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私の男
私の男
桜庭一樹/文藝春秋
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総合評価

628件)
3.8
154
213
149
43
14
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    図書館で。 直木賞を取った作品だったかなぁとタイトルだけは知っていたのですが父と娘の不義密通のようなお話と聞いたのでなんとなく敬遠していたのですがまあ読んでみるか、と手に取ってみました。お話の好き嫌いはともあれ最後まで読ませるだけの力のある本だなぁとは思いました。 とはいえ。好き嫌いで言ったらどう考えても好きになれないお話だし、好きになれない登場人物ばかりです。集落全員が知り合いというような小さな町で住むにはあまりに適さない父娘ともいえるかもしれない。そういう意味では早いうちに東京都か都会に出てきた方がよかったのかも。いや、二人が納得して幸せならそれはそれで良いと思うんですけどね。他人は巻き込まない方が良いんじゃないかなぁ?ムスメのダンナとか良い面の皮って感じです。だけどまあ他でもない本人が彼女のそういう暗いところに引かれたんだから自業自得なのかもしれないけど。 二人だけの世界で満足している人たちがでも二人だけじゃ生きていけない世界で暮らしていかなくてはいけないのは不幸だし、周囲にとってもとても迷惑だなぁ。違う観点から見たらものすごい幸福な二人なのかもしれないけれどもタイムリミットがあると二人ともが思っているため不幸なのかも。年老いてヨレヨレになるまで誰も別に責めたりしないから一緒に居たらいいのにねぇ。まあ本の題材にするにはある程度見栄えの良いところで終止符を打たないと美しくないとは思うけど。

    1
    投稿日: 2016.07.26
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    なんだろうね、この気味の悪さ。ホラーじゃないのに背中をゾクッとさせる感覚だ。 家族とか親子がテーマなのかもしれないけど、ここで描かれるのは歪んだ愛情だ。これが半端なく気味が悪い。 9歳のときに震災で家族を失った花。その花を引き取り養父となった淳悟。この物語は、40歳の淳悟と24歳の花を描いた第一章から、時間を遡る形で描かれている。 第一章は結婚を目前に控えた花の視点で、新婚旅行後まで。 第二章は、花の夫の視点で、花との出会い。 第三章は、淳悟の視点で、高校2年生の花。 第四章は、花の視点で、同じく16歳の時代。 第五章は、淳悟の恋人の視点で、中学入学前の花。 第六章は、花の視点で、十歳のときの震災から淳悟との生活までを書いている。 時代がどんどん遡る構成も珍しいけど、全編を通して流れるある種の気味悪さ。ハッキリと描かれているいるわけじゃないけど、二人の背後に「事件」のようなものを感じさせる描写。それが明らかになったときの、なんとも言えない感覚、この小説、すごい・・・。 主人公の花・・・かわいくない。というか、この小説の気味悪さの原因は、この少女にあると思う。淳悟も病んでるし、こんな親子が居たら、ホント気持ち悪い。 でも、どこかに居そうな気がしてくるんだよなぁ。これは作者の筆力の高さのなせる技だな。 淳悟や花の育った背景なんかも描かれてるんだけど、違和感を感じない。現実にこういう境遇で育つ人も居るだろうな、と思わせる。それだけに淳悟と花の病んでる姿にもリアリティが生まれてる。 淳悟と花の感情表現を抑えて描いてることで、気味の悪さが増幅されてる。読者が勝手に想像してしまうのだ。それも悪いほうへ・・・。 時代を遡ることで、最初に見えてなかった謎の答えが徐々に見えてくる。この徐々に見えてくるってところも、作者の腕なんだろうな。一気に謎の答えが判るよりも、章を進める事で少しずつ判ってくるんだが、これなんか、ジワジワと恐怖を感じるような感覚に似てる。 初の桜庭作品だったけど、良いものを読んだ。 ☆4個 背表紙~ 落ちぶれた貴族のように、惨めでどこか優雅な男・淳悟は、腐野花の養父。孤児となった十歳の花を、若い淳悟が引き取り、親子となった。そして、物語は、アルバムを逆から捲るように、花の結婚から二人の過去へと遡る。内なる空虚を抱え、愛に飢えた親子が超えた禁忌を圧倒的な筆力で描く第138回直木賞受賞作。 たしかに凄い筆力。 最後まで読み終わって、第一章を読み返してみると、二人の「これから」が気になる。

    1
    投稿日: 2016.07.21
  • 泥の中にいるような読後感

    好き嫌いは別にして、読後、ねっとりとして重い気持ちがなかなか忘れられなかった。 近親相姦、虐待等がテーマだと言う書評もあるが、 それだけでない。 人の幸せとは何か考えさせられた。

    0
    投稿日: 2016.07.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ずーっと気になっていたのを、文庫化したので読む。 近親相姦がテーマだが、隠れテーマは結婚(嫁に行くという表現)。 淳悟という男性の存在がいかに魅力的に描かれるか、が、 今作の成功のキーだが、なかなかよい。 特に娘への執着や、「血の人形」というフレーズがうまく効いている。 が、どうして女性はこういう少女漫画的な男性が好きなのだろうね。 身長が高くて肩幅があってだらしない服装で無精ひげで煙草を吸っていつもだるそうで。 少女漫画は好きだが、腐るほどこういう系統の男性を見てきた。 本当になぜだろう。 そして、これを読みながら、どうして自分が女性作家が苦手か、なんとなくわかってきた。 こともなげにセックスくらい描きますよという姿勢と、それでいてそのセックスを特権的に見てほしいという隠れた押し付けが激しいから、苦手なのだ。 それはぬめっとした文体にも現れているのだと思う。 (もちろん今作はセックス描写が必要だから別の話だが。) 時を遡っていく形式は、抜群。大成功していると思う。 2008年の描写が先にあるからこそ、1993年の花の感情が生きる。 とにかく、なかなかいい本だった。

    1
    投稿日: 2016.07.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    アルバムをめくる様に読み進める程、流氷の軋む音が聞こえる。そんな小説。 腐野花の一人称が「わたし」と「私」で区別されている部分に気が付いた瞬間の背筋の震える感覚を覚えている。 父と娘、男と女、息子と母。近親相姦を話の軸として、ふるびたカメラの中で回るフィルムのように様変わりしていく関係性が行き着く先に、安堵してしまったのはどうしてなのか、私にはまだ分からない。

    1
    投稿日: 2016.07.11
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    いつから?と、どうして?の疑問のまま読み進め、その始まりと動機、犯した罪に拭い去れない嫌悪を感じ、それでいて悲しいような切ないようなあたたかいような不思議な感覚をもたらした本だった。直木賞は納得。

    1
    投稿日: 2016.07.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あぁ,流石です、桜庭一樹先生! 一筋縄ではいかない青春系ミステリーと言えば桜庭一樹さんのお話が一番大好きです♪この話は複雑な恋愛関係だけでなく性的虐待、殺人などの犯罪とも関わりがある、とても奥の深いストーリーだと思う!いつ、何度読んでも考えさせられる。

