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横道世之介
横道世之介
吉田修一/毎日新聞出版
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総合評価

473件)
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    横道世之介に恋をしてしまいました。 話の切り取り方の妙なのか、何てことない世之介の日常が キラキラとフワフワとしている。 吉田作品の中で1番の愛すべき人物だと思う。 こんなにも普通で恐らくそれほどでもない容姿の世之介に恋をした理由は 世之介の彼女の祥子ちゃんがステキな女性になってたから。 彼女が世之介を思い返すシーンがとても好き。

    1
    投稿日: 2010.05.01
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    普通すぎる主人公の上京してからの大学一年間の物語。 長崎から上京して、バブル時代の風を感じながらも、毎日を生きていく。 なんとなく友達ができて、バイトして、サークルに入って、彼女ができて。 そのなんとなくの日々がこんなに愛おしいなんて。 夢や希望や感動や、そんなものを象徴するドラマティックな出来事はほとんどないのに、 間違いなく青春小説と言える読後感。 「悪人」から吉田修一に入った身としては、文章テイストの違いに驚いたけれど これだけ書き分け積み重ねられるって、この人すごいな。 カレンダー的に毎月の話がありながらも、 その合間に世之助と関わった人間の20年後が描かれている。 よくあるパターンであればクライマックスであるはずの、 カメラマンになる世之助や、人を助ける世之助をメインにした話はなく、 ただ人の会話のなかでさらりと触れているだけ。 それもまた、全体の飄々とした感じにマッチした終わり方だった。 よく「平凡な自分」とか「意味のある人生」とか言うけれど それを突き詰めたり躍起になって考えたりしなくても、 本当は誰もが誰かに影響を与えていて、世の中は回っているんだなと。 言葉で「いるだけで意味がある」とか「知らぬ間に影響を与えている」とか言われても きっと何も響いてくるものはなくて鼻で笑ってしまうけれど、 この本を読んだあとであれば、その意味がストンと心に入ってくるようだ。 あたしも実は、たくさんいる世之助のなかの一人なんじゃないだろうか。 そんな小さな嬉しさや望みを感じながら、 クスッとニンマリとしながら、もっと世之助の世界に触れていたいと思った。

    0
    投稿日: 2010.04.27
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    横道世之介という一人の男の人生の一瞬を描いた作品。 大学で初めて上京して、いろんな人に出逢い、いろんなことを覚えていく人生の一瞬・・・。世之介が出逢った人たちのその後は書いてあるのに肝心の世之介は・・?と思っていると、みんなのその後の日常に少しづつ登場してくる。この書き方は面白かった。2010年本屋大賞3位。

    0
    投稿日: 2010.04.27
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    大学進学のために九州から上京した、「横道世之介」くん。彼の入学からの日常の一年間を描いています。 特別カッコイイわけでもなく、秀才でもなく、スポーツ万能でもなく…。ごく、ごく普通の男子です。 出会った人たちに翻弄されながらも、呑気に大学生活を送っています。成り行きで入った、サンバサークル。超お嬢様との出会い。 などなど、一つ一つのエピソードが可笑しくて、笑いながらも、彼の素直さ、穏やかさに魅かれていきます。 彼の一年を追いながらも、所々に彼と関わった人たちの20年後のストーリーが挟まれています。 特別なものを持っていないけど、彼の人となりが、周りに少なからず影響を与えていることに気付きます。 愛すべき世之介くんです。

    0
    投稿日: 2010.04.27
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    青春時代に世之介と出会わなかった人がこの世の中には大勢いるのかと思うと、なぜか自分がとても得をしたような気持ちになってくる-。懐かしい時間。愛しい人々…。風薫る80年代青春群像を描く。 ホッとする物語だった。この作品の前に読んだのが飴村行のスプラッター系ホラー小説だったことを差し引いても、だ。ストーリーが終盤に差しかかる前に世之介のその後を描いた狙いはよくわからなかったけれど。 (A)

    0
    投稿日: 2010.04.26
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    どこにでもいる ごくごく平凡な大学生のはなし だけど 誰にでも重なる部分がある と、思いました。

    0
    投稿日: 2010.04.26
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    いやぁ、ひさしぶりの心地よい読後感。世之介の最後の状況にはちょっと唖然としたけど、全体的に、さわやかに読み通せた。でも、こういう時間的に前後する逸話を、前後して挟み込む、というスタイルは、最近の作家さま連中の流行りなのかな。わたしは、ちょっと苦手なんだけど〜^-^;

    0
    投稿日: 2010.04.24
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    世之介いいやつだなぁ。 人間的に魅力的な人が描いてあるとほっとする。 友人らにふっと思い出してもらえる人になりたいもんだ。

    0
    投稿日: 2010.04.22
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    主人公の横道世之介の学生生活一年が描かれているが自分の学生生活を思いして重ねてしまいます 一気に読んでしまいました。

    0
    投稿日: 2010.04.22
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    ◎第7回(2010年)本屋大賞第3位。 ◎第23回(2010年)柴田錬三郎賞受賞作品。 2010年5月18日(火)読了。 2010−42。

