future4227さんのレビュー
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96
このユーザーのレビュー
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小説 君の名は。
新海誠 / 角川文庫
『転校生』+『時をかける少女』
11
子どもの頃に観た大林宣彦監督の『転校生』を思い出した。
それに『時をかける少女』がミックスされた感じ。
高校生の恋愛系の話かなと思いきや途中からSFっぽくなり、しまいにはディザスターパニックの要素ま…で入ってきて、どんどん話が広がっていく。
笑いあり、感動ありの中にも、人の縁とか、運命の出会いの大切さを訴えてるような・・・そんなシリアスなテーマも感じられた。
子どもにも薦めたい秀作だ。
アニメも観に行こうっと。 続きを読む投稿日:2016.09.06
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悲しみのイレーヌ
ピエール・ルメートル, 橘明美 / 文春文庫
イレーヌが悲しすぎます
4
なんと!カミーユ警部にこんな過去があったとは!これを読んでからシリーズ2作目『その女、アレックス』を読み直したら、カミーユに対する印象もまた違ってくるのかも。
デビュー作というだけあって『その女、アレ…ックス』ほど凝ったストーリーではないけれど、充分読みごたえのある作品だった。
それにしても切ない結末。タイトルそのまんまだった。俺なら発狂してしまうだろうなぁ。 続きを読む投稿日:2016.06.05
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儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇
ケント・ギルバート / 講談社+α新書
日本人が日本人であることに誇りを持てる一冊です
4
私の中では昔のクイズ番組『世界まるごとハウマッチ』の知的な解答者というイメージのケント・ギルバートさん。
中国と韓国をぼろ糞にこき下ろしています。
中国は「超ジコチューのオレ様国家」、韓国は「密告…社会」の「嘘つき大国」と容赦がありません。
中国人、韓国人の方にはちょっと気の毒なぐらい。
反対にこそばゆさを感じるほどに日本人を大絶賛。
ただ、日本のお人好し外交にも問題があると指摘。
知らない情報が沢山あり勉強になりました。
表面的な報道だけで物事を判断してはいけないということを強く感じました。 続きを読む投稿日:2017.05.30
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土漠の花
月村了衛 / 幻冬舎文庫
読み始めたら最後、ノンストップで逃げまくるしかない!
3
いやぁ、凄かった!
とにかく序盤から息つく暇もなく戦闘に継ぐ戦闘。
読者にも休む間を与えない。
さらに所々に挿入される自衛隊員たちの葛藤や過去が、単なる戦争小説ではない人間ドラマとしての深みを与えてい…る。
また、ソマリアの現実、海賊の暗躍、自衛隊の海外派遣、イスラム系武装集団の勢力拡大、石油権益を巡る欧米諸国の介入など、今まさに進行中の問題に対して一石を投じる小説でもある。 続きを読む投稿日:2016.07.15
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ハサミ男
殊能将之 / 講談社文庫
叙述トリックというほどでは・・・
3
叙述トリックものと聞いて読んだが、ちょっとなぁ。
読者をミスリードするというより、単に混乱させて煙に巻いているだけのように感じた。
その時点で騙してますよーというオーラが全開。
また、かなり詳細に描い…ていたにもかかわらず、結局本筋とはあまり関係がない場面とか多々あって、いらなくね?って思ってしまった。
その他にも鍵を握っていそうなことが回収されないまま放置されて終了。
アイディアもタイトルも良かっただけに、もう少し練って欲しかったかなぁ。
あーすっきりしない! 続きを読む投稿日:2016.06.05
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合本 悲しみのイレーヌ その女アレックス 傷だらけのカミーユ【文春e-Books】
ピエール・ルメートル, 橘明美・訳 / 文春e-Books
各賞総なめの衝撃ミステリー3部作!
2
日本語訳が刊行されたのは『その女アレックス』が最初なのだが、本当の刊行順は『悲しみのイレーヌ』が最初。
ここはやはり『悲しみのイレーヌ』から読むべきでしょう。
『その女アレックス』から読むと1作目のネ…タバレになってしまう上、主人公カミーユ警部の心情が今一つピンとこなくなってしまう。
このシリーズの面白さは、犯人は誰か?という謎解きだけにとどまらず、カミーユ警部を取り巻く人間模様が魅力的に描かれているところにある。
捜査チームの仲間や愛する人が否応なしに事件に巻き込まれていく。
一刻も早く犯人を見つけなければ、次の犠牲者が出てしまうというプレッシャーの中での捜査。
そしてストーリーの前半と後半で、事件の様相が根本的に覆る仕掛けもルメートルの巧みな作風である。
主人公のカミーユ警部もシャーロックホームズや杉下右京のような天才的な推理力や運動神経を持っているわけではない。
むしろコンプレックスの塊のような人間が、現場のたたき上げで地道に成果を積み上げてきたようなキャラクターだ。
そういう所が親近感を覚える一因でもあるし、読者は読み進めているうちに自然とカミーユにかなりの肩入れをしてしまうことになる。
そしていつも最後にはカミーユの運命に涙することになるのだ。 続きを読む投稿日:2016.12.21