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私の男
私の男
桜庭一樹/文藝春秋
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総合評価

625件)
3.8
154
211
148
43
14
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    普通に見えて普通でないのは、案外普通なのだということ。 湿気を含んだ人間の営みの中には、きっとこんなことさえ自然なことなのだろう。 淳悟は海に帰るのだろう。花は陸で死んでいくのか。 それでも生きているのだろう。彼らも。私も。

    1
    投稿日: 2011.06.21
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    文体や書き方はとても好きだ ただ扱っている内容が得意か不得意かの問題だと思う ど~~~も いわゆる性虐待だったりは苦手なんだよ・・・ ただそれを織り込んでも すごく面白い本ではある アルバムか日記を逆さ読みしている感覚 でも支離滅裂には絶対にならない 飛ばし読みや斜め読みでは楽しめない本ではあると思う

    0
    投稿日: 2011.06.19
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    桜庭さんの本はこれで2冊目だけど、私には理解できないんじゃないかと思う。 でも、この本はよくわからんがガツーンときました。

    0
    投稿日: 2011.06.13
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    これは私が冷静に読める本ではなかった。 予想以上に読むのに時間がかかった。 とても良い物語だったとだけ書いておく。

    0
    投稿日: 2011.06.06
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    ――腐野花。派遣社員。もうじき、結婚する。彼女は十歳の頃震災孤児となり、養父の腐野淳悟に育てられてきた。父と娘。大人と子供。離れたい。離れられない。普通の親子ではない二人の人生を、全てが始まった日に向かって紐解いていく…。―― 近親相姦という背徳的なテーマを、甘美な文章でリアルに描き出しています。読後は正直気持ち悪い感じが拭えませんが、不思議と惹かれてしまう魅力を持っています。特に女性の方や、娘を持った父親は下手に感情移入すると不快になるかもしれません…。この独特のねっとりとした世界観は好みが分かれそうですが、名作だと思います。第138回直木賞受賞作。

    0
    投稿日: 2011.05.30
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    以前ハードカバーで読んだ本。 「歪んだ愛」がテーマの本が好きな方にはオススメ^^ でも好き嫌いが別れると思う。

    0
    投稿日: 2011.05.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    お父さんには暗い話って言われたけど、 私はこの話大好きです。 淳吾のどうしようもない感じがたまらなく好き♪ ってことで何回も読み直しちゃいます。

    0
    投稿日: 2011.05.08
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    GOSICKシリーズを書いている作家さんの作品だと思えないような内容であったが、過去に振り返っていくことで、だんだんと淳悟と花の関係や中身がわかっていくというのはおもしろいと思った。

    0
    投稿日: 2011.05.08
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    切なくていい話だけど、近親相姦への生理的嫌悪感が強い。なんでこんな話書いたんだろう。 始まりから徐々に過去に遡り、ラストでは嫌悪感が薄まり狂おしい切なさを感じるから不思議だ。 とはいえ、『現在』は冒頭の章なので、あまり後味よくない。 しかも『未来』を書かずに終わるから、この結婚後の生活や父親の行方が気になって、実に中途半端な終わりだ。

    0
    投稿日: 2011.05.08
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    主人公の女性が結婚式を迎えるあたりから話は始まる。 現在から少しずつ過去の話を章節ごとに遡っていくことで、隠されていた秘密が静かに静かにひも解かれていく様が、恐ろしいほどに切なく優しく悲しかった。

    0
    投稿日: 2011.05.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本自体はおもしろかった。 女として、自分も花の立場なら同じようになってたかもしれない。 花がとてもかわいそうに思えた。

    0
    投稿日: 2011.05.01
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    文庫化しての再読。暗くて歪でねっとりとした関係の父娘。時を遡ることで徐々に真実と想いが明らかになっていく。とにかく暗くて内向的な雰囲気だけど、読む手を離させない奇妙な美しさがありました。お互いに依存し求め合うことで、深く堕ちながらも生きてきた二人の軌跡を描いた作品。

    0
    投稿日: 2011.04.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    冒頭の 「私の男は、ぬすんだ傘をゆっくりと広げながら、こちらに歩いてきた。」 ここからぐいぐい序盤は引き込まれていきます。 この最初の引き込み具合は素晴らしいです。 話自体は近親相姦の少々重たい内容。 父と娘のどうしようもない依存関係が時系列を逆に追って明らかにされていきます。 桜庭一樹の他に読んだ爽やかな作品群に比べるとけだるく重い雰囲気や直接的な性描写など色味が異なります。 中盤以降繰り返される情景や、他の登場人物からの視点で少々だれるのですが、それでも読んで良かったと思える出来映えです。

    0
    投稿日: 2011.04.17
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    「ものすごくさびしい。耐えられない。」この言葉が本当に意味するところはきっとわからない。どれ程のものなのか…。それは語ってもらうしかないことなんだ。 奇しくも大地震の後に読んだ。「ほかのやつに取られるくらいならいっそ殺す。」と思ったことはありますか?それは愛なのでしょうか?それとも独占欲?執着?この感情に名前を付けるとしたらなんとつけますか?きっと主人公の花はこの感情に「私の男」と名付けたのでしょう。

