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横道世之介
横道世之介
吉田修一/毎日新聞出版
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総合評価

471件)
4.0
143
190
89
15
2
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    初めて読んだ吉田さんの本かも。 すごくよかった。そして、順番にシリーズを辿っていこうと読了した瞬間心に決めた…!! まず、時代を感じられます。私自身はその時代を生きていないのに、不思議と懐かしいなあなんて感じさせてくれる描写。 あとは世之介の見る世界、世之介を取り巻く世界がすごく素敵。 そして、この本に書かれていない世之介の余白の部分がいっぱいあるのがまたよくて、もっと知りたいって感じられせくれますね。すごい! とりあえず、続編を読みます。

    55
    投稿日: 2025.10.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大学進学のために長崎から東京に来た青年が様々な人と関わっていく約1年間の生活を描いた物語。 この本は2010年の本屋大賞3位となった小説で、読もう読もうと思いながら題名が個人名で何となくピンと来なくて、なかなか読む気になれなかった。 読んでみると、随所に「フッ!」と笑いたくなるような表現があり、楽しく読むことが出来た。まるで、有川浩氏の小説みたいな。。 例えば、 ・主人公が上京する時に、母親に無理やりカバンに入れられた雑巾が、アパートで役立った時に、  「息子にとって新生活は希望なのだが、母親にしてみれば新生活は雑巾らしい」 ・友人の家に電話をした時に、その母親が出て長話をすることになった時、  「時間を持て余してかけた電話だったが、世之介よりも時間を持て余している人に繋がってしまったらしい」 等々 以前、同じ著者の「怒り」を読んだけれど、こんな事は無かったように思うけれど。。 この本で気に入らなかったのは、主人公が死んでしまったこと。最後の盛り上がりには必要だったのかもしれないけれど、「ハッピーエンド大好き」な私にとっては辛い。。。 主人公が上京して、お金持ちのお嬢様で言動がテンネンなガールフレンドが出来たが、何かのきっかけで別れたのだけれど、20年後、報道カメラマンとなった主人公と国連職員となった元ガールフレンドが、タンザニアの難民キャンプで劇的な再会!! ってことにして欲しかったなぁ~

    2
    投稿日: 2025.09.23
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    「国宝」を読む前に横道世之介は履修しなくては、と手に取りました。前から気になっていた本なので、丁度良いきっかけになりました。 長崎(佐世保?)出身の世之介が東京の大学(法政?)に進学し、東京の暮らしを始めるお話です。一年生の期間と、その時濃密に過ごした人のその後が●印の後にちらりと出てきます。特に大きなにかがおこるわけではないのですが、バブル期なのに毎日の生活は金満とはあまり関係なくて、ただ、ホテルのバイト内容はバブルっぽい。あとは、千春みたいな存在も。 世之介だけでなく、祥子さん筆頭に出会った登場人物がとても個性的で、多分誰かしらを好きになるのがこの本の人気を支えている気がします。大きなことはおこらないけど、普段体験しないようなことはいくつもおきますし。また、あの時代を思い出させるワードが多くて、40代後半~60歳位の人は懐かしく読めると思います。夏の帰省先で起こった大きな出来事、確かにあの頃多かった。私の住んでいた地域にもまれにたどり着くことあり、ポイントとなる場所で検問できていたなぁ。 世之介がそこそこ彼女つくって、しばしば異性と淫らな行為にふけるので中学校以上。

    12
    投稿日: 2025.08.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画国宝を見て、吉田修一さんの著書を読んでみた。 まず、一言で言うとこの人は天才だと思った。 前半で、横道世之介という人物像を読者に掴ませ、愛着を沸かせる。その後、横道世之介を知る人物からみた横道世之介の人物像を語る。そこで過去の横道世之介の片思いの相手が横道世之介が死んだことを知るシーンを描く。その後再び横道世之介の目線から描かれる。 横道世之介が亡くなったことに対するインパクトを読者が1番残す方法で書かれていて、実際私も心を掴まれた。 ここまで面白みの欠ける主人公を面白おかしく描けるのは吉田修一さんしかいないと思った。

    2
    投稿日: 2025.08.02
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    4.2/5.0 凄く読みやすくて、笑えて楽しいんだけど、切なかったり、哀しかったりもする。 どこか抜けてて、でも愛嬌があって可愛らしい横道世之介というキャラクターがとにかく最高。 漫画っぽくも思えるくらい、それぞれのキャラクターのケレン味みたいなのが効いていて、人を選ばずおすすめ出来る一冊。

    1
    投稿日: 2025.07.31
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    「罪名、一万年愛す」の背表紙に載っていた「横道世之介」。 柴田錬三郎賞と書いてあったので、勝手にハードボイルドな男前小説かと思って読み始めた。全然違った。 能天気な若者がバブル時代に生きるのだけれども、あんまりバブルの恩恵は受けてないノホホンな青春。 但し周りを囲む脇役たちが面白い。特に倉持と阿久津唯、極め付けは与謝野翔子ちゃん。 途中で世之介の未来が描かれるから、そこから急に深い話に思えて来る不思議。お母さんと翔子ちゃんの遣り取りも良かった。オススメ!

    0
    投稿日: 2025.07.01
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    長崎から東京の大学へ進学した横道世之介という人物の1年間を切り取った物語。 惹かれるのは人物。 何かすごい取り柄があるわけでもないのだが、多くの人から慕われる。 こんなヤツいたなあと思いながら読み進めるのが面白い。 すごい話はどこにもないのだが、面白くない話でもなく、惹き込まれる魅力はなんなのだろうか。 初めて読む作家さんなのだが、何を書きたかったのかがわからないが、魅力的で面白い話だった。 この作家さんの他の本も読んでみたい。

    0
    投稿日: 2025.06.27
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    2025年6月21日 国宝の映画を観て作者に興味を持って図書館で借りてみた。 世之介をみる地の文がふざけた感じで楽しかった。 後半はそのふざけた感じはほとんどなく、物事は粛々と進むのだが。違和感なく引き込まれていた。 世之介の飄々とした頼りない感じが伝わってきた。 悪意や打算のないちょっとだらしない若者なのだろう。 祥子ちゃんの天然ぶりを大切にしてるところもすごく良い。

    0
    投稿日: 2025.06.22
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    映画「国宝」を観たから 吉田修一さんの作品が読みたくなりました。 結構読んでるんだけど肝心の「横道世之介」読んでないなと。 誰の心にも 横道世之介みたいな懐かしい友達がいると思う。 高校の佐々木くんて子を思い出していました。元気にしてるかな?(笑)

    0
    投稿日: 2025.06.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    横道世之介 田舎者、妙にずうずうしくて、お人好し。 昭和の良き時代に、田舎から東京に出て来た世之介の青春。 なんとなく恋をして、サンバを踊って、バイトに明け暮れる。 そんな普通の世之介がだんだん好きになってくる。そしていつのまにか、世之介と一緒にはらはらしたり、わくわくしたり、ちょっと憤ったりしている自分を見つけます。 世之介のまわりの人たちのその後をカットバックする構成も見事。そして、最後で思わず泣かされてしまいました。 みんながゆったりしていて、適度にお人好しで、ちょっとだけ夢があった昭和の末。ノスタルジーではなく、あの時代の気持ちに帰るようにしたいな、いや、しなければ。 そこに小さな確かな幸せ(小確幸)があるから。 竹蔵

