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戦闘妖精・雪風(改)
戦闘妖精・雪風(改)
神林長平/早川書房
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総合評価

174件)
4.4
74
57
15
1
1
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    異性体ジャムに侵攻された地球の防衛における人類と人工知能が搭載された戦闘機を題材に,生命の有り様を描く.40年以上前の作品だが,テーマと現実的描写による躍動感は色褪せない.SFの本質的意義を全面に展開しているため,ヒトとして熟考しなければならない重しを乗せられたような重い読了感となる.

    0
    投稿日: 2025.09.04
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    改訂前の作品は40年前に出版されているというのが信じられない。 人間と機械、AIとの関係性について考えさせられた。人間がコントロールしてるつもりでも、実はもうコントロールされている側なのかもしれない…

    0
    投稿日: 2025.07.30
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    味方を見殺しにしてでも戦闘情報を持ち帰れ。 突如南極に出現した“通路”から侵攻を開始した異星体“ジャム”。 前線で戦う高性能偵察機・雪風に乗る零の任務は戦闘情報を必ず持ち帰る事だった… 高機能化した人工知能、戦闘機と異星体の戦いに果たして人間は存在する必要があるのか? 機械とは人間とは、哲学的な問題を内包した30年以上前から続くSF大作。

    8
    投稿日: 2025.06.08
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    AIが身近になった今、改めて読むとやっぱり格段に面白い。エンタメとしてはもちろんなんだけど、自分はテーマの輪郭がクリアな物語が本当に好きなんだと思った。そして人間のまま死にたい。 この本を紹介するのに、「これは人類vs異星体の物語なんだけど」で始めるのは正しいのか?なんというか、そう説明したくはないんだけど、一旦そう思ってくれた方が都合がいいんだけど、でもそう言うのはとても憚られる。 まあなんというか、つまり、読め。

    0
    投稿日: 2025.05.03
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    図書館にて借りる、第八十二弾。 本来なら昨年中に読み終えるつもりだったのだが、なかなか読み進められず。 つまり、面白くなかった。 好きな人はハマる題材なのかも知れないが、私は全くハマらなかった。 詳しくごちゃごちゃ用語が書き連ねられていて、読みにくい。

    0
    投稿日: 2025.04.06
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    表紙やタイトルから、ミリタリー色強めのSF作品を想像していたのですが、読んでみてビックリ。それらの要素はあくまでおまけで、作品の主体は、異星体ジャムとの戦闘を通して展開される、「戦争に人間は必要なのか」という哲学的な問答。高度に発達したAIが全ての決定を下すようになった際、人間が介在する意味とはなんなのかを問う展開があまりに面白く、一気に読了しました。また、自分たちが敵だと思っていたものが、実は人間を敵として認識しておらず、人間が使役する機械を敵として認識しているのでは、と思い至るまでの展開とその恐怖も凄まじかったです。名作と聞いてはいましたがこれほどとは。最高に面白かったです。 主人公のその後やジャムの正体、雪風の真意など、本作だけでは謎の部分が多いので、近いうちに続編にも手を出そうと思います。

    8
    投稿日: 2024.05.30
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    人間性とは何か、意志とは何か、思考とは何か。ジャムの作った機会人間の存在と、ファティマの存在がかぶるのは私だけではあるまい。

    0
    投稿日: 2023.12.24
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    正体不明のフェアリ星生命体ジャムと、それと戦うフェアリ空軍FAF、そしてFAFの主力である大型戦闘機シルフィードのお話。ジャムは人間を識別できず、機械と闘ってると思っているという設定は面白いが、最終的に人間という有機物を識別し相当に近しいやり方でコミュニケーションを取ってくるのは違和感が強かった。ジャムはあくまで機械を標的とし、それが故に人類が予測できない致命的な攻撃を仕掛けてくるし、降伏のコミュニケーションもできないとしたほうが面白そう。またAIが人類を超克してくといったテーマも見られるが、雪風に捨てられた、とか助けられたとか判断してしまう主人公零は実はものすごく人間的。機械は人間的なロジックでは判断、思考しないことを理解しながらも雪風に人格を求めてしまっている。これは言ってしまえば自動掃除機を可愛いとペット扱いしている人と同じだ。とりあえず15年後に書かれた続編を読む。