    0
    投稿日: 2011.04.17
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     腐野淳悟、花。『北』のほうからやってきたという、ふたりきりの父娘。実の父親ではなく、身寄りを失ったときにひきとってくれた親類なのだという、異様に若い義父のことを、「淳悟」と名前で呼び、「私の男」という花。暗いところで固く身を寄せ合って生きてきた二人の、間違った関係。  個人的に、性的虐待や近親相姦に関する話はものすごく苦手分野なので、途中でちょっと「うっ」と思ったりもしたのですが、そこは見せ方の問題なのか、読んでいるうちにかなしさに打たれて、嫌悪感も忘れて読んでました。  とてもかなしい話です。桜庭さんは、悲劇を描くのがうまいなあと思います。けっこう救いようのないような話なんですけど、読み終えてみれば、かなしさと同じ強さで、祈りのような感情が残りました。  あととにかく、行間のにおい、がすごい。読みながら、描かれなかった部分を、ほとんど強制的に想像させられる感じ。どうやったらこんなにたくさんの感情を、これだけ濃密に、行の間に押し込めることができるんだろう。  おとうさんの駄目っぷりと色気がハンパないです。こういう、決定的なところで間違ってしまっている人って、現実に近くにいたら何かとすごく大変なんだけど、フィクションなら異様に萌えるのってなんでなんだろ。

    0
    投稿日: 2011.04.09
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    某会に参加した時に「桜庭一樹のベスト1」と話されていたので。 桜庭一樹は2冊目でしたが・・・根本的に合わないのかな? これが本当にベスト1なら、もう桜庭一樹は読まなくてもいいかも私は。

    0
    投稿日: 2011.03.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    直木賞?とってからしばらく気になっていて人にも勧められたのだけどなかなか読めず。 テーマが重いのに、最後を読むと希望があるような気持ちになる。でももどればやっぱり希望はない。 このテーマで後味が悪くないというのはすごいと思う。

    0
    投稿日: 2011.03.26
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    人間の暗い部分がたくさん詰まった作品。 もし、3/11に起きた地震の津波を見てなかったら想像できなかった津波の恐怖が重なった。

    0
    投稿日: 2011.03.21
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    いちにちで読んでしまった。 直木賞を取った時からずっと気になっていて、やっと文庫になったので、読んだ。 この人の作品は、ライトノベルと言われるブルースカイがすごく好きだ。 女性、女の子、というものを、すごくリアルに、グロテスクに描く人だなあ、と思っている。 読んでいて、愉快だったり、救われたりする話じゃない。 だけど惹きつけられてしまうのは、みんなグロテスクな部分を抱えているからなのかな。 もちろん、私も。

    0
    投稿日: 2011.03.21
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    テンポが良くて読みやすいし、文体もいい。でもなぁ....どうにもこうにも内容に嫌悪してしまう。 にしても、過去に遡る必要あんのか?途中のネタバレで読む気が失せた。

    0
    投稿日: 2011.03.19
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    この人の作品は初めて読みました。 父娘で愛し合ってる。だけど娘は結婚していく。結婚するんだけど、娘は全然嬉しくない。父も喜んで送り出すんだけど、喜んでない。 そんな娘を嫁にするオトコ。どうして?で、今後どうなるの?なのですが、どうして?は時間を遡って、なんとなく分かるような状態になるんだけど、今後どうなるの?というところは完全に読者の想像に任される、というお話です。 一章がそれぞれの登場人物の一人称で描かれてて、それぞれの登場人物がその時点でどう考えていたかはなんとなくわかるのですが、一番重要なお父さん(実は義理の父親なんだけど、でも…)の心の動きは、あえて分からないような書き方をしています。 読者の想像力をホントにかきたてる話です。 それぞれ、かなり迫力のある描写でかなり面白かったです。 実はこれ、直木賞取ってたんですよね。 さすが、でした。 また別の話も読んでみようと思います。

    0
    投稿日: 2011.03.13
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    描写が絵的にすごいんではないかと。 流氷、カメラのシャッター。光で書いてる。 全体ではエゴンシーレの絵を彷彿とさせる。

    0
    投稿日: 2011.03.09
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    冷たい雨の匂いがする本だなと思った。 重い内容なのだろうと予想はしていたが、それ以上にショッキングな描写が多い。ただ、それでもなお、文章からは冴えざえとした静謐さを感じる。読後感はなぜか少しだけ清々しい。読み終わるとまたはじめから読み返したくなる本。 個人的には読んで良かったと思えるが、人に安易に薦められる内容ではないのでこの評価。

    0
    投稿日: 2011.03.09
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    何度も読み返してしまう小説のひとつです。 最重要人物たる淳悟の心理描写があいまいなところが、謎めいていて、何度も読み返すのでしょうね。 この本は各章が一人称で書かれています。そして、過去へとさかのぼっていきます。 そこで、読者たる私たちは様々な情報を得るのですが、肝心要の淳悟の心理描写が事実上なされていないのです。淳悟の一人称で書かれた章があるにはあるのですが、読者が知りたいポイントを見事に外してくれているのです。 邪馬台国みたいな感じです。

    0
    投稿日: 2011.03.06
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    おとうさんに借りました。 『少女には向かない職業』を読んだ時と同じ気持ちになった。 子どもを無理に成長させる見せ方が酷。 娘の気持ちはよくわかったんだけど 父の気持ちは汲み取りづらい。 愛情に飢えている人たちを読むのは精神的に疲労する。 殺人の風景も現実味を帯びつつどこか軽々しかった。 賞をとっただけあって読ませる力や影響力はある。 一度読めばお腹いっぱいです。 桜庭小説を読むとしぬほど明るくて幸せな話が読みたくなる。