    6
    投稿日: 2025.05.25
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    日常系。横道世之介を中心に話が展開されていく。恋愛や様々な人間模様など。とても愛らしくどこか飄々としている姿が印象的に映った。最後悲しい事故に見舞われてしまったが誰の心にも記憶されていたことが救いだと思った。続編もあるのでまた読みたいです。

    0
    投稿日: 2025.05.22
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    図書館にて借りる、第八十五弾。 特に何が良かったのか問われたら、 「いや、特にこれといっては…」と答えるだろう。 しかし、何だか良かった。 世之介と祥子さんのやり取りが好き。

    0
    投稿日: 2025.04.06
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    読み始めた途端に懐かしさがこみ上げた。 だらだらと日々を過ごす世之介。だらしないけど優しくて何だか可愛い。 東京でのいろんな出会い。その場限りの出会い、思い出しそうで思い出せない出会い、大切な思い出になった出会い。どんな出会いも御縁だな。 じわじわと心に染みてきた作品でした。

    16
    投稿日: 2024.10.22
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    世之介の過ごした1年間を読み進める中で、大きな変化は無いけれど読後、ほんのり暖かい気持ちになった。 そして、最後のページで涙腺が崩壊しそうになった。 世之介はきっとどこにでも居そうで、でも案外居なくて、そんな人。

    9
    投稿日: 2024.10.17
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    朝井リョウがエッセイの中で大好きだと言っていたので読んでみた。 めちゃくちゃ良かった。世之介が亡くなったと聞いて、涙がとまらなかった。ほんとに、世之介の友達みたいな気持ちになっちゃって。読後の今も、もう世之介はいないのか、と喪失感で涙ぐんでる。 映画にもなってるみたいなので、映画も見てみたい。 世之介、めちゃくちゃかわいい。愛すべき隣人。世之介に会えてよかった。

    6
    投稿日: 2024.10.15
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    80年代の大学生、こんな感じだったなぁ。サークル活動、学祭、バイト、たまに勉強、友人アパートに泊まったり、と懐かしい。 長崎から東京の大学に出て来た横道世之介の1年間の物語。この1年間で出会った友人や恋人達の、凡そ20年後の姿のパートが途中差し込まれる。そこの彼等の中の世之介は、その後の彼等に大きな影響を与えているとか、強く記憶に残っている、とかいう事は全くなく、そう言えばそんな奴いたよな、程度の存在なのが、どこか物悲しくも、実際はそんなもの、長い人生の中での人との出会い、関わりなんてそんなもの、という無常感に浸った読後感だったが、全体に楽しく読めた。

    0
    投稿日: 2024.09.26
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    平凡な大学生の日常のようでいて、非凡な青年の人生にも思える不思議な作品。続編があるのが不思議なストーリーですが、これから読んでいきます。

    4
    投稿日: 2024.09.05
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     横道世之介…皆さんが読んでいてしかも高評価なのはなぜか、読了して納得!面白かったです!!  大学入学を機に長崎から上京した、横道世之介という青年の1年間を描いた作品です。特に大きな出来事もないんですよね…大学ではサンバサークルに入って、バイトしながら運転免許をとって、友達と絡んだり、彼女もできたりして…。  世之介の将来…急に突きつけられて、愕然としてしまいました!でも、この作品での1年間で出逢った人たちや家族にいろんないい意味での影響をもたらしてくれたんですねぇ~。特にこういうところがエライ!とかじゃないけれど、親しみのある人柄が結構好きでハマりますよね!あと、彼女の祥子ちゃん、彼女も天然さがなんとも可愛いい!!世之介のお母さんからの手紙も、心あたたまるものを感じました。

    84
    投稿日: 2024.08.29
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    最新刊読んだあとで、改めて最初の世之介さんを読みたい衝動がおさえられなかった。 晩年の彼を知ってからの物語はこうも大きく膨らんでくるのかと、感慨深く。ひとつひとつのエピソードをかみしめるように読み進めた。登場人物たちのその後もちりばめながら時系列が前後しているのがとても心地好く、懐かしいアルバムを紐解くような気持ちだった。 以下 2017/1/24の感想。 とある大学生の日常をほんわかとのんびしとした雰囲気が描かれていて。 結構投げやりであったり、行き当たりばったりで とりたてて特別なことも起こったりしないのに 面白ろおかしく読めてしまう。 後半になるにつれ、主人公のその後が描かれていくあたりがとても切なくなってくるのけれども 彼の言動のひとつひとつが心に残って 映画をみているような余韻。 読後感もとてもよかった。

    6
    投稿日: 2024.07.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    長崎から状況した世之介という男の大学生活と、周りの友人たちが大人になってからふと世之介を思い出す数十年後の時間。

    1
    投稿日: 2024.07.24
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    すごくいい作品でした。世之介の立ち振る舞いはもちろんのこと、大学生活とか状況生活のそれっぽさがにじみ出てきている。こういう作品が読みたかった。ところどころに描かれる未来の様子がラストを際立たせていた。

    2
    投稿日: 2024.07.15
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    横道世之介が大学入学からの1年間の話。 青春話になるのかなあ。 バブル期の時代背景描写が 自分の経験と重なり懐かしさがこみ上げる。 それにしても世之介って。 両親の名前のセンスっ! 世之介のやる気があるんだかないんだか、 ふわふわっとしている雰囲気のような つかみ所があるよな、ないような 流される性格のような、そうでないような、 独特の雰囲気を醸し出している感じでもあるが どこにでもいるような平々凡々な男でもある。 ひょうひょうとているようで、熱いものもあるような なんだか憎めないやつ。 20年後ふと思い出したときに 笑みがこぼれてしまう不思議な人。 当時つきあっていたお嬢様の祥子ちゃん曰く (彼女もかなり独特なひとでしたw) 「いろんなことに、「YES」って言っているような人だった。・・・・もちろん、そのせいでいっぱい失敗するんだけど、それでも「NO」じゃなくて、「YES」って言ってるような人」 しっくりくる表現だ。 最後の母の手紙も、世之介の人柄が偲ばれる。 なんだか温かい気持ちがわいてくるのだ。

    4
    投稿日: 2024.06.23
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    映画化もとっくにされていて昔から存在を知ってるお話を、前知識無しで今更ながら読んだ。 結果、なぜ今まで読まなかったんだろう?!と思うくらいには好きなテイストの本だった。 調べてみたら、なんと続編も2つくらい出てるんですね。全然知らなかったです。 物語は、バブルの頃の大学1年生男子の1年のお話。田舎から上京してきた、横道世之介。名前もなんだかふざけているし、本人も(至って真面目なのだろうけれども)飄々としていて面白い。 周りのキャラクターも濃くて、学生ならではのゆるっとした空気のまま、ひと月ひと月が過ぎていくような一冊。学生の時ってそうだったなと思い出しながら読み始める。 そんな何気ない日々の中で、登場人物たちは人生を変えるような出来事をそれぞれが実は通過し、そしてそれもまた日常のひとつとして同じトーンで描かれているのが興味深い。実際に人は、あれが実は自分の人生のエポックメーキングな出来事だったなんてことはあとから振り返ってわかるわけで、そのときはただ一日一日をたんたんと生きている。それがこの小説でも表現されていて、登場人物たちとともに疑似体験しているみたいだった。 作者吉田修一の本では、国宝が好き。あれも一人の人の日々、人生がじっくり描かれている。しかしあちらは人間国宝の人生を追ったもので大河的、こちらは市位の人である横道世之介の物語で言うなれば朝ドラ的? 対比的に感じた。 合間合間で、二十年後ぐらいの登場人物それぞれのシーンが挟まっていて、そこはかとなく不穏な感じが徐々にしてくる。そうして少しずつなにが起こったのかを読者は知る。人生って諸行無常、関わった人たちとの関係も変わっていく。でも関わったことにより、お互いの人生に多かれ少なかれ影響している。そういうことが、多層的でグラデーション的につくられている物語から、じんわり伝わってくる。 主人公、続編ではなにが描かれてるんだ?読んでみます。