    1
    投稿日: 2016.07.04
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    500ページ弱の文庫であったが、引き込まれるように一気に読んでしまった。現代から過去へと遡るように物語が構成されている、その中で明らかになっていく主人公である花と義父である淳悟の狂ったような関係。人間誰しもが欠落した部分を持っていると書かれているが、確かにそうかもしれないが、実際に自分ではその部分に関して欠落していないんだけど、理解出来たような、分からなくもないような感覚に陥ってしまった。単純に、幼子を養子に招いたらそんな関係になってしまうよなって思ったけど、物事はそんな単純ではない。ネタバレになるが、ちょっとだけ考えると淳悟が本当の父である必要はあったのか、仮に本当の父ではなくても、その様な関係になれたのでないか、でもやはり、本当の父親だからこそ、淳悟は花の前で子供になれたのか、そう考えるとよかったのか。いずれにせよ、素晴らしい小説。

    1
    投稿日: 2016.07.03
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    落ちぶれた貴族のように、惨めでどこか優雅な男・淳悟は、腐野花の養父。 孤児となった10歳の花を、若い淳悟が引き取り、親子となった。 そして、物語はアルバムを逆から捲るように、 花の結婚から2人の過去へと遡る。 内なる空虚を抱え、愛に飢えた親子が超えた禁忌を圧倒的な筆力で描く第138回直木賞受賞作。 「私の男は、ぬすんだ傘をゆっくりと広げながら、こちらに歩いてきた。」

    1
    投稿日: 2016.06.22
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    映画を見て原作も読みたくなり購入。 重い。暗い。気持ち悪い。読むと気分が悪くなる(小説としては良い意味で)

    1
    投稿日: 2016.05.31
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    風景描写と、台詞の運びが好き 「お、」の意味が分かった時、ぞっとした 薄暗くて、苦しくて、好き嫌いは分かれる話だと思うけど、私はすごくすきです

    1
    投稿日: 2016.05.31
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    何となく手を取って読んでみた。 読んでいくほど、辛くなるような内容。 始めは、ただのOLの恋愛話、その陰にいるなにやら怪しい育ての父親 それがそれが、育ての親が、私の男! そして、本当の父親 しかもそれが9歳から

    1
    投稿日: 2016.05.21
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    読んでる期間は読んでても読んでなくてもひたすら暗い気分から抜け出せなくてつらかった。笑 自分の中であまりない感覚と感情だけど、怖いもの見たさでずるずる引き込まれてしまう力がある。 一見悪いのは男性に思えるけど、 真の怖さが女性に垣間見える瞬間からが この話のおもしろさなんだと思うし 伝えたい部分なのかなと思う。 すきな話ではないけど、 引き込まれてしまう力があるから☆4つ。

    1
    投稿日: 2016.05.14
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    直木賞受賞のあと映画化してたし、当時の知人が桜庭一樹さんが好きだって言ってたから気になっていた作品。 養父と娘の倒錯的な愛の物語。 文学作品としてどうか、という見方ではなく一人の人間として読んだとき、どうしても精神的な気持ち悪さは拭いきれない小説だった。 読んでいる間じゅう、あまり良い気持ちはしなかった。 でも単純なその感想は多分それほど間違ってはいないというか、もしかしたら作者も、読者の多くがそう感じることを想定した上で書いたのかも?と想像したりもした。最初から理解は求めていないというか。 震災で家族全員をなくした9歳の少女・花は、親戚である25歳の男・淳悟に引き取られ、養父と娘になる。 しかしそこには大きな秘密がいくつか隠されている。 物語は花が24歳になり結婚する場面から始まり、そこから時を遡っていく形で、様々な登場人物に視点を変えて進んでいく。 愛というより共依存に近い二人の関係。 それは複雑な生い立ちが背景にあることは読んでいてわかるけれど、とくに淳悟に関しては事実は分かれどその心理に迫った描写がほとんど無いから、彼がどうしてそうなってしまったのか理解出来ない気持ちが強かった。 そしてそれは、もしかしたら作者の狙いなのかもしれないと思った。敢えて心理描写を避けたのかもしれない、と。 花に関しても、元々いた家族に対する違和感を抱えていたことはわかるものの、冷めていてあまりにも全てを受け入れすぎている様が奇妙で、読んでいる側にも不思議な違和感を与えているように思った。 周囲の人々はみな、ごく常識的で、この二人はそういう常識的な人々を蹴散らしながら二人だけの倒錯した世界に生きている。お互い以外は何もいらない、というような世界。 それなのに場面は花が結婚するところから始まるから、それも奇妙でならない。 評価が難しい作品。文学としては多分凄いのだと思うけど、心理的にはなかなか受け入れ難い。 でも引き込まれてしまうのは間違いない。 後味が悪いような、でも変に惹かれるものがあるような、そういう小説だった。

    3
    投稿日: 2016.04.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画が素晴らしくて原作に入った場合、 大概は原作の方が奥深いのは、 想像力を支える言語が持つ力と、 作者の言葉の紡ぎ方に世界が宿るからだと思う。 原作が素晴らしいと映像化された時に、 その世界が限定され、 継ぎ接ぎにされたような無残さが残りやすい。 しかしながら本作のように、 映画が原作を凌駕しているものには巡りあうことが少ない。 もちろん小説という手法でもって描ける景色、心象風景、 何よりこの作品は、過去に遡る形だからこそ生まれる、 絶望とカタルシスの同居が秀逸なのであって、 もしかしたら原作から入ったら、 映像化にがっかりした部分はあるかもしれない。 だがしかし、なのだ。 淳吾の心理描写については、 映画くらい削ぎ落とされた方が、 2人だけの世界を浮かび上がらせ、 背景にある闇を想像する自由がある。 何よりも、 原作の「俺の、娘だ。もう俺のもんだぞ」を、 「今日からだ。俺はお前のもんだ」に言い換えた、 脚本の素晴らしさったらない。 洗練された映像と脚本に、 原作の言葉のセンスが若干劣るように感じたのは、 おそらく原作者の言葉のチョイスが、 ただ私に合いづらいだけであって、 作品が匂い立つような素晴らしい悲劇であることには変わりない。 余談だが、 原作で最も良かったのは、小町であった。

    1
    投稿日: 2016.04.19
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    ゴシックシリーズ以外の桜庭一樹を初めて読んでみた。印象としては気持ち悪い。過去に遡るにつれて根本が見えてはくるけど。歪んでる。けれども、ゴシックとは全然違い、いろいろな文章を描ける人なんだなぁと感心。すごいと思った。

    1
    投稿日: 2016.04.11
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    一気に読んだ。 なんだ、この引き込まれる感。自分の中の秘密が引きずり出された気分だ。 決してあってはならない情愛の形だけれど、どこかで肯定して共感したい気持ちになるのは、私も異常なのだろうか… 人は誰でも、常識から逸脱したい衝動を持っていて、でもそれを消化するのは社会性だったり理性だったりするのだろうけれど、ふと心のパンドラの匣を開けてしまうのか開けっ放しになっていたのかして、なんの規制も必要なかったような状態だと、剥き出しの情愛や衝動が一気に溢れ出してくる。それがこの父娘の二人の世界には許されていたというか、それがこの二人の当然の運命の絆のようなもの。 それはむしろ純粋そのもので、羨ましい気さえしてきた。 この作品は賛否両論あるようだが、私は、むしろ突き抜けて清々しい気持ちにもなり、再読したいランキングかなり上位!娯楽としての読者体験としてもかなり現実逃避させてもらえて満足!

