
総合評価
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powered by ブクログオーストラリアの田舎町に流れついた、英語以外を母語とする、出身地の違う女2人が綴る話。 故郷でないところで暮らすこと、子供を持つ母であること、英語を獲得しようと努力すること。厳しいけれど、前進していく様は美しいと思いました。 ある言葉を母語として話している人が、実はその言語を読み書きできないということがピンとこないのは、日本で典型的な人生を送っているからなのだろうか。
0投稿日: 2014.07.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
太宰治賞、大江健三郎賞、芥川賞候補、本屋大賞ノミネートの作品だというので、ミーハー心に火がついて図書館で予約してました。 (本屋大賞と芥川賞って掛け離れている感じなのに両方の候補?と気になる~) アフリカ難民の黒人女性が、オーストラリアの片田舎で頑張るお話です。 文化が違い、英語も話せず、シングルマザーの主人公が、境遇の壁を乗り越えようと努力する姿、周囲の人々が彼女を少しづつ受け入れ、支えていく様子・・・彼女の前向きな一途な頑張りや、人の触れ合いや繋がりが美しく、温かい気持ちになれました。 決して明るいばかりの話ではないのですが、本の表紙のような、力強い、前向きなラストがよかったです。 けっこう読みにくい作品なので、本屋大賞には不向きでしょうね~
0投稿日: 2014.07.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
予備知識がなにもないまま読み始めたので、舞台は最初アメリカだとばかり思い込んでいた。実際はオーストラリア。 そしてハリネズミは中国人だと思っていたけれど、日本人のサユリ。 アフリカを追われてオーストラリアで二人の子ども暮らすことになったサリマ。 サリマの苦悩は伝わってくるが、よりどころになるはずの子どもとの愛情があまり深く感じられない。 これはサリマ自身によるものなのか、それともアフリカを追われた時に弟を亡くし、命の軽さを経験したためなのかわからない。 夫に子どもをつれていかれそうになるが、死ぬわけではないとあきらめてしまうなんて。 サユリが子どもに対する思いはやはり日本人だけに、共感できた。 オレンジはアフリカの太陽だったんだ。日本では見ることができない、アフリカのオレンジ。
0投稿日: 2014.07.04
powered by ブクログ太宰治文学賞受賞作。 オレンジ色の景色に染まるアフリカ。 命からがら難民としてオーストラリアに 辿りついたサリマ。 もやっとした描写の中で、さまざまな国から いろんな事情で集まった英語学校。 言葉を学び見えてくることや、そこから初めて 選べる未来に向える現実を知ることができました。 日本人の秀才女性「ハリネズミ」との出会いから 友達になるまでも深みがあります。 言葉が通じてようやくコミュニケーションがとれ、 相手と分かりあうということ・・・。 それから、子供との生き別れ、死に別れの 問題にも触れていて、その辺りはちょっと 簡単に書かれていないかな?とも思えました。 リアリズムの文学は、とても難解だけれど 読み応えがありました。 人を「○○人」という人種で括らず、 「○○国で育った」背景を踏まえた上で 個人として尊重し接する事がとても大切だと、 改めて考えることができました。
4投稿日: 2014.06.28
powered by ブクログ物語のあいだ私はこの物語のなかの女性たちとずっとと一緒にどきどきしていたし、腹をたてたし、不意をつかれてぶわっと涙が出てきたりもしていたけれど、でも良い意味で、はらはらしたことはなかった。それは私が、いつのまにやらこの人は大丈夫だと信頼していたからに他ならない。そのあとの展開を悲観させない力というか、そういうものを登場人物から感じたのは、多読ではないにしろいろいろと読んできたなかではしょうじき初めてのことだった。びっくりした。そして今もびっくりしている。
0投稿日: 2014.06.28
powered by ブクログ涙が止まらなかった。生きていくのは、時に簡単なことではない。でも、立ち上がって前を向かなければいけない。「大丈夫。強く優しく生きれるよ。」と、背中を押してくれる一冊です。
0投稿日: 2014.06.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この小説は、ゲノムが螺旋状に絡み合うように二つの物語が交差して進んでいく。 一つ目の話は、「サリマの物語」だ。サリマは母国・アフリカの内戦を逃れ、難民として家族でオーストラリアに移住した二児の母である。スーパーの精肉食品で働く傍ら、職業訓練学校の英語教室に通っており、ささやかながら日本人女性のハリネズミとの交流がある。そんなある日、夫が家を出たきり帰って来なくなる。 二つ目の話は、恩師のジョーンズ先生に宛てた「サユリの手紙」だ。サユリは夫の仕事の関係によりオーストラリアで暮らすことになった一児の母だ。未だ未完成である小説の事や、職業訓練学校の英語教室で会うナチキとの出来事などを書き綴っている。 どちらの物語も、「第一言語の尊さ」や「人としての尊厳」が重厚に語られていて、この小説の評価が高いのも頷ける。しかし物語はサリマやサユリが様々な困難を乗り越え、ハッピーエンドの予感がするところで終わっているのだ。難しい書評はプロの方にお任せして、読後の余韻を味わいたい。 ※ちなみに「サリマの物語」ではサユリはハリネズミであり、「サユリの手紙」ではサリマはナチキだ。ちょっと面倒な構成だが、166ページというコンパクトな小説でありながら濃厚な内容に仕上がっている理由はそこにある。
0投稿日: 2014.06.27
powered by ブクログ母国を離れてオーストラリアの田舎町にやって来たアフリカ難民のサリマ。彼女はスーパーマーケットの加工所で、肉や魚を捌く仕事をしながら2人の息子を育てている。慣れ親しんだ母国語や友達や風景がない土地で、言葉の壁をまえに自分らしさを発揮できず苦悶する日々。英会話を習得するため職業訓練学校に通うことにしたサリマは、そこで日本人女性「ハリネズミ」を始め、様々な立場でオーストラリアという地にやってきた人々と出会うことになる。 女手ひとつで子供を守り生きていく強い決心が、「言葉」という1つのツールがもがれることでどれ程足元が揺らぐか。不甲斐なさややり切れなさをぶつける手立てもなく耐えるしかない。そんな暗闇にいた彼女が英語を習得という行為に挑む。生きるために、守るために懸命に前を向くサマリの生き様には強さと誇りが光る。 短く淡々とした作品ながら、アイデンティティが揺さぶられるような読み応えのある作品だった。
0投稿日: 2014.06.21
powered by ブクログ母語が通じない国へ行く。そこで生活していかなければならない。キツイ。 でも、それしか道がないなら前へ進むしかない。 語学の習得、途中で投げ出さずコツコツやり遂げた。 並大抵のことではできないだろうなぁ。
0投稿日: 2014.06.19心が動かされる物語
淡々と日常生活を綴った物語ですが、不思議と心を動かされました、 主人公は女性で慣れない海外の生活。 そんな慣れない生活の中で芽生える故郷の思い。 必死で生きていこうとする思い。 普段はあまり感じることのない「生」について考えさせられます。 心が温かく、それでいてスッキリとした気分になれるそんな一冊です。
0投稿日: 2014.06.15
