
総合評価
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powered by ブクログ邂逅の森 熊谷達也再読 舞台は、大正時代の秋田。マタギとして山の掟に従い、クマを追い、自然と共に生きてきた富治は、ある事件をきっかけに村を追われ、過酷な逃亡と放浪の生活へと転落する。それでも彼は、人間の裏切りと自然の厳しさの狭間で、自分の「誇り」と「命の意味」を模索し続ける。山と密接に生きる者の宿命を、克明に描いた壮絶な人間ドラマ。テーマは、壮絶な人生を通して、自然と向き合う人間の根源的な姿を描いた作品かな。罪・孤独・誇り・自然の畏れ——こうした極限状態の中でこそ浮かび上がる「生きる意味」を静かに問いかける、現代日本文学でも屈指の力強さを持つ物語です。熊のニュースに触発されて、再読。何度読んでも素晴らしい5☆作品で~す
0投稿日: 2025.11.18
powered by ブクログ年始の一冊目は長編を読むことにしている。 悩んだ挙句、選んだ本書。当たりだった。 濃厚なマタギの男の人生を描く。 最後は壮絶。 読んで良かった。間違いなく良書。
0投稿日: 2025.04.06
powered by ブクログ感想を書くにあたり便利な言葉がある 「凄い」だ! この作品は凄い! (小学生の読書感想文か) もうひとつ高度な言葉を使ってみよう 「圧巻」だ! この作品は圧巻だ! (中学生の読書感想文になりました) もっとわかりやすく言ってみようか 「めっちゃスゲェー」だ! この作品めっちゃスゲェー! (大人な感想文になりました) とにかくこれだけで『邂逅の森』が素晴らしい作品ということは伝わるでしょ! マタギとして生きる男の人生、女とのチョメチョメ、そして熊との死闘を描いた物語 詳しくは他の人のレビューを参考に! で、私もこれから実践してみようと思います 仕事でもしもの時は、妻のことを思おう、、、 帰って、妻の手を握りたいと思おう、、、 そしたら、必ず力が湧いて出てくるはずだ っーか、オメェの仕事は命の危険をかけた仕事ではないやろー ( ゚∀゚)・∵. グハッ!! そもそも、妻は手を握らせてくれないだろー ( ゚∀゚)・∵. グハッ!!
47投稿日: 2024.09.07
powered by ブクログ熊谷達也の邂逅の森を読みました。 舞台は秋田、マタギの主人公は夜這いして地主の娘と出来てしまい発覚して鉱山に送られます。 今はまた大らかになった感じがしますが、昔は大らかだったんだなと。 マタギの生活もわかり面白かったです。
6投稿日: 2024.06.26読んだ。凄かった。
ダウンロードしてファイルを開いたときにページ数にびっくりした。文庫版でも1冊なのにこんな大長編あるんだ。文庫本だと大抵は上下巻に分冊されているようなページ数。でも作品に引き込まれぐいぐいと読んでしまう。1日に読書に充てる時間の乏しい私が僅か数日で読み終えた。 何をコメントしてもこの作品を語るには陳腐になってしまうように思えるので、内容に関してのレビューはやめておきます。とにかくスゴかった。圧倒された。男なら読んでおくべき1冊。そして女は強し。
0投稿日: 2024.06.06
powered by ブクログ厚みよりも長い長い物語を読んだ感じ。 くま小説だと思って読み始めたけど、富治の生涯の話だった。面白かった! 最後の熊との戦いはキツかったー
2投稿日: 2024.04.12
powered by ブクログはい、本とコさん絶賛の『邂逅の森』だべしゃ 面白かったです まず時代設定がいいですよね 大正のある種混沌とした時代背景の中で語られる人と自然の物語 そしてなんてたって夜這い文化ですよね 勘違いされてる方も多いのですが、そもそも「夜這い」というのはですね、一定程度の男女間の合意に基づいたプ… ( ゚д゚)ハッ! 危ない危ない 本とコさんやおびーのレビューとは違った切り口をと意識するあまり危うくシモに走るところでした もうちょっとで俺の十七年式村田銃が火を吹くぜ!とか言っちゃうとこでした(言ってる) 危なかった〜(言ってるって) よし、方向転換 つまりどういう話だったかというとですね ヌシと呼ばれる巨大グマよりも自分の奥さんのがおっがね〜ので早く家に帰って奥さんに股間の十七年式村田銃を… ( ゚д゚)ハッ! うん、まぁ気になる人は本とコさんのレビュー読めばいんじゃね?(文庫の方だよ) (~‾▿‾)~
67投稿日: 2024.04.05
powered by ブクログマタギで生きて行くしかない、富治の逞しく、生命力のある、昔の男らしく生きる姿を描く物語。何度となく心を揺さぶられる主人公の波乱に満ちた人生は、本当に芯の通った男らしさがあった。ラストの山の神との対峙は感動的ですらある。
4投稿日: 2021.04.26
powered by ブクログマタギの話。明治〜昭和初期の時代の流れのなかで、当時の険しい生活が知れた・・のはいいけど、性的描写が多いな。そんな時代?