    1
    投稿日: 2016.03.26
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    2013年の直木賞受賞作、桜木紫乃のホテルローヤルみたく現在から過去へ遡って行くスタイル。2度3度読むとどんどん深みが出てくるんだろうな〜と想像できるけど、複読しない私にとっては時系列に沿ったスタイルの方が合っているなと思いました。 Mar. 13, 2016

    1
    投稿日: 2016.03.18
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    『この子が淳悟からなにもかも奪っている、犠牲を強いている、と私はずっと思い込んで、嫌っていた。 だけど、本当は逆だったのかもしれない。淳悟が、この子の、なにかをずっと奪っていたのかもしれない。形のないものを。大切なものを。魂のようなものを。』

    1
    投稿日: 2016.03.09
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    読んでいくほどに切なくなりました。花と淳悟がどうしてお互いのものであるのかが、読み進めていくにつれてわかりました。

    1
    投稿日: 2016.03.03
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    けっこう衝撃な内容。実の親子が愛し合う。母親への愛?胎内回帰?気持ちは理解し難いけど、あるんだろうな、こんな愛し方。

    1
    投稿日: 2016.01.25
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    読み進めるうちにおもしろくなる本。 全部読み終わったあと第1章をもう一度読みたくなって読んだ。 はっきり言って異常なので読んでいて気持ち悪いけれど、それでも世界に引きずり込まれた。

    1
    投稿日: 2016.01.07
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    時が経つことで変わってしまうもの、消えてしまうもの。 それでもこの今は絶対的で誰にも汚せない。 いずれは消えてしまうとしても この今にとってはどこまでも切実で本物の現実。 終わりから始まり、過去へ遡るように描かれるいくつかの今、今、今。 汚れた二人の消えない約束。

    1
    投稿日: 2015.12.17
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    妄想?女臭すぎる!!光源氏なのか?しかし本当に手塩にかけて育てた子供と性的な関係を持てるもんなのか?きびしいな。 閉鎖的。女が男の母ちゃんで恋人で娘って甘えすぎだろ。女も男も自立しろ。孤独に耐えろよ。安易すぎ。

    1
    投稿日: 2015.12.16
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    エグかった。単なる恋愛小説かと思って軽く手に取ったが、途中、気分が悪くなってページを繰る指さえ汚れたものをさわるような手つきになるほど。大塩のじいさんが言う「越えてはならない線」に激しく同意、どういう事情であったにしろあってはならない親子間の関係に嫌悪感を抱いているものとして、これはあり得ないほどにグロテスクとも言える小説であった。誰にも感情移入できない、敢えて言うなら小町だろうか、ごく「普通」の感覚を持つ女。ただそこまで一読者に嫌悪感を抱かせるのはこの小説の筆力のなせる業か。特にふたりが愛し合う?性愛シーンは気持ち悪くなるほどに丁寧で激しい描写ではないのにものすごく深かった。共感できるところはまったく、なかったけれど。

    1
    投稿日: 2015.12.07
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    期待以上。 久しぶりに、小説の世界にどっぷり浸った。 ドロドロしたものを増幅したい時があって、多分その気分にあっていたのではないかと。

    1
    投稿日: 2015.12.06
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    9歳に震災で家族を失った少女が25歳のおじに引き取られて、洗脳されていく。彼女は、夫の下では幸せにはならないだろうなぁ。「俺のもの」とか「父と娘がいれば他に何もいらない」とか気持ち悪すぎる。子供も家族も誰のものでもない。冗長的な文章と感じ、時折斜め読み。

    1
    投稿日: 2015.12.06
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    映画にもなっていたし期待をしてしまっていて、近親相姦のことが近所のおじいさんにばれてその人を殺したところで、くだらなくて無性に悲しくなって読むスピードがもっと落ちてしまった

    1
    投稿日: 2015.12.05
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    さすが女性作家が描くだけあって性描写が美しい。男の人も女性が描く理想像なかんじがして、読み進めていくにつれてどんどん惹かれていった。

    1
    投稿日: 2015.10.11
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    終始、臭い・湿度・色彩を感じながら重苦しく読み終えた。モラルを逸脱した父と娘の近親相姦がテーマ。頑なに他人の意見を排除し2人だけの特別な関係に堕ちて堕ちて堕ちまくる。ストーリーも現在から過去に遡るにつれて堕ちて堕ちて堕ちまくる。「骨になっても一緒」のフレーズ通り徹底した2人の魂の一体化への生き方に、近親相姦もある意味許してしまう程。ホントは大塩さんの言う通り『世の中にはな、してはならんことがある』なんだけどね。

    1
    投稿日: 2015.09.25
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    今思えば、男性作家の本を読んだのが割と久しぶりだった。 たまらなくよかった。 二人だけの世界があって、でもそれは理想郷なんかではなくて、なるべく早く脱しなくてはならない。 だけど、あんまりに甘美な日常に、うっとりしてしまった。母性って、女性に生まれつき備わっているものなのか。子どもの存在で引き出される。子どもって、なんだろう。

    1
    投稿日: 2015.09.20
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    現在進行形の話が一番最初にあって(つまり、結論がすでに出ていて)、それから過去へ話が遡っていく、というストーリー展開は他にもあるだろうし、いまさら新しい手法とも言えない。 要は、その展開でも面白ければいいわけだ。 で、この「私の男」はどうかというと。 ……、イマイチ、かな。 「圧倒的な筆力」という表現があって、たしかにそんな感じはするけど、だからといって、それが面白さにつながっているかというと、そこはちょっと疑問。 なんか、背景もよくわからないままだったし。 桜庭一樹の他の小説も読んでみたいところ。

    1
    投稿日: 2015.09.18
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    ちょっと期待しすぎたかな^^; それほど引き込まれることは無かった。 ねっとりドロドロ系を多く読んでいるので 慣れもあるのかな^^; 悪くは無いんだけどね~ もっと短かったら良かったかも(^^)/

    1
    投稿日: 2015.09.14
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    どの立場から読んでも、終始重苦しい。 薄暗い世界を生きる花と惇悟。二人の世界がねっとりとした湿度を伴って、自分にまとわりついてくるような感覚でした。その感覚がどんどん麻痺して、読み進めて行くうちに、どっぷりハマっていたみたいです。 絶対に理解できないような世界が、桜庭さんの描写にかかると、なぜか少しだけ理解できるような感覚に陥りました。現実にあったら、拒否反応だけど、小説だから受け入れられる、そんな世界。小説の醍醐味なのでしょう。久しぶりに物書きの偉大さにひれ伏した。