powered by ブクログ昨年12月の芥川賞の選考会で受賞作(小山田弘子さんの「穴」)が霞んでしまうほど、激しい賛否両論を巻き起こした超話題作です。 ちなみにデビュー作である本作で太宰治賞、大江健三郎賞を受賞。 私は小川洋子さんがラジオで絶賛しているのをたまたま聴いて読みました。 戦火を逃れ、オーストラリアの田舎町にやって来たアフリカ難民の「サリマ」の物語。 そのサリマの物語のメタな書き手である「サユリ」が、ジョーンズ先生に宛てた手紙が交互に並べられるという、なかなか複雑な構造となっています。 ただ、私は読んでいて、それほど苦になりませんでした。 新人離れした筆力に圧倒されつつ、貪るように読みましたよ。 異国の地のスーパーマーケットの加工所で、肉や魚を捌く仕事をしながら2人の息子を育てているサリマ。 夜も明けきらないうちから出勤し、昼近くに帰宅するという毎日を繰り返しています。 作品の冒頭部分で展開される、サリマの教育係と、サリマとのやり取りが胸を打ちます。 □□□ 「いまはあんたが、働きに出ているんだね。それで、だれがあんたを見送ってくれるんだい」 朝の三時前に徒歩で出かけるサリマを見送ってくれる人はなかった。息子たちは同じ市営住宅に住む友達に連れられて学校に行く。帰りはサリマがその友達の子供と自分の息子たちを迎えに行くことになっているのだ。 「お月さま、霧」 「そうかい。ひとりじゃないんだね。よかった」 □□□ ジンと来ませんか? 来ない。 あ、そう。 サリマは英語がほとんど話せません。 そのサリマが単語だけで「お月さま、霧」と答えるのです。 それに対する教育係の答えがふるっていますね。 英語の話せないサリマは英会話教室へ通います。 そこで出会う「ハリネズミ」がサユリ。 やはり日本から遠い異国の地であるオーストラリアに来て母語と外国語のはざまで苦悩してます。 ですから、この作品に通底するテーマは「言葉」です。 人間にとって言葉とは何か、それを獲得するとはどういうことなのかについて、考えさせられます。 一方で、芥川賞の選考で何人かの選考委員が指摘していましたが、私自身もこの作品に何か既視感のようなものを覚えました。 遠い異国の地で言葉や文化の壁に阻まれながらも前向きに生きる女性の物語。 即座に思い浮かびませんが、類型的な作品はかなりありそうです。 ちなみに山田詠美さんは、リー・ダニエルズ監督の映画「プレシャス」(原作はサファイア作「プッシュ」)、キャスリン・ストケット作「ザ・ヘルプ」を挙げています。 サリマの物語は最後に、ややお手軽なハッピーエンドになっていて、そこも若干気になりました。 でも、とても良い作品だと思います。 小説を読むことでしか得られない醍醐味も十分堪能できました。 ちなみに著者は20年にわたってオーストラリアに在住しているのだとか。 言葉の問題は、著者にとっても大きなテーマなのだということをうかがわせます。 次回作が楽しみです。
2投稿日: 2014.06.14
powered by ブクログ夫の赴任先オーストラリアで赤ん坊を抱え英語学校に通う「ハリネズミ」日本人。アフリカ難民で自分の国がどこにあるか、受け入れられた先のオーストラリアが地球のどこかもわからず生きるために同じく英語学校に通っている「サリマ」。ハリネズミは自分の「書く」という生きる術を支えとしながらも不安を抱えている。サリマは貧しさと差別、言葉の壁、子育てに苦しみながら日々を生きている。そんな二人がお互いを意識し近づいていく。暗中模索の日々で二人共、大事なものを失くしてしまう。母国ではないところで生きる厳しさを味わいながら生きなければならない必死さ。その中で再び自分の生きる道を取り戻していく。言葉が通じないということは心が通わないこと、異国で生きていくためには当然のことではあるけど言葉を覚えなければ生きられない。生きる厳しさ、生じる差別を痛感。ハリネズミは「書く」上で母語の大切さを、かつての恩師に訴える。 これは物語であるけど、この世界この地球で生きるために必要なもの、言葉、平和、仲間、連帯・・・の大事さを教えてくれた。
1投稿日: 2014.06.13
powered by ブクログ異国の地で生きるという事、言葉を持つという事、自分の居場所、母国、外国……難民とか差別とか言語とか母親とか、複雑な問題を通して描かれているのは、人間が生きるっていうただそれだけのものすごく尊いこと。尊い、味の深い一冊でした。 ものを書く人、海外で暮らしたことのある人、家族のある人、生活しながら何かに夢中な人……そうじゃない人にもみんなおすすめ(^_^)ノ
1投稿日: 2014.06.12
powered by ブクログ言葉を獲得することで、アイデンティティも確立する。・・・でも、母国語がおぼつかない人はどんな状態なんだろう??
0投稿日: 2014.06.08
powered by ブクログ故郷を追われ、生き延びるために他国に移住するアフリカ難民サリマと 語学学校でクラスメイトになる日本女性『ハリネズミ』の物語。 日本を離れて生活したことのない私には ああそうなんだと深く共感はできないのかもしれません。 自分の土台を作った言葉、考え方、感じ方、大切なものが 言語や文化の全く違う国に来て、揺るがされる危機感や圧迫感や疎外感などは。 『違う』ということは本来は尊重されるべきものであっても 生活をする時には、ネガティブな出来事の方が多く起こってしまう。 好きではない英語を勉強し、仕事をし、生活の基盤を作りながら 自分を押し殺し同化することをせず、ほんの僅かの日々の変化の中から 違いすぎる今の場所に、自分を根付かせていきます。 『ハリネズミ』が親愛なるジョーンズ先生に出す手紙が心に響きます。 祖国や母語とは…こんなにも大切なものなのですね。 実は私、オレンジ色が一番好きです。 太陽の色だからなのでしょうか。 日が出て、沈む。そして明日も同じ微かな希望がまた繰り返される。 サリマのオレンジ、『ハリネズミ』のオレンジ。 2人がこんな風にオレンジにさようならを言えたことが嬉しいです。 ちょっと表現が難しく、1度読んだぐらいでは 奥底に流れる深い意味が感じられないのですが…。 『違う』ということを考える一冊です。
10投稿日: 2014.06.06
powered by ブクログうーん。物語に浸かることができなかった。文体や表現などは好きなんだけど、ストーリーに入って行くことができなかった。
0投稿日: 2014.06.05
powered by ブクログ160kmど真ん中の直球、分かっていてもても出せない三球三振。あざとい王道なのに、それをねじ伏せる、でも力任せでなく、武道の達人のような柔らかな文体と技巧。文字通り、呼吸をするのももどかしく、貪るように一気読み。
0投稿日: 2014.06.04
powered by ブクログ優しい人達の話。 ときどきうるうるとなりました。 異国で住む者の感覚、母語からは逃れられない 英語が流暢に話せない劣等感 生まれてからずっと日本で暮らしているわたしにも うん、うん、と思えました。 寂しい中にも優しさがある 辛い中にも優しさがある。 きれいごとじゃないかんじの暖かい本でいい本でした。
0投稿日: 2014.06.04
powered by ブクログ文やフレーズが頭の中でこねくりまわされるような感じ。まだるっこいが、それがかもしだす格調で頭の中がほろ酔い気分にもなる感じ。ああ文学ってこんな感じなのかな。いつもエンタメばかりなんで、たまにこういう文を読むと新鮮な気分になる。 オーストラリア移民の2人の女性。1人はアフリカからの難民。もう1人は向学心あふれる日本人。移民が受ける差別に心痛めながら、つらい事も経験しながら、それでもまっすぐに強く生きる女性の姿に力をもらえます。
2投稿日: 2014.06.01
powered by ブクログ庇護から抜け出すのは怖くてしかたがないこと どうしようもできない悲しみにも私たちは意味を求めずにはいられない でも小さい自信をつけることは今からでも遅くない しかし原稿用紙に書いたみたいに感じる配置だった
0投稿日: 2014.05.30
powered by ブクログ最初はちょっと読みにくさを感じて、何を意味しているかが分からないような所もあったが、後半はそんなこともなかった。友達っていいね。