    0
    投稿日: 2010.04.21
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    内容紹介 横道世之介。 長崎の港町生まれ。その由来は『好色一代男』と思い切ってはみたものの、限りなく埼玉な東京に住む上京したての18歳。嫌みのない図々しさが人を呼び、呼ばれた人の頼みは断れないお人好し。とりたててなんにもないけれど、なんだかいろいろあったような気がしている「ザ・大学生」。どこにでもいそうで、でもサンバを踊るからなかなかいないかもしれない。なんだか、いい奴。 ――世之介が呼び覚ます、愛しい日々の、記憶のかけら。

    0
    投稿日: 2010.04.20
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    綺麗なほうの吉田修一。しかも最もっていうほど綺麗なほう。 上京して大学生となった青年の一年。 主人公は常におろおろしているのか或る意味落ち着いているのか、 優しくてお人よしで時には滑稽で可愛らしい。 ふたつの時間軸が交差する。 主人公に関わった人は長い年月をかけて彼のことをすっかり忘れている。 けれど、ふい思い出す時は必ず少しだけ笑ってしまう。そんな存在。 誰かのそういった存在になれることって素敵だなって思うのだ。

    0
    投稿日: 2010.04.16
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    バブル期あたりの話で感情移入できるかなぁと懸念しましたが大丈夫でした。 憎めないキャラの横道くん。こういう感じのひと大学時代にいたなーと昔が懐かしくなりました。 あと携帯電話のないやりとりがすごく懐かしかった。

    0
    投稿日: 2010.04.01
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    本屋大賞にノミネートされていたこと、またひいきの吉田修一なので買ってみたけど、どちらかというと「パークライフ」に近い感じの作風で、登場人物のキャラがよくつかめないまま淡々と物語が進んでいく。(そういうのを好きな読者も多いのだろう) 実際の事件をもとにした最後の落ちが、ちょっと強引すぎるかなと思いました。

    0
    投稿日: 2010.04.01
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    よかった!!(#^.^#)最初は、よくある「田舎から東京に出てきた呑気な大学生の青春+成長物語」かなぁ、と思ってゆる〜〜く読んでいたのですが、途中からあれれ???時代がリアルタイムではなくてバブルのころだから、平成の現代から振り返るという趣向はもちろんアリだと思うのだけど、そこに効かせたヒネリが、さすがに吉田修一、一筋縄ではいきません。世之介は、ただの能天気なノンポリ(古いよね、私。)学生に見えて、実際ずっとそうだったのだけど、周りの人たちが卒業後、彼のことを思い出すと、自然に笑顔が出てしまうという「功徳」があったんだね・・・。話の大半は世之介が東京に出てきてからの一年ほど。学生時代の一年って、それまでの18年間全部をひっくり返してしまうほどの驚きや価値観の変換に満ちていた記憶があるから、なんかもうしょうがないなぁ、世之介、と思いながらも、そこは素直に読むことができた。でも、突然平成の時代になり大人になってしまった姿を読者に見せてくれる世之介のかつての友だち連中がとてもいいんですよ。世之介の「現在」については、本の半ばほどでさらりと明かされてしまうのだけど、それはないでしょ〜〜!と思いつつ、そういえば伏線があったなぁ、と。上手いよね、吉田修一!世之介が撮り始めた写真の描写がまた素晴らしい。そして、そのあたりのいきさつを祥子がすっかり忘れているところも。こんな、ある意味地味な作品を本屋大賞のノミネート作にしてしまうなんて、書店員さんたち、やるじゃん!!!でございます。(#^.^#) (#^.^#)

    0
    投稿日: 2010.03.29
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     横道世之介という普通の青年の話。「悪党」のイメージが強烈で覚悟してたんだけども、穏やかな話でした。  そう言えばこんな事件あったなあって。アニファのカメラマンの方だったからよく覚えてます。  淡々と進んで淡々と終わった感じです。しかし、よくもわるくもすぐ忘れそう……。  過去の中に現在が織り込まれる手法が好きでした。

    0
    投稿日: 2010.03.27
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    横道世之介。 長崎の港町生まれ。その由来は『好色一代男』と思い切ってはみたものの、限りなく埼玉な東京に住む上京したての18歳。嫌みのない図々しさが人を呼び、呼ばれた人の頼みは断れないお人好し。とりたててなんにもないけれど、なんだかいろいろあったような気がしている「ザ・大学生」。どこにでもいそうで、でもサンバを踊るからなかなかいないかもしれない。なんだか、いい奴。 《2010年3月23日 読了》

    0
    投稿日: 2010.03.23
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    読み終えて、自然と涙でてきた。温かいキモチになって、少し昔のコト思い出したりした。 世之介の話なのに、何故か相方の顔が思い描かれて、 地方から東京に出てきた位しか共通しない気がするんだが。。。 不思議。 身近にホントに居そうと言うか、あたしの通り過ぎた日々の中に居たんじゃないかなあ、 世之介。 あの頃のあたしも、物語に居そうです。 久々に温かい話でほっこりした。

    0
    投稿日: 2010.03.20
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    吉田修一の初読本。人との出会いに素直になれる時期、それが20歳前後なのかもしれない。昔の仲間に会うとそのときの自分に戻る感覚。そんな小説。でもそのキーとなる人は思い出の彼方なんだなぁ。

