【感想】小説 君の名は。

新海誠 / 角川文庫
(424件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
119
140
98
17
3
  • 儚い記憶

    これの映画を見た帰りに、映画の余韻が醒めないうちに衝動的に買って読みました。

    とりあえず映画の方はとても良かった...。新海監督らしさ全開のすれ違いというか、あの絶妙な距離感と共に、目覚めた瞬間、覚えていたはずの夢が次の瞬間からスーッと消えていくあの喪失感。そして何かを見たという朧げな記憶だけが残るあのもどかしさ。あの感覚...。

    まあ、映画の感想を書く欄ではないのでこれで留めておきますね。

    さて肝心の本小説の方です。読む前の印象では新海監督の映像作品やインタビュー等での落ち着いた物腰等を見ると、もっと情緒的で詩的な文章を書く人と思っていましたが、実際に読むといい意味でライトノベル的、つまりとても読みやすいです。

    映画と違って内面描写については一人称視点で語られていますので分かりやすいですし、映像でスッと流された部分についてもところによっては詳しく書かれていますので、物語の補完と復習には良い小説だと思います。

    ただ情景描写が文章と映像では比較するのもバカバカしいくらい映像が圧倒的ですので、個人的には小説を読んでから映画を見るのは勿体ないかなと思いました。
    続きを読む

    投稿日:2016.08.27

  • 映像向け作品らしい…

    うぅ~ん、確かに面白い。
    面白いんだけど、大騒ぎするほどの
    ものでもない。
    昔の映画で「転校生」という神社の境内
    から男女が転がり落ち、精神と身体が
    入れ代わる物語。
    あと「時をかける少女」。
    それと韓流ドラマ「夏の香り」
    ソン・スンホン、ソン・イェジン主演。
    その辺の話しを足して、いくつかで割った
    みたいな(*´艸`)
    あとがきや解説にもあるが、この作品は
    きっと映像向けなんだと思いますね。
    映画のあの爆発的な売れ行きからして。
    ということで下知識は万全なので、
    これから映画を観に行くとしよう!
    なんでもこの映画、何回も観に行く方、
    続出ですとか?ちょっと楽しみ♪

    ※さぁ果たして、この頑固オジンの足を
    何回も映画館に運ばせることができるか?
    映画観たら、また感想足しますね♪
    続きを読む

    投稿日:2016.10.25

  • 新海誠氏って文才もある方だったのね

     「何を今更」とおっしゃられる方々、どうもすみません。
     アニメ好きなのに、漫画ならまだしもアニメーション、実写なんてもっと…と映像になると、理解低下し「いっそ活字にしてくれ」と思ってしまう自分映像リテラシー低いのです。
    そんな私でも新海誠氏のアニメーションの素晴らしさは伝わっていました。
     さて小説です。レビューのタイトル通りなのですが、活字の特徴のフォーカスを当てなくていいところは書かなくていいが生かされていて、まず分かりやすいです。
     次に分かりやすいので新海誠マジックに自然にのせられます。主人公三葉も瀧も好感持てます。終盤のぐっとスケールが広がるのが見事です。
    ちょっとしたことが布石になっていたことが分かるのですが、下らない布石回収カタルシスなんかに拘るより、早く先が読みたくなります。

     ある言葉が繰り返されるのですが、そうでなくてはいけなくてそうとしかいえない言葉です。
    繊細で微かで消え入りそうで、でも意志と想いが凝縮されている、ような。
    (こんな私の言いかえなんか邪魔ですから忘れてくださいっ…です。)

     過去アニメーションに対する「この光と色は○○の象徴か?」とか「この水の美しさは美しさだけではなく○○なのか?」というのがなく、言語化されていて楽ちんで良かったのですが、
    ただ新海誠氏ご本人は三葉の町の山の風景や湿度感、山頂の空気感や、それと対比する東京の雑踏感などは「もっと表現できるよ~」と思っていらっしゃるかもしれません。
    アニメーション映画への期待が高まるばかりです。

     ですが、あとがきより小説は三葉と瀧視点ですが映画では俯瞰の視点が入るらしいので、
    小説で基本押さえて→映画、そうして感動を胸に(感動すること前提になっているし^^;)
    何度も小説というのはいかかでしょう。
     他の作品の小説も「お金も時間もないのにっ」読みたくなってジタジタ苦しいので、
    腹いせに星-1したいぐらいですが、それはないので星5です(^^)
    続きを読む

    投稿日:2016.08.15

  • 『転校生』+『時をかける少女』

    子どもの頃に観た大林宣彦監督の『転校生』を思い出した。
    それに『時をかける少女』がミックスされた感じ。

    高校生の恋愛系の話かなと思いきや途中からSFっぽくなり、しまいにはディザスターパニックの要素まで入ってきて、どんどん話が広がっていく。
    笑いあり、感動ありの中にも、人の縁とか、運命の出会いの大切さを訴えてるような・・・そんなシリアスなテーマも感じられた。