    0
    投稿日: 2023.11.07
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    ★零、あなたはいつまでもブーメラン戦士ではいられないだろう。(p.192) これは、おもろいです。気になりつつこれまで読んでこなかったのは食わず嫌いでした。ついいろいろ考えることになるでしょう。 あえて類似品を探したら昔の特撮ドラマ「UFO」とか森博嗣さんの「スカイ・クロラ」シリーズとか。でもいずれも人間と同種の存在(ないしは人間)との戦いなので味はだいぶ異なります。 個人的にSFやファンタジーには、まず魅力的な設定、それを表現するための魅力的なキャラクタと、魅力的な謎、そして多少テンプレでもいいのでそれらを動かすためのシンプルかつ豊かな物語性が必要と思ってます。 この話では情報収集のため味方機を見殺しにしても必ず帰投するという過酷な任務に対応できる「なにかの手違いで人間になってしまった機械」ようなパイロットたちというのが設定で、その中でも戦いの意味や人間の存在について思考を続ける深井零という主人公やブッカー少佐、使命に特化された人工知能と性能を持った機体「雪風」がキャラクタで、そして敵であるジャムが謎にあたるでしょう。ストーリーはゲストキャラたちによってという感じで。 【妖精の舞う空】帰投中シルフィードに似た機体と交戦し撃墜した零は軍法会議にかけられその間ブッカーの仕事を手伝うがあれこれ考えてしまう。 【騎士の価値を問うな】シルフと格闘戦闘機ナイトの実戦訓練が企画されるが短距離走者と長距離走者が「あんパン食い競争」をするようなイベントに乗り気になれない零。戦争にはなぜ人間が必要か。ジャムがもし機械なのだとしたら人間などお呼びでないのかもしれないと零は思う。 【不可知戦域】偏向的な記事を書くジャーナリストを後部座席に載せ雪風はフェアリイではない未知の場所に飛ばされたが、どうやらそこで雪風は単独でジャムと戦っていたらしい。《ジャムはまだ地球を直接侵略していない気がする》p.159 【インディアン・サマー】空中飛行基地バンシーが味方機を襲い全滅させた。なぜか零が航空電子工学の天才、トマホーク・ジョンとともにその調査を行うことになった。 【フェアリイ・冬】除雪隊の一介の隊員が最高位のマース勲章を叙勲したがその理由を誰も知らない。 【全系統異常なし】ジャムの新型ミサイルは有人機では対応できない。軍は新型無人格闘戦闘機の開発とブーメラン戦隊でも最も過酷な戦闘を生き抜いてきた雪風の無人化を試みる。 【戦闘妖精】雪風は地球を飛ぶ。ブッカーはリン・ジャクスンと出会う。 【スーパーフェニックス】雪風は搭乗者を考慮しない戦闘を行い零たちは大きなダメージを受け、壊滅したはずの基地に救われるがどうもおかしい。ジャムは初めて人間を認知したかもしれない。そして雪風は人間と古い身体を捨てる。 ■簡単なメモ(★は重要語) 【一行目】いつの時代のものでもよい、世界地図を広げたとき、そのどこにも戦争、紛争、対立の示されていない地図など例外中の例外である。 【アドミラル56】日本の航空母艦。 【天田守少尉】FAFの除雪隊員。マース勲章を叙勲し困惑する。 【アレヴィ博士】空軍戦闘心理研究所。 【SAF】→ブーメラン戦隊 【FRX】スーパーシルフを元にした小型軽量機だがコンピュータの容量はスーパーシルフに匹敵する。最終的には無人化を予定しているが当面はブーメラン戦隊のパイロットが教育役として搭乗する。 【FAF】フェアリイ空軍。地球防衛機構の主戦力。フェアリイ側「通路」を中心にほぼ同円周上に基地を配置している。 【エメリー中尉】エイヴァ・エメリー。オドンネル大尉の実質的な個人秘書で恋人でもあるようだ。 【オドンネル大尉】ヒュー・オドンネル。ファーンⅡのテストパイロット。陽気で気さくなタイプ。個人秘書のエイヴァ・エメリーは恋人でフライト前の会話で死亡フラグを立ててしまう。 【カール・グノー大佐】システム軍団・技術開発センター所属。遠隔操縦機を開発した。《ジャムとの戦いに人間など必要ない。機械のほうが優秀だ》p.76。 【機械】結局のところ人間もどんな生物もメカではあるわけで、その境界は判別しにくいしできないのかもしれません。 【基地】六つある。シルヴァン。ブラウニイ。トロル。サイレーン。ヴァルキア。フェアリイ。全軍の総合参謀本部はフェアリイ基地にあり規模も最も大きい。 【儀礼兵】戦死者の顔をしたアンドロイドで編成された儀式用の人形たち。 【凍った眼】空間受動レーダー。ジャムの戦闘機がさまざまな手段で透明化するのに対応した。 【権藤大尉】天田守少尉の上官。 【クーリィ准将】特殊戦の副司令。鬼のような婆さんだとか。 【ジェイムズ・ブッカー少佐】→ブッカー少佐 【シェーナー大将】戦術空軍のトップで総司令官。 【ジャム★】異星体。三十年前「通路」を通り先制攻撃を仕掛けてきた。どういう存在なのかとか侵攻の目的とか何もわかっていない。本気を出してはいないようにも思われる。なんとなく、地球側をフェアリイに誘い込み地球の兵器=戦闘用コンピュータを進化させようとしているようにも見える。あるいは人類の非人間化が目的のようにも見える。あるいは人間など見ていないように見える。《ジャムは人間の本質を消し飛ばしてしまうと。》p.303 【シルフィード】FAFの戦闘機。双発。高価で数が少ないが現在量産型を開発中。イメージ的には実在の戦闘機F-15 イーグルに近いのかと。エンジンはフェニックス。 【スーパーシルフ★】シルフィードのうち十三機は戦術偵察用に改造・運用されており「スーパーシルフ」と呼ばれることもある。電子頭脳を強化された空飛ぶコンピュータというべきものであってフェアリイ基地地下深くに設置されている戦略コンピュータや戦術コンピュータとダイレクトに繋がっておりスーパーコンピュータの端末とも言えそうだ。すべて特殊戦第五飛行戦隊に配属されている。他の部隊に一~二機ついてゆき戦闘情報を収集する。その任務はたとえ味方機が全滅したとしても戦闘には直接参加せず情報を収集し必ず帰投すること。そのための強力な火器を持つ。パイロットには鉄の意志が必要。後部座席に電子戦オペレータが搭乗する。エンジンは最終的にはフェニックス・マークⅪ。 【戦い】《戦いに理屈はいらない、零は思った。他人にはなぜそれがわからないのだろう。》p.119 【TAB-14】壊滅したはずの基地。 【チュー少尉】ムンク大尉の相棒。 【通路】異星体ジャムの地球侵略用通路。半径五百メートル。紡錘形をしており最大直径三キロ、高さ十キロ。南極点から千キロ、西経およそ百七十度、ロス氷棚の一点にある。三十年前のジャムの先制攻撃によって人類は初めてその存在を知った。 【トマホーク・ジョン】航空電子工学(アビオニクス)の天才。バンシーの異変を零とともに調査することになった。零は会った瞬間彼を戦士として認め握手をした。インディアン。心臓はプルトニウム238の熱で動いているので日本には入国できなかった。《そう、祖父は口ぐせのように言ってた、みんなで一緒に食べよう、一人だけ腹をいっぱいにするやつは仲間じゃないってね。》p.182。《零、あなたはいつまでもブーメラン戦士ではいられないだろう。氷のハートはいつか融ける》p.192。《ぼくは・・・・・・人間だよな》p.196 【ナイト】カール・グノー大佐のチームが開発した小型無人の格闘戦闘機。遠隔操縦する。格闘戦=旋回性能はシルフィードを上回る。「マクロス」の「ゴースト」に近いイメージかと。 【南雲】アドミラル56の館長。 【人間】《人間に仕掛けられた戦争だからな。すべてを機械に代理させるわけにはいかんだろう》p.97 【バーガディシュ少尉】零のフライトオフィサ。後部座席に乗る相棒。頼りになるが地上では素っ気なく生きている死体のようだと零は思うが自分も同じだということも意識はしている。 【パイロット】スーパーシルフのパイロットは「なにかの手違いで人間になってしまった機械」という人格の者が選ばれている。当然他の部隊のパイロットからは嫌われており「死神」と呼ばれたりもする。 【バンシー】空中飛行基地。シルフィードの部隊を搭載し原子力でとぶ。 【ヒカラチア】プーメラン戦隊の女性オペレータ。 【ファーン】単座の格闘戦闘機。 【ファーンⅡ】ファーンを高性能にし無人化を念頭に開発中。 【プーメラン戦隊★】「SAF」。スーパーシルフ全機が配備される特殊戦第五飛行戦隊のこと。通称「ブーメラン戦隊」。形の上では一部隊だが独立した司令部を持ち軍団レベルの運用がなされる。三番機が雪風、六番機はミンクス。 【フェアリイ★】「通路」が繋がっていた先の惑星。ジャムの母星かどうかは不明。全天のどこにあるのかなどいっさい不明だが現在の主戦場。ジャムによって戦場として選ばれ地球側がここに呼び込まれたような雰囲気もある。太陽は連星。原生恐竜とかいるらしい。もしかしたらジャムはこういった「戦場」をいくつも持っているのかもしれない。 【フェアリイ基地】惑星フェアリイにある地球の基地のうち最大で中心。地下大洞窟の底にビルが林立する都市。 【深井零】→零 【ブッカー少佐★】ジェイムズ・ブッカー。零の唯一の友人。顔に切り傷があり凄味がある。零よりも日本通で雪風の機体に書かれた「雪風」という文字は少佐の手になる。元はパイロット。プーメラン作りの趣味がある。《ジェイムズ・ブッカー少佐は、一言でいうならば、恐れを知っている男だった。》p.57 【ブラッディ・ロード】フェアリイの太陽は連星で一方からもう一方に向けて吹き出すガスが赤く、ブラッディ・ロードど呼ばれている。 【フリップナイト・システム】→ナイト 【マース勲章】最高位の勲章。 【マーニー】TAB-14の看護師。 【ムンク大尉】シルフィードのパイロット。 【ヤザワ少佐】TAB-14所属。 【雪風★】零の愛機のパーソナルネーム。スーパーシルフ。部隊の三番機。最後の方では地球の空も飛べるエンジン、フェニックスマークⅪを搭載。次第に人間を必要としない兵器に近づいていく。《片想いだ。雪風はもはや独立した意識体になりつつある。いつかふられるぞ》p.272。《おれが言いたいのは、零、いつの日か、雪風がおまえの、人間の、敵になるかもしれないということだ》p.273 【ランダー】アンディ・ランダー。アメリカのフリーコラムニスト、軍事評論家、ロビイスト、兼作家。偏向的な文章を書く。「宇宙大作戦」のカーク船長っぽいかも。 【理性】野生動物はきわめて理性的な存在だと思います。生と死の狭間では理性的でないと生存を続けられない。ブーメラン戦隊のパイロットたちもまた理性的。で、理性的なことは一般人類にとっては非人間的なのでしょう。だから疎ましがられる。これもまた動物=人間そのものではあるのですが。まあ、ブーメラン戦隊の連中はそれすら理性的にスルーするようですが。 【リン・ジャクスン】対ジャム戦史を著した。『ジ・インベーダー』というのがそれかもしれない。かなり皮肉な見方をしているようだ。《異星体ジャムも結局のところ、一隣国の仲間にすぎなかったのだといえる。》p.138 【零★】深井零。ブーメラン戦隊所属で三番機雪風のパイロット。少尉→中尉。《地球は苦い思い出を溜めた大きな水球でしかない》p.36。《おれは性能の悪いやつは嫌いだ。人間も機械もだ。》p.38。《雪風を狙うものはすべて敵だ。おれは雪風以外は信じない。》p.171。ジェイムズ・ブッカー少佐が戦争と人間性についてや、戦争が人間のものであるかどうかを考えるが、零は自分が人間的であるのか非人間的であるのかよりも雪風にとって自分が必要なパーツ(できれば対等なパートナー)であるかどうかを重視しているように見える。 【ローラン大佐】フェアリイ基地広報部。

    3
    投稿日: 2023.08.07
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    うーむ、なかなかに面白い。 異星人と戦うAIを搭載した戦闘機雪風。 操るのは空軍エリートパイロットの深井少尉。 戦いに生き残り続け、学習を進めていったAIは、やがて人間の操縦者を必要としなくなる。 戦闘妖精・雪風 爆誕。

    0
    投稿日: 2022.09.21
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    愛蔵版購入したので処分。 なお、文庫版の以下の作者のコメントや解説は愛蔵版には収録されていない。 雪風(改)によせて 神林長平 人間的/非人間的 石堂藍 ジャムはそこにいる 冬樹蛉 神林長平が上述のコメントでいう「付け加えられる新たな物語に対応できるようにするための、ごく小さな修正」ってどこなんでしょう?

    0
    投稿日: 2022.07.25
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    元々SFは好きなジャンルの一つでしたが、小説でSFは読んだことがなかったので、これが初めて手に取ったSF小説でした。 普段小説は殆ど読まず、漫画ばかりでしたが(理由あって小説を読むのがずっと苦痛でした)最近手に取ったこの作品が小説を読むことの楽しさを教えてくれました。 ただでさえSF小説は難解な描写が多く人を選ぶのだと思いますが、この作品は特に人を選ぶものだと思います。 ただ、合う人にはとことん合うと思いました。 私は読んでいて終始鳥肌が立ちました。 今までも好きな漫画は繰り返し何度も読み返したりしたことはありましたが、小説で繰り返し読み返したい、続編も買って読みたいと思ったのは今のところこれが初めてです。 「面白かった」とか「よかった」などという言葉では言い表せられないような、鳥肌の立つ凄い作品でした。 とても素晴らしい作品に出会えてよかったです。

    0
    投稿日: 2021.08.07
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    巷の評判は高いようですが、私には向いてないと思わせる1冊。 100Pで挫折。 SF自体がダメなのかもしれない。

    0
    投稿日: 2021.06.01
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    SFは時折手にすると本当にいい読書体験をさせてくれます。これに馴れてしまいたくないので意識的に時折に評判のいいやつを読むんですがこれも凄かったな。連作短篇集みたいな感じだけど読みやすかった。続編のグッドラックも素晴しいので是非!