    0
    投稿日: 2010.03.18
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    ひょうひょうとして、どことなく不思議な魅力?の横道世之介君のお話。 最初こそ、つかみどころのない本書に 退屈ではないけど、これって面白いのかなー?…と、 よくわからないまま読み進めた。 祥子ちゃんが出てきたあたりから面白くなってきて 最後はやっぱり「おもしろかった!」と余韻が残る様に 不思議な魅力の一冊です。 そして、ちょっとだけ じーんとしました。

    0
    投稿日: 2010.03.17
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    長崎から大学進学のため東京にやってきた、横道世之介の話。 主に大学1年から2年。 文章のかんじとか雰囲気が心地よかった。

    0
    投稿日: 2010.03.15
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    「片手を挙げて電車に飛び込んだこの若者、名前を横道世之介という。今からちょうど一年前、大学進学のためにここ東京へやってきた十九歳。この一年で成長したかと問われれば、「いえ、それほどでも・・・・・・」と肩を竦めるだろうが、それでもここ東京で一年間を過ごしたのは、間違いない。」 なんだか、なんだか、とっても良かった。 読後感が驚くほど、爽やかで、ほんのちょっとだけ切なくもなるんだけれど、とにかく、良かった、と思わせてくれるから不思議だ。 最初はただの、青春物語か?と思ったけれど、それだったら本屋大賞ノミネートはないな。 途中途中に入ってくる、未来のあの人たちの回想があって、ちょっとずつ世之介が変わっていく、そのさまが、なんだかとても好印象。 不思議だ。 しかし、やはり、あの結末はなんとなくやりきれない。 そうであることが美しいとしても、やっぱりやりきれない。 がんばっててほしかったのだ。 【3/9読了・初読・市立図書館】

    0
    投稿日: 2010.03.13
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    世之介と出会った人生を垣間見ることができた。何も変わりはないが、自分もとても得した気分になった。その後から事故までの世之介の人生は想像しかできないが、彼と出会った人たちはやはり得をしたにちがいない。

    0
    投稿日: 2010.03.08
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    読後感、最後はしんみりというかせつない気持ちになったけれど、全体的に軽やかで温かく同時代を過ごしているような一体感があった。 最近の犯罪ものシリーズとは趣を異にしたお薦めの一冊だと思う。

    0
    投稿日: 2010.03.04
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    くすっと笑いあり、少しほろっとさせる世之介の青春。読み終わった後の余韻がたまりません。同じ世代ではないのですが充分楽しめます。

    1
    投稿日: 2010.03.02
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    「~である。」という語り口が面白かった。面白かったである。 一番好きなキャラクタは祥子ちゃんである。 結局、一番楽しかった時期って大学時代なのかなぁ…とほろり。

    0
    投稿日: 2010.02.28
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    自分の学生時代を思い出し、懐かしく感じました。当時の想いや感じ方・・・今はなくなってしまったような気がしています。装丁とタイトルに惹かれ購入したけど良かったです。

    0
    投稿日: 2010.02.27
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    なんの撮り得もない…むしろ、ぽやっとした横道世之介。 強い自己主張はなく人畜無害。 のわりに、何気にずうずうしいところがあったり、と同時に憎まれない人懐こさもあって、不思議と人が集まってくる。 そんな大学生が状況した日からの1年をただ綴っているだけ。 友達ができて…サークル、バイト、女の子…それだけの話。 だけど、彼の過去も未来も含めて「ああ、横道世之介と云う男がこの世に存在したんだなぁ。」と云う人の心に残る圧倒的な存在感が彼にはある。 80年代バブル期を過ごした彼の大学生生活には「ダンパ」「ポパイ」「ねるとん」と、その時代を知っているだけに思わずクスリとしてしまうことも多く、つい引き込まれてしまうという感じ。 読んでしまったあとに、また1ページ目を開いてしまった。 そんな…愛しい世之介の青春の1ページ。

    0
    投稿日: 2010.02.27
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    名前に惹かれて読書。 ・あらすじ 長崎の港町生まれで、東京に進学した横道世之介。 その嫌味のない図々しさが人を呼び、そのお人好しさで人におせっかいを焼く。そんな彼の青春を描いた作品。 面白い!! 別にドラマチックな展開があるわけではないんだけど、世之介の図々しさと、お人好しな性格が故に厄介ごとに巻き込まれる姿がやけに面白い。クスクス笑いがずっと続き、ページを進める手が止まりませんでした。周りにいそうでいない世之介が大好きになってしまいました。

    0
    投稿日: 2010.02.25
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    その時代にどこにでもいそうな大学生の世之介と、彼をとりまくどこにでもいそうな人たち。その彼らのどこにでもありそうなありふれた日常。そのありふれた、何気ない日常が読んでいてとても心地よく、羨ましい。ただの青春物ではなく、ほろ苦く、ちょっと切ない。世之介に笑わせてもらい、楽しませてもらい、そして泣かされた。吉田修一の新しい引き出しを見つけたようでうれしい。

    0
    投稿日: 2010.02.24
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    どこにもいそうな横道君。 なんでもYESと言ってしまう横道君。 ちゃっかりして図々しいとこもある横道君。 でも、憎めないやつな横道君。 そんな横道君の大学1年生のときのお話です。 普通の大学生の普通の日常のはずが、 なんだかめっちゃ面白い不思議な感覚! そして、バブル世代の自分にとって、 「ハートカクテル」の主人公になり丹前姿で 海沿いのホテル等ツボなポイントも盛りだくさん! そして、懐かしいポイントも盛りだくさん! 横道君!学生時代に友達になりたかった~。