0投稿日: 2021.02.06美なる猟師の文学
人生は戦いです。 獣は自然、人は人工。 人工が余りに増えすぎた現代で、自然を人工的に美しい筆致で描いてある。 古き良き昭和の”日本人”像と典型的な物語運びが型となって非常に秀逸に見える。 それにしても、主人公のマタギは持てるなあ…。 鉱山の話に入ったときは、どう展開を運ぶのやらと不思議に思ったが、最後まで読めばきちんとした作品になってはいるなあと感じる。 ところで、著者の熊谷って本姓なんでしょうか? 熊谷直実と関係あったりするんでしょうか? 人生は戦いです。 しかし、獣、強し。社会の残酷さの表現なのか? とにかく良い作品を読みました。 星5つ。
0投稿日: 2018.07.20
powered by ブクログ橋本愛主演の映画『リトル・フォレスト』に、母親の本棚にあった本を読もうとした彼女が、「自分で読む本ぐらい自分で選びなさい」と母親から言われ、母親が買った本を娘は読ませてもらえないシーンがありました。私も自分で読む本は自分で選ぶようにはしているけれど、知人友人からなかば無理やり貸された本に感銘を受けるのもよくあること。本作は直木賞受賞作といえども、自分では絶対に選ばない難しそうなタイトル(笑)。半年以上前に貸されて放置していましたが、読んでみればとても面白かった。狩猟で生計を立てる、秋田の「マタギ」の話で、厳しい自然の中で生きる男の人生を描いています。男を取り巻く、肝の据わった女ふたりもイイ。秋田出身の私の父にも薦めようと思います。きっと東北弁を懐かしがるはず。
1投稿日: 2017.04.26上手だね
書名だけ知ってて 気にはなっていたけど 内容は知らないまま読み始めました ストーリー・テラーとしてかなり上手な作家さんです
0投稿日: 2017.01.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
近年のライトノベルでは「異世界転移モノ」が活況だそうで、本作もある意味で異世界転移モノといえる。 主人公は親に倣いマタギとして狩りに出始めた若者であったが、とある事件により故郷を追われ、同じ山でも鉱山という別世界に飛び込む羽目になった。 なんとか鉱夫として独り立ちし、弟分もできて落ち着いてきた頃、その弟分が休みの日に山に入り猟をしていることを知る。 主人公はマタギの世界ではほんの駆け出しであったが、装備も狩りもおぼつかない鉱夫たちからすれば「狩りの達人」となる。 このギャップにより「異世界に転移して無双」へ至るという展開がとても自然であり、その一方で「前奏が長い」みたいなテクノサウンドへの心無い批評みたいなことにもなる。 (個人的にはこれくらいの前置きがあってもいいと思うのだけど、実際にはいろいろと難しいのかもしれない) 東北地方の鉄道網の延伸がところどころで出てきて、これが自然と文明のせめぎあいのひとつの象徴として描かれている。 民俗史的な裏付けもかなり取材しているようで、当時の奔放な性愛についてもかなりストレートな描写がある。 特に妻となるイクに関しては、魔性の女が婚姻を経て良妻賢母へ変貌するあたり、ある種の神話を髣髴とさせる。 今年は「真田丸」や「シン・ゴジラ」、「この世界の片隅に」などの徹底的にリアリティを追求した作品が話題を呼んでいることもあって、こういう静かに、しかし懸命に生きていく人の話はもっと注目されてもいいのかも知れない。
0投稿日: 2016.11.24
powered by ブクログ山の神様と、マタギと、女の三角関係なのか。 それぞれがじりじりと近づいては離れ、ぐるぐる回って。 求め合って、喧嘩して、許し合って。 人生全部をそこにつぎ込んでしまったのね。 男性としての主人公が、仕事と、女性の間を行ったり来たりする話のようにも思える。 男性の人生を左右する大きな二つのもの。 どちらが欠けてもダメなのね。どうしても、追い求めてしまうのね。 さすがに山の神様との大喧嘩は、犠牲が大きいよ。 そんな定めからは逃げてしまえば良かったのに…。 でもだめなのね、三角関係の片方だけではダメなのなら、仕方ない。
0投稿日: 2016.10.31
powered by ブクログ▶︎購入2016/08/31 ▶︎-2016/11/18読了 マタギの世界って興味深い。よく裏付けがとってあり、さすが直木賞。
0投稿日: 2016.08.31名作と言える本。
凄く面白かった。最近は評価の高い本しか読んでないから面白い本ばかりなのだが、この本はその中でも特に面白かった。 大正期のマタギの話なのだが、主人公の人生は波乱万丈と言える。数々のエピソードがあるがそのどれもが面白い。フルコースと言っていいが、どのエピソードもメインディッシュ級のリアリティがある。 本当にノンフィクションじゃないかと疑いたくなるほどのリアリティだが、著者の取材のたまものだろう。 ありきたりな話ではなく、時には不条理だと思う場面もあるが、だからこそリアリティがあるのだと思う。 この本が読めてよかった、間違いなく生涯忘れられない小説になるだろうから。
1投稿日: 2016.03.16マタギの生き方を、リアリティをもって描き出す
人と獣とのかけひきもさることながら、人と人とのかけひきやつながりを、とてもおもしろく読みました。ストーリーもどんどん展開します。 マタギである主人公は、山に対しても人に対しても、迷いつつ、最後には真っ直ぐに向き合います。彼の正直な生き方が、すっきりとした読後感につながりました。 雪山の風景、獣との格闘、夜這い、民家の生活の様子など、頭のなかに映像が残る作品です。 巻末に参考文献が10冊以上載せられていましたが、時代背景や土地の歴史、風土、猟の方法や方言のちがいなど、かなり念入りな調査や取材が必要だったはずです。細かな情報が、物語が展開する舞台をしっかりと固めていて、説得力がありました。
1投稿日: 2015.09.10自然の中に身を置きたくなる・・・。
自然と密接に生き、自然に生かされ、自然からの声を聞くことができるこんな生き方にものすごく心惹かれる。マタギの自然とのかかわりあい方は、忘れてはいけないとても大切なことを教えてくれている。とてもよかった。
1投稿日: 2015.05.19動物と人間との闘い、プラスα
マタギの話ですが、主人公にいろいろと起きる出来事やクマとの駆け引き、たまりません! まるで映像のように次々と浮かび上がるシーンが郷愁を誘います。また、最後のクマとの壮絶な闘いは手に汗握ります。人間ドラマでもあり、明治以降、近代日本の世俗、風俗、庶民(というより貧しい暮らしを強いられた人たち)の生活を垣間見れます。しかしながら、マタギたちは誇りに満ちていて、クマ以外にも自然を敬い、生き生きと描かれています。 動物と人間との格闘を描く小説(←これが私としては好きなジャンルで・・・)はかなりありますが、久々に「オススメ!」と言える一冊です。是非読んでみてください!私は3部作でもある本作品以外の2作品(「氷結の森」、「相剋の森」)を読もうと思っています。
6投稿日: 2015.04.10物語文学を堪能できます!
