね、という感じでしょうかね。なんか、ちょっと、残念でした。最後のオチも、すみません。 よく分からんかった。結局、茂実を殺したのは、蘭花、ということなのか?ならなんで本人、「恋」の章で、それを認めなかったんだ?うーむ、、、わからん。
2投稿日: 2020.04.15
powered by ブクログ題名そのままのお話。 盲目的に恋や友情に溺れている二人の女性には共感できず、苛立ちすら感じるが、それでも嫌いになれず、愛おしさも感じる。 だからこそ衝撃のラストを迎えて、ハッピーエンドのような、悲しいような、複雑なような、言い表せない気持ちになってしまった。 面白かった。読了して、なにかモヤモヤするものが残る感覚がある。
0投稿日: 2020.04.11
powered by ブクログ主人公蘭花ともう1人の主人公留利絵。私は留利絵の心理描写に心を掴まれた。留利絵のラストで明かされる愛情の裏返しを批判することなんて誰が出来るのか。留利絵はいつも全力で傷ついていた。辻村深月さんは女性達のどろどろとした描写に長けた人なのだと思う。
0投稿日: 2020.04.01
powered by ブクログ宝ジェンヌの娘で綺麗だがこれまで恋愛に興味がなかった蘭子と大学のオーケストラ指揮者との盲目的な恋と蘭子の親友で顔にコンプレックがある友達の目線の2つの目線から書いたもの。 恋人が堕落していく姿と死の真相はちょっとミステリー要素ありだけど、うーん。女のコンプレックや嫉妬心の怖さなのか恋愛なのかちょっと主軸が中途半端な気がしてしまいました。 やっぱり辻村さんは青春や泣けるやつがいいです。
0投稿日: 2020.03.21
powered by ブクログかなり怖かった。 「恋は盲目」を言い始めた人はすごい。 確かに、友情もときに盲目になるなと気づいた。
0投稿日: 2020.03.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
前半が「盲目的な恋」、後半がその恋を間近で見ていた第三者の「盲目的な友情」を描いています。 大学のオーケストラメンバーの中で起こる、色恋沙汰や友人関係などの人間関係のいざこざや嫉妬。大学でオケに入るくらいだから、そこそこに教養があったり、文化的な家庭で育った女の子たちが集まっており、そこに若手指揮者がやってきて色恋に発展。誰と誰が付き合っただの別れただの、元彼女がどうだの元カレがどうだの…。友人関係についても、派手めな子と地味めな子の間に溝があったり、自分が人からどう見られているか異常に気にする子がいたり、表向きは仲良くしているけど内心見下していたり…学生時代って、そういう人間関係のあれこれに悩んだり、自分の内面と向き合う時間のなんと多かったことか。今にして思えば、それはけっこうしょうもないことであったような気もするけど、とてもキラキラと尊い時間だったのかも知れない。 と、ほとんど最後のほうまで読みながら思っていた。そういう話でも十分読み応えがあって面白かったので、ラストをわざわざそんな衝撃的にしなくてもいいのに、と私は思った。なんとなくぼんやりとした余韻を残して終わっても良かったのになぁと。まあなかなか、おもしろかったです。
2投稿日: 2020.03.01
powered by ブクログ2020年2月10日読了。大学オーケストラで指揮者の茂美と激しい恋に落ちた蘭花、破局に向かう恋の裏で「親友」の留利絵は…。同一の事件を二人の視点で繰り返し、最後に「驚愕の真相」が訪れる構成の本は世の中に腐るほどあり、このお話のトリックと「真相」は結局のところ想定内のものだが、女性作家による女性視点ならではというか、二人の親友たちのお互いの外見への認識とか、どうしようもない状況を抜け出せずもがき、それでもその状況に酔っているような心の動きとか、「親友」と認められるときの陶酔感・友人が苦しんでいるのを見つめるときの満足感・悩んでいる当人が自分で気づいていない心の動きなどの濃密な描写は大変読み応えがあった。執着がなければ芸術も産まれないと思うが、とかく人と関わって生きていくことは難しい、特に女性にとってはこの世の中は、ということか。