    0
    投稿日: 2011.03.05
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    途中までは、花の淳悟に対する感情がただ気持ち悪いと思っていた。それなのに最後まで読むとなぜかすがすがしく思えてビックリした。時間を逆行した構成の妙なのかな。 謎は謎のまま終わってしまうし、これからの2人のことを思うと、救いも何もない話なのに。

    2
    投稿日: 2011.03.03
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    ラスト一行は、花の『この手を、わたしは、ずっと離さないだろう』で終わる。 この手とは、淳悟の手なのだけれど、物語の始まりは、花の結婚式から始まるんです。 それでも最後の一行と冒頭に矛盾を感じない。 書き方がもう、巧妙過ぎてどうしようもなかった。

    0
    投稿日: 2011.02.27
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    「桜庭作品は人間は書けていないし、リアリティーもない。 細かいところの整合性もおかしなところが多々あって、反道徳的である」 ↑この作品を読んだ北方謙三の批評です。 たしかにその通りだと思う。 私はこの人の作品の大ファンだけど 桜庭さんはいつも人間を書いているようで 書いていない。 どこか漫画とかアニメを見ている感じ。 しかしこの作品の主人公は珍しく、社会に近いところにいるんです。 それでも、人間を書いていない。 けれどもね、感じるんですよ。 人間の心臓の音が。 ドクンと、ドロンという音が ページを読むたびに聞えてくる。 常に肉の生々しい匂いが臭ってくる。 この作品は、確かにみなさんが思うとおり 背徳的で、気持ち悪い部分が多いです。 でも、私は ここまで引きこまれた恋愛小説には そうは巡り合えないとおもっています。 だから「好き」なんです。 こんなに気持ち悪くて美しい恋愛小説―― 読まなきゃ絶対損です

    0
    投稿日: 2011.02.16
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    近所の店に、ハードカバーがなかったので文庫版を待ったが、やはり最初の表紙の方がいい絵だったと思う。 評判通り「気持ち悪いのに引き込まれる」内容だった。 今さら褒めても仕方ないので、どうしようもない感想をいうと、花の甘えっぷりやら、わがままさ加減が嫌い。 物語を読むのに差し支えないけど、なんか時々、共感できないのはそういう時だな。 基本的に、親に甘える女の子って嫌いなのよ。 一番好きなキャラはなんだかんだで小町さんだったりして。

    0
    投稿日: 2011.02.16
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    『第138回直木賞受賞作』ということで前情報なしに読んだ。 個人的にはニガテな内容。近親相姦。ねちっこい。重い。不快。 よくいうと濃密? 読後がスッキリしないものが好みではないので、再読はしない。 でもこの著者のほかの本は読んでみようと思う。

    0
    投稿日: 2011.02.14
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    2008年本屋大賞第9位、直木賞受賞 2/23-2/28 どろどろのようでどろどろでなく。 内容が内容だけに衝撃だけど、好きな作品。

    0
    投稿日: 2011.02.11
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    この親子の愛は何とも計り知れない。倫理を超えすぎている。 嫌悪感のが勝る話ですが、でもどことなく恍惚感があるというか・・・。なぜか引き込まれる。美しいとさえ感じてしまいました。

    0
    投稿日: 2011.02.07
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    読む前はもっと親子の愛?が前面に押し出されてるのかと思ったんですが、そんな常にドロドロしてるわけじゃなかったです。 まあ暗いんですけど、所々やっぱり桜庭一樹らしさっていうか、繊細でちょっとかわいらしいような心理描写があるので最後まで読めました。 自分に身近なテーマじゃない筈なのに、どこか理解できる気がする。そう思わせる作品です。

    0
    投稿日: 2011.02.03
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    最後になにか仕掛けがあるのかな、とか なんかどんでん返しがくるのかな、とか 勝手に自分の中で想像して、期待してしまっていたから、実はそういう話ではなくって、ちょっとがっかりというか肩すかしというか ま、自分で勝手に思い込んでいただけだから、なにが悪いというわけでもないのだけど。 血とか家族ってなんなのかな・・・ 母、娘、彼女、父、息子、彼氏、 微妙な関係の中で成り立つバランスは読んでいておもしろく、 原点を知りたい衝動に駆られる。 そういう意味では、章の構成の仕方はうまいなと思う。 もし、これを逆の順序で読んだら、唐突で説得力がないのではないかとも思うし、 それにしても桜庭さんの選ぶ名字はすごい。 赤朽葉とか腐野とか、それだけで何かを秘めてそうで魅かれてしまう。

    0
    投稿日: 2011.01.29
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    直木賞作品ということで気になっていましたが、 ReaderStoreで買えたので読んでみました。 章を追う毎に語り部が交代し、年代もさかのぼる。 その中で少しずつ分かってくる事実、 一瞬目を瞑りたくなるような真実、 私と男がどうして寄り添って生きてこなければならなかったのか? が少しずつ明らかになって行きます。 周りの人々から見た少しの情報がストーリーを構成したいたり、 流れとしては面白いと思ったが、 気持ちが理解できず引き込まれることはあまりなかった。 私の将来については全く記述がないが、 あまり明るいものだという印象を受けず スッキリしないものであった。

    0
    投稿日: 2011.01.24
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    すーっと入ってくる話だった。 共感とかではないけど、自分の中で自然に受け止められる話。 読んでて苦しい部分もあったけど、心地良かった。