    3
    投稿日: 2015.08.31
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    扱っている主題としては、個人的にはとてもアウトだけど、内容としてはとても素敵だった。素敵と言ってしまうと人格疑われるかもしれないけれど。 レビューっぽく言うと不完全な二人の奇妙な愛と共存関係、という感じ。懐古していく形で話が進むことで、序盤に描かれている花の様子にどんな意味や理由があったかわかる。人間的不完全さがとてもよく描かれていてすき。

    1
    投稿日: 2015.08.28
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    2015.8 帰省中に実家で見つけて。 5年前に単行本で読んだ時には惇悟に対する嫌悪感があって、読後感があまり良くなかったんだけど、今回、再読してみたら、前よりも面白く読めた。 再読だから、冷静に読めたのかな? 5年前は桜庭さんにハマって桜庭作品を片っ端かん読んでた時期だったから好きすぎて、禁忌の愛に対して、かなり抵抗感があったのかもしれない。(今もあるけど) 今回は、素直に物語にのめり込んで、面白かったなと思った。 物語の構成の凄さに感嘆。 また他の作品も再読したくなった。

    1
    投稿日: 2015.08.17
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    ガッカリするほどつまらなかった。    直木賞もピンキリなんだな。    実は本当はこうでしたっていうちょっとした驚きがあるだけで他は特に何にもなく淡々と文章が続いて、もしかしたら最後に何かあるかと期待したけど何も無かった……。    感想は、「私の男」になりたいなぁ。

    1
    投稿日: 2015.08.15
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    気付いたら物語の中。ミステリーでもなく淡々と話が進んでいくのに食い入るようにページをめくっていた。決してわかるはずのない感情ばかりなのにのめりこんでしまう不思議。体験してほしいです。 そして物語の構成が秀逸。タイムトラベルとも違う、現在から過去に戻っていく形の小説を始めて読んだが、物語を読み進めるに連れどんどん現在と過去が錯綜して駆け巡る。何度もシーンの描写をフラッシュバックさせる構成になっています。 そしてあとがきにも書いてあった通り惇悟の心象が一切書かれていない。かなり難しい設定でありながら彼のこころはわからないままだから読む方も彼の気持ちを汲もうと必死になり、また何度もシーンをふりかえってしまうのである。 わたしのとてもすきな1冊。読み終わってしまったのがさみしい。

    1
    投稿日: 2015.07.17
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    登場人物それぞれの視点で遡っていくので、読み終わってまた最初に戻って読んでしまった。どうしようもない許されない愛。狂っているけれど、生まれたときから愛を飢えていた二人の行き場のない寂しさのようなものは理解できました。でもやはり人には薦められない本ですね。

    1
    投稿日: 2015.07.02
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    最近映画化されました! 映画も見ましたがとても良かったです。 表紙の帯でテーマは「禁断の愛」となっています。 ある日孤児となった少女を若い親戚の男が引き取り、親子になります。 そして物語は、アルバムを逆からめくるように少女の結婚から二人の過去へと遡っていきます。 全体がなんともねっとりしていて、描写が細かく、かつ扇情的です。 要するに、かなり読みづらいです。サクサク読める感じでは全然ないです。 でもそれがこの小説の醍醐味とも思います。 メッセージがこれ!とわかる感じでもなく、ひたすら感覚に訴えかけるような印象です。 ですが、小説で描かれているのは禁断の愛というテーマから連想される衝撃的、センセーショナルなイメージとは違い、実は純粋な愛への飢えのように思いました。 余談ですが、映画は浅野忠信と二階堂ふみがその二人を演じています。 原作とはまた違った良さがある映画なので、そちらもおすすめです。

    1
    投稿日: 2015.06.27
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    愛なのか依存なのか。 求めても求めても埋まらない心のすき間。 感心するほど…ある意味で羨ましい。 重たく、切なく、読んでる間は鬱にも似た気持ちになる。 それにしても、色々と納得できないままで もどかしいエンディング。

    1
    投稿日: 2015.06.22
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    これはとてつもなくすごい本だった。 でも、人に勧められるかといえば、ちょっと躊躇してしまう。 好き嫌いがはっきり分かれる本だから。 100ページくらいまで、読むのがつらかった。主人公たちに対する、どうしようもない嫌悪感を抱えながら読むのは、つらい。 甘いような酸っぱいような、すえた匂いがページの間から立ち昇る。 何か、腐っている。 これは文体が喚起するものなのか。だとしたらすごい筆力だ。 それとも主人公の名字、腐野(くさりの)という文字に引っ張られているのか。可能性は大きい。 腐野花が結婚する前の晩から話は始まる。 待ち合わせ場所に現れる若い父、淳悟。 淳悟にあまり好い感情を抱いていないらしい婚約者の尾崎善朗。 誰一人、幸せそうではない顔合わせ。 結婚前の最後の夜。 家で交わされる父娘の会話は、父娘の会話ではない。男と女の会話だ。 なんだこれは。 この人たち、腐ってる。 しかし、乾いているのだ。彼は。彼らは。 カサカサと音がするほど。 おかしいではないか。 腐るということは、細胞が壊れて中の水分がしみ出してきて、体内の微生物が栄養たっぷりの体液を分解し、発酵または腐敗させるということで、カサカサ乾いたりしてはいないはずじゃないのか。 次の章は花と善郎の出会い。 その次の章は捨ててきた故郷から来た客。 章がすすむにつれて明らかになる二人の過去。 これは腐った父娘の物語というだけではなかった。 求めても求めても得られなかった親の愛情。 絶対的に親に従わなければならない呪い。 愛されることと支配されること。 腐りながら乾いていく彼ら。 花と出会う前、善郎が美術館で見た絵画。 絡み合う二本の木。チェインギャング。 鎖につながれた囚人どうし、という意味だ。互いにつながれているために、どちらも相手から逃げられないのだ。 人は皆、自分自身であるはずなのに、自分をわからないまま、互いの親となり、子となり、男となり、女となって、どこへも行けなくなってしまった二人。 二人でいるために、全てを捨ててしまった二人。 二人で生きるために、生きることをやめていたのかもしれない。 全くこれは間違っている。 でもどうしようもなかった。 互いを殺し、自分を殺しながら生きるふたりの想いの強さの前に、誰が、何を言えるだろう。 全くこれは間違っている。 桜庭一樹はそれを承知でこれを書いたのだ。 これを読み終わったとき、私の中からも何かがどろりと出てきた気がする。 どろりと出てきて、カサカサと消えた。 ふう、と、ようやく息ができた。

    1
    投稿日: 2015.06.17
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    みなしごの花を引き取った遠い親戚の淳悟。二人の近親相姦の話なのだけれど、途中、描写が生々しく、何度も本を閉じながらもなんとか最後まで行き着いた。二人の愛は最後まで共感できなかったが、離れられない血の繋がりだけはひしひしと伝わってきた。9歳だった花が大人になり、違う誰かと結婚するまでの話を今から昔へと遡っていく手法は好きでした。