0投稿日: 2014.05.27
powered by ブクログ本屋大賞ノミネート、太宰治賞受賞の作品なので図書館で借りてみた。薄い本なのに読み続けるのが苦痛になったのは純文学が苦手なせいかも。アフリカ難民のサリマが夫の仕事の都合で英語圏に行きシングルマザーになって語学習得、仕事、子育てを経て友人も出来、頑張り続ける話。表紙が結末を表してる感じかな。
0投稿日: 2014.05.24
powered by ブクログ「二番目の言葉とし習得される言語は必ず母語をひきずります。私たちが、自分の母語が一番美しい言葉だと信じきることができるのは、その表現がその国の文化や土壌から抽出されるからです。」 この一文を、周りを海に囲まれ他言語や他文化と日常的に交わることなく、完結してしまえる日本で実感することの難しさを思った。 それは幸せなのか不幸せなのか… それにしても登場する彼女たちの厳しく辛い現実が書かれていても、頭の中に描写されるものはなぜか柔らかく、暖かいオレンジのイメージ。 読み終わるまでの時間はそうかからないのに、読み終わったときはすごく充実した感じ。 よかったです。
0投稿日: 2014.05.24
powered by ブクログ母親のお話 母親というのは強く逞しく、そして脆いものだ 子供という掛け替えのないものがいなくなるとただの生きることしかできなくなる そんなことを表している本作 2人の主人公に分かれて文章が書かれているのは面白い試みだった ラストの種明かしもほっこりする種明かしだった
0投稿日: 2014.05.21
powered by ブクログ2014年本屋大賞にノミネートされていましたが、 ページ数が少ないわりには、中身が濃い作品でした。 言葉もわからない異国の地で、けなげに生きる二人の女性。詳細でわかりやすいレポをこたろうさんが書かれていますので、私は手短に・・・。 アフリカ難民のサリマと日本人「ハリネズミ」(サリマがつけたあだ名)との物語。サリマの日常生活と、「ハリネズミ」が日本の先生に宛てた手紙とが、交互に描かれていました。 言葉がわかれば人とも触れ合える。 生活をささえるために、無我夢中で働くサリマですが、 言葉を勉強するために職業訓練学校で英語を学び始めます。 そこで出会ったのが「ハリネズミ」でした。 サリマの故郷、アフリカの大地に昇る太陽をイメージする「オレンジ」は、 異国で暮らすサリマにとっては唯一の心の安らぎだったのでしょう。 望郷を感じるのは「オレンジ」だけというサリマの半生は哀しいですが、 これからは、なんだか明るく力強い未来が予想できます。 平和な日本で暮らす私には考えられない内容の作品でした。
0投稿日: 2014.05.19
powered by ブクログ孤独を抱えた人たちが巡り会い、分かりあい、認め合い、支え合い、それぞれが、自分がここにいる意味を、希望を見出す。 苦しいことの先には希望があると、そう思える作品。
0投稿日: 2014.05.16
powered by ブクログことばは思考 ことばは交流 それが拙いことは辛い ■ ■ ■ ■ ■ 間に挟まれただいじなお手紙も 私の英語力じゃ きっと細かいニュアンスは読み逃がしてんだろうなぁ。
0投稿日: 2014.05.15
powered by ブクログガイジン・女・低学歴・田舎暮らし・・。イタンジであるが故のマイノリティーである弱者が頼りとし救いとするのは、結局、学歴・仕事・カネ・子供、って事かな。仕事・カネ・子供は喪失のリスクがあり、救いとしては完全ではなので、その危うさに逆にリアリズムを感じるが(やはり完全なのは宗教だろう)、あまりにも当たり前の話なので物語としては盛り上がりに欠け、平凡になってしまうような。男(夫)を救いとしていないように感じるのは、異国で生きる女の矜持なのか。男にありがちな立身出世とは違って、女達の静かな成長物語という印象。ちょっと気になった点は、メール文章(to allて誰よ?)は出てくるのだが、ネットもケータイも出てこないのでいつの時代の話なのだろう?って事。311らしき新聞記事が出てきたので現代の話なのかな?なら、ちょっと古臭い感じもしたが。 批判の多い手紙形式はわかりにくい事はないが、中断感があるのでちょっと読みにくいかな。構成にアクセントいれたかったのだろうが。最近こういう感じのが増えてる気はするけど。
0投稿日: 2014.05.13
powered by ブクログオーストラリアにアフリカから難民として家族とともに来た女性、夫の研究生活のために自らのキャリアをあきらめて来た女性が仕事、子育てを通してそれぞれが成長していく物語。冒頭は翻訳モノを読んでいるように文体が堅く感情移入するのが難しいが、読み進めていくうちに細かな描写に助けられ物語にひきこまれる。サリマとナキチという同一女性を表した二つの名前の理由が最後に明らかとなるが少し難解かも知れない。それを差し置いても明日もあるさと前向きに力がわいてくる。
0投稿日: 2014.05.11
powered by ブクログとても激しく "女" の物語でした。 言葉の話、という先触れで読みましたし、実際に軸ではあるのだけれど、それ以上に、なんというか人間そのもの、を扱っているなぁ、と。 それが オレンジ なのかな。 でも、そのオレンジは人間の中でも 女 だけに見えるようです。 別に差別とかじゃなくて。そーゆーもん、なんだろうな。
0投稿日: 2014.05.11
powered by ブクログ我慢、我慢、我慢して読んだ甲斐があった。設定を飲み込めたのは最後の最後。好評なのはこの文体?オシャレな比喩?一見文学的に見えるけど、どこかしらやけに現実的で、だけど突拍子もなく概念的になることもあるし。なんて苦悩しながら読んでいったら、ようやく合点がいった。所々でSの第二言語の哲学的な思考が絡んできたり、サリマの、つまりSの物語のナキチをモデルにした主人公が勉強について考えたりして興味深かった。複雑な設定ゆえに違和感が拭えないし、文体が独特なため、読むのに時間がかかった。文が思ってもみないところで終結するのがこの人の特徴なのか?それとも第二言語の特異性を強調するための敢えて?だとしたらすごすぎる。
0投稿日: 2014.05.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最初なかなか設定が理解できず、読み進められなかったが、異邦人が自分の居場所をつくり、周囲に受け入れられていく姿はたぶん同じような経験をした人なら、誰でも共感できるだろう。 子供に対する女性の本能的な思いっていうのは凄いんだなぁ。次男だけ戻ってきたのと教官との恋は、妄想に近い願望なんだろうなぁ。 うん、でも泣きました。
1投稿日: 2014.05.08
