
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
<内容> バレー部の桐島が部活をやめる。その出来事を切り口に、周囲の生徒たちの内面の変化を描き出す連作短編。現役大学生作家のデビュー作が文庫化。 <感想> 恋愛においてファッション性を重視して惹かれあう感覚や、友人への嫉妬、さらには空虚にすら思えてしまう友人関係のあの感じ。17歳のひとときが自立あるいは自律のための期間であるとすれば、その段階でどうにも抜け出せない他律的な人間像と、それに対して決別したがるメンタリティが妙にリアルで面白いなと思う。過渡期の定まらない戸惑いを描いた、ありふれてはいるけどもそれぞれに綺麗で愛おしい青春群像だと感じた。次第に日が短くなる中での部活前の着替えの描写だったり、放課後の職員室の灯かりなど、懐かしい描写もなかなかよかった。 教室の中のヒエラルキーだったり、「同調圧力」などと呼ばれるものは確かに存在したし、その中で育った世代の空気感は、少なくとも僕にとっては共感を覚える部分が多かった。この感覚は、もっと上の世代の人たちにはどう響くのか、もしくは理解されずに同情されてしまうのか。そのへんの評価がちょっと気になる、そんな一冊だった。
1投稿日: 2012.05.28
powered by ブクログ読んでるともやもやします。 が、このもやもやが青春だなぁ、と思う。 http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-876.html
0投稿日: 2012.05.27
powered by ブクログ中学生や高校生のころは自分もこんな気分だったなあとワープできる描写もところどころにあるけど、なに書いてるんだろうとわからないところのほうが多かった(若者言葉を写し取ろうとした文体のせいもあるなか)。いずれにせよ、50過ぎたオヤジが読む本ではありませんでした(苦笑)
0投稿日: 2012.05.27
powered by ブクログバレー部のキャプテン、桐島が部活を辞めたことによって日々の生活に少しずつ波紋が広がる5人の高校生。それぞれが一人称の章から成り立っています。 関連性がよく出来てるなーと思いましたし、そうゆう構成は好きなので面白かったです。 ただ、何となく不要に感じる文章や表現も見受けられ、ところどころ気になってしまいまた。 17歳特有の考え方、世界観、価値観…思い出したくない感覚も含めて懐かしい!の一言です☆ 桐島くん本人のことをもっと知りたかったぞー
0投稿日: 2012.05.23
powered by ブクログイライラするわー。なんかイライラするわー。そして、これを読んでイライラするような高校生活を送れたということは、たぶん自分の高校生活はそれなりに良いものだったのかもしれない、と思えた。
0投稿日: 2012.05.23
powered by ブクログ2時間と少しで読了。 ある日、バレー部を辞めた桐島。 彼が辞めたことがきっかけで5人の日常に少しずつ影響を与えていく。 県立高校を舞台にした5人のお話。 何気ない行動が周囲に与える影響を描くのは群像作品の醍醐味です。 それは、私たちが毎日を過ごす中で起こした行動には必ず意味があるということ。 世界というと大層ですが、少なくとも周りに何かを与えているということにつながります。 この作品の舞台は、とある県立高校。 バレー部、野球部、映画部、バトミントン部、ブラスバンド部と、 5人の登場人物はそれぞれ違う部活に通っている17歳の高校生ですが、 バレー部の頼れるキャプテンであった桐島くんがバレー部を辞めたことで、 それまでの日常から少しだけズレていきます。 5人の物語の中で度々彼らの友人やクラスメイトが登場しますが、 彼らもまた、桐島くんの起こした波紋にじわりじわりと飲み込まれていきます。 1冊の本を通して揺るがない事実は「桐島、部活やめたって」という点。 一人の生徒の、国や世界から見たらなんてことはない行動が、 とある県立高校の2年生の世界の中では様々な影響をおよぼします。 下校時間、練習場所、待ち合わせ、友達関係・・・ 17歳という境界線をはるか昔に通り過ぎた私にとって、 その一つ一つはとても小さな出来事ですが、本人たちにとってはとても大きな問題で、 読み進めていくと彼らの青さに鼻の奥が少しだけツンとなりながらも、 やわらかい気持ちになることができます。 