マタギを題材にした小説は数多くあります。しかし、これはただのマタギ物語ではありません。大正年間、近代化の波の裏側で必死に生きた男の半生を描いた大河ドラマであります。 「邂逅」とは国語辞典によれば、「思いがけなく出会うこと」とあります。読み始める前は、当然、クマとの出会いを指していると思っていましたが、さにあらず。おそらくそれは、主人公が様々な人々と出会うことをも指していると思います。数奇な人生に翻弄されながら、なんとか生き抜こうと抗う中で、主人公は実に多くの人と出会います。時には、その人から生き抜くヒントをもらい、また、ある時は、その生き様を通じて多大な影響を与えていきます。その描写が本当に素晴らしい。このあたりが、直木賞だけでなく、山本周五郎賞を受賞した所以でしょう。 勿論、最後の森のヌシである神の様なクマとの死闘は、ページをめくる手が休まることはありません。ここに到るまでの彼の人生を共に体感してきたからこそ、我々読者は彼と一体化するのです。小説の面白さ、ここに極まれり!と言っても良いでしょう。たぶん、映像で表現することは無理ではないでしょうか。 主人公が、朝霧たなびく谷から妻の待つ村を見下ろしますシーンで物語は終わりますが、読者である我々も彼と一緒に見下ろしていることに気がつきます。読み終えた後の満足感は、半端じゃありません。 民俗学的にマタギに興味もある人も、また、長編本格的物語を好きな人も、是非一度、手にとって欲しい小説であります。
5投稿日: 2015.03.24自然の中に身を置くことについて
自分がこれまで読んできた小説の中で、最も好きな小説が トールキンの「指輪物語」と本作「邂逅の森」です。 自分は登山が趣味で年間30日ぐらいは山にいますが、 「指輪物語」からは黙々と歩き続けることについての 「邂逅の森」からは自然の中に身を置くことについての、 それぞれ厳しさと同時に美しさのようなものを思い起こさせます。 山で辛い登り出くわすと「指輪物語」のことを、 山で寒さや風で辛い夜を明かすことになると「邂逅の森」のことを思い出します。
4投稿日: 2014.07.16
powered by ブクログ石井光太氏がおススメしていた一冊。 東北弁を文字に起こすのはとても難しい。鼻濁音・音としてはっきり発しない「息」のような発音。。。 しかしながら、方言も含めてとても臨場感がある表現がちりばめられている。 深々と雪が降り積もる季節に読めて良かった。
2投稿日: 2013.12.28
powered by ブクログ大正3年頃から昭和初めにかけて秋田の山奥でマタギ(熊を獲る猟師)として活躍する富治の数奇な運命。若い日の地元の名士娘・文枝との恋、そして地元を追放されてからの鉱山夫、また猟師に戻っての日々と小太郎、その姉で妻になったイクとの出会い。そして猟仲間の鉄五郎などの脇役との出会いも魅力的です。小説の終盤での文枝との再会、イクへの愛情。そしてクマの格闘に生涯をかけた富治らしい大クマのヌシとの対面など、息もつかせぬ感動の連続で、泣かされる荒筋であると共に、古いこの時代のおおらかな若者の性などの風俗に驚きです。読後の余韻も快い、素晴らしいドラマでした。
2投稿日: 2013.08.24
powered by ブクログマタギって全国区の名詞なんでしょうか? マタギとは、主に東北地方で熊やカモシカを狩猟して生計を立てていた人たちの呼び名です。本書ではそんなマタギを生業とする男の半生を記しています。とはいえ現代人から遠い昔のおとぎ話などではなく、実に生々しい人間模様と恋愛、家族、故郷について語られています。 里ではまったくの俗人である若者が、山に入り自然と戦う中で、獣となり、木となり石となり、山の神へと近づいていく姿に圧倒されます。 正直かなり性描写が多いので大人向けな内容ですが、その描写についても当時の風俗、習慣を入念に研究されたらしく、当時の平民の生の生活感もリアルです。 私は、読んだだけで映像や空気や息遣いまでが伝わってくる小説が好きです。本書はそんな小説です。 しかし、やっぱり第一次産業の男はかっこいいね。
2投稿日: 2013.07.15
powered by ブクログ・明治から大正・昭和へと移り変わっていく中での東北の山村の生活風景を軸に、阿仁マタギや炭鉱での生活を丹念な筆致で描き出した快作。山岳小説を期待してたけど大正物の一冊として面白く読んだ。淡々と書かれているようで実に膨大な内容が盛り込まれていて、惹きつけられて一気に読み進めた。面白かった。
1投稿日: 2013.04.16
powered by ブクログ時代は大正初期、秋田県月山山麓。深い山に入り熊やカモシカなどの獣を猟とするマタギの物語。2004年直木賞受賞作。その時代の歴史物語としても民俗資料としても内容が濃く重厚な作品で読み応えがあった。マタギの家の次男として育った富治の生涯は波乱。東北の厳しい冬を思いめぐらしながら最初から最後まで圧倒されるような緊迫感と迫力をもって読み終えた。山歩きという趣味の世界でいろんな山に入る(入らせていただくと言ったほうがいいかもしれない)けれど、山への畏怖の気持ちを抱かざるを得ない。そこには自然への敬虔な気持ちが生まれている。 タイミングよく今年(2013年)になって新聞に阿仁マタギの資料を世界遺産級に指定する動きの記事があった。