    0
    投稿日: 2020.12.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『戦いには人間が必要だよ』零は唐突に言った。『でもどうしてだろう』少佐は退室しかけた足を止めて振り返った。『人間に仕掛けられた戦争だからな。すべてを機械に代理させるわけにはいかんだろうさ』 なんとなく敬遠していたタイトルだったが、読み進めるうちにストーリーと世界観、そして上の会話にも含まれている作品のテーマに夢中になった。 突然異空間につながった南極を通して地球に侵攻してきた異星体・ジャムと戦う超国家組織・フェアリイ空軍(FAF)所属の深井零少尉は、その中でも情報収集を至上任務とする特殊部隊の一員で、彼らの任務は何事があっても情報を持ち帰ることである。そのために彼らは高性能な戦術戦闘電子偵察機「スーパーシルフ」を駆り、彼らの部隊には味方が撃墜されようとも情報収集に徹するという非情な判断ができる類の人間が集められている。主人公の深井零も、そのご多分に漏れず愛機のスーパーシルフ・「雪風」以外には、ほとんど関心を示さない。しかし、物語が進むにつれて零は自分と雪風の関係に違和感を覚え始める。それは零の上司であり、唯一の親友でもあるブッカー少佐も同じだった。彼はこのジャムとの戦いに人間は必要なのかに苦悩するー 人間とは、機械とは、そしてその関係はという抽象的な主題でありながら、ジャムとの戦いという形を通じて描写することで鼻につくことなく入ってくるところに驚いた。続刊以降で零はどのように変化するのか、作者は先の主題をどのように描いていくのか、ジャムとの戦闘はどう展開していくのかなど気になる要素がたくさんあるので、楽しみに読んでいきたい。

    7
    投稿日: 2020.11.22
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    「戦っているのは誰と誰だ…」 人類は南極大陸に突如現れた超空間通路を通じて襲ってきた正体不明の異性知識体「ジャム」を押し返し、通路の向こうの「惑星フェアリィ」にFAFを設置し、地球防衛の最前線とした。そこが物語の舞台。 「ジャム」は、相手が地球型知識攻撃機械であると認識し、有機体(人間)がなぜその周りをウロチョロしているのか、理解されていない可能性が、物語に示唆されている。 地球側の防衛機械(AIなど)も次第に学習し、ヒトではなく「機械」を防御しようとするようになる…。 人類の発想は、地球外生命体=有機体と考え、現実社会の研究でも「水」「温度」などの地球に近い環境下での「有機体」の存在確認がテーマで、地球内からの常識から抜け出していない。 「ジャム」の存在する世界が、人類の想像を超えていた場合 「無機質」に知性が存在する世界 あるいは 物質的存在すら「知性」には不要な世界 実はもう、地球にたくさん来ていて、彼らの住み易いように、世界を変え始めているかも……。 あなたのスマホは 本当にあなたの意思で 動いていますか?

    2
    投稿日: 2020.10.29
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    第七世代になればこういう空軍機の世界になるのか?と思いながら航空隊に勤める主人公視点で語られる。愛機、雪風のイメージは掴みにくいが、主人公のパイロットとのしての気質がストイック。空想界だけに頭フル回転させる必要あり。

    0
    投稿日: 2020.09.06
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    タイトルの雪風は文字列と裏腹に、雪風ちゃん的なAIが出てくるわけではなく、ゴリゴリの戦闘機(と搭載されているAI) 他の12機どうしてんの、とか細かい部分は気になる。 異空間から地球に里帰りしたら特殊環境下で最適化された言語が地球人に伝わらなかったところが好き。

    0
    投稿日: 2020.03.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    有名なSFを読んでみようキャンペーン中なので手に取ってみた。 ものすごく面白かった。 ジャムと呼ばれる異星体と戦う部隊の話というあらすじを見たので、SF戦記ものかなと思っていたら全く違った。連作短編のヒューマンドラマだった。 仲間が壊滅的な攻撃を受けていても情報を収集し必ず帰投せよという絶対命令を受けているエース部隊のパイロット、零。 彼が心を寄せるのはただひとつ彼の愛機、雪風だけであり、親友はいるけれど彼の心はいつも雪風に向いている。 人間が絡む短編の中で彼の心が少しずつ変化してきていてもそれはずっと変わらずに、前半を読んでいるうちは彼の愛する機体である鉄の妖精雪風が可愛く見えてきたりもしたのだけれども後半から雪風の、そうして機械たちの思惑が見えてくるにつれゾッとした。上品なホラーのようなじわりとくる恐怖感。たまらない。 彼は雪風を必要としたけれど、では果たして雪風はそうだったのか?という問い掛けは、ジャムと戦っているのは本当に地球の人間たちなのだろうか?という疑問へと変化し、そしてこの本における最終話で問いが投げ出されたままで途切れる。 正直めちゃくちゃ怖かった。 人間と機械、そしてジャムは何が違うのか?最近コンピューター化が我々の現実世界でも進んでいるけれど、もっと遠い未来にそれが完全に成し遂げられたとき我々人間は果たして必要な存在なのか?パラノイアみたいにならん可能性は?と色々考えてしまった。 怖くてとびきり面白い話だった。面白かった。 雪風に捨てられた彼が、そうして彼を不要とした雪風が今後どうなっていくのかすごく気になる。 続編もいずれ読みたい。

    0
    投稿日: 2019.07.03
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    3巻を読むため1巻から再読 解説が良く出来ていて「空戦」という場の「実験小説」という捉え方に同意 戦闘機の挙動あれこれはまったく興味ないので 厚さのわりにすいすい読めるのは良いところなのかもしれない 主題はこの1巻でも充分大枠掴めるがやはり2巻からが本番か

    3
    投稿日: 2018.12.09
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    SFって面白いなと改めて思える書。海外SFを中心に読み込んでいるが、最近の日本のSFも捨てがたく思うと。本書はその代表。古いようで、新しい設定で、想像力をしげきしてくれる。

    2
    投稿日: 2018.11.12
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    ネウロイと戦うウィッチ……じゃなかった、謎の侵略者と戦う飛行機乗りの物語、世間の評価ほど好きではない

    0
    投稿日: 2018.10.08
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    何度読んでも面白い。読むたびに違う解釈ができたり、もしかするとこういうことだったのかと理解が深まる感じ。<改>は初読ですが、加筆修正版なので「再読」タグにしておきます。

    0
    投稿日: 2018.10.08
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    SF。アクション。連作短編集。 超空間通路。惑星フェアリイ。異性体〈ジャム〉との戦い。 雪風のパイロット・深井零を主人公に、各話ごとに様々な任務を遂行するストーリー。 アクションがメインかと思っていたが、メインテーマは、”人間と機械(コンピュータ)の関係”か。 ラストがなかなか切ない「インディアン・サマー」。 コンピュータが物語の前面に出てくる「フェアリイ・冬」。 結末は予想通りながらやるせない「全系統異常なし」。 以上3作が特に素晴らしい。 今まで読んだ国内SF小説で、間違いなくベストに近い作品。

    0
    投稿日: 2018.06.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    フォロワーさん一押し小説。 文章が独特で、最初はとっつきにく思ったが、御終いの方まで読むと、逆にこの堅い文章がくせになってしまう。 ブッカー少佐の悪運が半端ない。

    0
    投稿日: 2017.04.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    南極大陸に突如出現した超空間通路から地球に侵略してきた異星体「ジャム」(正体不明、生物かすらも不明)。通路の向こう側の惑星「フェアリイ」で進攻を阻止する空軍「FAF」に属する「特殊戦」パイロットたちの物語。 本格的SFながら人間の存在意義にスポットを当てた骨太で哲学的な作品。 解説にあるようにどこかフィリップ・K・ディックに通じる趣きがある。 味方を犠牲にしてでも敵の情報を持ち帰るという非情な任務のために戦闘機を駆る深井零。 他者への関心を持たず人間性を無くしながらも彼が愛機「雪風」へ自らの存在を投影するし、心を傾ける姿はなんとも「人間らしさ」に溢れている。 まるで歩調を合わせるように闘いのレベルを上げていく機械とジャム。その過程で性能を解放させる「雪風」。人間の立ち入ることの出来ない領域の闘いに突入していく中で今後どのような展開になるのだろう。

    0
    投稿日: 2017.03.28
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    元版よりもクーリィ准将のキャラや行動原理が一貫していて、完成度が上がっていると感じた。「むは」がなくなったことだけが残念。

    0
    投稿日: 2016.09.07
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    ■『戦闘妖精・雪風(改) 』読了 ★4(5点満点) https://www.amazon.co.jp/dp/4150306923/ 三谷さんの戦略読書に影響受けて読了。 地球に進行する異星人「ジャム」と戦う、戦闘機の空中戦メインのSF。 10年ぐらいまでにアニメ化されて見たはずだが、全然理解してないことに気づきました。 アニメは、当然のごとく、いかにかっこいい戦闘シーンを描けるかってのを意識したつくりなのですが、小説は断然骨太な感じ。 非常な任務に人間性をなくすことも求められる、特殊戦パイロットの主人公。 信じられるのは、唯一の親友と愛機の雪風のみ。 そして、雪風は人工知能の進化で、そもそも主人公をパイロットを必要としなくなる。 人間とは?コンピュータに知性はあるのか?人間とコンピュータの違いは何か? など、主人公を中心とした生き方と苦悩を描いている。 もちろん戦闘シーンは、なかなかかっこいい感じです^^

    0
    投稿日: 2016.07.17
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    SF名作キャンペーン。敵とは何者か、敵が敵と認識している我々は何者なのか。非情な世界で非情な選択をする雪風に片思いをしている零中尉は十分に人間臭く感じた。『戦いには人間が必要だ』

    0
    投稿日: 2016.05.15
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    圧巻。 ジャンル的にはSF戦争モノということになるのだろうけど、本質はむしろ、限定された空間での思考実験的なアプローチにあり、それが全編にわたって静謐な印象を与えているように感じた。大衆文学でありながら、人間の本質を問いかける真摯な作品。ただラストが弱く感じたので少し評価下げ。 戦争とか戦闘機といった部分で躊躇してる人は、そういった要素はむしろ付随的な要素でしかないので心配ないかと。 静かな作品を読みたいという人には是非。