    0
    投稿日: 2010.02.16
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    世之介いいなぁ。なんてことない”普通”の青年の暮らしの中に、かけがえのないものが描かれてる。ほっこり心に残る小説だった。こういう大学時代を送ってみたかった…。

    0
    投稿日: 2010.02.15
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    不思議な読後感の作品だ。少しおかしく、少し切なく。なんだか昔の知り合いに電話でもかけてみたくなる。周りの人一人一人の顔をじっくりのぞきこみたくなる。それにしても、携帯電話のなかった時代が時々つくづく懐かしくなる。読んでる途中何回もそう思った。

    0
    投稿日: 2010.02.15
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    これは80年代のお話で横道世之介という、地方から上京した大学生の日常を物語としています。当時の、友人の話とかも挿入してありなかなかおもしろかった、最後主人公がカメラマンになるんですが、そこはいろんな思いが交錯して結構うるっときました。

    0
    投稿日: 2010.02.01
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    取っつき難がられる私でも、きっと世之介くんは友達になってくれるだろう。 人を差別しない。薄っぺらいプライドや捻くれたコンプレックスなど持ちあわせていない。ヘンな遠慮はせず、いつも自然体。気負いなんていう言葉と程遠いところに居る。 ただしNOといえない。とにかく、NOといえないのだ。臆病とか自我がないとかいうのじゃなくて、気の乗らないことでも無理と思えることでも、なんとなく引き受けてしまう彼の心根の深さ。 本人はその深さを自覚していないけれど、絶対に彼の度量は深い…と思う。 とても頼りなさそうなのに、事が起これば親身になる。一生懸命というわけではないのに、結局は一生懸命になってしまう。 優しくあろうと無理しているわけでもないのに、結果的に優しい。ただ自然に優しい。 登場人物もみなそれぞれに好もしい。みんな違ってみんな良い。 とりわけ祥子ちゃん、彼女にはページを進む毎に惹かれてゆく。 400ページ余の作品が飽きることなく、辞書も不要で一気に読めてしまう。これはやはりスゴイこと。 進学のため田舎から上京してきた学生の日常を、ここまで自然に描けてしまうのは吉田氏の力量と思う。描きすぎもせず描き足りなくもなく、こんなにも“そのまま”を切り取れる、それって高い技量あってのことだもの。 登場人物の会話がとてもいい。掛け合いが見事なのだ。クスッとさせられるエキスがそこかしこに溢れている。40代の著者がここまで学生の会話を表現できるなんて、きっと今もどこか青くて切ない心をお持ちなのだろう。 世之介くんの描写は学生のままで終わっている。そこから彼が突然人生を終えるまでの20年間に、きっとどれほど多くの優しい絆が結ばれたかを想ってみた。 学生の世之介くんに「今会ったばかりだけど、友達と思ってもいいですか?」と訊ねたら、「あ、いいですよ。俺、横道世之介っていいます。で、この名前の由来を知ったのが中1のときで…」なんて、訊いてもないことを延々話してくれそう。 面識はないのに、架空の人物なのに、心をこめていいたい。 世之介クン、ありがとう。あなたに会えて、ホントに嬉しかった。

    1
    投稿日: 2010.01.31
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    いや、思っていたよりずっと良かった。始めフムフムと読んでいた、普通に。なのに、読み終える頃涙がこぼれている。多分、祥子ちゃんと同じだ。呑気で、隙だらけで、ずうずうしくて、でもしつこくなくて、何より相手をそのまままるごと認めている世之介に会えて、本当に良かった。読んだ後、ゆっくり温もりとせつなさが心にひろがっていきます。

    0
    投稿日: 2010.01.27
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    図書館で借りる。 バブル黎明期の東京の大学に入学することがきまり、九州の田舎から主人公が上京 する。 物語の中心は、田舎育ちの主人公が最初は頼りない雰囲気を醸し出しているが、 次第に東京の生活にも馴染んで、それでもネッコのいい人部分はやっぱり変わらない世之介。 登場人物の約20年後の現代と交差して、物語は進んでいきます。 アラフォー世代にはきっと懐かしい雰囲気なんだろうなぁ。 私には御伽噺で聞いたことあるレベルの時代ですが、うらやましいですね、バブル時代・・・ 主人公の世之介は基本いい子なんだけど、それでもちょっとした虚栄心からとか、つい流されてしまう 性格が災いして、色んな事件に巻き込まれ・・・ 読み終わってほっこりします。ぜひ読んでみてください♪

    0
    投稿日: 2010.01.27
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    田舎から上京した世之助の 大学1年生の1年間を描いた物語。 各章ごとに当時世之助と縁があった友人達のその後が描かれている。 世之助との大学生活を懐かしむ人もいれば 薄い記憶しか残っていない人もいる。 でも誰もが当時を、そして彼を思いだす時 なんだかココロがほっこりしている。 世之助が大学入学した時、世はバブル真っ盛り。 まさに同世代。 大学には行かなかったけれど、 読んでいて懐かしい気持ちになる。 決してインパクトの強い話ではないけれど 世之助の存在がココロにしっかり残るフシギな物語。 【図書館・初読・1/21読了】

