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山本弘 / 創元SF文庫 (79件のレビュー)
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総合評価:
みね
7
世界有数の怪獣大国日本で日々戦う公務員のドラマ
怪獣に有効な必殺技を持つわけでもなく、ヒーロー的な華々しい活躍をするわけでもなく、愛と勇気だけで人類が救えるわけでもなく。マスコミからの批難にさらされながらも、懸命に仕事をこなす命がけの現場、責任とい…う重圧に耐える対策本部。SF的理屈付けに人間ドラマをおり混ぜたリアリティあふれる怪獣モノ。己らの力の限界を知りつつも、人を助けるため困難に立ち向かう隊員たちの姿には、胸が熱くなる。ヒーローに憧れ夢想し、だけどヒーローになれなかった大人におすすめしてみたい。続きを読む
投稿日:2013.10.04
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6
もしも世界に怪獣がいたら…?
非常にライトで読みやすい。人物描写もキャラが立っているというか、ライトノベル風味。 地震に使われる指標M(マグニチュード)を応用してMM(モンスター・マグニチュード)としたり、「怪獣がいない世界では怪…獣による被害が自然災害による被害になっていたりするかもね」という多重人間原理などを出してきたり、既存の理論を組み合わせて独自の世界観を作り上げている。 ゆえに、ひょっとしたらこんなパラレルワールドがあるかもしれないと考えさせられた。 この「法則が生み出す世界」というのがまさしくSFだなあと思う。続きを読む
投稿日:2013.10.19
スカイフィッシュ
5
宇宙創成を解釈した伝奇SF。単なる怪獣災害バトルではありません。
表紙からは、ゴジラやウルトラマン的な単純な怪獣vs戦隊モノを想像したが、全く違ってすごく良い方に裏切られた。自分が好きな、SFと伝奇がミックスした極上のエンタテインメントでした。宇宙創世や次元の謎。さ…らに世界の神話や伝承の独自の解釈。個人的にはエヴァンゲリオンのような匂いもちょっと感じました(雰囲気が明るいエヴァ)。他のレビュワーの方の評価が高いのがすごくよく分かりました。続きを読む
投稿日:2015.01.19
ツクヨミ
4
怪獣が台風のように襲来する世界で
本作の舞台は地球によく似た架空の世界ですが、地球と違って、そこには当たり前のように怪獣が存在しています。怪獣の襲来は自然災害の一種とされているため、それらと戦うのもウルトラマンではなく、気象庁の対策チ…ーム(+自衛隊)です。 感想としては……正直、読み終わるのが惜しいくらいに面白かったです。怪獣モノでこんなにハマるとは思いませんでした。対策チーム(気特対)のメンバーも愛すべきキャラばかりで、特に藤澤(女)は読み進むほど好きになりました。 怪獣の存在原理の説明などは少々分かりにくく感じましたが、それを吹っ飛ばすほどの魅力が本作にはあります。この怪獣エンタメなら、性別に関係なく楽しめるはずです。続きを読む
投稿日:2013.11.09
yakitori
3
山本弘が描く本格怪獣小説
作者も書いているが世の中、真正面から怪獣を取り上げた小説が意外と少ない。しかも科学的というか合理的に説明している小説はほとんど皆無といっていい。今回、感心したのが怪獣の存在を「多重人間原理」を使って説…明している。これを細かく説明するとこの小説の面白さが半減するのでここでは言いませんが、物理学の理論だそうです。興味がある方は、読んでみてください。 「怪獣災害は、自然災害と同じ」と某防衛長官も言っていましたが、現実世界でも怪獣災害は、やはり気象庁の管轄になるのですかね。基本、「気特対」は怪獣の分析や避難警報、命名などを行い、武力行使はもっぱら自衛隊にやってもらうのですが、怪獣の進路予測や避難勧告の間違いで世間からは予報が外れると非難されるというには、笑ってしまった。天気と同じ次元で語られているので・・・。 あと怪獣といえば街を破壊するのがお約束ですが、最終話以外はあまり大暴れしないので大規模な破壊や戦いを期待して読むと肩透かし食らうかもしれません。まあ逆にかなり強力な大怪獣が登場し「気特対」や自衛隊では対処できなくなり、そこはお約束のものが登場し戦いが展開します。ああ、これもこれ以上言うと面白くないので書けない。。。とにかく随所に「ウルトラ」シリーズへのオマージュが多々見られ、登場人物しかり、過去に倒された怪獣の事例しかり、まあ「気特対」の呼称事態が既にそうですからね。続きを読む