    0
    投稿日: 2011.01.22
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    醒めるか覚めないかの気分で、起きそうで起きない夢をずっと読んでいるような気分だった。ふたりでひとつだったのがだんだん分かってくるだけに、その行方はもの悲しい。狂っている様子が明らかに変なのに、おかしいと言えなかった。

    0
    投稿日: 2011.01.17
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    この読後感の悪さったらない… ねばっこい…救われない…誰かの中に必ず潜んでる… なんかそうゆう物語

    0
    投稿日: 2011.01.16
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    こんなに歪んでるのにどこか切ないような つねにうしろに薄暗い色が隠されているようでした  おとうさん 淳悟 私の男  花 おかあさん 娘 大塩のおじいさんが苦手だった

    0
    投稿日: 2011.01.13
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    話の流れがドンドン昔に戻っていって、 視点がころころ変わりながら進む話。 最後、どこいったんだろう、って思わせる ちょっとばかし、難しかった感じがする

    0
    投稿日: 2011.01.05
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    直木賞を授賞した作品なので、どんなものかなあ~と思い読んでみた。 所謂、児童虐待の話…実の父との歪んだ関係に堕ちていく花… 実の子を血の人形と称して、自分が満たされなかった母からの愛情を、幼い花に、歪んだ形で求めていく淳梧。 心の底では、お互いにお互いから逃げたいのに、それが出来ずに、秘密を知った恩人を殺してしまうという、理不尽。 花の結婚で、普通の女性になってくれることは、あるのだろうか。

    2
    投稿日: 2011.01.04
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    欠陥した家族、25歳の父と9歳の娘に萌えた。 結婚式の描写には、同じ娘として胸に来るものがあった。これを読むと父に優しくしようと思える

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    投稿日: 2011.01.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    好き嫌いが分かれる作品だと思われる。少女から女、雌になる。/「わたしは骨になってもおとうさんから離れないんだからね。……淳悟」

    0
    投稿日: 2010.12.29
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    「ずっと、逃げてるんだ。そばにいても、離れても、変わらない。俺たちは、これからだって、二人きりで、逃げているんだ……」ーー私の男 親子のおはなしと言うには、あんまりに汚れていて、きれいじゃない。 どろどろしていると言うよりは、肉のようにてらてらと光っているようなイメージ。 私の男は、単純に言ってしまうなら親子の近親相姦のお話。 幼い頃家族を失った花と、花のほんとうの父親である淳悟が、出会って、別れる。 彼等の人生をすこしだけ切り取ったアルバムを眺めている様な、そんな作品です。 話の構成が面白く、花と淳悟の別れから物語は始まります。思い出を振り返るように、アルバムを遡っていくように、ただ淡々と場面が移り変わる様は、まるで他人の走馬灯を見ているようです。 別れの後に、出会いが書かれるこの小説。 読みごたえはもちろんあります。他人の人生を見ているようなものですから、内容はすごく濃密です。 ただ、惜しむらくは、これが親子の近親相姦の話であったことです。 自分はそのあたり気にせずに読めましたが、嫌な人はほんとうに嫌なのではないかと。 いや作品は、素晴らしいのですが。 よくも悪くも、読み手を選ぶ作品かなぁと、思います。 読後感はとても良いので、オススメです。きっと読めば、彼らのために、祈りたくなるはず。

    2
    投稿日: 2010.12.01
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    養父と私の秘密の関係が、時代を遡りながら徐々に明らかになっていく。 はっきり言ってリアリティは全然ない(・・・あっても困りますが)です。それに、1、2章では、主人公の「花」と、養父である「淳悟」の怪しい関係は予期できるものの、登場人物の誰にも感情移入できなくて、何となくページを読む手が止まりそうになりました。・・・が、根気強く読んでいくと、徐々に二人の関係の真相が明らかになり、二人にしか分からない絆、愛、繋がりが浮き彫りになってきます。たとえ、それらがいびつに歪んだものであったとしても、本書を読み終える頃には、二人の関係を受け入れてしまっている自分に気付きました。そこが、桜庭マジックなのでしょうか。 再読したい一冊です。

    0
    投稿日: 2010.11.07
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    前々から気になっていて、やっと読み終えました。 現在から始まり、過去へとさかのぼりながら話は進んでいきます。 その都度、話の視点も変化して読み手を飽きさせない。 ストーリーですが、結構生々しいというか、全体的に(ねっとり)した感じです(表現が解りづらいですね。。) 私は好きな世界でした。 桜庭一樹さんの本、他にも読んでみたくなりました☆

    2
    投稿日: 2010.10.31
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    最初は二人の近親相姦的関係が理解できず、生理的にダメだった。 時間を遡って章が進む構成が、気味悪さみたいなものを打ち消していく。 読み終わってもう一度読んでみると、一度目とは違う面白さを見いだせた。 二人の関係にもう少し納得できる奥深さが欲しかったかなぁ。

    0
    投稿日: 2010.10.29
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    「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」読んで、これ以上ないくらい好きと思ってたのにそれを超えた。圧倒的すぎるよ。

    0
    投稿日: 2010.10.24
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    「血の繋がり」を探してるのかなー。状況だけ見たら理解できないし歪んでいると思うけど、時間のさかのぼり、感情の発端、二人の関係が見えると、こういう繋がり方だけなんだと思えた。 これを好き!とは大声で言いにくいけど、相当好きかも~。 ひらがなの表現とか句読点の使い方に、情緒と無頓着、大人とこどものぎこちないバランスを感じる。