    9
    投稿日: 2024.06.17
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    大学進学で長崎から上京してきた横道世之介18歳。世之介ののんびりと穏やかな日常を描いた作品。世之介の人となりに心が癒される。悲しいんだけれど心が温かくなった。

    0
    投稿日: 2024.05.14
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    バブル期に大学生として上京してきた横道世之介の一年間。と世之介の周りの人達の20数年後。 真面目なんだか抜けてるんだかフワフワしてるのに一途でおもいやりがある。こんな友達が欲しいなと思わされる。 まさかな展開に「えっ!」て声が出てしまった。 祥子の変貌振りが1番びっくりだった。

    10
    投稿日: 2024.04.11
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    世之介君という大学1年生の日常。多分舞台は1980年代。派手な子じゃないから、登場する友人の数は多くないけど、一人一人と大事に付き合ってるのがよく分かる。世之介の視点を借りて、大学生のラフな日常を追体験してるようで、すっごく面白かった。 突然、一瞬だけ、話が未来に飛ぶことがあるんだけど、世之介の未来に不穏な影がよぎって、すごくドキドキしてる。 続編読まなきゃ。

    13
    投稿日: 2024.04.09
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    なんでもっと早く読まなかったんだ⁉︎と後悔。 あの頃の時代の空気を思い出し、友だちの友だちの友だちくらいに世之介の知り合いがいたような気がしてきた。 純粋に愉快な青春小説を楽しんでいたのに、最後がわかるといちいち鼻の奥がツンとしてきて辛かった。

    3
    投稿日: 2024.01.25
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    呑気で素朴な少年の話。読んでいると、なんとなく優しい気持ちになる。最後の母の言葉には、納得させられ、思わず涙が出た。

    1
    投稿日: 2024.01.21
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    普通の大学生の話なのに、なんでこんなにサクサク読めるんだろう 時代も違うけどそれすら感じさせない さすが

    1
    投稿日: 2024.01.03
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    以前吉田修一さんのパレードという作品を読みました。そして横道与之介が2作品目。 うまく言語化できないのですが、この作品の中で迷子になってしまう自分がとても心地よい。最後の1ページを読んだ後にまだ小説の中から抜け出せない感覚味わえました。 なんなんでしょうこの感覚は、続編も読んでみたいと思います。

    1
    投稿日: 2023.10.15
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    上京して大学生活を送る世之介の1年の物語。 あの頃、バブルで、「サラダ記念日」がヒットして、映画は「ハチ公物語」に「トップガン」、パソコンや携帯電話はまだ普及してない頃でテレホンカードとか使ってたなって・・ そうそう学生時代そんな奴いたよねって回想するなかに世之介がでてくる。当たり障りのないサブキャラなだけに憎めない存在、ある人にとっては名前ぐらいしか思いだせなかったり全然記憶になかったり、 サンバサークルに成行きで入ってしまった時の仲間の倉持と阿久津唯←’この人だけいつもフルネーム) サークルの先輩にバイト紹介してもらったり クーラーのある加藤の部屋に入浸ったたり 車校に行ったり、 知りあったお嬢様の祥子と仲良くなったり 年上の謎の女千春に興味を持ったり 高校時代の元カノのさくら 勉学にサークル、バイトに恋愛と学生時代はイベント多くて多感な10代は長く感じるのだけど大人になってみて振り返ったら一瞬の出来事だったとか 世之介を回想するシーンが数箇所か挟まれていて、ノスタルジーが増すなかフラグがたったりして、それがより切なさを呼びました。 鉄道事故のこと知っちゃってからは読み進めるのが辛くなってしまったりでした。恋人だった祥子でさえ、初めて世之介が写した写真、最初に見せて欲しいってお願いしたの自分なのに20年も経つとそんな約束したことも忘れちゃってるし、写真見てもどこで撮ったのかわからない感じだし、そんなもんなんですよね。 世之介、馬鹿正直で、成行き任せでなんも考えてなさそうだし、目先のことに振り回されて、所々真剣に考えたり、脱力したり、何だかんだで主人公なだけに気になってたのに。 続編も借りちゃったんだけど、世之介のこと知れば知るほど愛着湧いてきて結末が解ってるだけに先が読みたいって思いになれなくって悩んでしまう。

    72
    投稿日: 2023.09.21
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    いろんな方が高評価されていて、とても気になったのでよんでみました。モデルとなった方が実在するのにもびっくりでした。 世之介のキャラが憎めないのがいいね。周りの人もみんな世之介を愛しているのがよくわかった。 途中に電車事故の話を織り込まれているので、亡くなっているのがわかりとても残念だなぁと思いがありました。

    6
    投稿日: 2023.09.09
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    「永遠と横道世之介」を読む前にもう一度振り返ってみようと思い再読した。 2009年に読んでから年数は経っているから細かなところは忘れていた。 だが、一気に世之介の世界観に浸る。 長崎から東京へ出てきて大学生活が始まり、サンバサークルの倉持と阿久津との出会いや加藤のアパートに入り浸っていた頃。 バイトに明け暮れていた頃でもある。 自動車教習所で知り合った祥子と夏休みには実家で過ごしたり…と。 確かに出会いとともにいろんなものが増えていく…という感じでアパートの隣人の京子が言うように一年経つとあの頃より隙がなくなった。 ドンピシャな表現である。 飄々とこなしている世之介は妙に人を惹きつけるところがあるのかもしれない。 ますます興味がわく人物である。 ラストには、世之介の母が祥子へ宛てた手紙で終わってたことに驚く。 これはまったく覚えてなかった。 文中で時おり、「新宿アルタ前」とか「ねるとん」とか「サラダ記念日」と書いてあると一瞬にして当時のことが浮かんでくる…懐かしい さらに続編へ…

    56
    投稿日: 2023.07.03
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    朝井リョウさんの作品に出てきたので気になり読みました。存在感が無いのに何年も経ってから思い出してもらえる人ってスゴい。この1冊で完結して欲しくなくて続編さがしたほどに。

    1
    投稿日: 2023.06.24
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    続編の続編が出たということで 一から再読することにしました(^^) 今回は単行本にしました こんな表紙だったのか 久々の横道世之介ですが やっぱり好きだなあ まずは口調がいい。 世之介を読んでる間は 自分や子供の行動を 頭の中で世之介のナレーションの口調に 変換してる自分がいて笑えます (ここのいるのはもちろん世之介である。みたいに) そしてテンポもいい 読むほどに空気感が好きになる気がします(^^) 世之介はどこにでもいるような学生で どこか抜けてて 隙だらけで頼りないイメージだけど ふとした瞬間に おお!と思うようなことを 気づかずにやってるところが素敵 倉持も、加藤も、 世之介に会わなくても 人生変わらなかったかもしれないけど 会ったことで少し救われた気がします そしてやっぱり祥子さん最高だよなー笑

    54
    投稿日: 2023.06.21
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    大学生にした現代版坊っちゃんという感じ。 読まなくても損しないし呼んだからと言って得することもないけれど、変な人達の集まりで笑えるところも多く、暇つぶしには良いかも。

    2
    投稿日: 2023.06.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    結局世之介の人となりや姿は、ぼんやりとしか描かれていない気がするが、存在感や空気を動かす力をものすごく感じた。 忘れてしまったけれど、思い出せない思い出たくさんあるはずだなー。 それにしても続編って何?