    0
    投稿日: 2016.01.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    戦闘機での戦闘描写等、専門用語の嵐に最初は面食らったものの、読み進めるうちに綿密な世界観に胸躍るようになりました。人間対異星体と思っていた構図が、次第に地球機械対異星体なのでは?となっていく内容や、登場人物たちの苦悩にすごく引き付けられました。結局、敵の正体が何であるのかは判明しませんが、それは続編で、というところでしょうか。

    0
    投稿日: 2015.12.11
  • トム・クルーズ主演実写映画化来る?!の前に

    OVAを観て雪風のファンになり、20年以上も前に作られたハードなSFを読んでみた。 異世界から現れた正体不明な生命体ジャムと、人類が作り上げた戦術戦闘電子偵察機「雪風」との戦い。 極めて高度な中枢制御体を搭載し、データリンク制御で多数の無人戦闘機を操ることも出来る。膨大な電子データから解析される戦術的な答えには人は必要ではなく、ましてや急速な旋回Gには人間は耐えられず足かせとなる。 雪風は乗客保護装置を切り設計限界を超えた戦いをしはじめた。パイロットの命令にはエラー判断し自動制御でも作戦を遂行する。 ジャムは直接人を狙ってこない。脅威なのは雪風でありそれに対応しようと色々と仕掛けてくるのだがことごとく失敗し、主人公であり雪風のパイロット深井零少尉に接近を試み始める。。。。

    3
    投稿日: 2015.11.23
  • 27年ぶりに再読

    謎の知性対ジャムの侵略を防ぐため、ジャムの開いた通路の先、フェアリイ星で防衛任務に当たっているFAFに所属する戦闘機雪風とそのパイロット深井零の活躍を描いた連作短編集。 <改>の前の版を読んだのは1988年のこと。それ以来の再読なので、細かい内容はほとんど忘れていた。そんな中唯一はっきり覚えていたのが5篇目「フェアリイ・冬」のタイトル。主役の深井零中尉と雪風を脇役に回し、雪かき部隊の天田少尉が主役となる内容も意外と覚えていた。このエピソードがそれだけ印象的だったのだろう。雪かき部隊の天田少尉がなぜか勲章を受け、仲間からも浮いてしまう。叙勲の謎を探る零の親友ブッカー少佐・・・というお話。 人間を乗せると不可能だが雪風単体なら可能な超機動飛行、エヴァンゲリオンに登場したLCLに浸けておけば人間も乗れるかも・・・と思ったがそれではぎりぎりの安全率で設計するだろう戦闘機だと重量オーバーするか。何故人間が必要なのかという問は、これからさらに切実な問題になってくるかもしれない。

    1
    投稿日: 2015.08.04
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    人間が戦いを仕掛けられているからこそ命を懸ける価値があるのに、実際は自分を向いていないとしたら? ただの歯車の一部だとしたら? アミノ酸で作られていない有機系兵器も、機械を壊すためのものにすぎないのであれば、一刻も早く退避したい タイトルが雪風なのもなるほど、と

    0
    投稿日: 2015.07.25
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    苦しんだ末に心を閉ざしたのは、人を愛する資質を備えていたから。 「私はここにいる」 それは、認識ではなく衝動だ。 言葉のような得体の知れないものを介してしか世界と関われないなら、人間とは何なのだ? 存在する全ては関わり合っている。人が花を見る時、花も人を見ている。

    0
    投稿日: 2015.04.12
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    これまでずっと、神林長平といえば雪風だったので、敵は海賊を読んでから読むのも、また新鮮。 同時期に書いてたのか、と驚愕。 どちらかというと前半の、人間味あふれる方が好きです。いや、アニメの触れれば折れる並の彼と、心配しすぎな少佐も好きなのですが。

    0
    投稿日: 2015.03.10
  • 揺らぐ人類のアイデンティティ

    正体不明の異星体ジャムと特殊な空軍の戦い。 各章が脈絡なく展開されるようでいて,一貫してクリティカルな問いをじわじわと突きつけてくる。 「人類」のアイデンティティが揺るがされる展開にぐっとくる。

    0
    投稿日: 2015.02.17
  • 戦闘機の本です

    地球外生命体と戦う地球側の戦隊の戦闘機とそのパイロットを中心に組み上げられたお話です。 戦局を記録し持ち帰ることを最重要任務とするパイロットと戦闘機のペアが危機を切り抜けながら明らかになっていく敵の招待。 戦闘妖精ですが戦闘機がしゃべってなにかをする話ではありませんので期待を間違えると楽しく読めませんのでご注意を。 この先が気になりました。

    0
    投稿日: 2015.01.31
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    図書館で。グッドラックを借りたら続巻でできればこちらを先に読めと書いてあったので借りてみました。面白いテーマ。さすが神林さんだ。 人間が想像する異星人はどうしても人型…というか人と同じような思考回路を持つものと考えがちですが有機体ではない思考だけの存在っていうのももしかしたらあるのかもしれない。そしてすでに何らかのアプローチはうけているのに気付いていないのかも、と考えると面白いというよりうすら寒いものを感じたりします。ブッカー少佐(だったかな?)が賞与委員会のPCと対話した時のような違和感のように。コンピューター対人類というのはSFでは結構あるテーマですがそこにもう一つ違う勢力を絡めたのは面白いなあと思いました。 雪風は非情ですがもともと情とか期待する方がおかしいんだしなあ…。とは言え最後は物悲しい。それが人間の感傷と言われればそれまでですが。 面白かったです!

    0
    投稿日: 2014.12.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    未知の異星体ジャムの侵略を受け、対抗する人類。主人公はフェアリイ星の特殊戦のパイロットだが、その部隊の至上命題は味方を見捨ててでも帰還することという非情なものだった。この戦争に人間は必要なのか。人間の存在と意義とを問いかけるSF。 っていうとなんだが、主人公が一方的に片思いしてきゃっきゃっしてこっぴどく彼女に振られる話だった。 ※ただし相手は機械 まじ雪風ちゃんは妖精の女王。

    0
    投稿日: 2014.11.17
  • 人間よりも人間らしいマシンと、機械よりも機械に近い人間

    物語の中枢をなすのは、平凡なアタマでは考え付くこともできない、「そんな」存在を前提にした物語です。主人公は人間とコミュニケートできない、人の痛みを感じることができない、人間としては欠陥品、だが、味方を見捨ててでも情報を得て帰還することを最大の任務として負うにはこれ以上いないというほどの適格者。 そんな「欠陥人間」が戦う相手は、また相手の感情も目的もしれない異星体。 この本では、何もわからない世界で、目隠しされた状態で戦う人類が、「今、何と戦っているのか」を知るための悪戦苦闘が描かれています。 歴史的にも前代未聞の戦いの中で、感情を持たない機械よりも機械に近い人間は、何と心を通わせていくのか。 神林氏の、一切行間を読ませない、読者の想像力を許容しない筆致に、読者はただ身を任せればよいのです。読者は、作中で己の心が寄り添える何かを見つけれは良い。読後の心地よい虚脱感を楽しむことができるでしょう。

    0
    投稿日: 2014.11.02
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    うぉぉぉ、現実忘れてのめり込めるSFは素晴らしい&危険!ハードボイルドな主人公たちが超高性能な戦闘妖精(スーパーシルフ)に乗って謎の異星体と戦うという設定+ミリヲタな知識盛り盛りな文章はもちろん燃えるけど、変化していく戦いの中で増していく零や少佐の不安・変化、変わっていくように見える雪風・人工知能たち…目が離せなくて心捕まれた。途中で止まると仕事中も頭があっち側だった…。ちなみにミリヲタではないので用語はほぼさっぱりに近い。雰囲気楽しめたらOK!で、ミリヲタさんには殴られそうなライトな読み方をした初読でした。

    0
    投稿日: 2014.10.01
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    タイトルだけで好きすぎるし、内容も好きだし、キャラクターも好きだし、「好き」が詰まっている。自分は「人間はなにか」をつきつめるのが好きで、だからSFやミステリが好きなんだなあと実感した一冊。

    0
    投稿日: 2014.09.27
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    久々のSFということで最初は、独特な言い回しや間のとり方に戸惑ったが、慣れてしまえば内容は面白いし楽しめた。