    0
    投稿日: 2010.01.22
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    何か最近本を読むスピードが凄く遅くなった。集中できる時間が短くなってきた。 何の変哲も無いどこにでもいるぐうたら大学生の一年間。 でもどこか違う。あぁ、こいつイイ奴だなと時々思う奴に出会うがまさにそれ。世之介と出会いたいもんだ。 それを20年後の世界からも見ているのが普通じゃなくていい。 ただ、こういった青春群像劇を読むとどうしても伊坂さんの『砂漠』と比較してしまう。 何だか、レビューまでへたくそになっている。

    0
    投稿日: 2010.01.16
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    こんな読ませ方ってあるのかなぁ。途中のあるキーワードから 突如、前半の世之介、後半の世之介、全く違う煌めきを放ちだす。 大学生活一年間の物語が全く別物に! キーワードを調べた挙句、当事者が世之介と同じ職業だったことに また愕然。 最後の怒涛のようなエピソードに感動しまくりました。 吉田修一さん、凄い人ですね。もっといろいろ読みたいです。

    0
    投稿日: 2010.01.16
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    横道世之介 吉田修一 なんてことはない普通の男の、普通の話がゆったりと書かれています。 ちょっとした会話のユーモアと少しホロリとさせる結末も、なんとなくいい。 途中途中にはさまれる、現在のお話との構成具合も自然にはまっていますね。 まぁ、こんな男が友達だったら間違いなくイライラしそう。だけどなんだか憎めないんでしょうね。 最近殺人、誘拐、監禁みたいなものばかり読んでいたから、ものすごく新鮮でした。 これは日常に疲れて、ちょっとストップしたい方にオススメ。

    0
    投稿日: 2010.01.15
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    永遠なんてないことに人はいつ気づくのかな。永遠に続くと思った人との絆もいつしか消え、別々の道を歩んでいく。それでも人との出会いは心の中に何かを残していく。名前も忘れた人のまいた種が、知らないうちに小さな芽を吹いている。だから別れても傷ついても、人は人を求めるのかもしれないな。ちょっとピントのずれた感想かな〜でも今の私の正直な気持ち。これから何人の人とであえるかわからないけれど、ひとつひとつの出会いを大切にしたいな。

    0
    投稿日: 2010.01.14
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    大学進学にあたり長崎から東京へ出てきた、横道世之介クンの1年間(+α)のお話。 『世之介』という名前は、井原西鶴の「好色一代男」の主人公と同じと揶揄されたときの彼の反応から、こいつはただものではないかもと思うべきだった。 最初は、ありがちなダメ男の上京話と思わせる。 その時代(20年くらい前)のよくある大学生の日常や出会う人々との逸話と思いきや、読み進むにつれてそう普通でもなくなってくる。 ありそう → ありそうでない → いやめったにない で、そんな世之介クンをだんだん好ましく思い始めるのです。 ほろ苦くもしんみり、後、じわっと暖かくなるそんな不思議な「横道世之介」です 祥子さんキャラが、一番人気だと思うけど、他の登場人物もそれぞれなかなかに魅力的ですよ。 “ディスカバー吉田修一”←古っ

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    投稿日: 2009.12.27
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    どこにでもいそうな大学生、世之介の40迄の人生を綴る。軽い筆致で明るい。時系列にしたがって展開しないので、人生のおしまいを知りながら、若い世之介の生き方を読み進んでいく構成になっている。 だんだん世慣れてきた世之介のことを同じアパートの女性が「今の世之介なら初対面で声をかけたりはしなかっただろう」という内容を語る部分が心に残った。

    0
    投稿日: 2009.12.23
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    あっという間に世之介のファンに。 私と同世代。 学生時代の匂いや空気、ふわふわしたような気分、 時は過ぎるものという事実さえ気付かなかったあの頃を やんわりと思い出しました。 その時代への触れ方がとてもチャーミングで素敵。 いま、自分にも世之介という友人がいたような気がしています。

    0
    投稿日: 2009.12.19
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    よくもわるくも人畜無害なほんでした。 なのになぜか雑念がはいらずに無心でよめてしまう。ふしぎ。 感情移入できないほんは気楽だけどものたりない。 凡庸な大学生っていうすごく身近な主人公だからって身近に「感じる」わけでないし、まわりの誰かに似てると感じるわけでもない。 横道みたいな一般名詞の大学生、みたいなキャラの考えることは実は万人にあてはまることじゃないのかしら。 ぎゃくに「あの子の考えることは変」にでてくるみたいなブッ飛んでるキャラにこそ自分とか友達とかをあてはめてにまにましちゃったりする。 ふしぎである。

    0
    投稿日: 2009.12.18
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    (ネタバレ注意)九州から上京してきた大学1年生.いい加減なクラブ活動やら,バイト,友達の彼女の妊娠などが1年を通して語られて行く.途中所々にで20年後の挿話が挟まれて世之介が事故死したことがわかる,彼女が簡単にできすぎてしまうところなどもう一つ主人公に感情移入できなかった.