    0
    投稿日: 2010.10.21
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    間違った親子の関係の物語。お互い家族を知らないから男女の関係になる事で、家族の絆を深めていったんだろうなー。

    0
    投稿日: 2010.10.12
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    私の男。『私』の結婚式を起点として、『私』と『私の男』の輪郭が形作られていく。『私』の婚約者から見た彼ら、彼らの後見人のような老人から見た彼ら、内縁同然に『私の男』一緒にいた女から見た彼ら…どんなに視点をかえたとしても、彼らの繋がりは一切混ざりの無い純粋なものである。家族ってなんだろう。禁忌を犯したとしても、その絆は侵せない。

    0
    投稿日: 2010.10.10
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    この作者で初めての本。直木賞をとった作品ということで本屋で衝動買い。立ち読みしてのめり込んだ。すごく好きな作品。罪という問題は決して法律の枠組みなんていう話じゃない。彼らが共通してもっている罪の意識に惹かれる。彼らとは一線を画す世間、は一生彼らを理解することなんてできないであろう。孤独が充満する。

    0
    投稿日: 2010.10.05
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    未成熟な部分が腐って味を醸しちゃってる腐野淳悟と 若くして成熟せざるを得なかった花、 死体とついでに生魚の描写まであって 「腐」の演出は雰囲気出してるし それが魅力であり胸悪くなるところ。

    0
    投稿日: 2010.10.01
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    主人公の花と父親の淳悟の物語。ラブストーリーではないと私は思う。 肉体関係を結ぶ父と娘、というのは正直読んでいて痛々しい。構成はどんどんと過去を遡って行くので、この2人がなぜこのような関係になったのか気になりつつ読んだ。 淳悟は中々掴みづらい人物だったが、マザコンだったのか、と思うと納得したような拍子抜けしたような…。最後花と淳悟がどうなったのか疑問が残った。 個人的にこういう話は好きではない。性描写もそれなりにあったが、そこまで嫌悪感を抱かなかった。淳悟がオッサンくさくなかったからかもしれない。

    0
    投稿日: 2010.09.26
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    ずっと読んでみたかった桜庭一樹。予備知識なしなので予想してたのとだいぶ違ったけど、大当たり。 純愛、のお話だと感じた。 「わたしにはなにも入らない。これ以上。」 「わたしはふいに、ほかの女にぜったい渡さない、と思った。わたしの父。私の男。ほかの女に触れたら、あなたを殺す。」 こんな愛され方をされるなら、「悪魔」でもいい。「花が咲いてあっというまに腐って枯れるように」でもいい。近親相姦、ダメ男、歪んだ愛情、大いに結構。 その他大勢のひとりとしてとか、底知れない二重の心で接せられるとかよりいい。 この本も、あとで読むと違いそうなのでまた読む。

    0
    投稿日: 2010.09.23
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    なんだかえろいし悲しいし。 男のがさがさした感じと、少女の白く湿った雰囲気がとてもリアル。 話の組み立て方はいつになく巧みな感じで好みです。 文字の量もちょうど良くって、ひたひたとついて回る悲しさと どきどきするような嫌悪感と、強い繋がりを感じました。 桜庭先生の作品の中では一番好きかも知れない。

    0
    投稿日: 2010.09.19
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    冬の海のような話。 一見するとマザーコンプレックスその物と思うけど、エディプスコンプレックスなのかもなぁ。 好きなジャンルの話ではないのだけど、むしろ普段の自分なら最も嫌悪する要素が多い話なのだけど、 不思議と気持ち悪さは感じなかった。 (ただフィクションだから読める話である。) 読み終わって尚心を捉える話。いくつも疑問が残るせいなのかも。 もう一度読み直したくなる。 あ、一つびっくりしたのが、「それなりに美しかった」という花の美郎の客観的な描写。勘違いするよね、絶対。わざとなのかな。

    0
    投稿日: 2010.09.19
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    どうしてもえろい描写に気をとられてしまって仕方なかった。 自分とあまり重なる部分がなくて共感するのが難しかった。 けどこういう不健康な恋愛に惹かれてしまう自分もいる。

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    投稿日: 2010.09.03
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    震災孤児である私こと「花」と、私の養父であり父であり、私の男である「淳吾」の、15年にわたる悲しく切なくもいやらしい物語。(いやらしい場面描写がほとんどないところが、かえっていやらしい) なんとなく、あとに引きずる話です。

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    投稿日: 2010.08.21
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    2010.8.16 いやはや、面白い。なんだろう、この人の、暴くところと隠すところのバランスが天才的なんだろうか。 現在から過去に向かって話が繰り広げられるのも面白い。私たちは最初に結末を見せられ、その結末に至った過去を次々と紐解いていくわけだから。 やるなあ、すごいなあ、と素直に思った一冊。個人的には、美郎のあの伏線にぞわっとした!! 桜庭一樹さんは、以前読んだ『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』で感服したんですが、今回はまた違うアプローチでした。どちらもスゴイ。

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    投稿日: 2010.08.16
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    個人的な好みでいうと、うーんという所。だけども、この小説は凄い。伏線をどんどん回収していって、さっきのあれに繋がるのかと、ページを戻るのが楽しい良作。

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    投稿日: 2010.08.12
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    こんな湿気のある文章は久しぶりに読んだ。天気が曇ってるような欝屈とした空気が作品中を貫いてる。 そういう作品の持つ雰囲気もこの作家の魅力だけど、物語構成も面白くて好き。時間を遡及して語っていく手法は、こういう全体像が掴めない話ではミステリーの面白さを加えられるんだなぁと思った。