5投稿日: 2020.02.10
powered by ブクログミステリアスだがとても面白かった 辻村さんの作品は登場人物が中高生だったりする事が多いが この作品は大学生以上で少しオトナな作品 短編な方だと思うが、かえって読みやすかったです
0投稿日: 2020.01.30
powered by ブクログ前半は恋に溺れ、茂実は菜々子の思いのままに動かされていると知っても茂実から離れることのできない蘭花が、幸せから落ちていく姿が苦しかった。 たとえ自分がどれだけ苦しくても相手に重たいと思われたくない、別れたくないと願う蘭花の気持ちが自分に通じるものがある。 蘭花は見た目も育ちも特別な人間だ。だからこそ特別な人間である茂実から離れられなくなったのだろう。 後半は友情を通り越した、留利絵による蘭花に対する執着を感じた。 自分の容姿に対して幼い頃から笑い者にされ、強いコンプレックスを持つ留利絵は美しい蘭花の親友になりたかった。 どれだけ留利絵が蘭花を思い、苦しい時を支えたとしても女友達は男には敵わない。 留利絵は蘭花が結婚してアメリカへ行き、1人だけ幸せになることが許せなかったからスマホを警察へ送ったのだろうか。 それならば自分と永遠に苦しみを共にさせたかったのだろうか。
3投稿日: 2020.01.30
powered by ブクログ2020/1/11 初めて辻村深月作品を読みました。最後の山本文緒さんの文にダークな作品とあったので、やっぱりそうなんだ、これはどちらかというとこの人的には異色な部類に入るんだなと再確認。 一瀬蘭花、その元カレの大塚、彼の茂美星近、親友の留利絵を中心とした内容。盲目的なというものを共通事項にして、恋の話は蘭花の視点から、友情では留利絵の視点からそれぞれ同じ出来事について物語が進んでいく形式を取っている。 個人的には蘭花はすごい美人って設定だけどなかなかのメンヘラ具合だし、留利絵に至ってはコンプレックスが背景にあったのかこちらもなかなかのサイコパス感が出てるように感じた。 恋で盲目的になるとはどういう状態を言うのか、友情で盲目的になるとはどういう状態を言うのか、というのが二人の人物の視点で描かれることによってすごく鮮明になっているような気がします。 盲目的という使い方をすれば聞こえはいいけど、要は暴走しすぎ…とも思ったりします。 すごいダークではないけど黒よりのグレー?みたいな話でした!
5投稿日: 2020.01.11
powered by ブクログ気味悪く痛々しい一方で、似たような状況は意外と日常にあり、関係に執着する登場人物たちの心情に妙に共感するというか。何なら自分の内で幾度かこういう気持ち芽生えたこと、あるな。と気づき、そこにまた気味の悪さを感じた作品でした。 普段、執着なんぞ醜い行為、私には無縁ですよ、みたいに取り繕って生きている分、そのお面を容赦なくひっぺがされたような感覚になる小説です。
0投稿日: 2020.01.05
powered by ブクログ恋も友情も誰かに依存して執着している。自分が自分でないみたいに醜くなったり美しくなったりするもの。蘭花にも留美恵にも私と通じるところがある(みんなそうだと思うけど)。クラシック音楽が聴きたくなった。見返りなんて求めちゃ駄目だよね、好きと信頼はイコールじゃない。 いつまでも、その頃の甘い思いに浸っていたい、ここに縋りついていれば大丈夫、と人の心を蝕む甘美な思い出 ありとあらゆる"最初"がおそらく、菜々子だからなのではないか。私が茂実にそう感じているように。 あっけらかんと目の前で引かれる区別の線が、ときに苦しいことがある。
2投稿日: 2019.12.15
powered by ブクログ人間ってこわいなと実感した1冊。 伏線は全て回収しつつも、読み終わった後に胸の奥にモヤモヤが残る感じ。
1投稿日: 2019.11.18
