【感想】虚夢

薬丸岳 / 講談社文庫
(144件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
28
70
37
3
0
  • 心をえぐられます…

    まったく、この薬丸氏って人は
    同じような題材を使った作品
    ばかりなのに、どうしてまぁ
    こんなに作品ごとに興味深く
    話を仕上げてくるのか…
    感心するわ。
    ラスト近くになってから、
    花火大会のフィナーレのごとく、
    次から次へと大玉・仕掛け花火が
    炸裂していきます。
    おまけに「お涙ちょうだい」の
    部分まである始末。
    いや~、面白かったです。
    心神喪失者による事件・事故。
    経験したことは、勿論ないのですが
    世の中で起きた同様の事案は、
    こういった様々な人々の人生を
    狂わせているのでしょうね。
    複雑な気持ちになりながらも、
    一気読みしてしまう感慨深い作品でした。
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    投稿日:2014.12.03

  • みんなに知ってほしい

    薬丸氏の作品を読むのは3作目。
    毎回毎回重いテーマに気分が沈みます。。。

    今回は心神喪失者による殺人。
    冒頭から凄惨な事件の描写で、「コレか・・・」と先を読むのが怖くなりました。
    第六章の手紙の部分まで、なんとなくストーリーが予想できてしまったのですが、
    第六章後半と終章で、まさかの展開に。
    「本当の心神喪失者」と「心神喪失者を装う」ことの区別が全くわからなくなりました。

    読後感がすっきりしないし、考えさせられることが多い氏の作品ですが、
    それでも読まずにいられないのは、現実にそういう事件があるからで、
    そこから目を背けてはいけない、知らなきゃいけないだと義務感のようなものを感じます。
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    投稿日:2016.05.15

  • せつないけど、、、

    薬丸さんワールドにはまってしまいました。

    投稿日:2013.09.27

  • 刑法三九条について考える

    この作品を読むまで、刑法三九条のことについて深く考えたことがなかったと思い至りました。
    ニュースなどで同様の事件があっても、束の間被害者に同情するだけで、自分が当事者でないことに安堵しいつしか忘れてしまっていました。
    もしも自分が被害者の身内だったらどうする?と自問自答しながら一気に読了しました。
    他の作品も読んでみたいと思わせる作品でした。
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    投稿日:2015.11.25

  • なかなかの纏め方

    薬丸岳は相変わらず重めのテーマを題材にしつつ、うまく作品に纏めますね。最後もがっかりな終わり方でもなくなかなか良かったし、「あの人」には完全に騙されてしまった。

    投稿日:2016.06.19

  • 深く考えさせられる作品

    刑法三九条
    心神喪失者の行為は、罰しない。または、その刑を軽くする。
    ニュースなどで何となく知っている法律ですが、実際、身のまわりで起きないと深く考えないでしょう。
    この小説では、実際に発生しそうな出来事をもとに話が構成されています。
    ある事件により、全てが変わり、狂ってしまった平凡な日常生活。
    最後は、思わぬ仕掛けに「刑法三九条」が正しいのかどうか、一体何なのか深く考えさせられます。
    刑法三九条について考えたことのない人に読んでもらいたい一冊です。
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    投稿日:2017.04.14

ブクログレビュー

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  • ひきこもり

    ひきこもり

    このレビューはネタバレを含みます

    佐和子が約4年も精神障害者と思われるように行動していたことに驚いた。
    単純に事件解決して終わりっていう作品なのかと思って手に取ったけれど、物語を通して読んだ人に刑法39条について考えさせる本だった。被害者や加害者、その周囲の人の苦悩がよく書かれていて、現実にあった話を本にしたのではないかと思った。
    今も刑法39条が絡む事件を目にするので多くの人に読んでもらいたい作品だと思った。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.02.22

  • おき

    おき

    本当に辛い病気なんだろうなと。当人の気持ちを、わかろうとしても、わかってあげることができない。んー、辛いですね。

    三上さんの漢気、素晴らしい。

    投稿日:2024.01.25

  • ぴろりきん

    ぴろりきん

    考えさせられる内容で少し重いストーリーのようにも感じる。どのような結末を迎えるのか期待して読み進めたが、期待を裏切るほどではなかった。なんとなくモヤモヤが残る感じ。

    投稿日:2023.12.10

  • 官兵衛

    官兵衛

    異常とはいったい何なのか。(中略)人を殺しても許されるという司法からのお墨付きがもらえるまで狂気に近づきたかった。
    これが被害者遺族の正直な感情だと思いました。復讐が出来るなら、一番狡い方法で同じ目に合わせてやりたい。少なくとも私はそう思いました。続きを読む

    投稿日:2023.10.24

  • 景子

    景子

    以前に読んだのを忘れて2度目。以前より精神病、心療内科にかかる病気、ADHDなどの話題が増え身近に感じるようになったので この本のような事件が今後も増えてくるだろうな。その後の被害者やその家族の色々な人生の変化も凄い。続きを読む

    投稿日:2023.10.15

  • 怡然じらく

    怡然じらく

    このレビューはネタバレを含みます

    人は自分の目に映るものだけを信じ、真実だと思い込む。
    それに飲み込まれるもの、利用するもの、惑わされるもの。
    それぞれの視点から心神喪失、刑法39条について描いていて、全く飽きることなく最後まで読めた。

    私だって、自分の目にうつっているのなら、皆がそれを幻だと言おうと信じないだろう。
    またこの物語を読んで、例え親しい人の話が到底理解できなかったとしても、頭ごなしには否定すると更に追い詰めてしまうと感じた。

    佐和子について、あまりにも心神喪失の描写が生々しかったので、最後の手紙で彼女の心情を知った時、驚きとともに少し安心してしまった。

    ゆきについて、私には彼女の苦しみを推し量る事はできない。それほど、彼女の過去は重くて傷は深い。彼女の弟への愛情を痛いほど知っているから、彼女が真実と向き合った時に命を絶ってしまわないか。治療の通過点として避けられないことだとしても、このまま知らずに生きて欲しい。

    私も、三上や坂本のように痛みを抱える人から目を背けてしまったことがある。
    自分に降りかかる災いにしか終始目を向けていなかった坂本は確かに読者の目線だと非常に自分勝手に映るが、とても現実的だし、口には出さないが誰もが思ってしまうことを代弁しているようなキャラだと思う。
    三上のように身を削るのはそれも共倒れの危険がある気もするが、「先生」のように話を善悪の判断をせずに聞き、必要な時に手を差し伸べる、そんな人間のあたたかさを、忘れずに持っていようと思う。

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    投稿日:2023.08.15

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