    2
    投稿日: 2023.05.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とても面白かった。横道世之介はごく普通の上京してきた大学生で、基本良い奴なんだけど、普通に下心があるし、普通に怠け癖があるし、特に人に誇れる特技もなさそうなんだけど、周りの人間につられて日常をきちんと過ごしていて、上京して1年経った頃にはたくさんの思い出を積み重ねて、振り返ってみればたしかに成長している。読んでいてそれを追体験できる。 世之介は終始平凡で、彼女になる与謝野祥子の方がキャラが立っていて面白い。サンバ部、妊娠して退学する友人夫婦、娼婦と噂される千春、などなど、そこまでぶっ飛んでるわけでもなく、あるっちゃあるレベルのエピソードではあるのだけど、世之介がきちんと「関わる」ことでかけがえのない体験になっていることに読んでいて感銘を受ける。 (以下ネタバレ) ストーリーの合間合間で、登場人物たちのその後のストーリーが語られる構成になっているのだけど、画商になっている元パーティガールの千春の話の中で、世之介が電車事故で亡くなることが語られ、読者としては以降の世之介の学生時代エピソードを読む心持ちが変わる。最後は国連職員としてボランティア活動している祥子の現在が語られ、彼女も他の人と同様、世之介のことを思い出す。どうやら祥子は世之介との約束(最初にとったフィルムは祥子に一番に見せること)自体は忘れてしまっているし、世之介がそれらを撮影した話を聞いた祥子が当時は彼のセンスを誉めていたことも忘れてしまっているようだけど、それでも彼女を涙させるくらいに心を揺さぶるという描写がリアルで良かった。

    4
    投稿日: 2023.05.09
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    世之介のゆるーい、とぼけたキャラに癒された。 世之介の周りの人達も、みんな素敵で愛おしく(特に祥子ちゃん)、そのやり取りにクスッと笑えた。 世之介の大学1年の1年間を、引き込まれて読んだ。 途中、何年後かに話が飛んで、世之介や周りの人のその後が書かれていて、どれも「えっ」という衝撃のあるものだったので、ますます読むのが止まらず夢中で読んだ。 好きな一冊になった。映画も観たいし、続編も読んでみたい。

    2
    投稿日: 2023.04.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    世之介ってあの主人公なのね。 普通っぽくて普通でないのかも。 運命に流されているようでそうでもない。 長崎の海で流れ着いたあの人々が祥子さんのその後の仕事に導き、間違えていれたんだと探したチョコの持ち主が世之介をカメラへと導いた。 人生って。 そして、しばらくロスになりそう。

    3
    投稿日: 2023.03.22
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    毎日新聞の連載で知った物語。 これは大学生の頃が中心の話でしたが、身近に感じる青年になんだか親近感が湧いてきて一気読みしました! 

    2
    投稿日: 2023.02.04
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    代表作としてあげる人が多かったので、読んでみました 一言で言えば、バブルの頃のお話 世代が合う人、現役の人には填まるのかな 楽しく読めたのですが、大学生の固定イメージ、そのままな感じがしました 私や友人たちは、こんなチャラチャラしてなかったかな・・・

    6
    投稿日: 2022.07.20
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    【琉大OPACリンク】 https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA91532389

    0
    投稿日: 2022.07.07
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    今ある等身大の自分は、過去の出来事の結果である。だからといって、過去のエピソードが全て因果関係で結びついているわけではないだろう。それなのに、この小説は、巧みにそれを繋げてしまった。今の出来事から登場人物を逆算して、その人となりを作り上げただろうシナリオを連想し、過去と未来を行き来しながら、ノンフィクションをなぞる。手法が凄い、そしてズルイ、いや切ない。 青春時代はパッケージのように、恥も失敗も、成功や笑い話と同じように記憶に刻まれ、その刻まれた古傷自体に価値をもつ。出来事は何だって良くて、数ヶ月家に篭ってネットサーフィンしていただけの記憶ですら、あの頃のネットは2チャンネルの全盛期でなどとキラキラするものだ。また、それは年齢というより経過年数で、20代を青春として捉えるには10年以上経過した方がより濃い目に味わえるし、40代だって、60歳になればあの頃の青春と語れるようになるものだろうか。最近はそんな気がしている。で、何が言いたいかというと、この小説はそうした青春の連想を集約していく技法を用いた斬新さもありながら、普遍的なパッケージとしての青春を追体験させてくれる点で、素晴らしい、そして切ないエンタメである。

    9
    投稿日: 2022.06.05
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    自分自身の学生時代を思い出して懐かしくなった。今から考えるととても貴重な日々だけど、当時は無限に続くようなダラダラした感じ。この空気感好きだなー。

    2
    投稿日: 2022.06.01
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    地方で育った横道世之介が東京の大学に進学し、過ごしていく話。 最後まで世之介らしく、飄々と生きていく姿が心地よい。

    2
    投稿日: 2022.01.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    実家に帰ってきたような安心感が読んでてあった。世之介の上京してからの1年間を見ていくうちに、世之介の思い出が自分の思い出のようになっていた。院生の今、この本を読んで久々学部時代の気持ちを思い出した。 あと、小沢が丸井の10回払いで買ったダブルのスーツで世之介に会ったシーンを読んで、小沢には似合ってないのが明らかなことと、かっこつけたい気持ちが伝わってきた。それと同時に成人式で友達に借金までして買ったダブルのセットアップを着て行った自分を思い出し、小沢と全く同じだなと思い笑ってしまった。 世之介と出会った人生と出会わなかった人生で何かが変わることはないが、出会っていない人が大勢いると思うと得した気持ちになってくるという加藤の言葉がとても好きだなと思った。

    2
    投稿日: 2021.10.30
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    世之介さん! まさに同世代で、時代のながれを懐かしみつつ、読んだ。 なーんてこと無い日常。 そこも気づけば、キラキラした青春! 続編も読もうかな

    2
    投稿日: 2021.09.28
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    私も、70年に大学に入学し、日本武道館での入学式に出席しました。バイトは、中元、歳暮の時期に、小田急デパートの配送センターに行きました。ゼミは、国際金融論をやり、三、四年はゼミ生と連んでいました。懐かしく、読みました。