powered by ブクログ飛び抜けた美貌の一瀬蘭花は、大学のオーケストラに入ったことで美青年の指揮者・茂実星近と知り合い、恋に落ちる。5年の大恋愛の末、2人の恋は突然終止符が打たれた。蘭花の視点と、蘭花の親友・留利絵の視点から描かれた恋と友情の真実とは…。 女性ならではの、微妙な感覚を本当に上手く描いた作品。 山本文緒さんが書く本書の解説が、また秀逸。「いくら友情を育んでも、女性の幸福の完成には異性のパートナーが必要で、恋人同士の問題に女友達は介入できない」(298頁)って…、まさにその通り!コワイコワイ! 前半は蘭花が星近に対して“盲目的な恋”をする視点に対し、後半は留利絵が蘭花に“盲目的な友情”を抱いた視点で描かれる。ミステリー作用もいい感じに加わって、最高のイヤミスでした。
1投稿日: 2019.10.21
powered by ブクログ盲目的な「恋」をする女性と、その女性を「友情」で支えようとする友人と、2つの視点から描いた長編小説。 大学のオーケストラサークルで、初めての恋に溺れていく美貌の女性。相手は将来性のある指揮者だが女性関係をはじめとした問題も多く…と、わかりやすい設定でドラマチックに盛り上げる第一部は、テレビドラマのような恋愛もの。続く第二部は、一転してコンプレックスの塊で人づき合いの苦手な女性による、鬱屈した心理描写で迫るミステリーに。 前半の「恋愛」はともかく、後半の手に入らないなら破壊するのは、「友情」ではなくストーカーによる偏執的な独占欲でしかない。 旅のお伴に読みやすそうなものをと選んだ一冊、行きの飛行機で第一部を、帰りの便で第二部を読んだのだが、思いの外どろどろとした内容だった。
1投稿日: 2019.10.02
powered by ブクログ『かがみの孤城』を読む前に辻村深月の代表作に挑戦しようとして手にしたこの作品。辻村作品の中でのかなりダークで尖った作品と知り、それを深く咀嚼できた。 一言で男性目線で言えば、女性って面倒くさいに尽きる。特に友情編の留利絵を見ると、人は自分が思っているほどに気にしてないし、意識してない、というのが顕著に現れていると思う。美波しかり、あれだけ友情(愛情)を見せつけられている蘭花であっても。それでも意識してしまうし、相手には意識していることを気づいて欲しい感情が生まれることは否めない。それは男であっても同じだ。 一番好きな台詞はP118の愛に溺れる蘭花の一言。 「どれだけ言葉を尽くされても、正論を語られても、そんな高尚なことは、それがどれだけくだらないとわかっても、茂実が私に甘える泣き声一つにすら敵わない。」
1投稿日: 2019.09.20
powered by ブクログ盲目的の最終形がラストを生んだと思うと作者の「情」は卓越していると感じた。また作中の「踊り出したくなるような後ろめたさ」や友情と愛情、否定と肯定など対比を巧みに使い複雑な各登場人物の感情をうまく表現されていた。本当にすごい。
1投稿日: 2019.09.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
うおー!個人的にはめちゃくちゃ面白かった。賛否両論ありそうだが、蘭花の盲目的な恋、瑠璃絵の盲目的な友情どちらにも身に覚えがあり、痛々しいほどどちらの気持ちも分かった。本当は星近が大したことがない男だと分かっていても己の優越感を維持するために気付かないふりをする蘭花、果たせなかった青春を取り返すために勝ち組としてシンボリックな美しく聡明な蘭花に執着する瑠璃絵。最後までしっかり楽しめた。
1投稿日: 2019.09.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
女同士の友情物語が好き。 客観的には大きな問題でなかったとしても 自分の中では大きな問題だと 人は盲目的になってしまう。 それしか見えなくなってしまう。 どんなに尽くしても報われない。 どんなに依存しても一方通行。 なのは、恋も友情も同じ。 口は災いの元。 隠しておかなければいけない事実は 誰にもバレないようにしなくてはいけない。