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    投稿日: 2010.08.12
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    なんかやらしそうな雰囲気と 親子の禁忌 ていうのに惹かれて読んでみた。 ただ単にやらしくてどうしようもない話かと思っていた。 でも読み進んでいくとそんな甘いもんやないなぁと後悔した。 花と淳悟のことがわかって、理解できるとその分すごい辛い。最後の6章がほんとに辛い。 近親相姦をイメージでしか知らないから読めたんやろうな、とも思う。 親と子供との欲は共感できひん。 でこんな風にお互いだけ求め合うのは少し憧れてしまう。 辛くて悲しくて守ってあげたくなるお話。

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    投稿日: 2010.08.12
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    「親子のあいだで、しちゃいけないことなんて、この世にあるの?」 恋愛小説?ミステリー?禁断の愛?近親相姦? どんな言葉も、この本の前ではぬるい。 閉じていてすら薫る、血の臭い。 血の業。 まさに、業。 取り扱ったテーマや、展開それ自体にさることながら、 一文一文で、引きずり込むように読み手をこの世界に嵌らせていく表現が印象的。 たった一文で、読み手の周囲の空気が変わる。 ときには雨が降り、湿ったアスファルトのいやなにおいが立ち込め、 ときには凍てつく北風を感じ、冬の北海道の灰色の空気に覆われる。

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    投稿日: 2010.08.10
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    落ちぶれた貴族のように、惨めでどこか優雅な男。 まあ~買う決め手となったのはこの一節ですね。あと直木賞受賞作品であることです。 日本の文学って、好きです。どうしようもないくらい社会通念と反した生きかたしかできない人間の退廃的な物語が、かえって瑞々しく美しいもののように感じられるところが。たまらなく惹かれちゃいます。 グロテスクな愛の形とか否定的な見方をされてる方が多いみたいですけど、そうなのかなぁ。

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    投稿日: 2010.08.06
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    こんな内容嫌いなわけがない、とジャケ買い。この作者の作品以前もジャケ買いしてる(赤朽葉家)・・・?好きなのかな?

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    投稿日: 2010.08.02
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    どうしてもこういう近親相姦的な話は受け入れられません・・・これが究極の愛だか依存だかなんだか分かりませんが、美しいとも思えませんでした。これ以上桜庭作品を読むべきか悩む・・。

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    投稿日: 2010.07.25
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    読めば読むほど桜庭一樹worldに引き込まれていく。苦手な人も多いだろうけど、私はどっぷりハマってしまった…。 私にはこういう愛の形は理解できないけど、この二人はこれ以上にはないくらい深い絆で結ばれてるわけで…なんだか羨ましいな、と思ってしまう。

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    投稿日: 2010.07.21
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    流れるよな綺麗な文体で、読みやすかった。 しかし、内容は近親相姦、性的虐待を扱っていて、ずしりと重い。重い?いや、狂気じみている、 現在から過去へと遡る構成となっている。過去から現在へ続いてゆく一般的な構成であったなら、最後まで読まなかったであろうと思う。 この気味の悪い親子は、なぜこうなってしまったのか。そう考えながら読み進めた。 一度受けてしまった傷や影響は、一生持ち続けてしまうものなのだろうか。

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    投稿日: 2010.07.20
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    究極の依存の形ってなんだかグロテスク。なんでだろう?本来個だあるはずものもが無理に一つになろうとするからだろうか?

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    投稿日: 2010.07.17
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    久しぶりに気分がもにょもにょさせられた作品。 時系列を遡ったのは、多分時系列順だと読後感があんまり残らないものになってしまうからなんだろう。じょじょに燃え上がってやがて冷める。それだとバッドエンドではあるけど、納得しちゃうからね。 多分この小説が描きたかったのは絶対の絆なのかな、と。 ある種、恋愛の上位概念と言うか。 近親相姦ものだけど、 血がつながってないとこの境地に たどり着くのはなかなか難しいだろうね。

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    投稿日: 2010.07.17
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    話は過去へ過去へと、遡る形で進んでゆく。父と娘。の愛。不穏な空気が漂う中、物語は始まる。反道徳的?しかし、読み進めて、二人の関係をひも解いていくうち、もう、そうなるべくしてなったんだと、ピュアな部分が徐々に浮き上がってくる。舞台は北海道の北の北。灰色の空と海が、横たわる。

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    投稿日: 2010.07.12
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    桜庭一樹はこの本が2冊目。 暗くて重いテーマばかりなのに、どろどろで醜悪な印象だけで終わる本だったら私は読み切れていなかったと思う。 言葉選びも分かり易くてしっくりくるし、 確かに近親相姦という意識で読むと受け入れ難くなるのは理解出来るけど私は不思議とこの本に対する嫌悪感は全くなかった。 (最終章はちょっとグレーな範囲だけど) 主要人物も壊れたところがあってとても不完全なまま生きてる。 このアンニュイさは中毒性がある。 かなり好きな1冊。

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    投稿日: 2010.07.10
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    好みのタイプの作品ではないが、直木賞を受賞するに相応しい傑作。章ごとに過去に遡っていく構成も、色々な意味で見事。この壊れた親子がこの先どうなっていくのか非常に気にかかる。