    0
    投稿日: 2014.08.15
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    ある日突然南極大陸に出現した超空間ゲートから、謎の異星体〈ジャム〉が地球への攻撃を開始した。その由来も目的も、姿すらも判明していない〈ジャム〉の攻撃に対抗するため、人類は超空間ゲートの向こう側へと突き進み、ゲートの出入り口に存在する謎の惑星〈フェアリィ〉に前線基地を建設し、フェアリィ空軍FAFが最前線の防衛の要となっている。 FAFが誇る最強の戦闘機〈スーパーシルフ〉を擁する特殊戦第五飛行戦隊、通称「ブーメラン戦隊」。彼らの任務は、一切が謎に包まれた〈ジャム〉との戦闘を有利に導くために実戦に関するあらゆる情報を収集し、基地に持ち帰ること。そのため、たとえ目の前で友軍機が〈ジャム〉に撃墜されようとも、援護も救助もせず見殺しにして基地へと帰還する非情さが要求される。そんなブーメラン戦隊の三番機、パーソナルネーム「雪風」に搭乗する深井零少尉は、親友のブッカー少佐以外には誰にも心を開かず、ただ愛機・雪風にのみ心を寄せる機械のような心の持ち主だったが、雪風とともにフェアリィの空を舞い続けるうちに、様々な人々と出会い、少しずつ変貌していくことになる。そして、〈ジャム〉と人間との闘いもまた、思いがけない変貌を見せていくことに・・・。 この厨二病全開なタイトルにドン引きしてこれまで手を出さずにいましたが、評価の高い作品なので思い切って読んでみたらあらびっくり。タイトルからは想像もつかない、実にハードでワン・アンド・オンリーな認識論SFの傑作です。 この作品最大の特徴は、主な舞台となる惑星フェアリィの設定。〈ジャム〉が侵攻してきた超空間ゲートの先に地続きで存在する惑星で、地球との距離や位置関係等、基本的な情報は何一つ判明していない一方で、地球人類が生存するに何ら問題ない大気組成、地球によく似た植生とランドスケープを有しており、それを前提にFAFの大規模な前線基地が建設・維持管理されています。これ、実はある程度SFを読み慣れている人ならたぶん誰もが違和感を覚えてしまいそうな設定で、「超空間ゲートの先が宇宙空間じゃなくて惑星の地表に当たる確率って、すごく低いんじゃないの?」とか「いくら地球人類の生存に問題ない環境だからといって、いきなり基地を建設したりする?」とか、突っ込みどころ満載なわけです。 しかし、この突っ込みどころ満載な舞台設定が、この作品を純度の高いSFたらしめています。軍を維持管理するために必要最小限の人数が適材適所で配置され、自己完結した小さな社会の中で日々同じような任務を繰り返し続ける、言い換えれば、もっと生々しくて変化に満ちたごく普通の人間の世界から「社会的に隔離」されたフェアリィという舞台において、この作品のテーマである「人間とは何か?/人間であらざるものとは何か?」という根源的な命題が一切の社会的ノイズを排してくっきりと輪郭を現してくるからです。 そもそも生物であるかすらも判っていない異星体〈ジャム〉。何のために地球侵攻を狙うのかわからないまま、人類は〈ジャム〉を敵と見なして戦い続けています。しかし、〈ジャム〉は人類に対して戦いを挑んでいる、と言えるのか?〈ジャム〉は人類など認識していないのではないか?なぜならば、〈ジャム〉が戦う相手は常に戦闘機であり、機械であって、そこに人間の息づかいは存在していないから。 その戦いの最前線に立つのは、自律戦闘が可能なスーパー戦闘機と、同じ仲間であるはずの人間よりも機械を偏愛し、同僚の死にも「俺には関係ない」と言い放つ非人間的なブーメラン戦士達。他の人間達からは「機械のようだ」と忌み嫌われる彼らも、〈ジャム〉との戦いの中で「この戦いに人間は必要なのか?」と思い悩み始めます。そんな中、〈ジャム〉が取り始めた新たな戦略に、戦いは新たな局面を迎えます。そして、深井少尉と雪風の関係性も。 機械のような人間とは?人間のような機械とは?そもそも人間とは?何のために人間は存在するのか? この”新たな局面”を示唆して、「戦闘妖精・雪風〈改〉」は幕を閉じます。この終わり方の、背筋がぞっとする怖さ!ここでこの物語が終わっていたら、歴史に残るホラーSFになっていたかもしれませんヽ( ´ー`)ノが、現時点であと2巻、続編が出ています。壮絶な思考実験とも言えるこの作品、先が気になって仕方ないので、あと2巻ももちろん読みます!どんどん難しくなるらしいけど!(汗)

    4
    投稿日: 2014.08.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人間は機械に支配されてしまうのでは無いか。そんな感覚を抱いてしまう一冊。しかし、ジャムとはなんだろう。

    0
    投稿日: 2014.07.20
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    30年前のSF。空気感は「スカイクロラ」ぽい。敵は謎の異星体。彼らが人類を狙っているかもわからないが、攻めてくるから迎撃する。主人公は生還を義務づけられた偵察部隊のパイロット。感情を省き、ひたすら機械と会話をする。だが、機械は人間を思いやるだろうか?戦うことの意義は問われない。生きて帰ることにのみ価値をおく。前半はこの世界を理解するために書かれているが、徐々にテーマに集中していく。人間は機械を操る存在か操られる存在なのか。

    0
    投稿日: 2014.06.17
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    JAMだのCOOKIEだの、お菓子がいっぱい出てくる。高度な情報処理システムは自己判断する用になるのだろうか?自閉症気味な主人公と無機知性のやりとりはなかなかおもしろい。思った以上の出来。続刊も読んでいるところ。

    0
    投稿日: 2014.05.21
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    初めて読んだSF小説。 台詞の一部などに気になる所があるけどメカや戦闘描写に燃える。章ごとにしっかり一つのエピソードになっているのでSF入門用としても読みやすい。

    0
    投稿日: 2014.03.22
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    人間と異性体の戦いと思いきや,実は機械と異性体の戦いではないのかと思う物語.個人的には空戦シーンはあっさりしている模様.しかし,基地を維持する除雪隊などの話が非常に面白いです.文章にはなれが必要かもしれないが,読めるようになるととても面白い一冊です.

    0
    投稿日: 2014.02.15
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    読もうと思ってて手を出していなかった戦闘妖精・雪風。 当初予想していたイメージを良い意味で大きく裏切られた。 単なる戦闘機モノではなく、非常に良質のSF作品として仕上がっており、テーマも私の大好きな分野だった。

    0
    投稿日: 2014.02.09
  • 人生を変えた一冊。

    人間ではないものを描くことで逆説的に人間とは何であるかを描こうとする唯一無二のメカトロニックSFです。主にキャラクターの心情に焦点が当てられているため、そういう意味ではキャラクター小説であるライトノベルに近いものがあります。 主人公の深井零は、何かの手違いで人間に生まれてしまった機械と言われるほど人間的な感情に乏しいキャラクターとして描かれます。それ故に、味方を見殺しにしてでも情報を持ち帰るという任務の非情さから死神とも揶揄される特殊戦隊で“雪風”のパイロットを務めています。 宇宙人が出てきますが、戦闘機でドンパチやり合うありがちなSFではなく、そのストーリーは人間と機械知性と異星体“ジャム”との三者のコミュニケーション、とりわけ深井零と意思を持った戦闘機“雪風”との関係性を描くためだけに綴られているため最後まで物語に没入できます。 零は自分の周囲に心を閉ざし、愛機である雪風へ耽溺することでしか自己を守れません。しかし、そんな彼が、機械知性に翻弄されながらも人間であろうとするキャラクターたちとの交流(このサイドストーリー自体も非常に面白い)を通じて少しずつ人間らしさを表わしていきます。 そして、それまで積み重ねてきた深井零の雪風への想いや他のキャラクターたちの想いが、ラストシーンの雪風の判断をこれでもかというくらいドラマチックなものにしています。並のミステリよりも衝撃の結末でした。 何より私が気に入っている点は、機械描写が細かい点と、機械知性の心情を機械知性自体に語らせずアクションで描写することにより、シーンが劇的に表現されている点です。 人間と機械の心の交流を描いた作品は星の数ほどあれど、機械というものをこれほどまでに怖ろしく表現できる作品は、戦闘妖精・雪風をおいて他にないと思います。

    8
    投稿日: 2014.02.01
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    南極に巨大な超空間通路が出現。その先にはある惑星がありそこは”ジャム”と呼ばれる異性体が支配する世界があり、ジャムの侵略から地球を守る前線基地がある。主人公:深井零は戦闘電子偵察機・雪風のパイロット。彼の任務は味方を見殺しにしてでも敵の情報を持ち帰ること。冷徹で非情と言われようが生き残ることが第一。高性能の人口知能を駆使して戦う人類。それを追い抜く学習能力の高いジャム。次第に敵の正体と目的が明らかになる。人類はいったい何と戦っているのか。その答えが分かっても戦いに終わりはない。

    0
    投稿日: 2014.01.08
  • SF小説の優秀作

    ある程度、軍事ものを読んだ経験があって、戦闘機にもそれなりに詳しくないと分かりにくい単語が出てくるような気はするけど、正体不明の敵ジャムとの腹の探り合いのような戦いや、人間的な一面をほとんど見せなかった主人公が、人間的な感情を少しずつ見せるなど、引き込まれるストーリーが特徴的な作品。 単行本も持っているけど、電子書籍だと電車の中でもスマートフォンを片手に読めるのでお勧めです。OVA化されているので、そちらを見た人でも、OVAの縮めたストーリーに対し、小説版は順を追って説明されていることもあり、新鮮な気持ちで読めますね。

    3
    投稿日: 2013.12.18
  • 神林長平の最高傑作にして日本SFの精華!

    初版は1984年である。大学生の時に買って読んだのでもう29年経過したのか。。。 今回、改訂版となっているがこれは、作中に登場するワープロを作者の他の作品「言壺」に出てくるワーカムというガジェットに置き換えるというのが主な作業となっており、その他部分にはほとんど手を加えていない。 最初の出だしがすごく好きで作中での登場人物リン・ジャクスンが書いた「FAF・特殊戦隊」でのジャムの地球侵略の経緯とFAFの成り立ちなどハードなSF設定が語られる。当時、ワクワクして読んだおぼえがある。その後一章から展開される戦闘や主人公零の非人間さのせいでなかなか感情移入ができずにいたのではあるが、四章の「インディアンサマー」あたりからこの小説で何を語りたいのかがジンワリと見えてくる。また零が感情表現しだすのもこのあたりから。そして五章の「フェアリイ・冬」に於いて明かさせる衝撃の事実、最終章「スーパーフェニックス」ではさらなる衝撃のラストへ。わかってみると一章から隠し絵的にそのテーマが語られているので再読してすぐに納得。とにかく80年代の傑作SFである。この作品はその年の日本長編部門で星雲賞を受賞。それだけ当時のSFファンからは支持された。まあ、この感想が私個人だけでなかったという事である。

    13
    投稿日: 2013.11.15
  • ジャムとの戦争は終わるのだろうか?