    1
    投稿日: 2015.06.13
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    珍しく3日に分けて読んだ。 表紙の絵が、最初手に取った時は何とも思わなかったのに、章を追うごとにぞっとする絵に変わっていった。 花しか見えない、血塗られた手。 夜中に読んでたから余計怖かった。 最後の嵐の章を読み終わると、今度は どうしようもない、いとおしいような、 痛ましいような、離れてじっと見ていたいような そんな気持ちになった。 2人の欠けた部分は欠けたままで お互いを補い合っていく様が悲しかった。 あーそんな風にピースははまっていくんだね、と思った。 花が大人になっていく、その移り変わりは別に特別なものじゃないように感じた。 どこにでもある感じ。 だから自分の顔にも殺人者の印がもしかしたらあるんじゃないかって少し不安になっている。

    3
    投稿日: 2015.06.06
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    重苦しいまでに血の繋がりと性と情愛が混ざり合って、冬の黒い海みたい。物語のなかでは季節は巡るのに最初から最後まで厳しい冬を連想させる。

    1
    投稿日: 2015.05.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    賛否両論が分かれる作品だと思う。 親元から離れて、かつまだ母親にはなっていない今に読んで、よかったと思う。まだ父親と一緒に暮らしているときに読んだら、あるいは娘を持つ立場であったら、また感想は違ってくるのだろう。 本作は、簡潔に言えば実の父親と娘の禁断の愛を描いている。ダメ男だけどどこか憎めない(小町が言うように(ぶっきらぼうだけれど、ときどき妙に優しいこの人を、好きになるまでは簡単だ)読者にとっては魅力すら感じるだろう)腐野淳悟が、震災孤児となった花を引き取るところから時間は動き出す。(震災で亡くなった花の家族は、淳悟の親戚で、昔彼は預けられていた時期がある。その際に淳悟は花の母親に魅かれ関係を持ってしまい、そのときの娘が花である) 「子供を育てるってのは、仲間と気楽に過ごしたり、女と暮らすのとは違うんよ。淳悟くん、あんたは欠損家庭で育っとるし、家族ってもんの作り方がわからんだろう」 引き取る前にそうかけられた言葉の通り、淳悟は家族としての愛の与え方を知らなかった。彼は母親から愛を与えられた記憶がなかったので。花を通して母を探していた。 「血っていうのは、繋がっているから。だからもしも俺の子がいたら、そのからだの中に、親父もお袋も、俺がなくした大事なものが、ぜんぶある。……最近そう思うようになった」 現実にあったら許されない話だけれど、そうならざるを得なかった、なるべくしてなってしまった二人のこれまでのおかげで嫌悪感はわかず、むしろ可哀想に感じた。 あんなに大事だった「私の男」である淳悟と別れ、違う男と結ばれることを選んだ花は、多くの女性が共感できる部分を持っていると思う。決して、淳悟を嫌ったわけではなく、淳悟との関係に目が覚めたわけではなく、かといって内心は淳悟のことを想いながら美郎を選んだわけではなく、成長と共に見つめる先が淳悟と変わっていったのだろう。 自分が淳悟の立場だったら…花の立場だったら…ふたりのようにはならなかっただろうか?私は、そうは思わない。あってはならないことだけど、こんな禁忌、実は誰もが踏み入れてしまう可能性があるのではないだろうか。 だからこそ、いつか二人には幸せになってほしい。それがどんな形なのか想像することはできないけれど。

    1
    投稿日: 2015.05.31
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    直木賞受賞作には弱い。たまには小説読みたくなって読んでみた。 男性作家と思えない表現だなあと思ったら、女性なんですね。なるほど。

    1
    投稿日: 2015.05.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    構成が面白い。現在から過去にさかのぼってだんだんと謎の一片が見えてくるのが興味を掻き立てられて中盤までは一気に読んだ。が、なんだそういう話か~と分かった後半は読むのを止めようかと思った。 何とか最後まで読んだけど、感情移入できたのは、美朗と小町の章だけ。 直木賞作品だからと読んだけど、がっかり。

    1
    投稿日: 2015.05.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いままでいろんな本を読んで、この気持ちわたしも知ってるなって思うことは何度もあったけどここまで感情移入してしまうのは初めてでした。途中でくるしくて手が止まるくらい。 紋別に限らず田舎って閉鎖されてるから外のものを受け入れにくいし似通った固定観念を持ってて、こういう生温かい思いやりや仲間意識みたいなものがあって、わたしはそれがすごく気持ち悪かったです。 花と淳悟の関係はタブーとされてるものだけど、違和感も嫌悪感もありませんでした。 ふたりがふたりきりになろうとすると常識とか正義が邪魔になってしまって、そこで正義を貫こうとか型にはめようとした人たちが排除されてしまったんだろうなと思いました。 人が死ぬ死なないの違いこそあるけど、きっとみんなふたりきりを望んでいると思うし、そこで犠牲にしたものの大きさの違いというだけなのかな。 だれかをほんとうに愛するためにはそれと同じくらい憎まないといけないとわたしは思っていて、だから花のいう「最低で最高なの」ってことばは本物だと感じました。 欠損家庭で育ったひとは大人になってもおかあさんとおとうさんを求めて、もらうはずだった分の愛情をさがすんだと思います。 だいすきな一冊になったのでこれからもたくさん読みたい。

    3
    投稿日: 2015.05.03
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    章が進むごとに、過去に話が遡っていく構成。93年に起こった奥尻島での地震・津波が発端となったストーリー。いびつな親子関係、親子愛?、淋しく苦しく、時として身の毛のよだつストーリー展開。

    3
    投稿日: 2015.05.01
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     ひらたく言うと男と少女の近親相姦の話なのだけれど、そこは桜庭ー樹。生々しさを感じるよりファンタジーとして楽しむほうが、核心に触れられると思う。互いに繋がれて逃げられない、でもそこに幸せを求めあった二人の理由を解き明かしていく物語。  家族をなくした少女が、もともと自分に家族などなかったのだと気づく。何者でもない少女は海にいちど呑まれて半分妖しになった。自分では意識せぬうち、男の封印を解き狂わせてしまう。  リアリティのなさがかえって人間の心の動きを際立たせる。すぐれた少女マンガを想わせ、私は浅野忠信@二次元イメージで読んでいた。そういう読み方がいいかどうかはともかく、おもしろかった。

    1
    投稿日: 2015.04.28
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    映画を先に観てしまったので、 妄想半分、映画の2人がちらついてしまったけど、小説よかった。 こういうの好き。 淳悟みたいなの好き。 深い愛 。 間違ってるけど間違ってないよ

    3
    投稿日: 2015.04.13
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    第138回直木賞受賞作。『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』読後、ふしぎな感覚をもった。星4つでわたしの評価は高い。こちら『私の男』も、またダークな世界を描いたものだと感想を述べるにも、その闇が深すぎて手に負えない。花村萬月や村上龍よりは同じ女性作家の真梨幸子や沼田まほかるに通じるねちっこさが溢れている。それは男がしらない女性だけがもつ感覚というものなのか。