5人のお話の中で私が特に気に入ったのは前田君と沢島さんのお話でした。 恐らく当時の自分に感覚が近いからだと思いますが、 この二人の物語は、物語の核になってるのかな、と思います。 心で思いながらも行動に移せない悔しさ、 いつしか割り切ってしまった自分の気持ち、 無意識のうちに押し殺す自分の本心、 この二人のお話からはそんな様々な感情をめまぐるしく受け止めることができます。 この本を読み終えたとき、きっとあなたはモヤモヤすることでしょう。 煮えきらなくて、なんともスッキリしない気持ち。 けれどそれは、当たり前のことです。 この本はこどもとおとなの境目に立つ17歳の高校生たちのお話なのですから。
0投稿日: 2012.05.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
高校青春小説。 チャットモンチーやスマフォ(スマートフォン)が出てきて、まさに今2012年、2011年の小説。 高校生活には「上」、「下」があるらしい。あったらしい。確かに自分の高校生活でも、派手な子、目立つ子、うるさい子はいた。でも別に高校時代にメイクしていた子はいなかったし、その「上」の中に、素材としてもキレイな子はいなかった。今はメイクしている子が多いから、たいした素材の子でもなくてもかわいく装えるから、「上」「下」がはっきりついちゃうのかな。 実は、小説に書かれていた「上」だの「下」だのは、正直全然わからなかった。しかも、読んでいて、なんだか気分が悪かった。もう一度出てきた『菊池広樹』と最後の『かすみ』は、高校生のもどかしさを感じて、懐かしさや、過ぎ去った日の尊さを感じて、良かった。
0投稿日: 2012.05.16
powered by ブクログこれぞ青春! THE青春! これを青い春と言わずして何をいうのか、ぐらい。 大人になっても実はイケテルヒエラルキーは存在すんだけどね…。 チア男子の作者なんですね。ブランチの特集みて気になってたのにすっかり忘れててたまたまこれ読んじゃいました。 嫌いじゃないけど起承転結ないから☆3つ。
0投稿日: 2012.05.16
powered by ブクログ桐島くんが部活をやめたことで少しずつまわりに影響を与えていく。 友達関係、恋、まわりの様子にとにかく悩んで、考えて、うーん…ってなりながらも、でも毎日が楽しくて、という自分の高校生時代を思い出してなんかキュンってなった。懐かし。
0投稿日: 2012.05.15
powered by ブクログバレー部のキャプテン・桐嶋が部活をやめたことにきっかけに、 同級生や友人ら、桐嶋の周辺にいる5人の17歳に生じた些細だが重要な変容を描く。 ひとりずつが主人公となる5つの章で構成されている。 青春群像劇の真骨頂と言えば、孵化したてのホヤホヤのアイデンティティ。 非連続的、非論理的、非言語的な発言、行動、思考、視線に 過去の自分を重ね、郷愁にふけり、今の自分を見返す。 ところが作者は本作で、意図的に全ての物語を1人称で描ききった。 5人の17歳それぞれから見える世界をそれぞれが語るという手法で物語は進む。 非言語性猛るこの世代の心性の描き方として大いなる違和感を感じたが、 作者自身がこの作品を著したのが19歳の時。 デジタルネイティブと呼ばれ、物心ついたときから携帯をもつ世代の、 自我、自意識とは、こんなにも「文章」で綴られているのかと、驚きを禁じ得ない。 が、倍以上も違う、これがジェネレーションギャップというものなのだろう。 むー。解せないけどね。
0投稿日: 2012.05.13
powered by ブクログ買ったときの帯に「全員、桐島に振り回される」ってあったから、桐島がどんだけすごいことをやったんだろうとわくわくしながら読み始めたけど、話の中で桐島はほとんど出てこなくて、ちょっと拍子抜けしてしまいました。 でも、高校生独特の悩みっていうか考えは、読んでいてすごく懐かしいような、苦しいような気分にさせられて、すごくぐっときます。 それに表現の仕方がきれいだし、わかりやすいなって感じました。すごくきれいな風景が想像できる文章だし、その場その場の感情とか様子が端的に表されてるので、読んでいてすっとひきこまれました。
0投稿日: 2012.05.13
