joecoolさんのレビュー
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ハンナ・アレント
川崎修 / 講談社学術文庫
アレントは「今」をどう見るだろうか
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ハンナ・アレントの名前をあちらこちらで見かけることがあって「どんなことを考えてた人だろう」と思って読んで見た
著者の言われる通り「その作品やそこにあらわれたアレントの思想のおおまかなイメージを持っても…らうこと」は得られたと思う
読み進めてゆく中で常に感じたのは、アレントの思想が、あたりまえながら極めて ヨーロッパ的 キリスト教的 ユダヤ人的だとの印象だった
例えば、アレントの"大衆"と全体主義"運動"との関係についての考察を追っていると、あらゆる一神教的ドグマにあてはまる議論のように感じられ、あたかもカソリックとその信者について述べているのではないかとの印象を受けた
アレントの言うところの「イデオロギー的思考の特徴をなす三つの全体主義特有の要素」は、そのまま「一神教的思考」と言い換えることができないだろうか
曰わく
・イデオロギーは実際に有るものでなく"成るもの"を説明する
・イデオロギーは一切の経験に依存しない。それは「より本来の現実」を把握していると自称する
・イデオロギーは思考は、確実とされた前提から、完全な一貫性を持って、すべてを演繹して、現実を処理する
その上で「前提の中で与件として認められている"唯一"のもの…に立脚して運動を展開」させる
本書前半の「十九世紀秩序解体論および全体主義論、アメリカ論」は極めて興味深く読むことができた
しかし、政治についての議論は「政治を論ずることの難しさ」の印象が強かった
現在の世界と政治のありよう、今ここにある日本の現実、深く地核に沈んでいたマグマが一気に噴き出したようなアメリカの現状を見る時に、アレントの論にどれだけの現実味と力があるのかと… 続きを読む投稿日:2017.02.13
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織田信長
神田千里 / ちくま新書
アンチテーゼ
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やや牽強附会と感じられる部分もあるが アンチテーゼとして問題提起する姿勢は正しいと思った
新書としての制限ゆえ 自説の論証に偏りがちで 通説を批判する部分が弱いのはやむを得ず 全体としては概ね公正で興…味深い分析が展開されている 続きを読む投稿日:2014.12.09
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邂逅(かいこう)の森
熊谷達也 / 文藝春秋
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叛逆航路
アン・レッキー, 赤尾秀子 / 東京創元社
おにぎり? 海苔巻き?
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"7冠"ってだけで 僕が四の五の言う必要はないです
読んでる間 ずっと"ねじ巻き"を思い出してた 近ごろのトレンド? (^_-)
あと主人公がオマーフ宮殿のステーションで食べた"海草の皮にくるまれた名…を知らない食べもの"は おにぎり? 海苔巻き? 続きを読む投稿日:2017.02.14
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亡霊星域
アン・レッキー, 赤尾秀子 / 東京創元社
はっきり言って"ラヴ・ロマンス"です(笑)
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しかし、この著者はどっからこんな世界観を引っ張り出してきたんだろう つくづく感心する
当然、前作に続いて圧倒的に面白い!
なんだか艦船AIが 忠実な飼い犬には思えてくるのだが…投稿日:2017.03.15
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戦国誕生 中世日本が終焉するとき
渡邊大門 / 講談社現代新書
確かに「一般書」です
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事実(史実)を延々と並べているだけ って感じが強いです
「なぜ」そうなったのか 「背景」は何なのか と言った 著者の「考察」を期待したのですが
あれも これも と欲張り過ぎたのですかね
時代全体を理解…する糸口になるようなトピックスに、もう少し的をを絞って、もう少し深く論じてもらいたかった
あと、人名が“政”と“義”ばっかりなので これから読む方は メモでもとりながら注意深く読まないと 訳が解らなくなります 続きを読む投稿日:2017.03.28