powered by ブクログアフリカのどこかから難民としてオーストラリアに移住して奮闘するサリマの物語と、恩師にあてて文章をつづる苦しさをうちあける日本人女性の手紙。2つの文章を交互に読み進めるうちに、どうやらこの女性2人は、移民のための英語教室に通うクラスメート同士らしいことがわかってくる。しかし、「サリマ」らしき女性が、「ハリネズミ」(とサリマが呼んでいる日本人女性)の手紙の中で違う名前で呼ばれているのはなぜだろう?その謎が最後に明かされるとき、読者は、物語が生まれてく場所に立ち会っていたことを知る。 作者自身がモデルと思われる「ハリネズミ」の描写にあるように(つまり、作者が自身を客観的に評価しているように)、いかにも生真面目で余裕がないようにも感じられる第一作だが、なぜ自分は物語を書くのか、書かざるを得ないのか、という問いを必死につかもうとするこの作家の真摯さは感動的だ。 言葉が自由にならない異国で暮らすという体験は、まるで、皮膚をはぎとられるようなものだ。それまで意識することもなく自分という存在を包んでいた言葉が、自分の外部にある異質な物質のように思えるとき、言葉を操るということの意味を、人は初めて考えるようになるのだと思う。 もちろん、紛争に追われて難民となったシングルマザーの「サリマ」と、大学教員の夫をもち、高等教育も受けている「ハリネズミ」とでは立場が違うことは、作者もよく意識している。だが、異国で暮らすということ以上に、母語の世界から切り離されるということは、追放されること、難民になることに、どこか似ている。「○○を手に入れるために××へ」とまっすぐ進んでいく男たちに置き去りにされがちな女たちにとっては特に。近しい者にも共有されない孤独感の中で、いつまでも着心地の悪い服のようなあたらしい言語をぎごちなく操り、あたらしい関係に通じるいくつものドアを開けていくという経験がもたらす感覚を、自己の中に深く潜って突き詰めたからこそ、作者は想像力の中で「サリマ」にこれほど深く接近しえたのだろう、と思う。 最後の手紙で「ハリネズミ」は、母語とは、祖国につながれた首輪であると同時に、「祖国からたったひとつだけ持ち出すことを許されたもの、私の生きる糧を絞り出すことを許されたもの」だと書く。言葉の難民ともいえるような経験を経た場所で再発見された「母語」、そしてその母語が生まれる「祖国」とは、特定の国境で区切られた現実の地理には限定されないはずだ。日本語を母語とする語り手によって編まれたサリマの物語は、「母語」や「祖国」のあり方を開いてみせるものと言えるだろう。
1投稿日: 2014.05.02
powered by ブクログ太宰治賞という賞の存在自体は知っていたけど,受賞作品で読んだのはこの本が初めて。女性という視点から,移民,子育て,学問,そして自分自身について深く洞察。ただ時は淡々と流れていく。その中で,オレンジという幸福の象徴として描かれる色。美しい色彩的な要素と感情が入り混じって,また最後にはちょっとしたトリックもあり,非常に面白かった。
0投稿日: 2014.05.01きれいな文章です
海外に住むということ、 様々な理由があり、 文化や言語も異なり、孤独感も募ることもあるでしょう。 特に女性目線で描かれており、 仕事をもつ男性とは違う、社会から切り離される 困難も際立っています。 難しいテーマだと思うのですが、 正面から問題をとりあげ、 友情や希望を取り込んで 丁寧に文章にされていると感じました。 普段日本では当たり前の学ぶこと、 言葉の大切さを再確認させてくれる本でした。 描写がとても切なく綺麗でした。
1投稿日: 2014.04.30
powered by ブクログその社会の言語を操れるということが、人間として認められてその社会で生きられる第一の条件。しかし女性はそれだけでは人間としては認められないのだと作者が叫んでいるのが聞こえる。
1投稿日: 2014.04.26
powered by ブクログ第29回太宰治賞受賞作。 岩城けいさん、初めて読んだ。 文章がどうこうよりも、内容が面白かった。 すごくいい構成だと思った。 ずんずん読めて、あっという間に読めてしまう。 サリマ、オリーブ、ハリネズミ。 人の名前のネーミングのセンスがいい。私はキャッチコピーのセンスのないから羨ましい。 サリマはアフリカ出身、オリーブはイタリア出身、ハリネズミは日本。 サリマとハリネズミが主人公で、場所は英語圏の海沿いの小さな町。 様々な人種の人間の内面や風景景色を丁寧にしっかり描いていて、気持ちよく読めた。
1投稿日: 2014.04.26
powered by ブクログ見知らぬ土地で子供を育てるために言葉もわからないのに一生懸命働くサリマ。 訓練学校で英語を学び始め、楽しみを見つけたサリマ。 サリマが書いた作文はたどたどしくみじかいものだけど、胸にぐっとくる作文だった。 サリマのところに残った次男とサリマが周りの人に受け入れられるようになる。 これはハリネズミが書いたおとぎ話ではない大切な友達のナチキの話。 母親、女というのは強いね。 私も強くありたい。
0投稿日: 2014.04.24
powered by ブクログ何と言ってもサリマの生き方が衝撃的だった。生きていくために、子どもを育てるために、異国の地でただただ必死に働き、母語でない言語と格闘する日々。その一生懸命な姿に自然と泣けてしまうのだが、可哀想とかお涙頂戴的なものではないサリマらしい朴訥さに泣けるのだ。 苦労の末、昨日まで知らなかった言葉が理解できた喜び、サリマの世界がちょっとずつ広がっていくのを見るとこちらも嬉しくなる。サリマの良いところはいっぱいあるけど、あきらめないってのは最大の武器だと思う。 もうサリマの印象が強すぎてタイトルがかすんでしまった。
0投稿日: 2014.04.22
powered by ブクログ温かい作品でした。言葉も通わない異国で生きる不安、孤独、惨めな気持ち。それに真正面から向かうサリマは強く、潔く、美しかった。こんな境遇でも希望を持ち続けるサリマの強さを眩しく感じました。表紙のとおり、オレンジ色に輝くような作品でした。
1投稿日: 2014.04.21
powered by ブクログ言葉を学んだからといって、何かが起きるわけでもない。嫌なこと、悔しいこともあるだろう。でも言葉を学ぶことが、自分を変え、忍耐力を身につける。 二人の女性は、異国の地で、懸命に生きようとする。言葉の力とともに、女性の力はつよい。
0投稿日: 2014.04.19
powered by ブクログこれまで読んだことのないタイプの小説だった。全く違う世界にいた2人が、異国でつながっていくのが面白い。壁にぶち当たりながらも、懸命に生きる2人はとても強い。
1投稿日: 2014.04.17生き方を模索する女性二人の物語
オーストラリアが舞台ですが、日本における働く女性の心の叫びを体現したような二人の女性。 サリマは、「女だから何もできない」と言われ続けてきた自分を、職につき、英語を初歩から始めることで、少しずつ変えていきます。泣いたり悩んだりしながら。 ハリネズミは、学歴も能力もありながら、夫の仕事の都合に振り回されることへの不満や、子供を預けてまで自分の仕事をすることへの罪悪感で苦しみます。サリマと出会い、サリマの強さに触れ、やっぱり泣いたり悩んだりしながら、少しずつ前進していきます。 英語社会の中でネイティブでない人間が苦労する構図は、男性社会の中で女性がもがきながら自己実現しようと格闘している現代日本と似ているかもしれません。 悩み苦しみながら、精一杯の力で進んでいく二人の姿を尊く思いました。
0投稿日: 2014.04.17
powered by ブクログ言語がわからず生活することのたいへんさがすごく理解できた。 最近、周りにも外国から来た人が増えてきた。 少しでも異国からきた人の苦労を和らげることができたらと思えるお話。 外見、使う言語が違うだけ、中身は同じ赤い血が通う人間だもの。 2014/4
0投稿日: 2014.04.16
powered by ブクログ共通言語を持たないことの疎外感って、わたしたちの社会の中にも実は日常的にあるよなぁ。「暗黙のルール」が見えていない時の不安や「言葉が通じない人たち」の中にいる時の孤独感を重ねて読み、そのさみしさに強く共感した。共通言語を得ることで、ありのままを自己表現できるようになる喜びは、異国の出来事ばかりではなく、実社会でのコミュニケーション力につながると思う。
1投稿日: 2014.04.13
powered by ブクログ殴られたようだ。 技術は高く、慧眼。 それでいて愚直。 この女性は、想像以上に高嶺に咲いている。
1投稿日: 2014.04.11
powered by ブクログ母に勧められて読んだ。 私はまだ学生で、 仕事も結婚も出産も経験したことがない。 まだ知らない、女性ならではの 苦しみや悲しみ、怒りを感じ取り、 どこか切なくなるような終始胸が締め付けられた。 しかし物語に出てくるサリマやハリネズミの たくましさや成長する姿が胸に染み、 勇気をもらえた。 私も彼女たちのようなたくましい女性になりたい。 ぜひ自分が母親になってから読み返したい一冊である。