    0
    投稿日: 2021.05.31
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    吉田修一と言えば「横道世之介」のイメージが強く、そろそろ読んでみるかと思って、手に取った。 なんてことはない、すごく一般的な大学生の生活が1年間まとめられているという具合であった。地方から東京の大学に進学し、都会という環境の中、親元を離れて暮らす大学生が、1年後、少しだけ成長している。それを側から傍観しているような感覚である。途中、 主人公・横道世之介と関わった友人たちが、当時の世之介をふと思い出すという設定となっており、そこから今はもう世之介はいないということがわかる。 まあ、世之介がとってかっこよく、頭が良く、なんてこともなく、普通のよくいる学生の設定で、授業もさぼりがちで、友達も適当にいて、特段仲の良かった友人以外にはあまりインパクトはないような設定であるから、「ある、ある」感覚で読めたのだろう。 そんな世間一般的な大学生の生活を垣間見て、作者は『あぁ、同じだ』とか『懐かしいなぁ』とか、『こんな人いたなぁ』と思うのかをどのように感じるかは読者に委ねているようである。 私の場合は、「ある、ある」感覚で心にすんなりと入ってきた。 1カ月毎に大学生活に慣れていく世之介。1年があっという間に過ぎていく。舞台は東京。地方から出てきて、一人暮らしを始めた世之介にとって、大学生活で得る経験は豊かなものだ。友人たち、サンバサークル、ホテルのアルバイト、初めての彼女、運転免許の取得、同性愛者との遭遇(これは普通でないかも)などなど。日々を駆け抜け、成長していく様を自分の大学時代と重ねてしまう。 まだ、18から20そこそこの子供から大人の世界に足を踏み入れようとする人間が、未来に希望を持って邁進していく姿を想像する。が、これは私の空想だけで、主人公やその友人たちが取り立てて何かを目標に突き進んでいる姿が描かれているわけでもない。 ただ、自分の若かりし頃と重ねて、結局、若い時の自分も時間に流され、大人から言われることに時に反発し、時に従い、世之介と同じような感覚で毎日を過ごしていたことを懐かしく思う。 もちろん、『もっとこうしていればよかった』、『あの時、なぜこうしなかってのか?』という後悔も数多く、それすら懐かしく思う。 子供ができて、中退した倉持と阿久津唯。同じ研究室になった同級生同士が子供ができて退学したことを思い出した。近くに住んでいたので、同級生と彼らの新居に行った。ちゃんと家庭を築いていたことに感心した記憶がある。 世之介と付き合っていた祥子。世間離れしていた祥子が20年後、UNHCR(国際連合難民高等弁務官事務所)で働いている。大学時代のバイト先の友達が、国連で働いている。友達は、男性であるが、そんなふうには見えなくて、衝撃的だったことを覚えている。 だから、世之介を取り巻く人間関係も特にびっくりするような環境でもない。 1年間なんて、人生の本当に短い期間である。でも、人はこの1年を通して、経験し、成長していくのだなぁと、この本を読んで振り返ることができる。本書の中でも「この一年で成長したか?と問われれば『いえ、それほどでも…』と肩を竦めるだろうが」とあるように、この1年での成長は、小さくても、15年後、20年後に人は確かに成長していると感じるのだ。 その時に出会った人たちは、将来、その人生の中で忘れ去る存在になるかもしれないが、それでもその時に何らかの影響を与え、人生の成長の糧になるのだろう。 そんなことを改めて感じる作品であった。 「世之介と出会った人生と出会わなかった人生で何かが変わるだろうかと、ふと思う。たぶん何も変わらない。ただ青春時代に世之介と出会わなかった人がこの世の中には大勢いるのかと思うと、なぜかとても得をした気持ちになってくる(本文より)」誰かにこんな風に思われたいものだ。 映画では次回NHK大河ドラマで主役の高良健吾が演じたようで、いつか映画を見てみよう…

    45
    投稿日: 2021.02.04
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    マイペースで等身大、なんとなく周囲を明るくする大学生、横道世之介の青春。良いと思うが、自分にはそんなに合わなかった。途中で終了。

    3
    投稿日: 2020.10.16
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    色々な方のレビューを読んで、市民図書館に単行本があったので借りてみた。 あ~懐かしきバブル期。 おそらく私と世之介は、ほぼ同学年。 私自身は地味な学生だったので、世之介のようにバイトなどでバブルを実感したことはなかったが、通学経路にボディコンやジュリ扇を売っている店があったのを覚えている。 浮かれた世の中の流れに上手く乗っかりながらも、自分を変えずマイペースで「いい感じ」なままのところが世之介の魅力。 そんな世之介が、どこに接点が?というようなお嬢様の祥子と付き合うようになるのだが、彼女もまた天然な強引さが面白い。夏休みに世之介の実家である長崎の港町へ押しかけ、そこで出くわしたの事件が祥子を大きく変えることとなる。 後年40代になった祥子が、学生時代の友人で娘を持つ睦美に対して抱く思いが綴られた箇所にぐっと来た。 ↓ 大切に育てるということは「大切なもの」を与えてやるのではなく、その「大切なもの」を失った時にどうやってそれを乗り越えるか、その強さを教えてやることなのではないかと思う。p364祥子の言葉 母親として、自分がまだ学べていない…。 子どもの友人に、世之介に似た子がいるのだが、その「いい感じ」変わらないでほしいなぁ…と思う。 2020.9.5

    17
    投稿日: 2020.10.08
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    高評価らしいけど自分には合わなかった作品。 田舎の大学生が東京に上京してきてからの物語で、友人や恋人との青春を過ごし、その周囲の人間がその後の生活でふと学生時代の世之介を思い出すという。そしてその世之介は当時ショッキングだったホーム転落者を救護しようと韓国人2人と共に亡くなったカメラマンとして生涯を閉じる。 同調しそうで共感部分がなく(自分が大学キャンパスというものを体験していないからか、または大学生をディスっているせいか)最後まで一線引いた向こう側の物語を読んでいるようで淡々と進み、淡々と終わったある一人の物語、という感想ぐらいしか書けない。 この作者の登場人物の表現はどうも苦手だなぁ。

    0
    投稿日: 2020.07.24
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    大学生になって、東京で一人暮らしする世之介の話と、当時、その周りにいた人達の現代の話が入ってきます。 本の最初の方は、世之介、東京でちゃんと生きていけるのか?と、不安でしたが、ちゃんと不器用たけど、それなりに生きていました。 祥子のキャラが、最初は嫌だったけど、後半になればなるほど好きになりました。

    4
    投稿日: 2020.03.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すごくよかった。世之介と周りの人達とのやりとりがほんとかわいくて、サンバ踊って興奮してる世之介が鮮明に浮かんできた。祥子ちゃんもほんと可愛い。人と人とのつながりがその後の人生を作っているんだなって。祥子ちゃんもきっと世之介と長崎で遭ってしまった事件がきっかけでそういう仕事についているんだろうなって。そもそも世之介がいないと長崎に行かなかっただろうし。しかし付き合うと思わなかった二人。

    3
    投稿日: 2020.03.04
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    読了。2回目。 やっぱり温かい気持ちになる。世之介も祥子も登場人物がみんな魅力的で本当に素晴らしい作品。

    3
    投稿日: 2020.03.01
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    (2014年2月3日に記) 今まで吉田修一が追求して書いてきた主人公とタイプがまるっきり違っていて、彼の新境地を見る思いでした。 主人公・世之介の元恋人だった祥子は40歳になり、世之介を「いろんなことに、『YES』って言ってるような人」「いっぱい失敗するんだけど、それでも『NO』じゃなくて、『YES』って言ってるような人」と評しています。世之介は一見ふら付いていてどこにでもいるような気の良い若者なのだが、困っている人を積極的に助けようと馳せ参じる分けでもなく結果的にはほおって置けずに助けちまったとなるような人でした。そういえば「世之介を知らない人はもったいない」に近いことを言った友人も居ましたねぇ~。そう、是非会ってみたい世之介、もしかすると周囲に居そうなどこかで会っているかもしれないと思いたくなるような世之介なのです! カメラマンとなった世之介が、いずれ韓国人と2人で線路に転落した女性を助けようとして亡くなるとほのめかされている件が、何箇所か出てくるたびに、えっそんな結末は止してと願ったのですが、祥子に宛てた世之介の母の手紙を読んですとんと落ちるものがありました。 「世之介は充分間に合うと思ったから助けたのでしょう。そんな息子を誇らしく思います」と、さりげなく結ばれた手紙にうるうる来ました。自らの危険を顧みないで人を助ける現実に存在する人たちはきっとこんな感じなのでしょう。切ないラストはカモフラージュされていて人を信じれる温かさと世之介が残した爽やかさが伝わって来ます。 祥子は深窓のご令嬢育ちというユニークな背景。何故か途中で世之介と別れる設定になっていますが、彼女が子育て中の友人に会って助言した言葉が確かな人柄を表していると感じられました。「大切に育てるということは『大切なもの』を与えてやるのではなく、その『大切なもの』を失った時にどうやってそれを乗り越えるか、その強さを教えてやることなのではないかと思う」。そうだよねぇ~。 2人が長崎の海岸で遭遇する難民の事件は実際にあったことです。 デビュー当時のカタカナタイトルの「パレード」「パーク・ライフ」から読み続け、最近では「長崎乱楽坂」「悪人」「さよなら渓谷」などずっとずっと好きになってきています。 吉田さん、長崎出身の清しい世之介を送り出してくれてありがとう! 映画化されていてDVDも出ている・・・。すぐ観るのかそれともしばらくは浸ってからにするのか躊躇っています