powered by ブクログ17歳の頃って、こんなにいろんなことを感じながら生きてたんだっけ? 部活のこと、友達との距離感、教室内の人間関係、iPod(昔ならウォークマン)から流れてくる音楽・・・・こんなにぐるぐる考えてたら疲れると思うのだが、それでも疲れないのが10代の特権なんだろう。 桐島がバレー部を辞めるらしい、という一事から生じた波紋を、5人の少年少女のそれぞれ視点で捉えていく。同じ教室で長時間過ごしていても、放課後も群れていても、交わるようで交わらない彼らの心。高校生の心を、青春の楽しみなどと表面的にではなく、ベースは孤独だと言い切ったところに筆者の非凡さがあるのだと思う。 この孤独を映画ではどう表現するのだろう。それとも、普通の切ない青春風にまとめてしまうのだろうか。
0投稿日: 2012.05.13
powered by ブクログ擬音の表現が好きかも。す、とか。 簡単に「青春」って言葉で片づけられない、等身大の高校生たち。 読んでて、全く他人の様に感じたり、ちょっと腹が立ったり、私は上でもなければ下でもない。この中にはいない、中だ!と思ったり。 同い年の人が書いたって思ったら、丁寧な心情の描写にびっくり。 個人的には映画部の前田くんのとこが一番勢いよく読めた気がする。 映画化、気になる。
0投稿日: 2012.05.10
powered by ブクログ普通に面白かった。 けどそれだけで終わってしまった。 作者と同い年だから解ることが沢山あって、 随所に出て来るものがいちいち懐かしくて嬉しかった。 けどそれだけ。 で? で終わってしまう。 上の人間は上の人間なりに 下の人間は下の人間なりに それだけはあまりにも、ね。 勿体無い、から、これからに超期待。
0投稿日: 2012.05.09
powered by ブクログ海外の現地校に通っていた私にとっては、羨ましいシチュエーションばかり。 日本の高校生、やりたかったなー。
0投稿日: 2012.05.09
powered by ブクログ複数の17歳の心を描いた作品でした。それぞれの言葉の一片から、自分の高校時代のことを思い出しました。高校って、独特ですよね。キャラを演じてみたり「イケてる」と「イケてない」でわけられてしまったり、楽しいはずなのに苦しい。自分の心はどこへ向かっていいのかわからなくなってしまう。そうゆう心の中にあるわだかまりだとか、なんとなく苦しいを抱える時だと思います。そしてそれは、その最中はただただ苦しくてどうにもできないけれど、離れた今になって初めて言葉にできるんだろうなと思います。
0投稿日: 2012.05.08
powered by ブクログバレーボール部のキャプテン桐島が突然部活を辞めた。 直接的、あるいは間接的に関係のある同級生たちを主人公にして、 (桐島本人は回想でしか登場しない) そのことがどんなふうに影響を与え、彼らは何を思うのか。 そういった高校生の日常を描く物語。 決して桐島が辞めた理由を語る物語ではない。 じゃ、タイトルはなんでこれなの?と思ってしまうのだが。 思春期特有の感情やら思考やら行動。 昔を思い出して共感できるものもあれば、 今の子達はこんなかんじなんだろうかと首をひねる部分もある。 語りの中の比喩表現はちょっと女性作家みたいだ。 抽象的でわかりにくくて(←けなしているわけではない)。 個人的には、タイトルが内容を表していたり、内容の大事な部分を それとなく示唆していたりする物語がとっても好きなので、 なんだか肩透かしをくらった気分。 ただ、高校生たちの日常を描いた物語と割り切れば、 さほど悪くはないんじゃなかろうか。
0投稿日: 2012.05.07
powered by ブクログバレー部を退部することになった一人の男子高校生(桐島君ですね)、その同級生男女たちが、それぞれ大なり小なりの直接的間接的影響を感じ、自分たちの日常を改めて考えていく。連作短編集。 なんか、青春のモヤモヤ感というか、そういった心情の描写がなんとも。
0投稿日: 2012.05.02
powered by ブクログ朝井リョウ読むとさ、大人になりたくないなって思う。いやまだまだ自分はいやになるくらい子供なんだけどね笑 かと言って、大人がどうとか子供な自分がどうとか、そんな否定的なことを言いたいわけじゃなくって。ただ、制服着て学生やってた頃には、もう戻れないんだなって少しさみしくなってしまった。だってこんなに話に共感できるのに。共鳴して、その頃の思い出も悩みも、簡単に出てくるのに。 複雑な心境になってしまった。まあ考えるまでもなくあたり前な事実なんだけどね。