    0
    投稿日: 2009.12.16
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    ひたすら考えることを意識しながら読んだ「悪人」のときとは打って変わって、何も考えずにリラックスして読んだ。ここまで対照的で、かつ魅力的な作品を書くことができる小説家はなかなか見当たらない。 登場人物の魅力や4年間の世之介エピソードによって、なんでもない平凡な大学生活がとても輝いて見えてくる。大学生であるじぶんの今という時間の大切さを感じ、とてもしあわせな期間を過ごしているということを再認識した。 ★心に響いた言葉 大切に育てるということは「大切なもの」を与えてやるのではなく、その「大切なもの」を失った時にどうやってそれを乗り越えるか、その強さを教えてやること

    0
    投稿日: 2009.12.15
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    20数年前の学生の1年と彼に関わった人の現在がシンクロして展開。 どこにでもいるような青年「横道世之介」。 吉田修一らしい登場人物の意外な末路。 どこでどう結びつくのだろうとわくわくしながら読み進めた。 加筆・修正したためか、一部で、世之介を客観的に扱うような文体が突如として出てきた。ちょっと不思議だった。 *** 「ただね、ほんとになんて言えばいいのかなぁ…。いろんなことに、『YES』って言っているような人だった」

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    投稿日: 2009.12.09
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    どこにでもいそうな大学生の横道世之介が主人公。 こんなどこにでもいそうな世之介でも、彼に出会った人々はふとある瞬間に彼のことを思い出し、当時に思いをはせているのを見て、人と人とのかかわりの面白さにほっこりとした気分になりました。

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    投稿日: 2009.12.09
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    大学へ通うために上京してきたところは、大丈夫かしら? と母親気分で心配になってしまった(笑)。 世之介は、のんびりとした性格のようで憎めない雰囲気が出ている。 それなのにサンバサークルに所属している面白さ。 なぜかにんまりしてしまう。 お嬢様だった祥子ちゃんがバリバリのキャリアウーマンになって、ふと世之介を思い出すところなんか好きだなぁ。 写真、きっと後から「あぁ、あのときの」と思い出すのだろうね。

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    投稿日: 2009.12.04
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    <内容>なんにもなかった。だけどなんだか楽しかった。懐かしい時間。愛しい人々。吉田修一が描く、風薫る80年代青春群像。

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    投稿日: 2009.12.02
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    ストーリー的にはなんと言う事はないけども、世之介の魅力を読まされられた感があり作者の勝ち。読みやすく読み終えた。

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    投稿日: 2009.12.01
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    吉田修一さんの作品で好きなものに当たったことがないのですが、 テレビの書評に惹かれてつい・・・ 前半の軽さもニヤリとするほどの面白さに繋がらず、 最後に明かされる真実も驚くほど至らず、 でも、まったく面白くないわけでもなく・・・w そんな本でした。

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    投稿日: 2009.11.30
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    こんな時代、こんな生活あったなあ。12ヶ月の流れと未来を絡ませて、80年代頃の学生時代の雰囲気をプンプンさせています。

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    投稿日: 2009.11.28
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    なかなか面白い小説だった・・というのは、ちょっとした意味で。 この物語は長崎から東京の大学に入学する横道世之介(よこみちよのすけ)の大学生活1年間を綴っている。 その間には、友達との出会いやアルバイト、コンパにクラブ活動(サンバクラブ)、恋人との出会い・・等々。 様々なシーンが描かれるが、いずれもオレの大学生活にシンクロするのである。 その理由であるが、実はこの吉田修一という作家は、オレと同じ大学出身。ゆえに彼の小説の中に描かれる大学生の生活では、時々「ああ、あのあたりね・・」とリアルに想像できることが多いのだ。 今回も「日本武道館での入学式」、「神楽坂の居酒屋」「クラブの溜り場だった学生会館」・・こんな描写が出てくる。 このあたりが郷愁をそそるのだ(笑) もしも「世之介」が隣にいたら、いい友達になれそうな気がする・・

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    投稿日: 2009.11.22
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    なんか語呂合わせのような名前は、両親が 『好色一代男』から取ったとか。 長崎の港町から大学進学のために上京し 慣れぬ都会生活にあたふたしながらも少しづつ 広がっていく人間関係! 隙だらけ人間である世之介の日々奮闘ぶりが ユーモアと深みある文章で綴られていた。 周りを固めるキャスティングにも唸った そのうえ何といっても自分の若かりし頃とダブる 80年代青春。 あの頃見たテレビ番組、服装、映画、本・・・ 全てが懐かしさで溢れてるような感じがした そして、最後の母親の手紙には涙がでそうだったな~

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    投稿日: 2009.11.20
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    長崎から東京の大学に出てきたフレッシュマンの1年間のお話。 なんだかフレッシュマンの頃を思い出して懐かしくなった。 時代は80年代後半なんだが、20年後の現在の話も出てくる。 自分がこれまで出会ってきた人たちに、 ボクもなにかその人の人生に影響を与えたりしてるんやろか? と考えた。 でも人とのかかわり合いの積み重ねで現在があるんですよね。