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    投稿日: 2010.07.09
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    直木賞受賞作、ということで当時話題になりました。 これは愛情か虐待か。 私にはちょっとよく分からないですけど でも、性的虐待とか近親相姦とかいう言葉で括られたくないなと 思う程度には、この二人の生き方に惹き付けられました。

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    投稿日: 2010.07.09
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    直木賞受賞してからずっと読みたかった作品。 始まりはすごくよかった。 だんだん中弛みなかんじかしてきつつ、 これはオチを盛り上げるための演出なんだと思ってた。 でも最後までオチらしいものもなく、 で、結局のところ何が言いたいの? っていう中途半端な読後感。 だめな男女のどろどろは好きなテーマなのに、 いまいち重さや切なさが伝わらない。 感情移入しきれない。 直木賞ってこの程度でいいの?とがっかりした。

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    投稿日: 2010.07.03
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    雨のような匂いのするこの養父こそが、まぎれもなく、私の男だということだけだった。 夜中に読み初めて、周りが明るくなるまで一気読み。 禁忌であり、甘美であり、狂気的な物語なのに、その世界観にどっぷり浸かっていたいと思わせる文章力に脱帽。 私の男。 私の男。 おとうさん。

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    投稿日: 2010.06.29
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    壊れた男とその娘の歪んだ(本人達にとっては真実の?)愛と性が凄くドロドロ。壊れる原因へ向かって遡っていく小説の構成、その文章力は一級品だと思う。読む人が読めば☆5つでしょう。直木賞というのも納得はできます。ただし、個人的にはゴメンナサイな分野です。禁断の愛はどうしても気持ち悪さがぬぐえず、読んでいて気分が塞ぐ。「花」がかわいそうと思うのはこちらのエゴかもしれないが・・・大塩のお爺さんの気持ちこそ良く分かるものの、壊れている淳悟に同情もできないし、憎いってのも違うし、やっぱり単純に気持ち悪いってのが残ってしまいました。愛の形に偏見をもっているということかなあ。[BOOKデータベースより] 落ちぶれた貴族のように、惨めでどこか優雅な男・淳悟は、腐野花の養父。孤児となった十歳の花を、若い淳悟が引き取り、親子となった。そして、物語は、アルバムを逆から捲るように、花の結婚から二人の過去へと遡る。内なる空虚を抱え、愛に飢えた親子が超えた禁忌を圧倒的な筆力で描く第138回直木賞受賞作。

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    投稿日: 2010.06.26
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    衝撃的な内容なのに、受け入れるしか術がないと それを許してしまいそうになってしまった…。 3時間くらいで読めました。 こんな、近親相姦の描き方があるのだと、初めて知りました。

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    投稿日: 2010.06.20
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    2010/06/20 静かな狂気。 何かを補い合いながら、そして奪い合いながら生きていく二人の、濃すぎる16年間だった。 花が結婚して、淳悟はどこに行ったのだろう。押入れにずっとしまってあった秘密を抱えて。 静かで暗い、そして激しい海に「帰って」いったのだろうか。

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    投稿日: 2010.06.20
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    母がたまたま持っていたので読んでみました。 桜庭一樹 なんとなく興味が持てない作家さんだったのですが、おもしろかった! ここ最近の読んだ本の中では一番おもしろかった! 内容は、やっぱり先がきになる内容なので二日で読み終えましたが、 身体の中からゾクゾクするような、熱くなるようなものを 感じました。 非社会的な内容なので、普通では考えられないストーリーなのですが、 いや、 私が知らないだけで、こうゆう家庭があってもおかしくないのかもな。 と、色んな想像を掻き立てられました。 近親相姦がテーマですが、こういう親子関係の在り方 考えさせられました。

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    投稿日: 2010.06.18
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    「ぬるぬる」という言葉が印象に残りました。人と人との関係が、きれいではない。ただそれだけのことをここまで深く、暗く書けるものかと思いました。

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    投稿日: 2010.06.18
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    背徳的で甘美。そして哀しい。 家族ってなんなんだろう、血の繋がりって?と考えさせられる。 近親相姦がひとつの題材だけど、私はあまりいやらしさは感じませんでした。 多くの人が言うような「幸せ」を掴むことはできない二人、二人を思うが故の行動で犠牲になってしまった人たち。切なくなります。

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    投稿日: 2010.06.16
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    感想はブログで。 http://takotakora.at.webry.info/201004/article_15.html

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    投稿日: 2010.06.10
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    章ごとに過去へさかのぼるストーリーの構成がとてもよかった。 それぞれの章の間に時間が空くが、その間はふたりにどのような変化があったのだろう?など、いろいろ想像できるあたりもよかったと思う。 不完全燃焼な部分が多いが、その分自分なりの解釈や想像ができる、個人的には満足な作品だった。 もういちど、今度は最終章から現代に向かって読み返してみて、またそれはそれでおもしろかった。

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    投稿日: 2010.06.07
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    二人がどこへ向かったのか。書かれていないから救われる、それ以上に恐怖を感じた。どこで歪んでしまったのか、歪んだのは親なのか子供なのか。異常を感じながらも共感する私も歪んでいる。

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    投稿日: 2010.06.04
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    独特の世界に引きずり込まれてしまって 、うっかり何度も捲ってしまう本である。 たまたま江國さんの「真昼なのに昏い部屋」と連続して読んだら、大変インモラルな気分になった。