    子どもにも薦めたい秀作だ。
    アニメも観に行こうっと。
    続きを読む

    投稿日:2016.09.06

  • 映像表現への展開を想像して

    話題になっているアニメ映画なので、近日中には映画館に行こう、と考えています。
    そんな時、作者であり映画監督の新海誠さんのこの小説を知り、購入しました。
    主人公二人の心理描写や、物語の展開が丁寧に語られていて、とてもイメージが膨らみました。
    この繊細な心の動きを、アニメの映像でどのように表現しているのか、情緒豊かに語られる田舎町や自然の風景はどのように描かれるのか。
    言葉からイメージが湧き起こる心の中の映像が、アニメの世界ではどのように描かれているのか、映画館に行くのが楽しみです。
    きっと、瞬間の映像では見逃してしまいそうな些細なことも、この小説を読んでイメージを膨らませておくことで、漏らさず楽しめそうです。
    続きを読む

    投稿日:2016.09.18

  • 補完用かなー?いや単品でも行けるな。

    新海誠氏最新作だねー。まずは面白かったです。ただ少し物足りない感じが。
    とはいえ著者はアニメーション作家ですので当たり前ではあるのですが、音楽や雰囲気などの描写が少ないです。
    音楽などは表現するより合わせて流してしたほうがいいですよね。
    当たり前ですが小説では音楽流れないですのでこの少し足りない感じはそこから来ているのだと思います。雰囲気は自分の想像力のたらなさもあるかと思いますが。
    まだ公開前なので勝手な感想ですが心理描写はこちらの方が深いかもです。
    アニメーションとともに見るともっとおもしろくなりそうです。どちらから見るのがおすすめかは・・・むずかしいですね。
    自分のおすすめとしては映画→小説→映画です。
    最初にも書きましたが小説だけでも十分面白いです。映画を見た方は是非読んでほしいです。
    見てない人も興味が湧いたら読んでほしいです。映画も見たくなるような作品です。後者は自分がまさにそうです。
    星の評価は星5から物足りなさを引いてー1、映画への期待が大きくさせられたというのを加味して+1。
    評価5がふさわしいと思います。 
    続きを読む

    投稿日:2016.08.03

Loading...

ブクログレビュー

"powered by"

  • メガネマン

    メガネマン

    普段は読まない類です、SF系になるんですかね。映画見てないのですが、図書館で目に留まり。
    いい意味で期待を裏切ってくれたというか。白けた気持ちで、距離を置いて読む自分を想像してたが、入り込めたと思う。
    描写の表現が素敵で、景色が思い浮かぶよう。

    感じたこととしては、私は多くの景色と出会ってきたわけだが、その組み合わせはオリジナルのもので、他の誰とも相容れない。もし、それを共有できることになったら?と考えると不思議だが、私有物に留めておきたい気持ちも。こんなことを考える時点でのめり込んでいるのでは?!
    父が転勤族で都会も田舎も知っている私の境遇では、シンパシーを感じやすかったのかも。映画見てみたくなったなーちくしょう。笑
    続きを読む

    投稿日:2025.06.21

  • もっち

    もっち

    ブクログを徘徊していたら、本棚に『君の名は。』を登録している方を発見して小説版の存在を知った。いま読まないと!と直感的に感じ、導かれるように図書館で早速予約をした。なんとなく徘徊していたのは、本書と出会うためだったのかも。(物語の影響を受けすぎている…)

    流れは映画と同じで内容も知っていたけれど、すごく良かった。神道系の話、ムスビの話やカタワレ時の話、映画ではさらっと観ていたものの意味について小説だとゆっくり考えながら読めた。こういう類の話は好きだから、この物語を頭で反芻しながら自分の生活に落とし込んでいきたい。
    続きを読む

    投稿日:2025.05.14

  • ainon

    ainon

    映画を観た後に読み始めたので、ノベライズかぁ
    とそんなに期待はしていなかったのだけれど。

    ものすごく良かった!

    映画のなかで曖昧なままの二人の心情もわかるし、
    映像を思い浮かべながら読めて。

    んどんラストに向けてスピードが上がっていく感じ


    懐かしい景色や色や空気や音を感じさせてくれる文章


    映画をみたら、ぜひこのノベライズを読んでほしい。

    きっとまた、映画を観たくなるはず。

    私もこれから映画みよーっと
    続きを読む

    投稿日:2025.05.11

  • のん

    のん

    映画を観てから読んだ。良く言えば映画の感動を追体験できた、が、悪く言えば映画を文字に起こしたという印象。この本は面白かったし、感動はしたが、映画は超えられない。筆者自身も、映画と小説のどちらが原作か分からないと言っているが、私は映画ありきだと思った。この本を読んで感動した人は是非映画を観て欲しい。続きを読む

    投稿日:2025.01.05

  • さくもっち

    さくもっち

    君の名は。は、映画で見たことあるので映画と小説何か違うかなっと思ったけど本当に違った!まず映画では様様な視点があるけど小説は二人の視点で書かれていて私てきには小説の方が最初は他人だけどどんどん二人が距離を詰めてく様子が映画よりも書かれていて私は好きです。続きを読む

    投稿日:2024.12.26

  • さくら

    さくら

    大作映画「君の名は。」の小説版。新海誠監督の映画が大好きで、小説も読んでみたいと思い購入しました。
    新海さんの映画の良さといえば1番は「映像の綺麗さ」。小説だと映像がないので楽しんで読めるか心配になりましたが、新海さんは紡がれる言葉も綺麗。映画を見たことがある人もそうでない人も是非読んでいただきたい作品です。続きを読む

    投稿日:2024.11.03

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

セーフサーチ

  • アダルト(性表現・暴力表現)

  • グラビア

  • ボーイズラブジャンル

  • ティーンズラブジャンル

ONにしたコンテンツはトップや検索結果で表示されません

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。