    最初の作品が1979年だからかれこれ30年以上戦っていることになる。作者のライフワークと言えるだろう。 実際の無人戦闘機は未だ遠隔操作型だし、性能もレシプロ程度で未だ人間が重要だから残念ながら予言としてのSFはあたっていないことになるが、対テロリストという、交渉できない、見えない敵との戦場の主役になりつつあるという意味では当たっている。 神林長平さんも還暦を迎えたのでそろそろ完結を迎えてほしいところです。

    4
    投稿日: 2013.11.14
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    現実に飽きたときに逃避させてくれるのは、やはりSFだな~。 これが最近話題の擬人化か。 異世界ものだしツンデレだし、人気作品の設定はいつの時代も変わらないのか。

    0
    投稿日: 2013.11.09
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    トリビュートがおもしろかったため手を出した。 地の文も含めて固く淡々とした印象を受けたが、それも意味があったと分かり楽しくなった。

    0
    投稿日: 2013.10.31
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    「信じられるのは雪風だけだ。」 戦闘機乗り深井零の愛機は空を駆る無慈悲な風の女王、クールビューティ『雪風』。 想い入れは深く、深いほどに悲壮感が漂います。 人間らしさを拒絶しているようでいて、無機物である雪風、異質なロジックを持つ生命体?の中にそれを求めているのです。 想いが報われるはずもなく。 でもその悲痛な孤独が彼の魅力であり、才能でもあります。 戦闘機の空中戦も見処なのですが、アニメを先に観てイメージ補完した方がより楽しめるのかなと思います。

    0
    投稿日: 2013.10.12
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    戦闘妖精・雪風 『ジャム』ってなんだ?!未知の異星体である。地球を侵略してきた外敵だ。迎え討つのは実戦組織FAF。 主人公は特殊戦パイロット深井零中尉とハイスペック戦闘機の雪風である。誰よりも腕が良く何よりも優れた機体。操っているのは彼か、雪風の方か。 彼らはブーメラン隊。仲間を見捨てても戦闘情報を持ち帰ることを至上目的とする。 愛すべきは雪風だ…永遠に彼の行動を追い続けたい。『FAF特殊戦』が不滅な限り『ジャム』は人間を理解=支配、出来ないだろう。 人間とマシンの相克をこの本で知った気がした。

    0
    投稿日: 2013.10.06
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    ハードボイルドな趣のあるSF連作。登場人物が少なくて広がりに欠けるが、かといって個々人の描写が掘り下げられているわけでもなく、わりと淡々と話が進む。情景を視覚的に補完しながら読んでいかないとさらっと流してしまいそうになる部分も。その分、各話の削り込まれた硬質なクライマックスは、心をざくざくと刻んでくれる。続けて続編を読みたい。

    0
    投稿日: 2013.09.03
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    これは作者が終わらせる気がないやつや。なので、読者としてはストーリーや解き明かされる(この本に限ってはまったく解き明かされないけど…)謎に注目するより、その世界観に酔うより他ない。 それで充分格好いい。

    0
    投稿日: 2013.08.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    雪風は人をどう判断する?機体を乗り換える荒技。生きてる。というような機械と命とは?と考えさせられる。

    0
    投稿日: 2013.07.23
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    OVA見てから読んだ。OVAじゃ全く意味不明だったところが分かってよかった。 戦闘機で戦ってる所とかの描写が僕に知識が無いせいで全く分からない!人間どうしの掛け合いがスゲー面白いです。アニメじゃ寡黙な深井さんも原作だとかなり喋る。個人的にすごく好感が持てる(笑) チキンブロス食べたくなりました。

    0
    投稿日: 2013.05.25
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    この本は「雪風」を操るパイロットの話かと思っていたが、「雪風」の話だった。 それにしても機械の知識がないと読んでいて難しい。非常時の動作や危機へのインターロックなど、いちいち現実味のある設定が出ていることが理系の端くれだと分かるので、それが憎らしい。 ロボットもの好きでなくても読める数少ない作品かもしれない。

    0
    投稿日: 2013.05.07
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    神林長平の代表作。 SFでここまで異世界描写に感激したのは初めてかもしれない。景色を描くようなものをあんまり読んでいないのとそもそもSFあんまり読んでないんだけども。硬質な”冷徹”な社会で、異世界の気持ち悪さであるきれいさが、突如現れるからだろうか。主人公の零と同じように感情が揺さぶられる。 零は機械が間違って体を持ってしまったかのような人間が所属するといわれる、特殊部隊に所属している。最高性能頭脳を積み込んだスーパーシルフと呼ばれる戦闘機に乗って「必ず味方に何があろうとも帰投する」を至上命令に幾人もの同僚を見捨ててきた人間だ。冷徹で、非人間的だといわれている。 では非人間的とはなんだろうか(これは解説で散々書かれていた)。 非人間的、理性、感情、本能、機械的、冷徹、合理的、論理的、目的達成、生と死の境、味方と敵と傍観者と、人間と機械、意識、コミュニケーション、協調性、感情移入、進歩と発達、マニュアルや定石、論理が導ける結果。 そういえば桜庭一樹も『少女七竈と七人のかわいそうな大人』で引用してましたね。雪風。零ではなく雪風なんだな・・・彼女は雪風に人格を持たせて七竈のリード役にしたのは・・・続編読めばわかるのかな。気になる。 人間は果たしてこの世界に必要なのだろうか。 この前、ゼミ形式の授業で、伊藤計劃のハーモニーのラストのような世界を楽しみにしているといった人がいた。無個人化、意識からの解放。個人の消滅。 それはとても甘美な誘いだけれども、果たしてそれで本当にいいのだろうか。私たちは。

    0
    投稿日: 2013.04.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    終了日:2012・8・14、雪風がすごくしたたか。 末恐ろしい娘である。 零が限りなく、人間。 ブッカーさんかっこいい。 ていうか、なんていうんだろう、とにかくスゴい。素晴らしい。半端ない。 天田少尉の話なんて苦しいったらありゃしない。 最後の「スーパーフェニックス」のOMFG度がヤバい。 (ホントにOVAは再構築というか別物…) マジ怖かった。ホラースレスレだよね。 ブッカーさんの零にかける情は原作とOVAでベクトルは違えど確かにあるのが嬉しい。 つか原作の方が零がジャックに対して信頼を寄せてるってはっきりしてる。 結論:万人に勧められる、文句なしの傑作SF。

    0
    投稿日: 2013.04.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    戦闘機が人間とは独立した思考ができるようになり、人間から独立することによってむしろ優れたものとなる。 作中ではコンピュータが大きな判断をも下しており、当たり前に人間よりも素早く的確な判断を下す。 この部分はつい先日読んだばかりの「BEATLESS」を思い出した。 機械が人間よりも優れた存在になり、人間よりもずっと優れた存在になっており、最優先に信じられている。 こんなときに機械が何か人間にとってエラーとも言うべき判断をした場合、人間はそれに少しでも反抗できるのだろうか。全く反抗できないのではないだろうか。 最後の最後で雪風が零をただ邪魔な要素として捨ててしまったときにはそんなことを考えてしまった。

    0
    投稿日: 2013.02.23
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    最初は小難しくてだるかった。が、実はこの作品、スロースターターなのであった。 上橋菜穂子『獣の奏者I 闘蛇編/II王獣編』が王獣という架空の気高き獣と徐々に心を通わせてゆく物語でもあるのに対し、この『戦闘妖精・雪風』は徹頭徹尾人工知能を備えた戦闘機・雪風とそのパイロットたる主人公との齟齬が描かれる物語だ。 拝読中、機械が発達するということはどういうことかと考えさせられた挙句、「機械が人間を超えた時、人間は機械を制御しきれず振り回されるのではないか」という兼ねてからの持論を再考するに至ったが、物語が本当にその方向に進むとは思いもしなかった。それどころか、その持論すら突き抜けるラストに驚愕を禁じ得なかった。 置いてけぼりとは真に恐れ入った。

    0
    投稿日: 2013.02.12
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    みんなが名作と言うので読んでみたが。 人間にとって機械とは何か。機械がさらに高機能となっていったときに何が起こるのかについて考える手掛かりとはなりそうだが。

    0
    投稿日: 2013.02.11
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    機械的とは? 人間的とは? 未知ないし不可知の“敵”と戦う、妖精の星を行く高性能戦闘機と、そのパイロットの物語。 『人が生みだした“人でないもの”』という点では、戦闘機も妖精も同じなのだ――人の思考の枠外という意味では。 時には容赦なく、『自己生存』を優先し、ただ真っ直ぐにフェアリィの空を飛びつづける雪風はひたすらに美しい。 ……この“美しい”という感慨自体、彼らには不要なものだろうけれど。 個人的には小ネタとしてちりばめられている海軍のあれこれにニヤリとした。

    0
    投稿日: 2013.02.09
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    ―――南極大陸に突如出現した超空間通路によって、地球への侵攻を開始した未知の異星体「ジャム」。 反撃を開始した人類は、「通路」の彼方に存在する惑星フェアリイに実戦組織FAFを派遣した。 戦術戦闘電子偵察機・雪風とともに、孤独な戦いを続ける特殊戦の深井零。 その任務は、味方を犠牲にしてでも敵の情報を持ち帰るという非情かつ冷徹なものだった―。 かっこいい戦闘機がドンパチするだけかと思ったら なかなかどうしてやるじゃない!(・∀・) ていう印象 あ、お久しぶりです。ちょっとだけ帰ってきました。 ほとんどなんの情報もない「敵」異星体ジャムに対して 「人類」が「機械」を用いて対抗する訳やけど、どれもあいまいで 「人」を殺す「機械」や、「人類」など眼中にない「敵」の存在により 物語は混沌としていきます。 これは続編「グッドラック 戦闘妖精・雪風」 に期待が高まりますな