0投稿日: 2019.09.01
powered by ブクログまさにタイトルの通り。 それぞれの人物に猟奇的だと思いながらも、どこか共感してしまう自分すら怖くなる。恋と友情は答えのない永遠のテーマだなぁと感じた。 初めて辻村深月さんの作品を読んだが、不穏な空気感にハマりそう。
0投稿日: 2019.08.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
女は恐ろしい… この言葉に尽きる感じ… でも久々に辻村深月らしいひっくり返しがあった作品。 中に出てきた、るりえが思う、恋は友情をこんなにも軽く扱っていいのかって言葉とかはちょっと共感してしまった。 女は誰でも感じた事がある感覚なんではないかと思う。 るりえの、蘭花に対する感情は異常だけど、でも何となく分かる気がする… そう思った。 気になって一気に読んでしまった〜☺️
0投稿日: 2019.08.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
恐い、恐い、恐い!! 茂実は普通に恐いし、留利絵も恐いし、全く無自覚で無邪気な蘭花も恐い。 でも、蘭花をずっと自分のものにするために、彼女を売るラストの留利絵が一番恐い。 スピーチを読み始めたタイミングで刑事が来たのは、因果応報という感じでそれも恐い。 全部、恐い。。。
1投稿日: 2019.08.05
powered by ブクログ男女の醜い執着心を、よりリアルなミステリーで描いた作品。モラハラ気味の彼氏と別れて、たまたま本屋でタイトルに惹かれて手に取った作品。終わってしまった自分の恋に、この作品を重ね合わせて身を投じ、ああ、自分の選択は間違っていなかったんだと無意味に納得できた、そんな物語。ラストシーンはどんでん返しでしたね。女と女のドロドロの友情も見どころ。
1投稿日: 2019.07.15
powered by ブクログ執着心や欲望の少ない自分は恋も友情も共感することはできないけれど、登場人物のような盲目的な女性がいることは知っている。ここまで執着できる何かがあることに少し羨ましく思う気持ちもある。見た目や社会的な立場で人からの反応が変わるのは紛れもない事実。側にいる人が周囲の憧れの存在だと、自分まで特別な人間になった気がして、その優越感がたまらなく、しがみついてしまうのだろう。自分の高校生時代を振り返る時、楽しかったことばかりを思い出していたけれど、裏には女子特有のマウンティングがあったような気もする。女性が読んで怖くて面白い小説というのが率直な感想。女性コミュニティが苦手な人、男性コミュニティが好きな人には読めない本だろうな。
1投稿日: 2019.07.09
powered by ブクログ装丁も素敵だし、中身も好きな感じで 図書館で借りたものだけどこれは手元に残しておきたい と久々に思った。さっそく買う。 夢中になると、恋も友情も冷静さを失う。 依存される人とする人、 ふたつの視点で描かれていておもしろかった。 どちらが正しいとかではなく、 当事者からしたらその全てが事実なのだろう。 救いようがないなと呆れてしまうのに、 身近にも起こりうることだと思えてしまうのが怖い。 女の美醜は女が決める。おもしろすぎて一気読み。
1投稿日: 2019.06.29
powered by ブクログ後半の「友情」の章を読んでいるうちに、前半の「恋」の章が比較的凡庸だったように感じられてくる。物語の中の出来事はすべてを読み終わるまで完結しないけれど、ただ、「恋」は確かに前半で完結している。 外見で言えばルリエールとそう変わらない自分も、中身はそこまで似ていなくてよかったと心から思う。執着心に支配される生きづらさは、縁遠い。認知の歪み具合は多少似ていたとしても。 大学に入ってから(十数年前、と書こうとしたら20年前だった)、ここまでではないにしても、こんなふうに生きづらそうに生きる人が実在することを知った。世の中には本当に、いろんな人がいる。