    24
    投稿日: 2020.02.18
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    ほぼ同時代を描いた青春小説と言えば宮本輝の「青が散る」だが、本書に比べると登場人物にも小説そのものにも遊びがなく、ひたすら真面目だ。 本書との違いは、リアルタイムに主観的に描いたか、後から振り返って客観的に描いたか、なのか、単に作者や主人公の趣向の違いなのか。 祥子が振り返る世之介が切なくて沁みる。

    0
    投稿日: 2019.08.14
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    大変面白かった。さわやかな気持ちになる。世之介の考え方や行動が可愛らしく、でも時にはっとする、そうかそうか、と納得する。当たり前のことをまじまじ考える世之介もいい。時代背景もいい。世之介の家族もいい。祥子ちゃんも素敵で、友達もいい。先輩やちょっとした知り合いもいい。読んでいて面白い、楽しいと思ったのは久しぶり。

    0
    投稿日: 2019.08.06
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    私も世之介が大好きになった!!もう1ページ目で。「実家の大理石の置時計を迷った末に、上京に持ってきた」という時点で、ええ奴に決まってるやん。本当に普通の男子、大学生の上京物語。なのに凄く楽しくて、愛おしくて、ポッチリ泣ける。時代背景的に世之介の大学生時代は私の小学生くらいなのだが、世相は懐かしく感じられたし、自分の大学生活の出会いと別れを重ねて、感情移入。とにかく主人公世之介と恋人祥子のキャラが本当に良く、また構成も一筋縄ではいかない。流石。吉田さんの作風は様々、振り幅が広くて驚く。これは好き。良作!

    0
    投稿日: 2019.03.29
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    ヘラヘラした感じ、真剣な感じ、大学デビュー。。。なんてことないようで、読んでいて胸が締め付けられるのは何故だろう。最後のお母さんの手紙が泣けて仕方ない。じぶんにとっての世之介的な友人のことを思った。小説なのに、フィクションなのに、世之介を失うことがこれほどまでにつらいとは。

    0
    投稿日: 2019.03.28
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    続篇が出たので久しぶりに読んだ 本当に本当に大好きだ世之介!! 何回読んでもたまらなく好きなので、続篇を読むのが楽しみでもあり、怖くもある〜

    2
    投稿日: 2019.02.28
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    再読.吉田修一の中で一番好きかも.読んでいる間も,読後感も幸せになれる.今回はこの言葉が印象に残った. “大切に育てるということは「大切なもの」を与えるのではなく,その「大切なもの」を失った時にどうやってそれを乗り越えるか,その強さを教えてやるこのなのではないかと思う.” 高良健吾が主演で近々映画化される予定.どうかな~ちょっとイメージ違うかな・・・

    2
    投稿日: 2018.10.09
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    「横道世之介」 これは、1人の大学生が紡ぐ暖かいストーリー。 田舎から東京に出る時は誰しも世之介の様な気持ちになるだろう。一年経ったくらいでどこまで成長したかははっきり言えない世之介だけど、彼は確実に多くの人々の記憶に残った。 横道世之介。井原西鶴の好色一代男の主人公から取った名前である。男の理想の生き方を追求した男のように?ということから名付けられたのか。世之介はそれなりに好色を追求し、それなりにバイトをし、そしてそれなりに学生生活を楽しんだ。彼は、男として理想の生き方をしてきたのだろうか。 私は違うと思う。世之介は、男としてではなく、人として、理想の生き方ではなく、魅力的な生き方をしたのではないか。私はそう思います。 私達人間は、人と人との関わりを持たずに生きていくことはほぼ不可能。人と人が関わりを持つとき、あなたは几帳面な人だとか、君は真面目だとか、色んな印象を与える。印象度が強いほどその人のことが心や頭に残る。嫌なものであっても良いもの出会っても、です。 世之介は、間違いなく出会った人達に良い印象を与えていた青年です。気弱で奥手、純粋で、自分には取り柄がないと思っている田舎育ちの素敵な男。それが横道世之介なんですね。 世之介と会わなくなった人達の心には、世之介がいる。いつもいる訳じゃないけど、ふとふらっと出てくる世之介の記憶。そこには、いつもの世之介がいるんです。 しかし、ふわっとした読了感を残すような物語かと思いきやそうは終わらない。そこが悲しい。世之介らしいっちゃらしいけど、個人的にはハッピーで終わって欲しかった気持ちがかなり残ってしまった。 世之介は、大学卒業後、一体どんな生き方をしていたのだろうか。凄く気になるのだ、世之介が観た世界が一体どんなものだったのか。

    3
    投稿日: 2018.09.20
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    横道世之介という田舎から東京に出てきた少年の最初の1年と、それを振り返る人たちのお話。 平凡な少年だけど、なんでも「大丈夫、できる」と思える少年。 日常を描いた小説はたくさんあるし、その中では、そこまで印象に残る部分が少なかったかな。前評判が良すぎて少し期待しすぎたかも?笑 映画の方が良いのかなー。

    0
    投稿日: 2018.09.10
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    「悪人」や「怒り」といったひとの重い暗い部分を描いていた吉田修一が描いた心暖まる名作。しかし吉田修一は様々な人生(特に底辺層)を描くことが秀逸。 映画も明日観てみよう❗

    0
    投稿日: 2018.08.25
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    吉田修一氏の本かと思いながらもチョイチョイ色々なところで紹介されているのを見て気になっていた、ついに読んでみる。 九州から出てきた大学新年生が恋愛、サークル活動、バイトで出会った人々との交流を描く。吉田修一氏の描く話はどこに向かっているのだろう感があるが、本作はほのぼの良かったな。世之介に出会った人の数年後が描かれ世之介を思う(あるいは思い出さない)描写が一層世之介の人の良さをしのばせる。 回りにもいるよな、普通のことをしているだけなのに柔らかい空気を出せる人がと、2、3人の知人の顔が思い浮かぶ。 2001年 新大久保駅乗客転落事故につながる話だったとは。私の記憶にも残っています。ニュースを聞いたとき、無念と敬意。故人を想う。確かに他の人にも読んで欲しい一冊。

    0
    投稿日: 2018.05.23
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     映画の方を先に見て、意外におもしろいな、と思い原作を読んだ。人生のどこかで出会った、忘れられない「ちょっと変な奴」のお話だろう。  ただ、ニュースを読むラジオDJが「十七時二十三分ごろ」という、報道の常識からするとありえない言い方(表記)をしていたり(しかも毎日新聞から出てるのに!)、後半の国連職員同士の会話がひどく陳腐で、おそらくは英語でやり取りされていると仮定されるのだから、ちょっと翻訳調にしてみるとかできなかったんだろうか。吉田は英語全然わからないのかな。ここは全然駄目だ。

