【感想】銀翼のイカロス

池井戸潤 / ダイヤモンド社
(490件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
166
182
100
2
1
  • 銀行はどこまで債権放棄に協力すべきか?

    いつもなら、ある制限時間というか一定の期限が課され、それまでに再建の道筋や逆襲の一手を見つけ出し、大団円の対決の場で半沢が論破するという流れだと思うのだが、今回はそれを踏襲していないため、少し物足りなさを感じるのはそのためか。

    「債権放棄は世論だぞ」
    「銀行の与信判断は世論に左右されるものではない」

    「一銀行の理屈ではなく、国益や公共性はないのか?」
    「棒引きする500億円があれば、他の資金繰りで困っている多くの企業に融資ができる。日本を支えているのは、航空会社だけではない」

    債権放棄の是非自体は面白いテーマ。
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    投稿日:2021.03.14

  • JALの 笑

    破綻しそうな日本を代表する航空会社の銀行主導の再建案がまとまりそうになったとき、政権交代が起こった(民主党? 笑)。

    政府主導で新たにタスクフォースが組まれ、再建案は強引に白紙に戻された。
    沢直樹の逆襲が始まる。

    まぁ、目に見えるようなダメさ加減、実際にこんなことが起こりましたしね、前政権のものは全て否定するという。
    話題の某国の政府もそうですけど。
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    投稿日:2019.08.03

  • 痛快!

    ご存知半沢直樹の4作目。
    3作目同様、モデルとなる会社や団体や出来事は明らかだけど、そうした材料を使って、期待以上の料理に仕上げるのが、池井戸潤。
    人物のキャラ設定も分かりやすいし、文章も読みやすくて、それでいて読んでいて最高に痛快なんだから、エンタメとして最上級にあると思う。続きを読む

    投稿日:2017.10.11

  • 黒崎の人間っぽいところが見えてちょっとびっくり

    内容はいつも通り安定。スッキリと読みおえれた。
    黒崎が意外にもポロリと情報を洩らすシーンはちょっと意外。
    次回は黒崎と半沢が協力して進むストーリーだと面白いかも!一緒にバーで飲んじゃったりしてね。

    投稿日:2016.04.25

  • 池井戸さんの黄金パターン

    痛快だった。虐げられ、押さえつけられ、最後は大逆転する池井戸さんの黄金パターン。今回は破綻寸前の帝国航空の再建がテーマ。半沢直樹が悪徳政治家とがっぷり四つに組んで、対決する。政治家相手に『倍返しだ!』と言ってのける姿は、ヒーローだね。続きを読む

    投稿日:2016.02.25

  • 結末は。。。

    政治がからむとますますドス黒くなるのはどうしてだろう???
    あの会社が思い浮かぶけれど、あくまでフィクション。
    今回一番光ってたのは「富岡さん」じゃないか?

    今回は痛みわけの部分もあり、
    最後には半沢派に大きな動きがあるが、
    次作にどう影響するのか、楽しみ。
    続きを読む

    投稿日:2015.08.04

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ブクログレビュー

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  • レモン

    レモン

     今度の敵は悪徳政治家と国交省大臣、その私設諮問機関とさらにスケールアップ。徹底的に悪役を糾弾してくれるので気持ちが良い。現実でも半沢みたいな人が出てきて、裏金疑惑やら何やら完膚なきまでに打ちのめしてくれたらいいのに。帝国航空社長は序盤だけの登場でほぼ財務部長が同社の顔となっていたが、再建のための意識改革は現場から自発的に起こってきていたのか。旧Sとか旧Tとか心底下らないと思うが、合併銀行あるあるなのかな。スピンオフではなく続編早く出ないかな。続きを読む

    投稿日:2024.03.15

  • シュン

    シュン

    だいぶ前に、ドラマ版を見ていたが小説も圧倒的に面白い。少々、半沢に都合良すぎな展開な気もするけど、それを補って余りあるカタルシスがたまらない。これぐらい、自分の意見を言えたら人生かわるんだろうなぁ。

    投稿日:2024.02.28

  • Kini

    Kini

    このレビューはネタバレを含みます

    «どこまでも堅実に誠実に。仕事内容に「プライド」を持て»
    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    ※この物語はフィクションです。実在する人物及び団体とは一切関係ありません