2投稿日: 2013.01.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
直木賞アーンド山本周五郎賞受賞作です~。 大正時代の東北を舞台にした猟師マタギの生き様を描いた長編小説です。 いや~~~~~。 これは凄かった!! 最初読み始めたときは 「え~?猟師のはなし~?」てな感じでちょっと躊躇したのよ。 でも、それがどっこい。 こんなに奥の深い小説を読んだのは初めてです。 かなり感動してて興奮してて、何から感想を述べていいのか分からない。 まず、驚いたのはマタギという仕事が、こんなにも神聖で先祖から仕来りや技、意志を代々受け継がれている仕事だとは思わなかった。ただ単に動物を殺して売りさばいてる仕事としてしか知恵がなかった自分を恥じました。 殺生な仕事だからこそ、そこには山の神様との関係が根強くあり、それを大切にとりもって仕事が出来るのだと思う。 そして、親子の絆と夫婦の絆。 親が子を思う気持ちほど大きいものはないし、愛し合った夫婦こそ絆の強いものはない。 村を追い出され何十年かぶりに帰郷した富治を見た富治の母親の姿。 子供のために身を削ってまで働いて娘を嫁に出した富治夫婦。 富治の初恋を成就させるために、自ら身を引こうとしたイク。 村の区長に言われ、なんとなく結婚してしまった富治とイクだったけど、長年連れ添った仲でいつの間にかお互いに大切な存在だと気づいた富治とイク。 富治がイクを探しまわって、最後に見つけた因縁のあるお店での再会。これには泣けました。 なーんかね、「ああ、夫婦っていいな~」って思っちゃった。 何度もクマを撮り、最後クマに足まで食べられながらも、最後はクマに助けれるところも感動。 そして、出てくる登場人物もみーんな味があって良い! もうね~、1ページ1ページに読んでる意義があって、この一冊で人生を学べた感じがする。 もっともっと言いたいことがあるのに、何を言っていいかわからない。 大声で泣きたい心境です。 ほんと感動した。感動して泣きたい。 これは是非いろんな人に読んでもらいたい本です。
2投稿日: 2012.11.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本を広げると、大正三年とある。昔の話かぁ、しかもテーマがマタギって、どんだけとっつきにくいんだよ、と思いながら最初のペースは妙にゆっくり、読み返しながらなんとなーく世界観が分かりだす。 そう、舞台は東北。出だしは山形県の月山麓、肘折温泉とあるものだから、妙に親近感が沸き、会話も東北弁。そのまま読んでも理解できる(笑)。 「邂逅の森」は秋田県阿仁町打当のマタギ・松橋富治の生涯を描いた長編小説である。 一流のマタギの組に属し、だが、まだまだ一人前になっていない富治が今の生活を続けることができなくなる。 鉱夫になり、小太郎と出会う。そこで、小太郎が隠れて狩猟をする姿を目撃し、ここぞとばかりに小太郎にホンモノのマタギとは狩猟とはどういうものかを教える姿、そして、「見本」を見せるところなどは爽快な読み心地だった。 やはり、マタギの世界に戻ろうとした富治は小太郎の姉を嫁にもらい、17年の月日が流れる。娘を嫁に出した後の描写はあれど、娘に対しての描写が一切なかった。 さあ、ここからどんな展開が待っているか。本はまだ三分の一は残ってる。 予想通り出てきましたね。恋焦がれ、忘れることのできない愛しい女性・片岡文枝。久しぶりの再開にこれも予想通り、でもお互いいい歳だからないのかな、と思いながら押し倒し系(笑)。 難波イクの存在が当たり前だが家族となり、愛し続ける存在だってことが分かる部分は素敵だなと思った。 この小説から感じたものは、マタギという本能的な「狩」と近代において必要となった鉱夫との対照、そして富治のなんと男らしいこと。 現代の草食系男子に読んで欲しい一冊ではないだろうか。 浅田次郎氏は「本書は去勢された男たちのための、回復と覚醒の妙薬である。男とは本来どういう生き物なのかを、読者は知るだろう」と語っているそうである。
1投稿日: 2012.11.27
powered by ブクログマタギの村に育ち、何の疑問もなくマタギになった男が、あることをきっかけに村を追われる。その人生を描いてます。 特殊な世界、今とは違う時代背景が興味深く、村を追われてからもじりじりと生きていく主人公の生き様も読ませてくれた。
0投稿日: 2012.11.03
powered by ブクログ読むのにとても苦労した。 なにより主人公の富治に共感できなかったからだろう。 だが、それでいいのだと思う。 この時代だからこそ、男性だからこその考え方なのだろうと感じたし、作中でも彼は「馬鹿」と何度も言われているシーンがあって、少しすっきりしたから、というのもある。 ただ、こういう本は苦手だ。 性表現が多く、自然・野生の厳しさを感じるシーンも多い。 それはきっとこの本には必要なことで、だからこそ大きな賞を受賞したのだろうと納得できるのだが、そういうものが苦手な私には辛く、苦しかった。 こういう作品に素直に感動できるようになるには、まだまだ経験値が足りないのだろう。
0投稿日: 2012.10.12
powered by ブクログかなり読み応えがあり、雪山でのシーンは 思わず 迫力ありすぎて ぐったりです(笑) す、すごいなぁ~マタギさんって・・・