    0
    投稿日: 2017.07.14
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    1988〜1991年ごろの東京が舞台の小説。長崎県大村市出身の主人公が上京し大学に入学し、ホテルの宴会ウェイターとしてバイトしながら東京に慣れていく1年間の物語、と思いきや、主人公以外の登場人物の2010年ごろの日常も挿入されていく。 序盤はとりとめないが、後半に乾いた盛り上がりをする。 職場の机においておき、ひとりランチのあとのコーヒータイムにのみ読んでいたら読了に1年かかった。 読んでいる最中に、意図せず長崎旅行したのも奇縁かと。

    0
    投稿日: 2017.05.12
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    よかったわぁ。いつもの吉田修一ではありませんでした。 世之介の関わった人たちがみんないい人で。 でもそんな感じかな、みんな誰かと重なって離れて、そんなことの積み重ねで人生出来てる。 「YES」と言ってしまう人。って素敵だね。

    0
    投稿日: 2017.05.04
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    どこにでもいる大学一年生の何でもない日常。 同世代のため、感情移入してしまい、切なくなってしまった。読み終わった後でも不思議な感じです。

    3
    投稿日: 2016.12.14
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    決して何の特徴がある人物ではないが、なんとなく世之介がもつ雰囲気はほのぼのさせるものがある。常にPositiveというのとは異なるNaturalな生き方というのかな?

    0
    投稿日: 2016.06.26
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    とても愛おしい物語でした。 途中で、世之介がどうなるか予想がついてしまってそれがあたってしまうんだけども、それがネットとかでいままで見なくてすんでたことがすごいなとおもった。 わたしにはそれはとても重要なことだった。 あー泣いた。

    0
    投稿日: 2016.06.15
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    (2010より転載) 本屋大賞より。 吉田修一作品、以前はあまり好きじゃなかったんだけど、 『悪人』に続き、結構好きな方でした。 世之介のどうにも、どっちつかずな感じのキャラが、 不思議とイライラしなくて、なんだかおもしろかったです。 2010.7.3~7.7読了

    0
    投稿日: 2016.04.23
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    毎日の積み重ねが人生であることを改めて感じられる1冊。 この世にある小説の中で一番好きな作品。(2016年3月現在でな)

    0
    投稿日: 2016.03.23
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    2016.3.13切なくなるし、会いたくなる。青春ってこんな感じだったな。とても心にぐっとくる。映画もよかったけど、本読んでよかった!

    0
    投稿日: 2016.03.13
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    ★★★親しみやすい世之介。読みやすかった。サンバと言われる度にぷっと顔がほころびました。なんでサンバ?バイト、サークル、友達、恋愛。ページをめくりながら眩しかった。

    0
    投稿日: 2016.03.09
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    横道世之介。 ちゃらんぽらんだけど、根が良い奴で、悪気がないのが良いところ。 前半はあんまり好きじゃなかったけど、後半が良かった。 大学生ってこんなイメージ、なのかな。 バブル期なのは関係あるの? 確かにこんな学生もいるだろうし、どこにでもいそう…と言えばそうなんだけど… 私の大学生活とはかけ離れていたので別世界感が強かったな。 隙だらけで無防備で、自分の感情に素直に、流されるように生きる世之介君に、おいおいあんた軽薄すぎやしまいか、と思いつつ。 でもそれは私にはちょっと足りないものなんだよなぁ、とも思いながら読みました。 むずかしい。 終盤の、カメラを持ってどこまでも歩いて行きたくなる場面。 あの部分の心持ちはすごくよく分かった。 あの場面はとても好き。

    0
    投稿日: 2015.12.15
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    自分に素直でいる。 それって、結構できそうに思えるけど 実は周りを見まわしたりして平均行動を行ったり、行おうとしたりして できないことも多々あったんじゃないかと、振り返り想う。 まさに世之介の時代と同じように沿ってきたので 彼の行動と照らし合わせがら読み進められた。 あー、そんな時事があったねー って、けっこう核になる、 過去の何気ないひとつの事のようだけど 引っ張り出されると、日本人として その事件の扱いはどーよって 今初めてのように気付かされる。 あー、なんか流されてたなーって。 世之介みたいに素直に生きてるものの まわりにいる人間も描いているんだけど もう、なんていうか切なくて… そのような友人がいてほしいし、できれば ボクがそんな立場のモノになれれば それはすごく幸せなこと。 ありえねー。 自分に素直でいる。 すごいムズカシイんだろうけど そのつもりでいる。 自分にウソはつきたくない。 と改めて思った次第。

    0
    投稿日: 2015.12.13
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    映画を見てから、小説も読みたいとずっと思っていた。 世之介は高良健吾、祥子は吉高由里子というように、すべての登場人物が俳優さんの姿で、私の頭の中で動き回った。 原作に忠実に映画は作られたようだ。 小説にとっても、映画にとっても幸福なことだった。

    0
    投稿日: 2015.09.15
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    大学生の1年間の話。バブル期の大学生の生活と20年後の話で構成される。何でもないことだけど。何でもないことの積み重ねたものが人生で,振り返ると記憶の目印になっている人物や出来事があるもんだ。

    0
    投稿日: 2015.07.25
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    40年前の学生時代を思い起こす。何の目的も無く過ごす毎日が、今となってはスゴく充実した日々であったように思う。 酷いことをしてしまったあの人は、今どんな日々を過ごしているのだろう。

    0
    投稿日: 2015.06.30
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    本当になんてことない1年なんやけど、 その1年が世之介にとってのこれからの人生に影響を与えたことは確実で、 そう思うと自分自身の学生生活もまんざら悪くないものに思えてきます。 そして、当時は確固たるものとして存在していた関係性が、いつか薄くなったり、なくなったりしてしまう事実。 それをふっと思い出せる引き出しがあるって、幸せなんかもしれないです。

    0
    投稿日: 2015.05.14
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    世之介はなんだったんだろう。 自堕落な普通の大学生。 どこにでもいる、むしろ冴えない大学生。 よく言えば純粋、悪く言えば単純、能天気。 人に甘えて生きてきた。 大学時代の友人に、数年後にふと思い出されるぐらいの存在。 そんな程度の人間が主人公になれたのは何故だろう。 そんな程度の人間を主人公にさせた意図はなんだったんだろう。

    0
    投稿日: 2015.04.20
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    映画になるのですね。それは知らなかったけど、いいと評判のようなので。上京してきた世之介の一年を現在のパートの挿入と、世之介の成長を通じて描く。完璧に幸せな結末ではなかったけど、読後心に爽やかな風が吹きわたる。祥子ちゃんが好きだったけど、祥子ちゃんも変わるものだね。2013/023

    0
    投稿日: 2015.04.13
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    「私、世之介の作品を世界で初めて見た女になりたいんですの」ラスト近くのこの一文に涙腺が一気に緩んだ。ふ、と思い出すとそこにいる世之介の存在は、思い出す人達の多少に関わらず、暖かく微笑ましいものであったのだろう。この事件の報道、映画化などの背景を知ると、昨今の政情を反映してか眉をしかめたくなる。でも、彼という存在をその当時に結びつけず、学生時代を描くことで本当にどこにでもいそうな、それでいて稀有の緩やかな存在であったのだろうと思わされる。命を投げ出したのは日本人にもいたんですよね。忘れてはいけない事です。