    1
    投稿日: 2015.04.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないを読み、作者に興味を持ち、手に取った。 正直かなり読みづらかった。同じ作者かと思うほどに。 まず、内面やら情景描写に抽象的なものが多くなかなか頭に入ってこなかった。 ただそれを強く感じたのは、9歳以外の花の視点のみで、美朗・小町・淳悟に関しては そこまででもなかった。 もう1つは、過去に遡るタイプの話なので、現代の時間軸にこれ以上の 影響は無いのだと思うと、単純に先の話が気にならずにページを捲る手が重かった。 しかし、1993年の9歳の花のシーンを読んで、今まで抱えていた疑問が一気に氷解した。 2008年の花のシーンにて、淳悟との強烈に歪んだ関係に至ったのは 彼女が家族愛を知らぬまま、淳悟に出会い育てられ また、淳悟も家族愛を欲したために共依存のような関係になったのかと。 倫理的に逸脱した二人の関係性に納得してしまうとは思わなかった。

    1
    投稿日: 2015.04.08
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    面白かったけど内容が重すぎた。 でも現代から過去に遡る手法と、淳悟と花の視点だけでなく美郎と小町の視点で書かれた章があったおかげで、ギブアップすることなくスイスイ読み進めることができた。

    1
    投稿日: 2015.03.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    学校の図書室で借りた本。 花は、9歳の時に津波で家族を失い、一人ぼっちになった。その花を引き取り、育ててくれたのが淳悟だった。やがて24歳になった花は結婚することになり、結婚式の前夜から話が始まり、花が引き取られるまでを記憶を遡るように、過去へと話が進んでゆく。

    1
    投稿日: 2015.03.29
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    社会通念という概念から完全に逸脱した、愛の物語。 汚いとか禁忌だとかそういう感情より先に、二人を美しいと感じてしまうような書きぶりに圧倒されてしまった。

    3
    投稿日: 2015.03.28
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    母が図書館から借りて読んでいたので、直木賞受賞作だということで、読んでみましたが。。。 読む価値なし。 個人的には、時間の無駄だったなと感じました。

    1
    投稿日: 2015.03.21
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    淳悟は、腐野花の養父。孤児となった十歳の花を、若い淳悟が引き取り、親子となった。そして、物語は、アルバムを逆から捲るように、花の結婚から二人の過去へと遡る。内なる空虚を抱え、愛に飢えた親子が超えた禁忌を圧倒的な筆力で描く第138回直木賞受賞作。

    1
    投稿日: 2015.03.18
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    情景を思うと気持ち悪くなるぐらいの、描写でした。 映画化されたので、あの二人がちらちらするし。 全然感情移入はできないけど、なぜか読み進められるタイプの物語です。

    1
    投稿日: 2015.03.14
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    2008年本屋大賞8位。第138回直木賞受賞作。 養父と養女の禁忌を、養女の結婚式から始まり養子縁組をしたところまで章毎に時代を遡っていくお話。 話が過去に向かって進んでいくことで『近親相姦=倫理に反する行為=気色悪い』という社会通念を逆手に取った形となり、単純に「この構成凄い」と驚かされた。

    3
    投稿日: 2015.03.12
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    同じような禁断の恋でも、兄と妹や姉と弟の組み合わせなら嫌悪感も少ないのですが、父と娘や母と息子という組み合わせはどうしても気色悪いと感じてしまう。 それなのに、ぐいぐいと読み進められたのは情景が思い浮かぶかのような作者さんの筆力ゆえでしょう。 過去へとさかのぼっていく中で、高校生の花ちゃんの女の情念みたいなものを感じる心理描写は痛くて、流氷の場面も地震の場面も鬼気迫るものがありました。 第三者から見た2人は例え恋人同士でも、嫌だなと思うような行為もあって(飴を交換するくだりとか)、歪みっぷりも半端なかったです。 それにしても、美郎くんはあの2人を間近に見てよく花ちゃんと結婚しようと思ったよなあ……。

    1
    投稿日: 2015.02.17
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    人形から人間へ、形作られ、感情を引き込まれていく花に のまれ、引き離され 久しぶりにどっぷり浸かることのできた作品でした。

    1
    投稿日: 2015.02.06
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    映画化で話題になったから読んだ。映画は見てないけど、浅野忠信で想像して読んだ。書いてあるままの淳吾だとなんか気持ち悪いから… 性的な描写など生々しくて少し気持ち悪いし、最悪な行為なのは確かなのにだんだん美しく思えてきて、正しいことのように錯覚してくる

    1
    投稿日: 2015.01.10
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    すごかった。 描写が激しかった・・・ 気持ちの激しさも、その描写も凄かった 内容は結構deepなので 嫌な人は嫌そうだけど私はすごく映画気になった

    1
    投稿日: 2015.01.04
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    書き出しが最高。 物語が遡っていくタイプの小説は初めて読んだけど面白い。わかりやすい 全てを語りすぎないところが非常に良い。

    1
    投稿日: 2014.12.26
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    気持ち悪い。唾液の件とか。 気持ち悪さもこの小説の良さかな。 答えが先にありその過程が明らかになっていく書き方は面白くて夢中で読みました。

    1
    投稿日: 2014.12.10
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    近親相姦を描いた作品。 重厚な雰囲気で描写が素晴らしい。 だがしかし重すぎて少しついていけなかった。

    1
    投稿日: 2014.12.06
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    読ませ方は直木賞って感じだけれど、描く内容面白さを語らせるならば芥川賞はじめ純文学側だろう。 源氏物語の、母と息子、父と娘の関係を現代に置き換えたらきっとこんな感じだろう。すげぇなおい、と思った。 通常、父と性愛関係を持つことは考えられないけれども、男に抱かれたときに父に抱き上げられたあたたかさを思い出すことはあるのではないか。 オイディプス王の物語は確かに浮かぶ、けどその感じ、構造?に、女のファザコンが絡みつく。現代になって女の自我がたんなる情念を超えてついにここまできたか!みたいな妙な期待感で、読んでいて心が踊りました。

    1
    投稿日: 2014.11.29
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    なんか、モヤモヤ感が残る。 二人の関係は正直キモイけど、血のつながった肉親と思うと、それだけ絆が強く、依存するものなのかなぁ。 淳悟のルーツに何があるのか、それが最後まで伏せられた感じですっきり感がないなぁ。

    1
    投稿日: 2014.11.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    時系列が現在から過去に遡って章立てになってます。 不思議な義理の親子?→親子? 近親相姦?? 殺人事件? なんだこれは? がんばって最後まで読んでみました。 だんだんテンポよく、読み進められ、 小説の構成としては、やるな…と思ったけれど、 後味もとても悪い。 しかもリアルの震災がきっかけとなってるし。

    3
    投稿日: 2014.11.16
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    全体的に気持ち悪い。家族の愛情を求めているのはわかるが、娘が孤児になった理由は津波でなくても良いのではないか… 後の展開を考えると不謹慎な気がした。 結局のところ、何を伝えたかった作品なのだろうか。