0投稿日: 2014.04.10
powered by ブクログ主人公は難民として言葉も文化も全くわからない土地に「生きるため」移り住み、言葉の壁や理不尽な差別に苦しみながらも、ただひたすら前だけを見て、目の前にある生活を精いっぱいこなすことだけを考えて勤勉に働く。 そうしているうちにかけがえのない親友や手を差し伸べてくれる人が現れ、息子とのわだかまりも消え、泣いてばかりだった日々から抜け出していくー。 多くを望まず、変に格好を気にしたりせず、真面目に実直に働くことで少しずつ自分自身や周囲を変えていくサリマの姿に本当に心を打たれました。 心から感動できた小説でした。
1投稿日: 2014.04.10
powered by ブクログ2014年本屋大賞第4位 やたらページを使う作家が多い中、170ページ足らずの作品だが、1フレーズ1フレーズが厳選されており、簡単には読み流す事が出来ない。 何度か読み直しながら読み進めていく感じ。 オレンジ色が切ない。
0投稿日: 2014.04.09
powered by ブクログアタシも女だから。沁みましたぁ。 豪州在住20年の女性作者 「〜アフリカ系難民がABCから英語を獲得していく〜」 新聞インタビューで目にしてからずっと読みたいと思っていた本。 難民の『サリマ』アジア系(日本人)の『ハリネズミ』 サリマの視点とハリネズミが恩師に書く手紙が交互に。英文メール… 英語の学校で出会う二人。 地元紙の天気予報を読み上げるサリマ(このたどたどしい読み方の表現がいい)赤ちゃんを連れて大学に通うことになっていくハリネズミ。 交わると思われなかった、二人が繋がって。そ、して。かけがえのない友となっていく。の。 《なるほどね〜》 息子の小学校でアフリカを紹介する為に書いたサリマの作文、砂の上で育った生い立ち、一緒に手伝うハリネズミ。 生きる、生きていく、生き続ける。オレンジの意味…。
0投稿日: 2014.04.08
powered by ブクログ外国で暮らすこと、母語でない言葉を学ぶこと、仕事を持つこと、仕事から離れること、子どもを産むこと、子どもを育てること、子どもを失うこと、子どもを見送ること、年を取ること、若さで押し進むこと。女の人生はいろいろ詰め込まれ過ぎている…。ふと、母国語とか母校という言葉、Mother tongueという言葉はあっても、父国語とか父校という言葉がないことに気づいた(ドイツ語では母国は父国と表現されるそうです)。勝手に英国を思い浮かべながら読んでいたが、筆者は豪州在住という。
0投稿日: 2014.04.06豊かな表現力に拍手
朝焼けをオレンジ色と表現する感覚にはっと感動することが出来る人は読んでみてください。 新鮮な表現力とテンポよい語感に、流れるようにページが進みます。 構成のアイデアにも好感が持てます。
0投稿日: 2014.03.29
powered by ブクログ「2014年本屋大賞」ノミネート作品と言うことで読んでみましたが、面白いわけでもなく感動するわけでもなく、なんじゃこりゃ?と。読後に調べてみると第29回太宰治賞受賞作品と言うことで、やはり俺は純文学とは相性悪いです。
0投稿日: 2014.03.25
powered by ブクログ夫の都合で異国で暮らすことになった2人の女性が中心。最初慣れてくるまで時間がかかったけど、わかってきたらスイスイ読めた。 何度か涙する場面も。
0投稿日: 2014.03.24
powered by ブクログ初めて読む作家さん。 太宰治賞受賞作。 読んでいて、胸がきゅーんと苦しくなる。読みながら、一字一句大切に読みたいと思わせてくれる話だった。
0投稿日: 2014.03.24
powered by ブクログ言葉の通じない異国で暮らさざるを得ない『母』の話。 日本で、日本人から産まれ、義務教育を受けた者が主張する「当然の権利」が、異国ではみじんも保障されない。 そんな中でも『人』として生きていく不公平さ。 読む前の表紙のイメージと、読んでからの表紙のイメージのギャップに驚かされた。
1投稿日: 2014.03.23
powered by ブクログ本屋大賞ノミネート作品。なんだか読んでいて胸が凄く痛んだ(T-T)夫の都合で異国で暮らす事になった二人の女性の日常が交互に書かれている。それぞれ辛く、悲しく、苦しい思いをしながらも自分の居場所を手にいれていく姿がたくましい!必死に生きてる女性って魅力的だ(^^)この本の表紙を読み終わってから改めて見ると、より素敵に感じる!
0投稿日: 2014.03.19
powered by ブクログ母親は強い。 母国を離れ、言葉もわからない土地で、子供を守るため、子供を失った悲しみを封じるため、自分の居場所をつくっていく。
0投稿日: 2014.03.17
powered by ブクログ意図せず、異国で生きていく事になった二人の女性が自分の人生を切り開いていくstory。 異国語を話せないがためのもどかしさや口惜しさが伝わってくる。 だけど自分で立ちあがるしかない。 負けるもんか!の気持ちが徐々に報われていってホッとする。
0投稿日: 2014.03.14
powered by ブクログ自分の希望ではなく、相手の都合により、異国の地で暮らすことになった、アフリカ人難民の「サマリ」とアジア系の「ハリネズミ」。物語はサマリの視点とハリネズミのジョージ先生にあてた手紙により、交互に進んでいく。 夕日の沈むオレンジは、自分だけのもの。そこに、自分の生きていく道があるのではないか。 異国の地で、言葉もままならず暮らしていくことへの不安や恐怖に加え、出産、育児、差別など様々な問題により、自分の人生を生きることがままならない状況が加わる中、女性たちが生きるために一歩ずつ踏み出していく姿がとても印象的でした。表現が難しく理解できていない部分もたくさんありますが、読後感は悪くはなかったです。「サリマ」の部分はハリネズミがナキチを題材に考えた物語なのかもしれません。頁数も少なく、1頁あたりの文字数も多くはありませんが、読むのに苦労しました。
0投稿日: 2014.03.09
powered by ブクログ読みやすそうだからなんとなく図書館で借りて、読んでいくうち「やっぱ純文学ダメだわ」って思って、でも、英字の手紙が唐突に出てきた展開に「これは」と思い、サリマの作文のあたりでじわっときて… サリマ側の話と、先生に宛てたハリネズミの手紙を交互にはさんだ構成はよいと思う。英語でタイプされた手紙を唐突に入れる演出もよかった。 これを若い頃に読んでたら全然つまらなかったと思う。 母親になって、ひとりの人間として女性としての生き方に葛藤を覚える今これを読んだからこそ自己投影できた部分があった。 ところどころにあるサユリの感傷的な詩的表現や例えは私は苦手。だからよりいっそう、淡々としたサリマ側の文章、特に簡易なことばで事実のみを記述してある作文が心に響いた。 ということで、ラストで、まんまと作者の(この独特の構成の)意図にハマっていたことが判明ww でも読み終わってみたら、あまり余韻は残らなかったな~なぜか。
0投稿日: 2014.03.08
powered by ブクログ読み応えのある一冊。 視界が文字を追ううちに 彼女の傷みや、 言葉のない世界や 言葉を追う世界や 変わる日常が 彼女と、彼女をとりまく人物をもって 粛々と描かれています。 移民については、あくまで人物を描くための キャラクターデザインであって、 この作品は、人間そのものについて 描いていると思うのです。 (サイダーハウスルールを思い出します) 力強い。
0投稿日: 2014.03.07