1投稿日: 2019.06.25
powered by ブクログ話は面白く、中盤から一気に読み進めた。 こういう考え嫌いだなとダークな気持ちになるくらい相変わらず辻村さんの心理描写が素晴らしい。
0投稿日: 2019.06.20
powered by ブクログ久しぶりに、だまされたー。。ことごとく予想を裏切る展開に、息つく暇もなく読み終えました。 最後のスピーチのシーンは、どうなるのか知りたいような、怖くて知りたくないような、そんな複雑な気持ちでページをめくってました。 この本に、こんなどんでん返しがあったなんて…! はじめの、蘭花と茂美の話の時は、全然思わなかった。 それにしても、留利絵みたいな子。私の学生時代にもいました。ヤキモチなのか?ってくらい、彼氏に嫉妬したり、他の女友達と親しくすると嫌がったり…。 その辺りがすごくリアルに描かれていて、あーこういう子ってやっぱりいるんだな。と、妙に納得してしまった。 結局、どう転んでも女は恐ろしい。 淡々と進んでいくようで、最後には友情について、色々考えさせられてしまう本でした。
1投稿日: 2019.05.15
powered by ブクログ大学生時代に初めて読んで、時折読みたくなる作品。 同じコミュニティで過ごしたトモダチはこんなにもお互いを思う温度が違うのか。切ない、盲目という言葉がぴったりだと感じた。 どんでん返しあり、ドロドロあり、そんな作品。
1投稿日: 2019.05.07
powered by ブクログ恋に盲目的な第1章と、友情に盲目的な第2章。誰が悪いって訳じゃないのかもしれないけど、無意識って怖いよね。どれだけ準備してたって、突然自分に降りかかってくると身動き取れなくなっちゃうのって、怖面白いなぁ。
0投稿日: 2019.04.26
powered by ブクログ190419*読了 恋は盲目というし、その意味は実体験からよく分かっているけれど、友情にも盲目になれる人がいるのだな、という驚き。留利絵みたいな子も、美波みたいな子もいるいる。蘭花は家柄にしても容姿にしてもちょっと周りにはいないけれど。辻村さんはいろんな女性の描写をするのが本当にうまいなぁと思います。 留利絵の章はもう痛々しすぎて…。苦しくなりました。 最後はあっと驚く事実も披露され、盲目な友情が実を結んだ、のか? 辻村さんらしさはどの小説にもあるけれど、どの小説も凡庸でなくて、どれを読んでも似てるやんとは絶対にならなくて。そこが辻村さんのすごさであり、好きなところでもあります。
0投稿日: 2019.04.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
辻村深月作品が好き。 でも、この作品は先が気になって読み進めていったけど、なんとなく後味がすっきりせず。 蘭花や留利絵の細かい感情や心理は少しは女としてわかる部分もあったし、ありえそうとは思う。結末まではないとしても。 最後のびっくりはさすがな感じがした。けど、盲目的な友情だけは貫くところを見たかったな。
0投稿日: 2019.04.02
powered by ブクログ誰がどうすればよかったのか、わからなくなったところで問題は起こるのだなと思いました。 2人を見ていると辛い、苦しい。でもわかる、というところもあって、どんどん入り込みます。 2章立てになっていて、それぞれの章でどちらの気持ちもわかる。そこが辛さを掻き立てるなと思います。
2投稿日: 2019.03.05