0投稿日: 2012.10.01
powered by ブクログマタギの富治、文枝、イク。東北地方の厳しい生活を描く。 普段聞かれないマタギの世界がリアルに描かれている力作。 富治の青年から老年になるまでのマタギを通した人生がすごい。 それを支える文枝、イクも重要なキャラクターだ。
1投稿日: 2012.08.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
マタギ×クマ。 っていう大好きなジャンルなので前から読んでみたかった。予想に反して一人の男の波瀾万丈の半生記で読み応えたっぷり。深夜に「ちょっとだけ読み進めておこうかな~」と思って開いたら、最後までやめられず朝になっていたくらい。 マタギ言葉とか風習とかの描写が細かくて、かなり綿密かつ専門的な調査の上で書かれた作品と思われます。それだけでも読んだ甲斐があった。あと、山での張りつめた空気がいい。東北出身の作家でないとこの空気は出せないと思う。 しかし気になるのはこの男、下半身で生きてるんじゃあ・・・という傾向がなきにしもあらずで。とくに後半。いや決して下品とか好色とかいうわけじゃないだけど、女に対する評価が「結局それ?」な感じで納得できなかったんだよなあ。女側からすればこれ以上勝手な男はおらんというか。文枝さんやイクさんみたいに出来た女ばっかりじゃないぞ。 ただそういう俗世のドロドロな人間ドラマを振り払うくらい山での彼は魅力的。最後のほうで再会したマタギの頭領さんが言う台詞も重みがあります。
0投稿日: 2012.06.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
骨太というか重厚というか、読後にいろんなこと考えさせる書物です。 時代は20世紀初頭、今から100年ほど前の東北地方。自然に翻弄されながらも自然に寄り添って生きるマタギの若者が主人公です。 失われた日本の風土の中で、因習に囚われ、過酷な運命に抗いながらもマタギであり続けようとした主人公富治の生き様は、現代の男性には稀少となってしまった獣性を感じさせながらも、一本芯の通った男気を見せてくれました。人としてどう生きていくのか?富治は絶えず問いかけながらも、獣を狩るマタギ仕事に己の答えを見出そうとしていたようでした。 序盤はマタギの狩猟について細かい描写がされており、冬山の寒さに凍えながら一緒にアオシシ(かもしか)やクマを狩る興奮に身体を熱くさせるほどでした。 中盤では運命に翻弄される富治の苦悩と、己の居場所を再びマタギに求め復帰するまでの道のりが描かれてます。一人の女に心奪われたことによって心ならずもマタギ仕事を絶たれ、村さえ追われ炭鉱夫として働き始める富治ですが、そこでの出会いがマタギとしての再スタートにつながっており、終盤に向けて富治が悟る(?)己の存在理由についても様々な伏線が張られているようでした。 全編を通して日本の山村の風習、因習、マタギの掟、狩猟などなど語られており、近代日本が帝国主義を突き進んでいった時代を、東北の山村視点で描かれていて、歴史視点でも楽しめる内容です。さらに主人公富治をめぐって二人の女性が登場しますが、性についての描写も多々あるものの、そこにはエロスを匂わせるものでなく人間の営みとしての性、生きる本能というか、男も女も理性でなく本能で感じたら交わる、というような、『おおらか』というか?個人的に感じました。ちょっと言葉にしずらいです。 終盤、マタギとして大成し壮年期の富治にも、自然の脅威とは別の脅威、戦争の道を進む社会、乱獲による獣の減少、そして過去から現れる女と、己の存在理由を揺るがす事由に直面していきます。マタギとして生きてきた彼はその答えを『山の神様』に求めようとし、クライマックスの『ヌシ』と呼ばれる巨大なクマとの一騎打ちへなだれ込みます。 ラストはとてもキツく感じました…しかしながら感じたことは、人間は生かされている!という自然や社会の厳しくも慈悲深い真理であると自分ながらの理解に至りました。 山本周五郎章、直木賞ダブル受賞の栄誉は納得の感動巨編でした。
0投稿日: 2012.02.23
powered by ブクログ星3.5という感じ。 マタギの仕事がシビアに 渋く表現されている所は よかったけど、 やっぱり…という感じで 女性というか性がつきまとうのが どうも邪魔くさい。 一昔前の男性が、昔ながらのよさ? みたいな本を書こうと思ったら、 そうなるの?って思う。 昔の男はそういう事で頭がいっぱいって 感じがして、なんだかなーと、 そこでガックリきてしまう。 自然を相手の仕事は博打に近い感覚 なんだけど、 でも、やっぱり真摯な人達が支えている、 という感じはよかった。
0投稿日: 2012.02.06
powered by ブクログ「マタギ」がテーマのネイチャー系小説を予想していたが、完全に裏切られた。いい意味で。もちろん期待していた「自然との共生」もテーマの一つではあったのだが、それ以上に物語としてとても面白かった!昼ドラ的ドロドロの愛憎劇あり、官能的な濡れ場あり、ホラー映画のごとくグロい熊との対決シーンあり…かなりの長編だがまったく飽きさせず、一章一章が短篇としても読めそうなほど。登場人物もそれぞれ個性的で愛おしい。でも、東北弁がリアルすぎて映画化は難しいかな(^^;;。W受賞も納得の秀作!