powered by ブクログ異国で暮らす女性・・・というか「母」の強くひたむきに生きるさまを描いた・・といった感じでしょうか。 悪い言い方ですが、読み始めはなんともこう、雰囲気がほの暗くて読み進めたくなるような話ではなかったんですが、読んでいてだんだんとじんわりと温かくなるような・・・読み終わってみると「なかなか面白かったかも」と思えました。 なんていうんだろう?決して明るいばかりの話ではないんだけど、出てくる人物が基本的にみんな「善人」なところが嫌な感じをうけないのかもなあ、と。それらがお互いを思いやり、苦労しながらも生きていく様が読んでいて力強く思えました。
0投稿日: 2014.03.06英語という鏡
ごく普通に読んで十分に面白い小説だが、自分は「英語」を重要なモチーフとした物語として読んでしまった。 アフリカ難民の「サリマ」と日本人研究者の「ハリネズミ」。生まれも育ちも全く異なる二人の女性が、オーストラリアの英語教室で出逢う。 意思疎通のための「共通語」という単純な話ではない。サリマはハリネズミの英語を通じて彼女を知る、逆も然り。「英語という鏡」に写った相手とのコミュニケーションにおいては、誤解も勘違いもあり、もどかしさが常につきまとう。 サリマとハリネズミと章ごとに話者を交代させる手法により、このもどかしさが、痛々しいまでに読者に伝わってくる。 また、二人の女性はそれぞれ「家族」に関する悲劇を経験するのだが、それを英語で語ることが、悲劇を克服する契機となる。自らの母語と文化、それらによって形作られてきた自分自身を「英語という鏡」を通じて見つめ直すことにより、傷ついた心がパワーを取り戻す。 英語を学び始めた中高生にこそ読んでほしい。
1投稿日: 2014.03.03
powered by ブクログこんな人生もあるとぐっと涙がこみ上げました。アフリカの小さな村から紛争を逃れ、逃げる途中家族を失い、母となりたどり着いた異国の地で、言葉もわからず、ただ生きる為に必死で働き、子どもを育てた女性。「サリマ」の話と「私」の手紙からなる文章は多少わかりにくい部分もありますが、圧倒的に胸に迫るものがありました。
0投稿日: 2014.03.02
powered by ブクログ異国、言語、難民、文化、女性と色々な問題が色々と垣間見れた。それぞれに大事にしているもの、守るものがあると強くなれるのだと伝わる小説。サリマと息子の駅のホームでの場面が好きだ。
0投稿日: 2014.03.01
powered by ブクログ太宰治賞受賞、芥川賞候補にもなった作品。 オーストラリアの片田舎に暮らす、アフリカ難民女性と日本人女性。異国に住むことになった2人を軸に、母国語でない国で暮らすことの厳しい現実と苦悩、それを乗り越えていく姿を力強く描いている。 作者自身が在豪20年ということで、文章にはリアリティと重みがある。 余談になるが、「太宰治賞2013」という本が出版されていて、そちらにもこの作品が全文掲載されている。 三浦しをん、小川洋子ら選考委員の細かい選評も載っているため、こういう読み方があるのかと、非常に参考になった。 さらに受賞作だけでなく、最終選考に残った3作品も掲載されていて、併せて読むことができる。
1投稿日: 2014.02.23
powered by ブクログ日本からもの凄く遠い国で起こっている話し、そんな雰囲気を強く感じさせます。特に何がというわけではないのですが、何かが引っ掛かります。後半、サリマがドライブに連れ出される場面は、温かみが感じられ、印象に残ります。
1投稿日: 2014.02.22
powered by ブクログアフリカ人のサリマは言葉の通じない国で、子供たちを育てるために必死に働いていた。語学教室で出会ったハリネズミ、オリーブはどちらも、まったく違った個性を持っていて、それぞれに悩みも抱えていた。 そんな彼女たちを包んでくれるオレンジの夕陽。世界のどこにいても、自分を自分だと誇れる強さ。英語のもつ語学としての世界がわかったら、もっとこの作品のメッセージが読み取れるのかもしれない。
0投稿日: 2014.02.22
powered by ブクログ日本で仕事をして生活をし、普通に日本語を話している私にとっては、思いもよらない世界だった。 友達に囲まれて、話ができて私の意思も理解してもらえて、もちろんその中では差別や偏見もない。 それってホントは一番有り難い事なんだな~と実感した。 オーストラリアやアメリカに移住した友達がスゴく思えた。
0投稿日: 2014.02.20
powered by ブクログ最後まで読んで、アフリカ人を主人公にした必然性が薄いなぁと思った。サリマのことはほんまには分からへんと思うし、だからアフリカのことと子供を絡めてるのかもだけどけっこうあざといなぁと思った。間に手紙を入れるのも説明文のかわり。テレビドラマとか映画なら良さそう。
0投稿日: 2014.02.19
powered by ブクログまっすぐな人たちの物語。 Sの苦悩が突き刺さる。 いつだって私は母親として大事なことのできない人間だって悩んで、それでもやめることのできない何かに追われてる気がしてた。
0投稿日: 2014.02.14
powered by ブクログときどき、 思い出したよぅにトライしては返り討ちになる純文学…。 今回は…、無事に、読了できました…。(レベル低っ…) 本作…、率直な感想としては、すごく普通といぅ感想…。 メッセージ性もあるし、感動的でもあるんだけどねぇ…。 でも、やっぱり、大衆文学とは違ぅ独特のフラット感…。 それが、純文学です…と言われれば、そぅなんだけど…。 母国語と第二言語…、さしずめ、 母国語としての日本語と、公用語としての英語について、 アイデンティティのレベルで、考えさせられはしました。 あと、家族やコミュニティーについて…。たぶんだけど、 大人の女性には、共感、共鳴できる部分が多ぃのかも…。 その点でも、普通感以上の感慨がわかなかったのかも…。 やっぱり…、純文学と海外小説は、苦手です…f(^_^;)汗
0投稿日: 2014.02.12
powered by ブクログアイデンティティ、ルーツと誇り。 そういうものから切り離されて生きていくのは難しいのだなと思った。 日本にいると、小さな世界の中だがマジョリティであることに違いなく、 突如どこにあるのかもわからない異国に行かざるを得なかったサリマの境遇を思うと 自分はなんとほにゃらあ~とした生活を送っていることか。 サリマには、大地にすっくと立つ1本のまっすぐな木を思い浮かべる。 と思って読んでいたら、最後の方でハリネズミのそんな記述がでてきましたね。 野太い力強さを感じる作品です。
1投稿日: 2014.02.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本屋大賞の候補ということで、読んでみました。芥川賞候補帆でもあったようです。オーストラリアに移住してきた難民サリマと、夢をあきらめ夫についてオーストラリアにやってきた日本人女性ハリネズミ、その他の人々の交流を描いた作品です。特に何が起こるというわけではありませんが、全くばらばらの経歴の人々が偶然の出会いの中で、何かを見つけ、自身の生き方を見直していきます。人はそれぞれ異なりますが、その異なる人とのやりとりの中でしか生きられないし、それによって、また一歩進んでいける、そんな小説です。
0投稿日: 2014.02.02
powered by ブクログ読み終わってから、改めて表紙を見てなるほどと思った。 母語と第二言語の関係。夫とともにオーストラリアへ渡ったハリネズミとアフリカ難民のサリマ。2人の生活の交錯が日本語で綴られる。直木賞候補作。
0投稿日: 2014.02.01
powered by ブクログうすい本なのに中味はものすごく濃い 最初背景が分からなくて???ながら引き込まれていった 日本語だけの世界しか知らない私には衝撃 そうだね 言語 殻を破らなければ ね こういう世界 もっと読みたい ≪ オレンジの 祖国の夕映え さようなら ≫
1投稿日: 2014.01.30