powered by ブクログ「盲目的な恋と友情/辻村深月」新潮社 「中高生にプレゼントなんだけれど、どの本がいいかしら?」 毎日は聞かれないが書店で働いていればド定番の質問。 「その子(男の子?女の子?)は普段どんな本を読まれてますか?」 「・・・さぁ~?よくわからないわ」 毎回では無いが、これもまたよく聞く返答。 ここからが問題。簡単に答えちゃいけない。まっさらな生地に落とされる 最初の一滴によってその子の読書人生が明るくも暗くもなるクロスロード。 ロバート・ジョンソンは悪魔と契約しテクニックを手に入れた、 その子が得たいものは何なのか?受験のテクニック? 考えても答えは見つからない。であるのなら不用意な契約はすべきではない。 「あなたでは話にならない!本人を召喚したまえ!」 ・・・失礼。 最近は最初の一滴は「辻村深月」さんを薦めています。 ピュアで無垢な時に染みわたって欲しい作家さんだからです。去年「島はぼくらと」で惜しくも大賞を逃した事もあり、だからこそ今年で作家生活10周年を迎える辻村先生に大賞を獲っていただきたいと言う思いがあります。 僕が辻村さんの作品を初めて読んだのもピュアで無垢な時でした。 何となく「少年少女向け」みたいに思っていて、「オッサンが読むにはハードル高いっしょ?」と、かたくなに避けていた時に、とある「未会計商品を店外に持ち出された成年男性を呼びとめた」際におまわりさんから過剰防衛を疑われながらも肋骨を折り戦線離脱し自宅療養中に辻村作品に出会いました。ピュアでしょ? そんな辻村作品が10周年を祝して3作連続刊行。 流石に本屋大賞1次投票に3作品を選ぶ事は出来ず泣く泣く選んだのは 「盲目的な恋と友情」 美しく才能もある主人公の「恋」のパートと、友人の側から見た「友情」パート いつもより年齢設定が高めの今作。中高生の最初の一滴にはまだ早い作品かもしれませんが、自分史上最高に本を読んだ1年の中で確実に光り輝いていた作品「盲目的な恋と友情」略して「も・て・な・い」激情と冷徹、甘さと苦さ、一言で表すなら「オンナ怖い」そんな1冊を青春のクロスロードで煩悶する彼氏彼女に叩きつけたい。
1投稿日: 2019.02.25
powered by ブクログ久しぶりの辻村さん。 心が引き裂かれるような苦しい気持ちを引っ張り出されるので、読むと複雑な気持ちなんだけど、ページをめくる指が止まらない、そんな作品。 性描写がびっっっくりするほどどエロくて驚いた。 辻村さん、こんな描写もできたのかとひっくり返った。 改めて辻村ワールドにハマりそうな予感。
0投稿日: 2019.02.03
powered by ブクログ恋愛。友情。 これに尽きる。 誰かから見た視点は別の誰かからすると 全く違ったものである。 怖いけど、あり得る。 二話目の友情は前編の恋を読んだので 分かっている筈だが、 やはり人の気持ちは分からないものだな、と。
5投稿日: 2019.01.22
powered by ブクログ辻村さん2冊目 。 依存と執着と どうにもならない関係と。 ねちねちして、ぞわぞわして 色んな意味を含んで怖い。 読み終わって、本を閉じて、 もう、まさに、これ。 盲目的な恋と友情。
1投稿日: 2019.01.04
powered by ブクログまさにタイトル通り。前半、後半で同じ時間軸で進む話を異なる主人公の目線から描く。一方は盲目的な恋、後者は盲目的な友情。一つ一つのエピソードはかなりあるある。女子怖い。
1投稿日: 2018.12.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2人の視点を2部に分け、同じ時系列で描かれる手法は違和感あり...。 ロールプレイングゲームを違う主人公で再クリアーするかのごとき、マニアには至福のひとときなのであろうが、私には時間の無駄でしかない。
0投稿日: 2018.12.21
powered by ブクログ「誰かを自分のものにしたい」という欲は怖いものだと感じた。同時に、誰もが皆持ちうる感情であることにも恐怖を感じた。複雑な人間関係や承認欲求などは理解できる部分もあってページをめくる手が止まらなかった。
0投稿日: 2018.11.05
powered by ブクログ大学オケ、タカラジェンヌの娘と指揮者の恋愛、同期の女の子同士の同居、大学生から就職の頃を描く。恋をした主人公。友達としての主人公。二つの視点から二つのものがたり。 1編目で終わった話、2編目で違う見方・違う世界もあったんだと知る。最後は湊かなえ風。
0投稿日: 2018.10.13