1投稿日: 2011.11.26
powered by ブクログマタギの話。昔の日本の村の生活が書かれていて面白い。主人公を取り巻く女性も強く生きている。ラストは壮絶。
0投稿日: 2011.11.21
powered by ブクログシャトウーンと比較されていたが、この本は比較すべきではない、全くジャンルの違う本だと思う。一人のマタギの半生を丁寧に描いた作品。
0投稿日: 2011.11.18
powered by ブクログこういう書き方をされると、他の小説家が書きにくい。 どういう書き方かというと、綿密に調べ上げた膨大な資料の元に書いているからだ。 今回は日露戦争から満州事変にかけての、東北における「またぎ」の世界を詳しく描いている。 ついでに銅山で働く「炭鉱夫」の実態も微にいり細にいり描写されている。 インスピレーションに頼って、恋愛小説を書くようなお気楽(?)な小説家は、思わず居住いを正さなきゃっていう気になるだろう。 やはり直木賞は努力賞なのだろうか? 著者は東京電機大学卒のバリバリの理科系。 さもありなんと思わされる。 ・・・・・・ ところが心理描写も巧みで、ストーリーテラーとしての能力も高いことに驚かされる。 456ページの大作(?)だが、飽きさせない。 途中何度もホロリとさせられた。 知らない世界を勉強する意味でも、読んで損のない本である。
0投稿日: 2011.11.09
powered by ブクログ直木賞受賞作ということで何の予備知識もないまま読んだ1冊。 著者のことさえこの本を読むまで知らなかったのだけど本当にこの本に逢えて良かったと思わされた。
0投稿日: 2011.11.04
powered by ブクログ読み終えてみると色んな要素がぎっしり詰まっててこれぞエンタメ!と思える1冊。とはいえ芯になっているのはマタギの物語。最終章はやはりこうでなくては。息を詰めて読みました。
0投稿日: 2011.09.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
厚い。 が、波乱万丈な主人公の人生なので、章ごとに「それからどうなっちゃうの?」と読み進めることができる。 マタギということばでしかイメージできなかった存在が、血肉を持って浮かび上がってくる。知ることの快感があった。 残念なのは・・・女性が男性目線の「夢」的な描き方だった点。 正直と言えば正直な書きっぷりなのだろうけど、がっくりしてしまうのですよ、あんまり薄っぺらいと。
0投稿日: 2011.07.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「この本にめぐりあえてよかった!」という帯に惹かれて購入~しかも、史上初の、直木賞と山本周五郎賞をとった作品だとか。そのことがどれくらい凄いかよくわからないがw けっこう分厚い本なので、堅くてつまらなかったらどうしよう?と不安になりながら読み始めたら・・・もうとまらない。寸暇を惜しんであっという間に読破してしまった。 時代は第1次世界大戦前、大正の時代の日本。場所は東北の秋田地方。主人公は、地元では「マタギ」と呼ばれる猟師を職業とするが、地主の娘と恋をして、村を追い出され・・・。 大自然の中の猟の描写もリアル。そして、夜這いの描写もリアル。全ての場面がまるで自分の前で展開されているような錯覚に陥ったくらい。そして、主人公にふりかかる難題も自分のことのように悩んでしまった。最後は、感動で、しばらく放心状態。 宣伝どおり、自分も「この本にめぐりあえてよかった!」と素直に感じた一冊でした^^
0投稿日: 2011.07.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
職場の上司に勧められて読んでみた。 最初あんまり乗り気じゃなかったのに、ガッツリはまってしまいました。 山形から秋田にかけて獣の狩猟を生業とするマタギの話・・・かと思いきや、主人公である富治の運命は二転三転します。 テンプレ通りの展開も結構ありますが、伏線の回収はとても上手いなぁと思うし、目の前に情景が広がる文章にも心を奪われました。 明治後期~昭和初期の山村を描いた小説としても素晴らしいし、エンターテイメント作品としてもかなり面白い。 良い意味で、期待を大きく裏切られました。 超オススメ!文句なしで星5つ!!
1投稿日: 2011.05.04
powered by ブクログ時は大正時代、東北の山深い村に住むマタギの青年・松橋富治は 身分の違う娘との恋に落ち故郷を追われてしまう。 その後採鉱夫として働くこととなりさまざまな経験、さまざまな人との出会いをしていく中で 富治はマタギへの情熱を再燃させてゆく。 とても壮大な自然が目前に見えてくるような小説だった。 序盤はマタギの「山言葉」に慣れずになんどもページを戻ったりして読みにくかったけども 富治の波乱に富んだ人生にぐいぐい惹き込まれた。 獲物を得るというよりも「山の恵みを授かる」という自然への畏敬の念にあふれたマタギの掟のあまりの厳しさに驚くけれど、こういう想いはとても大切なことだなと思わされる。 今のような世の中だと余計に自然に対して心が傷んだ。 そして富治をとりまく二人の女性の心持ちがとても印象的。 控えめな中に芯の強さと忍耐強さがあって大正時代の女性のしたたかさを感じる。 ラストはとても緊迫感があってまさに雄大な自然との対決が繰り広げられる。 ついつい目を背けたくなるような描写もあるのだけど富治のひたむきなマタギとしての想いが伝わってきた。
2投稿日: 2011.03.29