    2
    投稿日: 2015.02.22
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    初めて読んだ時やたら長くて、つまらないと思ってたんだけど、映画見て相当感想変わりました。そもそも、吉田修一の「さよなら渓谷」が価値観の齟齬で凄く嫌いで偏見持って読んでしまっていたことをちゃんと告白します。今作ってその横道世之介の人格像に徹底してて、その挑戦が大成功している作品だと思います。世之介の心情というより、第三者からのイメージにクローズアップされてて、読み進めると徐々に透けて世之介の行動だとか心の動きが何と無く分かるようになってくる。死に際だって実に世之介らしくて、咄嗟に飛び出す情景なんかが自然と浮かんでくる。悪く言えば予定調和ですが、これって凄いことなんじゃないかと思います。雰囲気も独特でなかなか稀有な作品ではないかと思います。

    0
    投稿日: 2015.02.03
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    カメラマンになった世之介の被写体は絶望ではなくて、希望だった。呑気でフワフワしてるけど、希望に満ちていると思う。ボートピープルの時もそう、駅のホームでもそうだった。いろいろな人の記憶に顔を出す世之助の日常はちょっと影が薄そうだ。でも、世之介の魅力は太陽みたいに当たり前のような明るさ。気が付きにくい。困っている人がいれば迷わず体が動くというのは、なかなかできることではない。考えてやることじゃないから。

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    投稿日: 2014.12.10
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    2008年に、毎日新聞で連載された小説に加筆修正して出版された作品。 なんとも言えない味のある物語。 九州から上京してきた"普通"の青年世之介と、同じ時を過ごした人たちの1年が描かれている。 時代はバブル全盛期。 後半から所々現代と交錯する。 過去を振り返る人たちは、世之介との交流はすでに途切れている。中には最後まで思い出せない人さえいる。 実際、大人になってから振り返る20年前の出来事は思い出のアルバムの1頁にも満たないわずかなものだと思う。 ましてや世之介との間にどんな劇的な出来事が起こるわけでもないのだから、だけど。 "なぜか(世之介と出会った)自分がとても得をしたような気持ちに"させる、不思議な魅力を持った青年なのだ。 それってすごい。 味がないようで味がある世之介の魅力は、まんまこの物語の魅力を表していると思う。 所々プッと噴き出したり、退屈だったり、しんみりしたり、最後に号泣したり。 私が涙もろすぎるんだろうけど(笑) 読まないよりは読んで良かったかな、と思える作品でした。 カメラのくだりを読んで、東京で暮らしていた頃、買ったばかりのLOMOで、近所を撮り歩いたことを思い出した。 なんだか私まで世之介と同じ時を過ごせた気分。

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    投稿日: 2014.10.25
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    さらっと斜め読み。素朴な人柄の青年が東京の大学に入学して過ごした1年生時代の話。いろんな出会いがまってる新生活。ハプニング有り、恋愛有りの思い出。最後の結末はう〜ん。

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    投稿日: 2014.08.12
  • あなたは誰を思い出すのだろう…

    思い返せば確かに一人はいましたよね、こんな奴 学生時代にいたアイツの事が思い出されて 懐かしくも、チクリと胸が痛くなる そんな作品でした 吉田さんの話にしてはダーク感がなく コミカルで読みやすい こういうタッチの作品ももっともっと描いて欲しく思います

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    投稿日: 2014.08.04
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    映画先行。 文字だと、どう頑張ってもあんな美男美女たちは浮かんでこない。 映画以上に、何でもない感。でも映画よりグッときた。 キムくんとの絡み、重要だったのでは…あえて外したのかな?

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    投稿日: 2014.07.07
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    そんなによくわからない本だった。 世之介に魅力ないし、他の人の挿話も唐突だし、 ていうか祥子のキャラひどくないか?

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    投稿日: 2014.07.06
  • 原作も良いです

    たまたま観たDVDに魅せられて、原作を読みました。 映画版で、話の展開に疑問が残った個所が有りましたが、やはり原作の方が丁寧に説明されています。 作品の魅力は、世之介を取り巻く怠惰な空気感なので、結果としては些細なストーリは、知れば納得だけど、知らずとも同じ体験を感じる事が出来ると思いました。 大学生の頃、私の周りには、世之介のような奴はなく、もちろん私自身も世之介のような奴ではなかったけれど、それでも何故か懐かしい日々が連想されます。 きっと、そこには、なんだか分からないけど、誰もが共通する何が描かれているような気がします。 有り体に言えば、青春の恥部という事になってしまうのですが、そんな陳腐な表現を補って余りある、登場人物の魅力が、横道世之介という絶妙の世界を作り出しているのかと思います。

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    投稿日: 2014.07.05
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    人ひとりの人生は小説になる、と常々思っているけれど、それは有名人でもなければ派手なわけでもない人生のほうが、もしかしたら味のある小説になるんじゃないかって思う。 人生はドラマチックなことはそんなに起こらないし、毎日似たような時間に似たようなことをするくりかえしで、記憶にさえ残らない、取るに足らないようなことの積み重ね。 だけどそういう“取るに足らないようなこと”が大事なんじゃないかって思う。 ドラマチックではない日常で、人と出逢い、いろんなことを感じて、自分の中に積み重ねていくということが。 この小説の主人公・横道世之介も、どこにでもいるような普通の青年。 田舎から東京に出てきたひとりの青年が、恋愛したり、大学行ったり、バイトしたり、嫌々サークル活動をしたり、失恋したり。 本当にどこにでもあるような日常を綴った小説なのに、最後は涙がおさえられなかった。 大人になった祥子が大学時代の世之介のことを振り返って言ったこの言葉が心に残ってる(要約ですが) 「何にでも『YES』って言ってるような人だった。それで失敗することはたくさんあるんだけど、それでも『NO』じゃなくて『YES』って言ってるような人」 これが世之介のすべてを表しているような気がする。 だから世之介は、関わったいろんな人々の心の中に、優しく在り続けるんだと。

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    投稿日: 2014.07.02
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    何処にでもいそうな平凡な男の子。普通な感じが魅力なのかな。映画のトレーラーを見て、期待し過ぎて読んでしまったかも。優しい性格の世之介がほのぼのとした気持ちにしてくれる。

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    投稿日: 2014.07.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    図書館で借りた本。 世之介が東京の大学に行くことになり、上京した日から一年間でかかわった人と、その人たちのその後の話が重なるように物語になっている。 世之介に出会えない人生と、出会えた人生があって、出会えてラッキーだった。 のような一文が心に残った。 そういう生き方もいいものだ。

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    投稿日: 2014.06.23
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    読後感は「おもしろかったー!」というのではない。始終ほのぼのしていて、こう、胸の真ん中あたりがほわっと温かくなる感じかな。祥子や加藤たちが、それぞれ世之介を回想する場面が良かった。ぼくが世之介と縁があったなら、どのような回想をするのだろう。それを想像してしまうのも、この作品の面白さなのかな。

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    投稿日: 2014.06.09
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    2014.4.15 面白かった。吉田修一さんの本は暗いイメージがあったけど、これは明るく切ない。 何度も笑ったし、泣きたくなる。今付き合ってる人のことを将来どういう風に思い出すんだろう。どういう風に思い出してくれるんだろう。

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    投稿日: 2014.04.16
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    すごく面白かった✨世之介が魅力的でほんわかした気持ちになる。青春っていいなぁという気持ちになれる、でもそれだけじゃなくてとても切なく悲しい部分もある本だと思いました。映画のほうもみてみたいです。

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    投稿日: 2014.04.03