0投稿日: 2012.04.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
タイトルから想像する内容とはちょっと違って驚いた。 結局、桐島がどうして部活を辞めたのか、という本人による説明は無く、 風助の考えでしか、読み取れない。 が、それはそれで奥ゆかしい感じ。 登場人物の述懐が、美化もされず、かといって卑屈すぎず… 高校という社会においての、独特のキラキラとキリキリが乗せられていて 青春を思い出させてくれる。 出てくる子はみんな印象に残るけど、中でも宏樹の“なんだか、イライラする”は格別に印象的。
0投稿日: 2012.04.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
文庫になっていたので、とりあえずどんなものかなと読んでみたけども、ちょっと私の好きな部類ではなかった。 セリフやモノローグが全部軽い。というより、背景描写が少なくて全部セリフやモノローグですすんでいるから、場面がわかりづらい。 でも、邦画タイトルが幾つか作中出てきて、あ、それは知ってる、と嬉しい気分になったり。 みずみずしい感性とも思うけど、深みがないなとも思う。 部活をやめた男の子によって、少しずつ影響される男女のお話。部活をやめた本人の話はない。 構成は面白い。今後、この平成生まれの作家さんはどんなふうに進化するんだろう、と楽しみにはなる。
0投稿日: 2012.04.29
powered by ブクログ音の表現が瑞々しい。高校時代の記憶を呼び起こさせる。ちょっぴりほろ苦さもともに。高校という狭くて独特の世界観。若々しくて、爽やかで、かつ残酷。
0投稿日: 2012.04.28
powered by ブクログ「桐島、部活やめるってよ」を読んだ。高校生活を男女の目線で描いた物語。「桐島って誰?」「なんで辞めたの?」と読みはじめ、登場人物の会話、行動、悩みなど高校生の今を凝縮したような内容。所々に描かれる情熱や恋愛要素にテレながらも温かい気持ちになりました♪
0投稿日: 2012.04.27
powered by ブクログ桐島が主役じゃないのにびっくり。 でもが部活をやめたことで広がる波紋ってことだけど、リベロの子以外はそんなに?って感じがする。 でも、心理描写が丁寧で読みやすく面白かった。 神木くんが映画でやるらしいけど、誰を主役してやるんだろう。 そもそも神木くんは誰役だ? あ、前田か。
0投稿日: 2012.04.24
powered by ブクログ著者本人が、どこかのメディアで「豊島ミホが好き」と言っていたとおり、雰囲気がそっくりの小説。ただわたしはこの「そっくり」が嫌いではなくむしろ好きで、読んで良かったなぁと思ったしだい。具体的には豊島さんの『初恋素描帖』に似ていますね。 内容について言うと、この著者の言葉のえらびかたが好き。風景も心理も、描写が上手いと思った。
0投稿日: 2012.04.23
powered by ブクログ雨の日曜日は散歩も終われば、3時の競馬中継まではやることも無く、本を読むばかり。一昨日買って来たこの本、サクサクと読めてもう読了。 田舎の県立高校に通う5人の高校生活を描く連作短編で、部活を中心にリンクする物語。 いわゆる“スクールカースト”みたいなものがあって、それぞれの立ち位置があって、それぞれの事情でイラつき悩む若者たち。 自分も彼女もそこそこイケてるユーレイ野球部員、桐島がやめたことで試合に出られるようになったリベロ、放課後に好きな男子がバスケをしているのを見るのが好きだったブラバンの部長、地味で目立つことを避け続ける映画部員、精神のバランスを崩してした継母と暮らすソフトボール部の女子生徒。 う~ん、同じ境遇に身を置き、同じ映画や音楽を嗜好し、同じ不安や苛立ちを感じる、彼らと同じ年頃だったら、また感想は違うと思うのだけど、もはや私の歳でこれを読んでも、大人になったらもっと些細でつまらなくってどうしようもないけどリアルに悩まなくてはならないことがあるんだよという感じかなぁ。 いや、それ以前に私たちの学生時代ともはや時代が違うかねぇ。ちょっとミスマッチでした。
2投稿日: 2012.04.22