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    投稿日: 2009.11.17
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    「2009年、これを読まなきゃ終われない」というアオリ文句に珍しく乗ってみた。「これを読まなきゃ」というほどの「感動巨編」ではないが、新聞連載小説にしては淡い色彩の、それでも眩しい青春の日々を生きている世之介のほんわかした80年代の日常が、確かに愛しい作品。実際にあった新大久保での事件と絡めてみたのは途中からの構想? 世之介のようなひとには、そのまま普通の大人になって普通に生きてる「今」が待ってても良かったのに。ドラマティックにする必要は必ずしも感じない。が、それとは別に、特にモデルというわけではないだろうが、結果として関根カメラマンというひとの生き方にも光を当てた作品となったことは良かったと思う。

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    投稿日: 2009.11.17
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    2009.11.14 図書館。 吉田修一と僕は同じ大学の同じ学部で、舞台となっている大学に僕も通っていた。学食、お壕沿いの遊歩道、飯田橋駅、ビリヤード場、産業概論・・・。懐かしい。読みながら当時の友達の顔が浮かぶ。みんな元気でやってるだろうか?社会を支えてるのは何でもできるスーパーマンみたいな人じゃなくて、世之介みたいな人なんじゃないかな?

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    投稿日: 2009.11.14
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    なんかよかったなぁ~最近の吉田さんの作品は悪意のある人間が登場することが多かったんですがそれとはまったく正反対の青春物語。 長崎から上京してきて『な、ん、か、ち、が、う、』っと思いながらあっちへふらふらこっちへふらふらする憎めない世之介。 インターネットも携帯電話もなかったバブリーでどこか浮かれたあの時代が懐かしい。 派手なドラマがあるわけでなくただなんでもない日々の出来事が楽しく心地よい。 20年たった今、みんなの中に世之介って奴が昔いたよなって優しく愛しく思い出す。

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    投稿日: 2009.11.08
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    2009/10/23-2009/10/24 この小説の内容に関する感想ではないが… 初めて新聞に連載された小説をリアルタイムで読み、改めて単行本として出版された本を読んだ。 今まで「加筆・訂正して出版」との断り書きのある本を何冊も読んできたが、今回のように加筆・訂正前後の両方を読んだのは初めて。 こんなに変わるものなのかとビックリ! 今まで新聞で連載されている小説を読む習慣がなかったが、これからは積極的に読んでみようと思った。 今後の私の読書習慣が変わるかもしれない、ある意味大きな存在の1冊。

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    投稿日: 2009.11.08
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    これは、いい。 俺の中では『悪人』を超えました。吉田修一の言葉はなんでこんなに簡単で、深いんだろう。。もっともっと評価されていいのに。。 読んでいて心底、世之介がうらやましかった。かっこよくもなければ、博識なわけでも、徳人でもないのに吉田修一が書くとこんなに魅力にあふれた人物になる。。 ま、きっと吉田修一の大学時代の自分と重ねているのだろうけど、とにかくうらやましい。 これは名作。

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    投稿日: 2009.11.03
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    上京した世之介の大学生活と周囲の人たちの15年〜20年後が描かれる。世之介の人柄とゆるい生活が心地よい。いつもの吉田修一作品とずいぶん異なるテイストです。80年代のバブルな時代感が思い起こされなつかしい。それと共に確かにあったが今はもうない喪失感が少し胸を刺す。あの頃今よりまだ他人との会話があったな。世之介は人にちゃんとつき合える人間で好感がもてるのだ。未熟なんだけど好きだ。大学時代の世之介が主人公であり、後の世之介は友人たちの回想である。世之介の一人称の語りはないので、もっと知りたい好奇心にひかれるように読んだ。心に響いたのはいいとこのお嬢様で世之介とつきあっていた祥子の回想。世之介と自分の距離が縮まった。世之介のような人間と出会えた人はしあわせだ。最後にあった手紙には心うたれた。

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    投稿日: 2009.11.01
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    横道世之介が田舎から上京して大学生活を始める場面から物語は始まる。カルチャーショック、個性的な友人、初めてのアルバイト、恋、そして・・・。六本木交差点でタクシーを止めようと万札を掲げていたという時代ならではの話や当時の流行やニュースなども織り交ぜてあり、80年代に学生生活を送っていたアラフォー世代にお勧めの小説。

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    投稿日: 2009.10.28
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    携帯電話もなかった80年代に学生時代を送った男の青春期。どこかぼーとしていて自己ちゅーなんだけど許せてしまう。「あー 大学生に戻りたい」と思ってしまった。

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    投稿日: 2009.10.27
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    大学生になった主人公世之介の一年間の日常と、彼を取り巻いていた友人たちの現在が所々に描かれる。読み終わり、世之介に切なさと共に愛しさを感じる。描かれてはいない大人になった彼の様子が、母親の手紙で想像でき、暖かい気持ちさせられる。