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    投稿日: 2012.12.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    http://tukiyogarasu.blog80.fc2.com/blog-entry-356.html

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    投稿日: 2012.12.24
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    30年前、突如地球に侵略してきた「ジャム」と戦う超国家的軍隊「FAF」の虎の子、スーパーシルフ・雪風。雪風を含むスーパーシルフが所属する戦闘情報偵察部隊の至上命令は「味方を犠牲にしてでも帰還せよ」であり、隊員には非人間性が求められる。舞台は南極に出現した超空間通路の向こう、フェアリィ星である。 「人間性:非人間性」の対立がテーマであり、すなわち「人間:機械」の対立である。 雪風に全幅の信頼を寄せる雪風のパイロット・深井零中尉に対して、雪風(=機械)の行動は人間などいらないと主張するかのようであり、恐ろしさを感じた。 いわゆる「ロボットの反乱」を想起させるものだ(この作品にロボットと呼べるものはほとんど登場しないが)。 作者特有だという体言止めによる戦闘シーンも、独特であるがスピード感を伝える良い手法だと思う。

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    投稿日: 2012.11.28
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    3作目のアンブロークンアローが文庫化されたときに読み直しました。 初回読んだときは震えるほどに面白かったものですが、2度目でもやっぱり面白かったです!これはもう殿堂入り!。 グッドラックと併せて読むともう何かSF魂が沸々とたぎってきます。 疑似世界でありつつも現実のように見紛う強烈な錯視と説得力のある描写。 異世界では何もかもが幻想的であるが故に、人間の存在価値ですら曖昧で、機械である筈のモノの判断に、時には慄然としたり、時には己の価値を再認識したり。 異星体との交戦の緊迫感の中においても本作は緩急をつけて「人間とは何か」を哲学的に問うてきます。 はたして敵か味方か。 共存か隷従か。 戦闘妖精、萌えます。

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    投稿日: 2012.11.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「未知の異星体vs人類」という単純構造にならない物語が面白い。 地球に侵攻してきた異星体“ジャム”との戦闘のために 人間がつくりだした高性能コンピュータ。それを搭載した戦闘機“雪風”は、もはや足手まといな人間の手を離れて、「〈われわれ〉の敵」であるところのジャムとの戦いを遂行しようとしていた。一方 ジャムもまた 人間ではなく戦闘機の方を敵として認識しており、人間たちは自分たちの存在意義、そしてこれまでの戦闘の意義を疑い始めることになる。 機械と人間。両者を区分するものとはいったい。

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    投稿日: 2012.11.10
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    ドッグファイトの専門用語が素人にはわからなかったけれど、 それを差し引いてもかなり、相当、充分、お腹一杯に楽しめた一冊でした。 続編も読まねば。

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    投稿日: 2012.10.16
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    謎に包まれた機械知性体との終わらぬ戦いを通して、“人間とは何か”を問う、深淵なテーマを持った作品。機械的な思考回路を持つ敵と互角に対抗するため、自らも戦闘機の部品の一つであるかのように、機械的な性格にならざるを得ない主人公が、「人間として」戦う意味を、仲間たちと共に模索していく過程は、淡々とした文体でありながら、ヒューマニズムに溢れていて感動的。

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    投稿日: 2012.09.21
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    いやいや、面白かった! 途中まで、「そこまでかー?」なんて思ってたけど、ジャムが人間じゃなく、地球産の機械を相手にしてるんじゃないか、そして地球産の機械もそれをしってるんじゃないか?ってあたりから、たまらなくなってくる。 日本SFなめてました。 すいません! そして、日本SFみんな読もうぜ!

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    投稿日: 2012.07.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    突如現れた、異星体”ジャム” それに対抗するべく組織された、地球軍”FAF” 地球に侵攻してきた”ジャム”を”ジャム”の母星、 ”フェアリー”に押し戻した地球軍は、フェアリー星に 橋頭堡を築き、30年が経過していた・・・。 当初、各国の精鋭を集めて組織されていたが、時が経つとともに、 犯罪者や社会不適合の烙印を押されたものをフェアリーに送り込む様に なっていた。 FAF(フェアリー空軍)の戦術戦闘航空団特殊戦第五飛行戦隊(特殊戦:通称ブーメラン部隊)に所属する 深井零少尉は、FAF戦闘機シルフィード改造型のスーパーシルフ(パーソナルネーム:雪風)の パイロット。 特殊戦は、戦場上空にて、、自軍機の危機であろうと一切の援護をせず、 情報を必ず持ち帰ることを任務としていた・・・。 この小説と続編である グッドラック-戦闘妖精・雪風- を原作として、作られたアニメから 入ったのですが、アニメでは、小説の世界観がうまく表現できていないというか、 心理描写や主人公以外の状況などが細かく描写されていなかったので、・・・というか、 私がうまく理解できなかったというべきか?・・・ 小説で補完しようと思い読んでみました。 うーん、もっとSFチックな戦闘シーン満載の小説を期待していたのですが、想像とは違い、 どちらかというと哲学的な内容? ととれてしまいました。 ただ、アニメでは描かれていない描写がしっかりとされていたので、補完的なものとしての 役割は十分に果たした感じです。 戦闘シーンの描写や、通信に使われる会話などもリアルで、読み応えがあります。 多少、小説とアニメでは、内容が異なる部分がありますが、アニメ→小説→アニメの 順で鑑賞すると楽しめる作品ですよ。

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    投稿日: 2012.06.21
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    約30年前に読んでいたら、衝撃度が増していただろう。戦闘機による戦争の話だと思って読んでいたら、全く違った展開になった。今でこそマトリックスやターミネーターなどで一つの物語ジャンルとさえ言えるようになった、機械が人間を超えてしまう話。 ただ、戦闘機乗りが人間というよりも感情が薄く機械化していたり、アンドロイドの方が人間味を帯びていたり、その中でいつの間にか戦闘機雪風は人の能力を追い越している。対比の書き方が見事。そして、渇いているのに、うっすらと抒情的なのがとてもいい。

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    投稿日: 2012.04.22
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    初め人間と機械という対立かと思ったがそう綺麗にわけられるほど両者は違わない。雪風という人間には手の届かない、まさしく戦闘妖精がどこに向かうのか、人間と機械の違いとは、そう考えると強いメッセージ性のある作品だった。 個人的にはブッカー少佐が人間くさく作者の気持ちを代弁してるのではないかと思った。 戦闘描写は細かく、リアリティはあるので取材をよくしたことは分かるが専門用語が多く、素人には食いつきにくかった。 日本の近代SFの代表かと思ったが個人的にはそれほど残るものではなかった。

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    投稿日: 2012.04.22
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    久々に骨太っぽいSFを読んだ気がする。まだ、主人公の片想いっぽい感じだけど、読み進めていくと雪風からの想いも出てくるんだろうか? いずれにしても、続きが気になる。

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    投稿日: 2012.03.30
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    全然古さを感じませんでした。途中から、どっぷりと世界観にはまりSFにしてはスラスラと読め楽しめました。  

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    投稿日: 2012.03.10
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     異星体<ジャム>に対抗するために造られた無数の戦闘機たち、そしてそのなかでも最強と謳われる十三機のシルフィード。一際目立つ戦術戦闘電子偵察機・雪風と、そのパイロット・深井零を中心に書かれたSF小説  SF小説を初めて読んだ。すごく面白かった。  冷徹且つ非人間的と言われ、感情は無く常に無表情なブーメラン戦士たち、そしてそのなかでも極めて人間性の希薄な深井中尉。しかし零は同じ戦士の死に涙を流したり、「戦いには人間が必要だ」ということを信じ、証明しようとしたり、女に裏切られたにも関わらず雪風を信頼したりと、人間的な部分が多いということが読み進むに連れて段々と明らかになっていく。  それに反して、従順だと思われた雪風は徐々にパイロットの意思に関係無く動き始める。まるで暴走だ。しかしそれでも零は雪風を信じようとする。  ジャムは機械であり、そして対人間のための人間を作る。それに対して人間は対機械のための機械を作る。  機械とは人間の産み出したものである。しかしその機械、コンピュータは人間より遥かに多くのことを記憶し、ずっと速く働く。軈て人間を必要としなくなるのではないか、いや、既に人間など必要ない。そういうことを考えてしまう。人間がより生活を便利にするために産み出した言葉や機械は人間の意思とは別に、まるで人間より厄介な生き物のように存在している  それでも人間は必要だ、と言う。筆者も零も、それを信じようとしている。  解説にもあるが、利己的であることは即ち人間的であることじゃないだろうか、零は人間的だ。零の「任務を遂行する」という意思を組み込んだ雪風は、果たして機械という、その言葉だけで形容できるんだろうか  FAFに対しての、地球にいるひとたちの反応とかがリアル。それを地求人と呼べるのか?って疑問を持つのもまたリアル。天田少尉がリアルクズ過ぎてすてき  『性能の悪い人間は必要ない。この戦闘はジャムとわれわれの戦いだ』  コンピュータのこの台詞はまるで、自分や、あらゆる他人に対して言っているようだ。ジャム相手に限らず、様々なことはコンピュータが全て処理した方がいいのだ。しかしそれではいけないと、信じこまねばならない、どうにか証明しなければならない  静かな文章。うちより十二歳歳上の本。それを感じさせる部分の残るところ(例えば、コンピュータの大きさだとか)もとてもいい  はじめて読んだSF小説がめっちゃおもしろくてよかった♡♡