    1
    投稿日: 2014.11.12
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    二人の娘の父親として嫌悪感がいっぱいだったが、読み進んでその生い立ちを知ると、こんなこともあるのかな?という気持ちになる。 構成や表現はすごく良かったと思うが、感情移入はできない作品。

    1
    投稿日: 2014.11.11
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    実の父娘。生々しくお互いに依存している。 なんで肉体関係を結んでしまったんだろう。 読了後じわっとした嫌悪感でなんだか自分の父親に会いたいような会いたくないような。

    1
    投稿日: 2014.11.02
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    久しぶりにガツンとくる本に出会いました。ミステリーで直木賞作品という事ですが、むしろ純文学ですね。倫理的に嫌悪感を抱く人もいるかと思いますが、ある種の人間の業みたいなものを迫力ある筆致で描いています。この作家の作品を読んだのは初めてなのですが、他の作品も読みたいと思いました。

    5
    投稿日: 2014.10.22
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    本当にあったことのようにも思えるリアリティーのある小説。 ふと、「うさぎドロップ」と対比として見るのも面白いかもと思った。

    1
    投稿日: 2014.10.09
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    幼いころ災害で家族を失った女性、花が結婚するところから始まり、時間を遡っていく構成です。小学生の花を引き取って養父となった、親戚の惇吾との関係を中心に描かれます。誰にも理解されずどこにも居場所がない、そう感じていた二人がお互いを発見し、お互いを頼みに生きはじめてから、結婚によって惇吾と離れる決心をした花が、やはり離れられないと感じるまで――。事実が明らかになるにつれ、花と惇吾の抱える底なしの絶望と孤独が胸に迫りました。惇吾は、花にずっと生きつづけてほしかったのだと思います。

    1
    投稿日: 2014.10.06
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    主題がまったくみえて来ない小説でした。 あえて言うなら、間違った親子の絆の在り方が生まれてしまった背景と理由?からの近親相姦、なのかな。。 文学というのは、はっきりとした主題や白黒をつけない世界を描くことも言いようによっては芸術になってしまう(してしまう)ものなので、やはり私みたいな凡人には、この小説の世界観もよくわからない世界なのであった。。。 …でも、大衆小説って、読み手はほとんど凡人なんじゃないかなぁ。捉え方の自由を掲げてこういう本を発信してしまうのは、ちょっと乱暴な気がします。 現在から過去への章の進め方、章の視点が登場人物間で動いている書き方には自然とページを捲る手が進みました。 再読は、ない。

    1
    投稿日: 2014.10.06
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    映画鑑賞5日後に読了。映画は映画で素晴らしかったが、原作のオマージュ作品という印象が強かったので、映画未鑑賞かつ、小説も読む予定の人は、先に小説を読むのがおすすめ。逆時系列で明かされる展開が面白く、何度も読み返したくなる。

    1
    投稿日: 2014.10.06
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    はからずも「渇き」に続いて近親相姦モノ読んでしまったけど、オチは美談である意味救われる。読み進めずにはいられない本…読書として求めるのはやはりそこ。

    1
    投稿日: 2014.10.03
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    淳吾と花の何かが欠落した親子の形。他人に正統なことを言われても、当人たちにしかわからない何かがあるのだろうか。情景描写が巧みで読んでいて飽きない。

    1
    投稿日: 2014.10.01
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    無花果とムーンよりも良かった。 最初は全てが謎に思えた二人の奇妙な親子関係が、話が進むにつれて、物語は過去へと遡り、徐々に解き明かされていく。 この、現在から過去に向かって進む物語の構造は、二人の出会った頃や、北の氷に包まれた静かな日々にはもう戻れないということが感じられ、これからの主人公はどうなってしまうのだろうかと思った。 映画化もしているらしいので、是非観てみたい。 後記 映画も小説の様な耽美な雰囲気が感じられ、良かった。

    1
    投稿日: 2014.09.26
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    守るものが明確な人ほど、強く強く徹底的に優しく冷徹。なぜ、世界に二人だけではいられないのかと。当事者たちは割り切っている事実が、一読者である私には割り切られず、歯痒く切ない。

    1
    投稿日: 2014.09.21
  • 道ならぬ絆

    奥尻の津波で家族を亡くし、9歳で独りぼっちになった「花」。彼女を引き取り養父となったのは、淳悟という遠い親戚の25歳の青年だった。 花の結婚から始まり、津波で引き取られ親子になるまで、年月を遡って描かれている。 花と淳悟には沢山の秘密がある。その秘密を共有することによって、絆が強く強く結ばれていく。 花は津波で家族を失い、淳悟は父親を海で、母親を病気で亡くしている。そういう欠損家族だった者同志が、お互いを守りあい、お互いだけを必要としていく。それは親子という道を踏み外すものだとしても。 単なるアダルトチルドレンのお話と片づけられるのかもしれないけれど、絆を切望する気持ちはとてもわかる。 守られたい。安心できる場所・人が欲しい。 きっと、それは誰だって同じ。

    1
    投稿日: 2014.09.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ダメだぁ。私はこれ、ダメでした。 直木賞受賞作品で、映画化もされるというので読んだのですけど、読了後の後味の悪さが苦手です。 所々、言葉のチョイスというか表現の美しさで素敵だなって思うところもあったのですが、それらを打ち消してしまうほどの気持ち悪さが・・・。 最初は、先が気になりここから過去へ向かって謎がどう解かれていくのかって期待感があったのですが、読み進むうちに、期待したほどのこともなく、ラストに関しては「へっ!?これで終わり?」って感じでした。 ん・・・映画はどんな感じで描かれてるのかしら? ちょっと、怖いものみたさもあったり・・・。

    1
    投稿日: 2014.09.15
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    圧倒的なストーリー展開。 話が過去にさかのぼって進んで行くのは、フランソワ・オゾン監督の映画に似ている。 退廃的なストーリーだけど、過去に遡るに連れて、光が見えてくる感じがする。

    1
    投稿日: 2014.09.14
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    人の想いは変わる でも、本質的に変わらない想いもある ということを養父と娘の狂った愛の現在から原点にむかう形で書いてある。 最後の最後まで父の想いの本質が隠してあるのはよくできた描写だと思います。

    1
    投稿日: 2014.09.14
  • 現代のタブーを描いた作品

    時系列がうまく書かれていて、舞台の情景も頭に浮かびやすい作品です。 でも、内容はかなり重いので読破するのに気力を使います。 それは、やはり現代のタブーを描いているから。 フィクションだからいいとかは通用しない内容です。 特に女性の方は不快感を感じる人も多いと思いますが、 本は本、現実はまた違うと線引きのできる方にはオススメします。

    2
    投稿日: 2014.09.12
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    本: 桜庭一樹 著 「私の男」 良いなあこの作品! 暗い!陰鬱!ジクジクと湿っぽい。最低の生活。貧乏。不道徳。 こういう暗くて、じっとりして、陰鬱で、這い出す事の出来ない生活の中でもがいている話は妙に性に合っている。 少し前の芥川賞受賞作品の「共喰い」に流れる物と共通な匂いがする。 「(芥川賞)貰っといてやる」の田中慎弥さんの作品ですよ。あれは気持ちよかったなあ。選考委員の石原慎太郎立場無しだったコメント。 話はそれましたがさらにこの作品は、車谷長吉さんの「赤目四十八瀧心中未遂」のドロドロ加減にも共通しているような気がします。 現実にこんな生活に追い込まれてはかなわないけれど読む分には最高の部類の作品。自分は安全な場所にいて泥沼のような生活に蠢いている彼ら主人公を俯瞰していられるからだと思います。