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    投稿日: 2009.10.13
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    吉田修一作品の真骨頂というかまさにそのもののような気がします。 横道世之介という主人公のことは、大学1年間の生活と40歳になって亡くなる時のことしか書かれていない。 この作品は実は世之介と出会った者たちの作品なんだろう。 彼と出会った取り巻きの者たちの今の生活はきちんと書かれているのに。 大学を出てからの彼はきっと、日常のありふれた場面をとる報道写真家として生きてきた。それは吉田作品そのものがそうであるように。そして彼や作品にふれた人たちが希望のようなものを感じて生きていけるように。  【hanabi】というミスチルの歌詞がぴったりきます。 『どれくらいの値打ちがあるだろう? 僕が今生きてるこの世界 すべてが無意味だって思える ちょっと疲れてんのかな 手に入れたもん引き換えにして 切り捨てた いくつもの輝き いちいち憂いでいれるほど 平和な世の中じゃない いったいどんな理想を描いたらいい? どんな希望を抱き進んだらいい? 答えようもないその問い掛けは 日常に飲まれて 君がいたらなんて言うかな?「暗い」と茶化して笑うのかな? そのやわらかな笑顔に触れて この憂鬱が吹き飛んだらいいのに 誰も皆 悲しみを抱いてる だけど素敵な明日を願ってる 臆病風に吹かれて 波風が立った世界を どれだけ愛することができるだろう 笑っていても泣いて過ごしても 平等に時は流れ 未来が僕らを呼んでいる その声は今君にも聞こえていますか? 誰もが問題を抱えている だけど素敵な明日を願っている 臆病風に吹かれて 波風が立った世界を どれだけ愛することができるだろう

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    投稿日: 2009.10.13
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    読み終わって涙しながら最後のページ うまいよ!でも反則だろっ 青春ものと思いきや、ダークなところが潜んでいて吉田修一です 読んでる時は面白いけど、そこまで世之介が良いって思わなかったんだけど、感想書きながら涙して、そうか〜とか納得した そんな自己満足なきりりちゃんの感想はこちら ってリンクできなくなってるよ! しかたない...「聞いてあげるよ君の話を」をググって下さい

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    投稿日: 2009.10.11
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    自分が大学生だったのは、10年以上前のことだが、 この小説を読んで、その時の恥ずかしい気持ちとか、 うれしかった思い出とか、いろんなことが思い出された。 大学に入学して、いろんな人と出会いながら、世界が広がっていく。 そんなことがこの小説では描かれていて、 誰でも、すっと、この主人公の横道世之介に寄り添うことが できるのではないかと思う。 世之介が出会う人たちがみんな魅力的で、 穏やかな連携の中で、つながっている。 そんなことも読んでいて、温かな気持ちになった。 世之介が40歳になるまで、どう生きてきたのか、続編を読みたくなった。

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    投稿日: 2009.10.10
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    ”横道世之介” は、大学進学と同時に東京での生活が始まります。 緊張の中にも、好奇心イッパイの 世之介 の様子が 読む側にも伝わってきます。 友人も出来き、生活も楽しいものに変わっていく。 そんな中、恋人 ”祥子” に出会った事から 話は面白くなっていきました。 世之介 と関わりのあった人たちの現在の様子も織り交ぜて書かれていました。 大学のキャンパスで世之介と一緒に歩いてみたい。 そんな愛嬌のある 横道世之介 が活き活きと描かれていました。

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    投稿日: 2009.09.27
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    地方から東京に出て大学生活を始めた横道世之介の4月から3月までの1年間の物語。わずか1年の間に世之介に深く浅く関わった人たちの20年後の回想も織り交ぜながら物語は進む。一見すると世之介の恥ずかしい青春譚であるが、実のところこれは世之介自身の物語ではなく“彼が生きていた証”が生まれる物語なのだろう。そのため著者は三人称を用い、世之介及び関わった人たちのシーンを距離を置いてみせてくれる。それは世之介が人々の心に残していった記憶の断片のようだ。随所に見られる吉田修一らしい言葉の選び方が、このベタになりがちな物語に質感を与え、世之介の人物像を透明感のあるものにしている。弱ぞーで優柔不断な世之介が何故か魅力的に見えてくるから不思議だ。登場人物中最も萌えなキャラはなんと言っても“与謝野祥子”さんでしょう。世之介以上に浮世離れした彼女は、実質この物語の主人公と言っても良い存在感をみせてくれます。この物語はTVドラマや映画など映像作品にすると面白い素材だと思う(事故の設定は改変が必要だろうし、映像化はパレードの成否にかかっているかな?)。ただし、映像化の際には実写ではなく是非アニメ化していただきたい。また、その際に祥子の声をあてるのは是非“能登麻美子”さんにしていただきたい。祥子の声はそれ以外考えられないので心よりお願いする次第だ…。

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    投稿日: 2009.09.20
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    吉田さんにしてはちょいとアンチスマート大学生 横道世之介が主人公。 九州から進学のために上京してきた日からほんの1年の間と、その10〜20年後の友達の人生が描かれている。 学生時代が80年代で、ケータイもパソも持っていない時代の大学生ライフがめちゃめちゃ懐かしい アタクシも下宿してたから友達の部屋に入り浸って暑いの寒いのお腹すいたのって文句ばっかり言ってたこと思い出したり。 何をとっても「並」で、熱い情熱とか怠惰な生活とか、とにかくそういう極端なモノはなにもない世之介が自分の人生を自分の足で歩き出そうとしたところで物語は終わる。 なぜ終わるのかは中盤で明らかになっているので、読者はどうしてそういうことになったのかを想像しながら読み進めることになる。 大学時代に世之介と知り合った友人達が十数年後に彼のことを思い出すのだけど、その思い出はみんな楽しかったことばかりなのである。 それってすごいステキなことだよな。 自分もそうでありたい、って強く思った。

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    投稿日: 2009.09.17