powered by ブクログこの本は長らく未読で積まれていた。 傑作であることは直木賞と山本周五郎賞のW受賞という快挙。 数々の書評で知っていたが その厚さとマタギの話であるということで 読み始めるのを躊躇していた。 しかし。 読み始めたら厚さをものともせず 読み通してしまった。 この本はマタギの青年、松橋富治の物語である。 秋田の小作農の次男である富治は マタギを生業としていた。 そして、地主の娘の文枝を好きになり、 村を追われることになる。 ここから富治の人生は動き始める。 鉱山で働きながらも 山と狩猟への思い捨てがたく 自ら首領となりマタギを再開する。 そして、出会ったイクという女と結婚する。 しかし、文枝への思いは富治の胸の中に あり続けていた。 数々の狩猟の場面が緊迫感で読む者の心を掻き立てる。 クライマックスでは以前出会っていた 山の主と思しき大ヒグマと邂逅し そこで最後の壮絶なまでの戦いが繰り広げられる。 自らの右足をも失いながらも いくつもの葛藤を繰り返しお互いに分かりあった イクが待つ村へ向かうシーンで物語は終わる。 まるで伝承の語りを聞くかのような 勇壮な人間味のあるマタギ富治の物語。 日本が今失おうとしている生き様がここにある。
0投稿日: 2011.03.01
powered by ブクログ途中、異常なまでの眠気が襲ってくる本でした。 内容はまー面白かったです。 昔の話&東北訛りがすごいけど、男の世界って大変だなって 感じる本。男の人にお勧めかも。
0投稿日: 2010.10.05
powered by ブクログ富治はマタギとして青年期を迎えていたが、地主の娘を胎ましたことで炭鉱夫に追いやられた。炭鉱場で知り合った男(小太郎)の村に狩猟を教えるということと娼妓であったその男の姉と所帯を持つことを条件に村に住むことが許された。頭領(スカリ)として狩猟組みを作り活動した。ぬし(熊)と一騎打ちし、片足を食われたが妻のため生きて村に戻ろうと自分を奮い立たせた。
1投稿日: 2010.09.30
powered by ブクログ友人に勧められて読みました。 彼女が「イチ押し」と言うだけあって、なかなかすごい作品でした。 日露戦争後の東北、山間の里に暮らすマタギの物語。 マタギ、とは、多くの場合、春から秋は小作農として農業に携わり、農閑期の秋から冬、初春までの間、山に分け入り狩猟をして暮らす人々のこと。 主人公の富治はマタギとしてこれから、というときに、ある事件をきっかけにマタギの仕事から離れざるをえなくなる。 そのことで見えてくる、マタギとは何か、山とは何か。 近代化の波が山奥の里にまで影響を及ぼし始めた時代に、悩み、迷いながら生きる一人の男の半生を描いています。 時代的にも地域的にも「おしん」のマタギ版、という感じ。 でも、波乱万丈の人生にわざとらしさを感じないのは、ストイックなマタギと自然の対峙が物語の主軸となっているから。 人間そのもの、自然そのもの、を感じさせる表現が非常に生々しいです。(いろんな意味で。) そのへんがダメな人はダメかもしれない。 私はこういう、飾り気のないむき出しの文章や表現、結構好きですけどね。 人間なんてそんな洒落た生き物じゃないですよ。うん。
0投稿日: 2010.09.01
powered by ブクログ熊谷達也さんの邂逅の森 今回熊谷さんの作品は初めてでした。 マタギの話なんですが、マタギって・・・・?ってなりますよね。私は最初の章で寒マタギという題なのを寒タマネギと読み間違えて読んでいて、何の話なのか1章目からチンプンカンプンでした。 なんて話はさておき、内容は秋田に住むマタギと言う獣を狩って生活している人の話。 これだけ聞いたら面白いのか・・・?って思うでしょ?それがまた・・・! 主人公は恋多き男。物語で何人かと恋に落ちるんだけど、そのラブストーリーにも目が離せません。獣を狩る男の恋だったり結婚だから独特なんだけど、何だか最後の奥さんに対する気持ちがすごい素敵で感動しました。 そして、マタギという未知の世界を覗いたのでとても不思議な気持ちです。獣を狩る人がいるだろう事は何となく知ってたけど、マタギって名前の職業で色んな規則がある事を学びました。そして、主人公の転職する鉱山での仕事も初めてどんな仕事なのかを知りました。 今まで読んだことのない世界観や職業のお話だったんですが、知らぬ間に引き込まれて読み始めたら止まらなくなります。久々にあぁ~面白かった!と読み終えたときに声を出してしまいました。最後のシーンは痛々しくてちょっと気持ち悪いシーンもありますが・・・・そのおかげでかなりこの作品に対してはかなり濃厚な印象が胸に残りました。 日本人なのに日本の風土に対して無知だったなぁ。と実感。でも、今からでも色々学べてよかったと思います。 直木賞、山本周五郎賞を史上初めてダブル受賞した作品のよう。 友達の話によるとマタギシリーズでまだ他の作品もあるよう。でも、この作品が一番面白いよ。と教えてもらってしまったのでこの作品でもう満足かも。マタギはもう十分・・・。かも。
0投稿日: 2010.05.17
powered by ブクログ雪山の冷たさ、静けさ、獲物に近寄る時の静寂、張りつめた空気。 経験したことのないことを疑似体験できてしまうのが読書の醍醐味。 それを存分に味わわせてくれる小説。 動物好きの子にマタギって動物殺すんでしょ。あかんわ。と言われ、 そんな単純な話じゃないのにと思いながらもうまく反論できなかった。 頭では理解しても、自分の体には染み込んでいないってことかな。
0投稿日: 2010.02.01
powered by ブクログ直木賞と山本周五郎賞受賞作品。 大正から昭和の初め頃、秋田県阿仁町打当のマタギ・松橋富治の生涯を描いた長編小説。 マタギという職業は今もあるのだろうか。 昨今のように自然破壊や温暖化によってクマが里に下りて来るようではこの小説は成り立たなかっただろうなと思った。 秋田の貧しい小作農に生まれた富治は、伝統のマタギを生業とし、獣を狩る喜びを知るが、地主の一人娘と恋に落ち、村を追われる。鉱山で働くものの山と狩猟への思いは断ち切れず、再びマタギとして生きる。失われつつある日本の風土を克明に描いている。 狩猟文化、夜這い、遊郭、炭鉱、男色、不倫など、昭和初期の「裏日本史」としての示唆も多い。 読むほどに人間の弱さ、哀しさが迫ってきて苦しい小説。失われつつある「男らしさ」がいい意味でも悪い意味でも古めかしい書き方の中に満載されていて途中で何度か投げ出したくなった。最後まで読んでしまったのは富治がどこに行き着くのかを見届けたかったからかもしれない。彼が最後に立ち向かう森の主である大きなクマは自然の象徴のように感じられた。 人は自然に対してもっともっと敬虔でなければいけない。 そんな作者の声が読後にしばらく聞こえていた。