    5
    投稿日: 2014.09.06
  • 人間の業と性の奥深さを痛感させられる作品。再読してこそわかる深い味わい

    この小説は、40年以上もの読書歴の中でもひときわ衝撃的ものだった。その構成法、扱われているテーマ、そして登場人物。汲めどもつきない深いものだった。 まず、その構成は斬新だ。現在から過去へ15年間(ヒロインは24才から9才へ)遡る。主人公二人はある事情から逃避生活を送る。現在だけでは二人の関係、意識そして行動は、常識では疑問符のつく事ばかり。しかし、章を一つ一つ進める(時間が過去にもどっていく)ことにより、そうした疑問が解き明かされ得心させられる。 また、そのテーマもかなりショッキングだ。人間の業と性の奥深さを痛感させられる。大人の男と少女の、しかも養父と養女の禁断の関係。それは濃密で社会通念上許されざるものだ。登場人物いわく「獣の行為」だ。 しかし、それもこの男の少年時代の過酷な体験による愛の渇望感。そして少女の身に降りかかった自然の猛威による想像を絶する喪失感。このお互いの心にポッカリと空いた空洞は、形のない精神的なものだけではだめで、互いに確実に触りあえる肉体でしか埋められないほど深いものだったのだろう。 できるだけ早く映像化されたものが見たい。モスクワ国際映画祭で最優秀作品賞をとったとのことだが、この衝撃的な小説がど う脚本化され、北海道のあの冬の情景のもとどう映像化されたのか、とても興味深く楽しみだ。

    3
    投稿日: 2014.09.06
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    なんとなく気だるいふしあわせそうな第一章から、話は過去へと遡っていく。 私には花と淳吾の関係性って、とっても素敵なものに見えた。特に最後の章で、どれだけ淳吾が花を慈しんでいたかがわかって、切なくなった。 そんなふたりが別れを決意したのは。関係性がまた違う形でゆがんだのは。やはりあの事件がきっかけなのだろうか。 印象に残ったのは、大塩さんが花を曉の嫁にするつもりでなくなったところ。常人、には花たちの行為は受け止められないのだと、はっきり示されているように感じた。 あとは小町さん。この人もかわいそうなくらい常人で、感情移入しやすい存在だと思う。

    1
    投稿日: 2014.08.29
  • 嫌いではないが吸った気もしない。葉巻の様な物語。

    結末の曖昧な物語は葉巻に似ていると感じました。 肺に入れずに味と香りだけを愉しむんだと言われても、煙草との根本的な愉しみ方の違いに戸惑うばかり。 それ自体は嫌なものでもないのだけれど、煙草吸いには芯の所で相容れない、満足できない、そんな感覚。 グロテスクだけど純粋な性愛、現在から過去へと遡っていく形式、秘められた謎。 綺麗な文体とも相まって先へ先へと読ませてくれたのですが、やはり人が一般的な概念から道を外すにはそれなりの理由、つまり結論が欲しくなってしまう。 嫌いではないが吸った気もしない。 そんな感じの物語でした。

    6
    投稿日: 2014.08.28
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    結構ひき込まれて読みました。女の中には父がいて、男の中には母がいるのかしら。 この人とは絶対に離れられない、という定めのような確信を持っている花と淳悟を少し羨ましく思う。 愛と性って、異性間だと切り離せないものなんでしょうね。生々しい描写が泣けてきます。まったく、綺麗事ではありません。だから良いのですけど。

    1
    投稿日: 2014.08.27
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    直木賞受賞作とはいえ、近親相姦ものと決め付けて長らく敬遠していた本。 だが、そんな言葉では片付けられない奥深さ。 家族の在り方と孤独との向き合い方と人間の弱さ。そんなことを考えさせられながら読み進めました。 出会いと別れを繰り返すこの世界で、絶対的に離れられないと思える人間がいる花が少し羨ましい。

    1
    投稿日: 2014.08.25
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    凍てつく大地、家族、重罪… ただひたすら閉じていく世界の、淳悟と花のどうしようもない、すがりつくような愛。 映画に比べて原作は「俺の女」感が強かった。 山田詠美なら南国を舞台に、解放された魂として描かれるのだろうか… 結論の出ない読後に、文学というもの、緻密な言葉が構築する世界の力を改めて思い知った。

    1
    投稿日: 2014.08.24
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    祝!モスクワ映画祭グランプリ記念読書 両親が亡くなり、親戚の独身の男の養女となった主人公が結婚するところから始まり、過去に遡っていくことで、主人公と養父の関係が分かっていく。 構成は面白い。最初から感じる彼女等の周りにする死の雰囲気が、過去に遡るにつれて、露になってくる。 感想としてはどろどろ過ぎて、気持ち悪い。女性は好きなのかもしれないな。

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    投稿日: 2014.08.21
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    養父と娘の禁断の愛を書いた小説。現在から過去へ遡る形で書かれていて、最後の章を読んでからまた最初の章を読むと、違った印象を受けた。

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    投稿日: 2014.08.20
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    帯の二階堂ふみさんがすてきで読むことにした本。 "ふつう"な愛のかたちを知らないまま育ったおとうさんとお姫様。 きもちわるい、わたしは大好きです。

    1
    投稿日: 2014.08.18
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    時系列が遡って、段々詳細が分かる構成が面白かった。些細な複線もさりげなく拾われていて、作者の力量を感じた。

    1
    投稿日: 2014.08.18
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    文章の書き方がすごく好きで、どこにも引っかからず読んでいけた。 帯に、禁断の「恋」と書かず「愛」と書くのはそれしか表現がないからだろうけど、やっぱりそれだけで済まない2人の間に流れるものがあると思う。もっと深い何か。けれどそれは間違いなく暗いものだ。普通の人にはない、黒いものだと思う。 こういう狂気のような愛の関わる話はやっぱりとても好きだなと思った。 それが希望に向かう狂気にしろ、闇に堕ちる狂気にしろ。 読みながら、花がすごく羨ましかった。 別に血が繋がってるけど愛し合っちゃってるとかいうのに憧れてる訳じゃない(笑)(笑) 時々泣いたくらい。 人間、やっぱり無い物ねだりやなって全然関係ないこと考えた(笑) 映画も観たい気がしたけど、イメージと違いそうだからまた気が向いたらって事にしよう。 読み終わった時、あぁもっと色んな事まで書いてほしかったのに!!と思ったけど、そこから一章に戻って読んでみると何故か、これでよかったのかもなと思った。 2日間で読み切った。 完全に世界に飲まれるタイプだから疲れた(笑)

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    投稿日: 2014.08.17