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    投稿日: 2010.06.02
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     「私の男は、ぬすんだかさをゆっくりと広げながら、こちらに歩いてきた。日暮れよりすこしはやく夜が降りてきた、午後六時過ぎの銀座、並木通り。彼のふるびた革靴が、アスファルトを輝かせる水たまりを踏み荒らし、ためらいなく濡れながら近づいてくる。店先のウィンドウにくっついて雨宿りしていたわたしに、ぬすんだ傘を差しだした。その流れるような動きは、傘盗人なのに、落ちぶれ貴族のようにどこか優雅だった。これは、いっそうつくしい、と言い切ってもよい姿のようにわたしは思った。」  「二つのべつべつの鉢から生えたほそい貧相な木が、鉢を知覚におきすぎたせいで途中から絡まって、一本の木みたいになって上にのびているのだ。剪定もされず、無駄な枝や花弁や実に疲れきって、二本とも乾いて痩せていた。どちらがどちらを支えているのかもよく分からない。それはなんともグロテスクなフォルムだった。」  からみつく木のように離れられない、2人の血縁者。花は結婚を機に淳悟と離れようとする。しかし、物語は2人が離れられないことを強調するかのように時間を遡り、2人の業をなぞっていく。

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    投稿日: 2010.06.01
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    桜庭さんの作品は読みたいと思いながらも今まで読んでいなかった。読んでみて、男女の生臭さを感じた。でも、純粋な男女のそれとは違う。寂しさ。孤独。闇。血の中にしかお互いを埋めるものを見つけられない二人。

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    投稿日: 2010.05.29
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    話がどんどんとさかのぼっていき、使われた言葉の意味やこめられた気持ちが紐解かれていくのがどきどきであり、怖くもあった。燃えるようなきもち(という単語で表すには登場人物の心の動きは大きすぎたけど)をどきどきしながら追って知っていくのって小説の醍醐味だよね…。

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    投稿日: 2010.05.28
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    主人公の男が、どんどん魅力的に見えてくる不思議。目をそらしたくても、そうさせてくれない。著者がライトノベル出身と聞いて驚いた。映像化されそうなキャッチーな内容だけれど、しないでいいなあ。下手なキャスティングだと、ただの悪趣味になりそう。

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    投稿日: 2010.05.25
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    確かに筆力はすばらしい。掴みがうまい、冒頭から苦もなく引き込まれた。その点において最近の中であたりだったと思う。 私にとって男があまりに魅力的だったのも一気に読み進めた原動力だったかもしれない。 ただ構成と表現はうまいが、読後に訴えかけるものは一切なかった。あえて言えば「だから何?」というやつである。もう少し終幕を発展させればよかった気もする。なんとなくなかなか珍しい設定を時系列を逆にして披露した(だけ)という印象が否めない。

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    投稿日: 2010.05.25
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    血の繋がりへの妄執に囚われた男と娘の禁断の愛、要するに近親相姦ものの話。 甘ったるくてぼやっとした心情、情景描写は悪くはないんだけど流石に分量過多じゃないかな。 砂糖菓子の頃と比べての変化から作家としての過渡期を迎えてるんじゃないかと思った。 まだ中途半端。こっからどう変わるかじゃないかな。

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    投稿日: 2010.05.23
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    文庫になったのでやっと読みました。暗くて、重いものが書かれているけれど、とても愛しいお話でした。退廃というか、堕ちていくだけなのに、幸福を見出すことが出来る二人。

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    投稿日: 2010.05.21
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    設定の不道徳や描写の過激さが賛否両論なんだろうけど、そんなことより、その辺の「純愛モノ」よりよっぽど澄んで見える世界。 排他性と独占欲で閉じた2人がうらやましい。 忘れないでね、愛しあっていたこと。

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    投稿日: 2010.05.21
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    どろどろーってしてるけど,それがいい。 こんなお父さん嫌だけど,近所にいたら気になるw でも,最期は少し煮え切らない感じ。 映画栄えしそうな作品。

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    投稿日: 2010.05.20
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    近親相姦というインセストな話といえばそれまでなのだが、 ネットリ・ドロドロしているようでいて、 不思議と嫌悪感を感じなかった。 最初の章で、一番新しい時を書いている。 そして、章が変わるごとに、時代が逆行してゆく手法。 読み始めは、血が繋がっていない養父との関係かと思ったが、 読み進めていくうちに、 実は血の繋がりがあることを知っている上での関係であるとわかる。 タイトルに「私の~」と漢字を遣っているのに、 文中の一人称は「わたしは~」とひらがなになっているのは、 作者の意図的な配慮なのだろうか?

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    投稿日: 2010.05.18
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    序盤ずいぶん印象が違うけど、最後までいくと少女と父だったり、海だったり道具立ては「七竈」とか「砂糖菓子」とかと近いんだろうな。 主人公が傍観者じゃなかったり、時間軸のレンジが大きくなったりで、作品世界が広がったのかな…。そんでなんか、重い。 時間軸を逆行しつつ、未来のミスリードを過去でひっくり返すってのはなかなか面白いけど、そもそもミステリーな感じではないのが勿体ない。

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    投稿日: 2010.05.17
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    なんか初めのほうはよく分からんかった。 暗い。 途中からは分かるかんじにはなってきたけど、 理解できないかんじで。 話としては面白く読めたような、そうでもないような。 よく分からん感じだった。

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    投稿日: 2010.05.17
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    読む本が無い時は結構読み返してるので★一つアップ。こういう救いの無い話好きです。閉鎖的な幸せだなぁ…。

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    投稿日: 2010.05.15