0投稿日: 2009.11.16
powered by ブクログあちらこちらで評判が良いようなので読んでみた一冊。 しかし残念ながら、自分にとってはおもしろいものではなかった。 個性的な人物たちが、驚くような行動を展開しているけれど、その行動に出た心模様が理解しがたかった。登場人物たちの心が、人間の心の自然な動きとして感じられなかった。 そこに共感できる人の心がある小説を読みたい。
0投稿日: 2009.03.26
powered by ブクログ文章は無愛想で描写なんかもちょっと古臭いなぁと思ったり。 でも、最後の最後で大逆転だった。 序盤〜中盤と終盤の温度差みたいのがすごくて、最後は少し感動した。 これが伝える力かなぁって思った
0投稿日: 2008.12.28
powered by ブクログマタギという自分の日常からかけ離れた世界の話であるのに、ぐいぐいと引き込まれる文章。最後は読んでて体中が痛くなってきた。久しぶりに読後充実感を味わえた作品でした。それにしても美しいタイトル。
0投稿日: 2008.12.12
powered by ブクログマタギの人生を存分に味わえる一冊。特に熊と対峙する場面では、息をするのを忘れてしまうほどの緊迫感が伝わってくる。
0投稿日: 2008.09.27
powered by ブクログ2004年上半期直木賞受賞作。大正年間、マタギとして生きる男の波乱の人生。 自然に対する畏怖の念あふれる雄大な物語。
0投稿日: 2008.09.27
powered by ブクログ何とも骨太な一冊だった。 何かの雑誌の書評を読み、読んでみたいと思い、美和子さんにリクエスト。 読み始めは秋田弁で書かれた会話やマタギの専門用語の出現で、少々もたつく。 でも、読み進めるうちにそれが快いリズム感を伴ってくるから不思議だ。 そう、これは大正時代に厳しい冬山で野生の獣たちと「共生」してきた東北のマタギを描いた作品。 今は狩猟だけを生業とするマタギは存在しないという。 しかし、ある時期だけに狩りをするマタギの人たちは今もいる。 作者の熊谷達也はそんな人たちと一緒に過ごし、自分の目で身体でマタギを感じ、それをこの作品にしたという。 私は東北の奥深い山の暮らしも知らなければ、もちろんマタギはおろか狩猟者のこともこれっぽっちも知らない。 しかし、この作品の臨場感は、まるで読者をそこに引きずり出してしまうほどの迫力で迫ってくる。 気温30℃の夏に読んでいても、吐く息が凍り付いてしまうような… 獣の匂いがそこの開いた窓から流れてくるような… マタギたちの熊を追い込む声が聞こえてくるような… 第131回直木賞・第17回山本周五郎賞ダブル受賞作品。
0投稿日: 2008.06.27
powered by ブクログ第131回直木賞受賞作。 マタギが主人公の話も変わっているなと思い通読。 マタギという仕事、クマ狩りに興味が出てきた。 新書でも探してみようか。
0投稿日: 2008.02.29
powered by ブクログ2007.11.7 了/ 直木賞受賞作.小説にはたいてい読者にショックを与える山場があるもんですが,そういうシーンの書き方が独特ですね.
0投稿日: 2007.11.09
powered by ブクログダヴィンチの推薦図書ということで読書。秋田のマタギ、富治は獣を狩ることに生きがいを見出している。しかし、ある日地主の一人娘と恋に落ち、村を追われ、さらにマタギとしての道も閉ざされてしまう。鉱山で働き続ける富治だったが、山への想いが断ち切れず、再びマタギとして生き始める。日本の昔の風土と、山に生きる獣の息吹、マタギとしての誇らしい生き方を強く感じさせる重厚な作品。狩猟のシーンなどは思わず息が詰まるほどで、その迫力は素晴らしいと思った。読みやすい作品とは思わないけど、しっかりとした重みのある作品を読んでみたいと思う人にはオススメ。
0投稿日: 2007.08.14
powered by ブクログ生まれてから読んできた本のなかで感動した作品のベスト5に入る一冊。2004年第131回直木賞を受賞。民俗学を研究しているということもあってか作品の基盤はとてもしっかりしています。狩猟のシーンなどはまるで自分自身がその場にいるような錯覚をかんじてしまうほど、熊谷達也の作品は生涯読んでいきたい!そんなふうに思わせるエネルギーのある作品です。
0投稿日: 2007.06.16
powered by ブクログ綿矢りさの「夢を与える」とは対極にいる感じ。ものすごく厚みがある。この物語に出てくる誰を主役にしても別の物語が作れそうな気がします。
0投稿日: 2007.05.25
powered by ブクログ直木賞、山本周五郎賞のダブル受賞という事で、題名は知っていました。先日、会社の先輩から借りて読みはじめたのですが、大当たり! ここ数年間、読んだ本の中でベスト1です。読み終えてしまうのがもったいなくて、一行一行ていねいに読みました。こういう大当たりの本にたまに出会えることがうれしいです。他の作品も読んでみたくなりますが、期待が大きく、本書と比較してしまうかもしれないので余韻が消えるころ見計らって読んでみたいと思います。
0投稿日: 2007.02.13
powered by ブクログ≪第131回直木賞受賞! 奔放に生きてきた富治を巨大熊に向かわせたものは何か。俊英が送る感動の物語 (帯より)≫ 物語は大正の初めの 山形県の深い山から始まる。 主人公の松橋富治はマタギ――山で獣を狩る猟師――なのである。 厳しい掟を守りながら厳しい山奥で狩をするマタギには、マタギにしかわからない厳しさと愉悦、そして何より誇りがあった。 訳ありで追われるように村を出てからも、富治の人生は獲物を待ち、追い、そして撃つようにしてつづいているように思える。それはおそらく、マタギとしての誇りのなせる業なのであろう。 物語最後巨大熊との勝負では、躰はぼろぼろになったが、心は満たされきっていたことだろう。
0投稿日: 2005.01.15