投稿日:2013.09.26
blackearowl
2
リアルな異世界のリアルな怪獣小説
台風や大地震などの自然災害がない代わりに怪獣(通称M)による災害がちょくちょくある世界。現世界で台風の通路上に日本の国土があるように、(なぜかという説明はないものの)M災害が多発する日本。M災害を予報…し、発生した場合の進路・被害予想などを研究・広報する気象庁(決して自衛隊ではない)のセクションの職員たちが主人公のこの物語。びっくりするほどハードで、きわめて慎重とすら言えるほど超技術や超自然的能力などを持ち出してこない、と学会会長の著者らしい一編。テレビドラマ化されているが、それとは別物と思った方が良いです。話の筋書き上、超人を一人、話の中で出してしまったが、かつての東宝・円谷の特撮映画のように生き生きと動いていて、これもまた楽しい。内容的に子供向け、もしくはジュブナイルとは思えないが、子供の頃ウルトラQやウルトラマンにはまった世代なら、絶対に興味深く読めるはず。続きを読む
投稿日:2014.06.28
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テラ子
ずっと読みたいと思っていた怪獣小説。とても面白かった!科学も物理学も数学も民俗学も宗教も使って怪獣を研究、特定、対策を練る気象庁特異生物対策部の活躍はカッコ良かった!
投稿日:2024.02.17
凪野基
85:「怪獣による災害」が起こる世界で、怪獣対策のスペシャリストたちが怪獣相手に大活躍……と書くと、どこがSFなのか、って感じですが、「多重人間原理」のあたりからぐっとSFぽくなってきます。そしてラス…トの大オチ! これにはしてやられました。怪獣対策の担当が気象庁だったりするのが独特ですが、すごく好きでした。続きを読む
投稿日:2018.10.08
marumaruchan
このレビューはネタバレを含みます
予想していたより面白かった。 さくらのキャラクターいいですね。 難しい理論もあったけど純粋に楽しく読みました。シリーズがあるようなのでまた読みたいです。
投稿日:2018.02.12
しろかぎ
思ったよりSFで思ったより怪獣小説だった。 登場人物たちが微妙に苦手なタイプであることが多いけど、なかなか続きが気になる。
投稿日:2016.09.03
かえるのこ
これは趣味の世界だねえ… さすがはと学会会長で、展開するとんでも理論がとんでも理論への愛で成り立っているという二重構造。怪獣も特撮も理科もお約束も好きなんだなあ〜。 mm9、って打つと指さされてる気…分になるがこれも故意だな。続きを読む
投稿日:2016.08.03
bagdadcafe19
ウルトラマンに出てくる怪獣ものの小説版かと期待値半分。 頭の隅にウルトラ怪獣の映像をチラつかせながら本を開いて絶句! なんと古代から伝承される神話と宇宙をつなぐ壮大な物語が展開していくではないか! 怪獣が地球上に出現することの矛盾。 「あんな大きなものがそんなスピードで動くかいっ!あり得ない~」と言ってしまうようなことまで子供だましや安易な発想でなくキチンと理論的に説明されていく。 読んでる方は納得するしかないじゃないですか、山本先生♪ いや~面白かった! おかげで怪獣や神話の見方が変わりましたよ♪ 非現実の世界に飛び込む勇気のある方にお薦めです☆彡
投稿日:2016.07.16
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