powered by ブクログ読んでよかった・・・。本当によかったです・・・。 アフリカからの難民であった「サリマ」の物語に こんなに強く心がゆすぶられるとは…。
2投稿日: 2014.01.28強く胸を揺さぶられた物語でした
言葉さえ不自由な異国の地で片寄せあい生きる二人の女性を描いた話。 と私は思う事にします 作者がとった手法に賛否が分かれるかも知れませんが 手法がどうあれ読者の心に強く訴えるものを感じさせる物語だと思います
2投稿日: 2014.01.28
powered by ブクログ国内で違う土地へ移り、生活をするということは大変だと思う。 外国に住むということもやはり大変だ。 旅をすることと住むことはまったく違う。 これは国内での移動のほうがわたしは強く感じた。 留学中、英語がほとんどわからないのに 楽しく生活をしている日本人以外に何人も出会った。 その人たちには同じ国出身の仲間がいた。 助け合うことがあたりまえで、だからみんなギスギスしていなかった。 読み進めながらそんなことを思い出した。 そして心が痛かった。 それは思い出していたことが入り込んだ心の位置とは重ならない部分。 主人公はわたしの目のまえにいた。 それぐらいの存在感があった。
9投稿日: 2014.01.26
powered by ブクログ素晴らしい小説だった。丁寧かつ繊細にひとつひとつ織り込むように書かれた文章が魅力的だった。また登場人物がとても素敵に描かれていた。はじめは重くて内向的な登場人物たちに、正直暗くて仕方ない話を覚悟していたが、物語を読み進むにつれてどんどん感情移入し惹かれていった。その過程が、筆者による説明的な流れでなく、ごくごく自然に実際に『その人』を知っていくような感覚に新鮮な気持ちにさせられた。
4投稿日: 2014.01.25
powered by ブクログひたむきで純粋なサリマに感動した。異国の地で、それぞれの事情を抱えながら生きる人たち。人間の繋がり、関係が生きる糧になっていくのだと感じた。人は年を重ねるごとに、何かを購いながら生きてゆくことになると。共感。優しく、善良でありたいという気持ちが湧いてくる一冊だった。浄化された。
0投稿日: 2014.01.25
powered by ブクログ読み始めは、情景がつかめなく戸惑いながらも 美しく読みやすい文章に引っ張られて 読み進めていくうちに、少しづつ 色々とわかっていき、最後はそうだったのかと・・・ サリマとハリネズミ、相反するふたりの女性の 人生に対する真摯な姿勢に、胸を打たれます 静かに淡々と胸に染み入ってきました そして、生きること、学んで行くことって 必ずなにかを与えてくれるのではないかと 希望を持たせてくれました
0投稿日: 2014.01.24
powered by ブクログ冒頭、主人公サリマがシャワーを浴びるシーン、その細かい描写は彼女の肉体的疲労歯もちろんのこと、精神的疲労感を読むものに伝える。このシーンで私は物語に引き込まれていった。 英語を第二外国語としてしゃべる女性三人がそれぞれ国は違えど、母国を離れ、遠い異国オーストラリアで生活していく。旅行者ではなく、長期滞在者でもなく、この異国に骨を埋める覚悟で生活してる。三人が三人共、いろいろな心の傷や辛い過去を持ちながら、それにめげずに前向きに突き進んでいく。特に難民としてアフリカからやってきたサリマが印象的だ。辛い過去を背負いながらも、向上心をもって異国で子どものために生きていく。その努力は着実に実り、新しい世界をつかんでいく。 日本から来たハリネズミ、イタリア人のパオラもそれぞれ前向きで自分の置かれた環境で自分を活かそうと努力していく。改めて女性とは強いものだと感じさせらる。三人三様の明るい未来を感じさせる終わり方で、さわやかな読後感を得た。
1投稿日: 2014.01.23
powered by ブクログテレビも新聞もすべて英語の世界で暮らすのが怖かった。 しかし、この本を読んで、少し勇気がわいてきた。 子供を亡くし、子供を授かり、出会いに助けられ、外国で生きていくことのすばらしさ、殻をこわすことの意義を教えられた。
0投稿日: 2014.01.23タイトルや表紙から、海外を舞台にしたほろ苦い恋愛小説を想像していたのだけれども、いい意味で裏切られた。
第150回芥川賞候補作。タイトルや表紙から、海外を舞台にしたほろ苦い恋愛小説を想像していたのだけれども、いい意味で裏切られた。主人公は二人。アフリカ移民の女性と日本からやってきた女性。アフリカからやってきた彼女は、望んで故国を離れたわけではない。争乱の果てに両親と弟たちを失い、やむを得ず南半球の大陸へと流れた。彼女には夫と二人の息子がいるが、夫のほうはしばらくしてのち、行方をくらましてしまう。自分を受け入れてくれた国は善意に満ちているけれど、マジョリティとマイノリティとのどうしようもない断絶がある。右も左もわからない、言葉さえ満足に通じない土地で、彼女は生きていかざるを得ない。深い孤独のなかで。 一方、ここにもう一人の女性がいる。彼女は夫(言語学者のようだ)の仕事の都合でここにやってきた。もともと彼女自身も大学に籍をおいていたが、現在は生まれたばかりの娘の育児に専念している。だが彼女にはほんとうにやりたいことが別にある。それは、「物語」を書くこと。けれども、異国での生活は案外と厳しく、生活に追われるうちに妊娠・出産してしまった。夫のほうはどこか能天気で、家族を思いやっているようにはみえるけども、どちらかといえば自分の仕事のほうを優先している。彼女もまた、深い孤独のなかにいる。 そんなふたりの人生が職業訓練学校の英語教室で交わる。だが作者はここでちょっとした「仕掛け」を試みた。アフリカ移民の女性と日本人女性、彼女たちそれぞれの視点から物語を語ることにしたのだ。そのため、日本人女性のパートは、彼女の恩師への書簡というかたちでつづられる。あるいは、良いニュースと悪いニュースとがEメールのかたちで(しかも英文ママで)、ときおり挿入される。マイノリティのなかにおいても、彼らの関係性には、当然のことながら微妙な温度差がある。アフリカ移民から見れば、日本人女性はウチに籠って神経を尖らせている「ハリネズミ」であるし、逆に日本人女性から見れば、アフリカ移民の彼女は、気の毒になるほどに言語の素養がない。視点を分けることで、彼女たちの姿がくっきりと浮かびあがる。 知的な女性が自身の孤独を手紙につづる話といえば、クッツェーの『鉄の時代』がある。日本人女性の書簡体の部分は、どこか『鉄の時代』を彷彿とさせるものがある。そんなことを考えながら読み進めていったら、彼女が『鉄の時代』の主人公を「清潔すぎる」と評する場面が出てきて驚いた。クッツェーの描く主人公は、老女であろうが、癌に侵されていようが、所詮はマジョリティであるのだ。やはりこの物語の奥底には、「差別」というものが横たわっていて、そして欧米諸国ではマイノリティである日本人の苛立ちのようなものが表現されている。しかしマイノリティ同士がゆっくりとお互いを理解し合い、肩を寄せ合うことで、そこに居心地の良いコミュニティが生まれる可能性もある。作者はそんな希望を、この物語に託したかったのではないだろうか。 この物語には最後にもう一つ大きな「仕掛け」が施してあって、おそらくはその「仕掛け」の是非が選考会での議論の主題となることだろう。つまりはそのトリッキーさが、芥川賞にふさわしいかどうかということだが、個人的には、たとえ受賞を逃したとしても、この作品の評価が下がることはないと考える。
3投稿日: 2014.01.21
powered by ブクログ母語と外国語のせめぎ合いが、どっぷり日本語のみに浸かっている身としては、新鮮でもあり考えさせられることでもあった。一生懸命に生きているサリマに感動した。
1投稿日: 2014.01.20おとぎ話ではない、全力で生きていこうとしている人々を描いた物語