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    投稿日: 2012.03.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    雪風を愛してやまないパイロット深井零。 その偏愛ぶりはもはやメンヘラ この作中で変質してゆく 零と雪風の関係。 まるで零はお荷物と言わんばかりに 主張する雪風に零は戸惑う。 しかし零は言う。”戦いに人間は必要だ” 「人間」と「機械」の関係 人間はいらなくなってしまうのか それとも機械により近い非人間になるのか IT化が進む現代において 今一度「私」と「機械」の関係を そして私が私であるため定義を 見つめなおす必要があるかもしれない。 SF好は読んでおくべき良書。

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    投稿日: 2012.02.18
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    初めて読んだ神林作品。なんで今までこの人を知らなかったのか悔やまれる。 はまった。雪風が素敵すぎる。メカにもえる日が来るとは思わなかった。 航空用語なんてさっぱり分からないけど、ひとつひとつの作業を確認する、その言葉のリズムと、感情や形容詞も省いた簡潔な文体がすごくキレイ。専門用語は最初は呪文のように読み、後からは何のことか調べた(笑) 深井零のナイーブさも好き。 自分は何のために生きているのか。なんていう疑問を抱えながら、その答えは生きていなければ分からないと、正体不明の敵と戦う死と隣り合わせの場に向かうんだ。 正体不明の敵との戦争よりも、自分たちの周囲の機械たちとどう向き合うか…ということにテーマがあるようなので、戦闘機が飛ぶシーンはきっと作者が好きで書いているんだろうな~と思った。 どの話も好きだけど、「不可知戦域」と「フェアリィ・冬」が印象深かった。

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    投稿日: 2012.02.06
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    SFとして深いテーマをもった作品だと思う。 それ抜きにしても、航空アクション小説としても十分楽しめた。

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    投稿日: 2012.02.04
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    2012年1月31日読了。1984年に刊行されたSF作品の2000年代の改訂版。謎の惑星「フェアリイ」より地球を攻撃しに飛来する「ジャム」の戦闘機たち。情報収集・帰還を至上目的とする高機能戦闘機「雪風」に搭乗するパイロット・深井零たちFAFのメンバーの苦悩。コミュニケート不能なジャムと闘うためには人間は情を捨て「機械化」する必要があり、戦闘機の性能向上のためにはもはや「肉体」や「経験と勘」といった人間ならではの特性すらも不要となる。繰り返し提示される人間性とは、非人間性とは何か?という問いがとてもディック的と思っていたら、著者は「日本のディック」と言われた短編SFの銘酒だったのか。絶望感と答えのない問いが心の中で膨れ上がる感覚が読み終わったあとも延々続く、とにかく刺激的なSFだ。これは面白い。

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    投稿日: 2012.01.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ※隅から隅まで完全ネタバレ感想メモです※ さすが日本SF界のバイブルと呼ばれているだけのことはあった。もっと早く読め自分。 ・「人間/機械の相克」「人間/非人間」の観点から人間とは何かを紐解くSF王道のテーマ。人間がソースコードを書いて開発したコンピュータが独自に計算・発展させて出来上がる思考とはどういうものなのか?キーワードは「合目的性」 ・敵であるジャム、そして自らが開発した戦闘コンピュータ達から対等な相手として認識されていない人間という設定。自らの存在価値とは何なのか?「我思う、故に我有り」ではない。他者から認識されてこその我である。自らの存在価値を自ら疑う悲しさ。 ・簡潔な文章でたんたんと進む語り口が心地よい。硬質な空気の中、フェアリィ、シルフィード、雪風という美しい言葉が出てくるところにぐっとくる。特に冬のフェアリィの描写がたまらない。 ・FAF軍が使用している英語が、ムダを極限まで省いた非情緒的な言語へ変化していた-いわば機械化-、というくだりが非常に興味深い。オーウェル「1984年」に登場する「ニュースピーク」を思い浮かべつつ、言語が思考を規定することについて考えた。 ・ドッグファイトの緻密な描写に感動。映像でも見てみたい(再現度によるけども)。 ・「吹雪ではない、雪風だ。」 ・SF読んでキャラ萌えしたのは久しぶりかもしれない。ええ勿論零さまにです!ありがとう!心に傷を負ったクールガイには惚れざるを得ない。もしかして死んじゃったら辛いな、と思いながら読んでいたが、何と死ぬよりキツイエンディング「今までどうもありがとう」 「グッドラック」が届くのを正座待機中

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    投稿日: 2011.11.05
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    初めて読んだ時は戦闘機のドッグファイトに胸踊らせたものだが、今読んでみるとまた違った面白さがある。機械と人間の関係を描く<雪風>は25年近く経った今でも色褪せない。

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    投稿日: 2011.09.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    突如現れ、地球への侵攻を開始した謎の地球外異星体ジャム。 戦闘機「雪風」とともに、孤独な戦いを続ける特殊部隊所属の深井零。 彼の任務とは、味方を犠牲にしてでも敵の情報を持ち帰るという非人間的なものだった。 機械と人間の相克をテーマとしたSF作品。 人間が機械から必要とされなくなったらどうなるのか?と考えさせられます。 空戦シーンは専門用語ばかりで何が起こっているのかさっぱり理解できません…。 頭の悪そうな感想ですが…なんだかよくわかんないけど、とにかくカッコいいです!

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    投稿日: 2011.08.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    神林長平『戦闘妖精・雪風<改>』読了しました。 1983年頃の作品とのことですが、古さを感じさせない世界観と雰囲気でなかなか面白く読めました。 南極に打ち込まれた杭状の超空間通路と正体不明の敵、いつ果てるとも分からない消耗戦に対して投入された一般社会に適合できなかった戦士達。 連作の短編で構成されたストーリーが、少しづつ人間の道具であるはずの『コンピュータ』を不気味に描き出していくところがなかなか圧巻でした。 敵である『ジャム』は全く正体不明なところから段々と見えてくるところがとても惹きつけられます。 続編2作を読むのが愉しみです。

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    投稿日: 2011.08.24
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    実家にあったのを読み直す 奥付をみると2002年とある。中学生の時に初めて読んだ気がするので、改訂版を買い直したのだと思われる。 意外とあっさりした内容で少し拍子抜け。何となく覚えていたつもりの内容も細かいところはかなり忘れていた。 ブロークンアローを読む前に読み直しておけば良かった

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    投稿日: 2011.07.26
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    一言で言うと「これは面白いわ」である。 心理学の講義を受講している学生が,「今,戦闘妖精雪風という本を読んでいるのですが,人間と機械の違いとはどのようなものでしょうか」というコメントを書いてきて,なんだそれはと調べて行き着いたモノ。 書評を見ると,日本オリジナルのSFである,とか書いてあるので,SF好きの私としては手に取らなければならない気にさせられる。 しかし,同時に,検索結果で出てきたアニメ動画を見て,なぁんだマニアックなモノなのか,という気もする。しかも戦闘機がメインに描かれているから,ミリタリー・マニアの好むような話なのかも知れぬ。 という葛藤はあったものの,SFであるというポイントを信じて読んでみた。 読むと,これは確かにSFであり,心理学である。 非人間的・機械的と言われる主人公の,なんと泥臭くて人間的であることか!機械とは何か,生きているとは何かということを,深く考えさせられる内容である。 確かに軍隊モノのマニアックな文章表現なども含まれるが,それを越えて伝わってくるものが間違いなく存在する。 森博嗣の書く理系小説にでてくるのとは,またちょっと違った意味で非人間的,非文系的な主人公の考え方を通して,人間とは何かを考えさせられる良書だと思う。

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    投稿日: 2011.07.18
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    80年代始め、家庭向けのPCがマイコンと呼ばれ、電話回線で通信をしていた時代に描かれたとは思えない鋭さを持ち続ける作品。 感情を殺して戦争に臨む戦士が、逆にとても人間的に描写されている。 戦争と平和、自己と他者、人間と機械、創造者と被造物など対立する二者の中から、様々な角度から人間性の意味を問う。 刊行当時、本書の存在は知っていたが、手に取らなかった事が悔やまれる。

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    投稿日: 2011.06.25
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    再読。 天田少尉の話やトマホークの話なんかかなり忘れていた。大事なポイントだというのに。 『敵は海賊』に比べるとそっけないくらいの淡々とした描写。 その無機質さが、作中の人間がコンピュータとジャムに対して感じる疎外感のようだと思った。

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    投稿日: 2011.06.22
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    OVAを見てから読みました。随所に専門用語が多数出てくるので一冊読むのにかなり苦労しましたが、主人公の変化と雪風の変化の過程がそれぞれ読み取れます。 本当は(改)では無い雪風を読みたかったのですが、見つけられませんでした…。

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    投稿日: 2011.06.10
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    ハードSFシリーズ,戦闘妖精・雪風の第一弾. 今読み直しても1980年代初頭に書かれたとは思えない世界感と描写に胸が熱くなるSFファンのバイブルにもあげられる一冊. 人の心理描写にも気をつけて読んで貰いたい. 万人向けの良書.

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    投稿日: 2011.06.05
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    学生時代に読みました。 とにかく世界観と雰囲気がかっこいいです……昔の作品なのに、レビューは多いのでファンが今でも大勢いらっしゃって素晴らしいことです。 「雪 風だ」    日本語は素晴らしいですね、わたしの好きな台詞。

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    投稿日: 2011.05.28