    この一文を再確認しないと、今にも怒髪が天井を突き破りそうな方、いらっしゃるんじゃないでしょうか。
    私もそのひとりですが、安心してください、フィクションです(再掲示)
    ジョージ・オーウェル先生の『動物農場』を読んだ時にも感じたのですが、(ロシア革命を上手いこと風刺した名作です。)筆が立つ小説家の方は、人の感情を操作するのがほんっとに上手だなと思いました。(拍手とともに)

    本題ですが、今回ガッツリネタバレを含んでおりますので、以下未読の方はご注意ください。

    ━━━━━━━━━━━━━━━
    今回の話は今までの難題のようにひとつひっくり返せば万事上手くいくという訳にいかないのが難しいところだったなと思います。
    根幹の(経営者が)気難しい航空会社の再建のみならず、(むしろここを早々に味方につけられたのは少し意外!)
    折り悪く政権交代をきっかけに絡んでくる議員の皆様、(顔と前職の評判だけで議員を選んじゃダメ!の好例かと。見極め大事ですね。)
    そしてまさか身内にまで問題を抱えていたとは……(組織全体がピンチなのに、自己保身と半沢憎しで身内まで潰そうとする曽根崎と紀本は本当に何なんでしょうね)
    四面楚歌の状況でも、冷静にひとつずつ問題を切り崩していく半沢に、今回も勇気づけられました。全て解決とまではどうしてもいきませんでしたが、これを機に色々な部分が見直され、再建されていけば良いなと思います。

    今回の話を読んであらためて「プライド」というものを考えた時、これは所蔵する組織や立場によって作られるのではなく、自分の行ってきた、あるいは行っている活動内容によって形作られていくものなんだろうなと思いました。

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    投稿日:2024.01.04

  • kozue

    kozue

    作中、富岡さんと誰かさん(はっきり名前が出てこないけど、読んでいればわかる)がサシ飲みしているときの会話で、富岡さんのセリフにハッとするような印象深いものがあった。

    「ただ、欲にも、身の丈ってものがある。身の丈に合わない欲を掻くから、面倒なことになる。人もそうだし、実は会社だってそうだと思いますね。できもしないことをやろうとするから無理がある。結局、そんな会社は誰も幸せにしない。社業もうまくいかないし、社員だってストレスで参っちまう。全ての会社には、その会社に合った身の丈の欲ってのがあるんですよ」(P329)

    この小説に登場するものは、銀行だったり大企業だったり政治家だったりで、なにもそういうTVの向こう側の存在だけの話ではなくて、誰でも一人ひとりの人間にも言えることだと感じた。身の丈に合わない欲は面倒だし不幸になると思う。
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    投稿日:2023.12.21

  • kasaharapapa

    kasaharapapa

    このレビューはネタバレを含みます

    世間に知られることなく、ひっそりと銀行を去ろうとも、この男が生きてきた道のりは尊く、そして光輝いている。そのことを半沢は知っている

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.04.07

  • 43street

    43street

    あの、半沢直樹の続編です。
    ※ 「オレたちバブル入行組」 > 「オレたち花のバブル組」 > 「ロスジェネの逆襲」

    JALの会社更生法の適用を題材にして、当時の民主党とか蓮舫とかの悪者を敵に回して、最後に倍返しって感じ。
    今度は、相手が政治家だから半沢直樹も偉くなったなぁ。

    JALは今まで問題が多かったので、よく小節の題材になるよね。
    山崎豊子の「沈まぬ太陽」、横山秀夫の「クライマーズハイ」・・・
    政治と国有会社は、問題有り有りだったんだねって事がよくわかる。

    銀翼の・・・も政治の腐敗を、半沢直樹がバッサリやっちゃうってのは、大岡越前とか水戸黄門とかと同じパターン。
    まあ、単純に面白いわけだ。

    これ、 「ロスジェネの逆襲」と合わせて、TVドラマの企画が持ち上がってるんだよね。
    またまた高視聴率取るんでしょうね。
    続きを読む

    投稿日:2023.03.30

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