強く前向きに生きていこう、と思わされる小説でした。 母国を離れてオーストラリアの田舎町に暮らす二人の女性。彼女達を守り慰めてくれるはずの、慣れ親しんだ母国語、友達や見慣れた風景はここには無い。ぶつかって傷つきながら進んでいく姿はすごくリアルで、胸が痛くなります。自分にとって譲れないものは何だろう?生きていくために本当に必要なものは何だろう?という根本的な問いかけが、二人の女性を通して伝わってきます。これからもきっと、何度か読み返すと思います。 「自分とは関係ない、海外という特殊な環境にいる人たちの話」とは感じませんでした。日本が大好きで、日本にずっと住みたいという人にも是非読んでほしいです。
4投稿日: 2014.01.17
powered by ブクログつらいこと、かなしいことから目をそむけずに、「生きていくこと」をシャキンと伝えてくれた本だった。母国を離れて暮らす二人の女性の物語。彼女たちを奥深いところまで温かい眼差しで見つめ、ふたりの心の中に芽生えてくるいろんな想いや感情が力強く迫ってきて、読後感は長編小説上下巻を読み終えたような感動が、体中に広がっていった。
2投稿日: 2014.01.16
powered by ブクログ境遇や目的は違えど、生きるために母国語以外の言語を習得する、その様子をこのようにひとつの物語にできてしまうなんて、とても新鮮な気持ちで読み終えることができました。
0投稿日: 2014.01.16
powered by ブクログはい、芥川賞候補作。ちくまの文芸書なんてほんとうに久々に読みました。 端的に言うと、デビュー作感がすごい。自分の全てをさらけ出して、なにもかもを吐き出して、めいっぱいなかんじ。私はそういうデビュー作のどうしようもなさ、ああこれを書かなかったらこのひと死んじゃってたのかな…、というような、そういう切羽詰まった感に、文学性みたいなものをとても感じるので、すきです。このひとのオーストラリアでの経験みたいなものとかが幅を利かせているんだけれども、主人公すら日本人ではないのだけれども、それなのに漂う日本の土着臭に驚く。根がしっかりと日本に張られている感じがしたけれども、それはこの人がしたくてしたものなのか、それともしたくなかったことなのか、なんなのかはよく分からない。後半の急に希望が出てくる感じがやや唐突かとおもった。もっと穏やかでなめらかで適切な小説なのかと読みながら思っていたら、急にがやがやし始めたかんじ。しかしまあ、ちょっと思うところもありますが、総体として興味深かったです。人物のバランスも見事だし。新しい小説を読むのも悪くないかなっておもう。こういうものって、時代の流れに押し流されて、後からだとどこに行ったか分からなくなるような気がするから。
2投稿日: 2014.01.15
powered by ブクログ言語や文化が母国と違う場所で、働いて子供を育て、ただ生活することがどれほど大変なことか経験したことはありませんが、圧倒的な表現力で自分のことのように感じることができました。 英語を学ぶ環境の中で、人と人との関係が、初めは離れた点だったけど、いつか太い繋がりに変わって、読書後に爽やかな気分になれました。 辛くても前向きに生きる事の大切さを教えてくれる良いお話でした。 しかし、なんでこんなに説得力がある文章を書けるか不思議です。
1投稿日: 2014.01.12
powered by ブクログ力強い作品だ。過剰な装飾を排して、心の揺れ動きを正直に描く。自ら生きようとする意志を描く。そのストレートさに私は心打たれた。 自分の考えが「言葉」に囚われていることに気づいて、愕然とする時がある。心の声というやつは、慣れ親しんだ言葉(母語)ではないか。あれは必ずしも「本当の気持ち」と同じではない。むしろ自分以外の何かに服従している状態なのではないだろうか。だから心の声に従うと、往々にして上手くいかないものだ。 第二言語を習得しようとするうちに、サリマ(そしてサユリ)は、心の「本当の」声に気付く。母語と生きるだけでは気付けない「肉声」だ。本気で求めている人は強い。
2投稿日: 2014.01.11
powered by ブクログ第二外国語で生活するということを、異なった国籍のバックグラウンドを持った登場人物から疑似体験できる。
0投稿日: 2014.01.11
powered by ブクログ難を逃れオーストラリアで懸命に生きる女たち。人種も境遇もさまざま。いわれのない差別を受けたり、家族の在り方を模索しながら次第に強く成長してゆく彼女たちの姿を描いている。・・・がこのわづか160Pがとても読みづらかった。なかなかすんなり自分の中で消化できなくて今一つ人物達にも入って行けなかったのが残念。
0投稿日: 2014.01.06
powered by ブクログ外国語を勉強している私にとってすごく考えさせられるような本だった。海外に出ると言葉は武器になる。重いけれど大切にしたい言葉です。 異国で生きる二人の女性の強さに惹かれた。
0投稿日: 2013.12.25
powered by ブクログいいお話だと思う。 103下の息子がサリマの下にいる事を選んだシーンが印象的。 誰かにいてもらったり、引き止めてもらう事で、自分の存在を認めてもらう事のありがたさ…。 自分とママのやりとりを一つ思い出した。
0投稿日: 2013.12.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
アフリカから難民として逃れてきたサリマと日本から大学で研究する夫につれられてきたハリネズミという二人の女性がオーストラリアという異国で自分の居場所を探していく話し。 それぞれ出生も違うし抱えている事情も違う二人が、異国という土地でそれぞれに悩み苦しみながら、言葉も通じない知る人もいない土地を、ここが自分の生きる場所だ、と思うに至る姿を押し潰されそうになる孤独やそれに必死に耐える強さとともに描いている。強さと優しさにあふれた作品。 ところで、最後にちょっとした仕掛けがあるのですが、あれは必要だったのだろうか?と疑問に思ってしまった。その仕掛けによって物語全体の構造が少し複雑になるのだがそれによって物語に没頭している状態から素に戻ってしまうようなところがある。逆に言えば母国語と外国語というテーマは作者にとって大きなものなのだろう。
2投稿日: 2013.12.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
考え考え読む。言葉というのは怖いくらいに巨大で、揺るがないものなのだなあと思った。外国に無関心で無知、日本語が好きだと簡単に思っている自分が恥ずかしくなりました。 これから成長して、読み返したいなと思う本。
0投稿日: 2013.12.21
powered by ブクログ「昨日の自分」は「今日の自分」とは違う。そして、「今日の自分」は、まだ見たことのない新しい「明日の自分」へと変化している。希望とは、自分自身が変わり続けること。ふだん意識されることはないが、新しい言葉を獲得してゆく場面では、このことが前景化する。 主人公サリマはアフリカから移住してきた難民の黒人女性、舞台はオーストラリア。職業訓練校で英語を学んでいる。そして、スパゲッティをゆでている夕暮れどき、スパゲッティの袋に書かれた「調理方法」という文字がいきなり目に飛び込んできて、それが読めて理解できる瞬間がやってくる。 日本人女性サユリとの出会い、その恩師に宛てた手紙と、物語は入り組んだ展開をみせ、重層的で奥行きをもった構造となっている。 『さようなら、オレンジ』の表題の下には、”Goodbye,My Orange”と英語が添えられている。「昨日の私よ、さようなら」 人は生まれ、言葉を覚え、自立し、生き始める。これは言葉をめぐる希望の物語である。沈む夕陽のオレンジは、昇る朝陽のオレンジへと変わる。 第29回太宰治賞受賞作品。 第150回芥川賞の候補にも上がっている。(12月20日現在)
1投稿日: 2013.12.20
