
かけもち女官の花○修業1 ―恋も画業もお手のもの!?―
乙川れい,増田メグミ
ビーズログ文庫
世界観の説明に追われている気がしました、1巻だからかな
かけもち女官シリーズでは、創造神が白い虚無に創世の絵筆で描いて作ったと世界だと、伝えられています。つまり、画家と言う存在は、それなりに重要なポジションです。花冠画家とは、王族専属の画家に与えられた呼び名です。恋愛コメディ小説なので、上記のような世界観を読み込む必要は、それほどないのですが、この世界観の中でキャラを動かすのに、まだ慣れていないような感じを受けました。主人公は、能天気な少女ですが主のカトリーネ王妃や王子様のハインが意外としっかりしているので“ある才能”に振り回されずに、マイペースで進んでいく気がします。 選ばれた才能の持ち主である主人公が王子様と恋に落ちるという、よくある物語ですが、結構面白いです。
1投稿日: 2015.04.11少年舞妓・千代菊がゆく! ふたりだけの結婚式
奈波はるか,ほり恵利織
集英社コバルト文庫
少年舞妓シリーズ最終巻めでたしめでたし
長く続いた少年舞妓シリーズも最終巻を迎えました。どの話も、京都観光旅行気分を味わえたり、未知の世界である花街のことを知ることが出来たりして面白かったです。そのような読み方をしてきた私にとって千代菊の恋愛は添え物でした。千代菊(美希也)の選んだ道が3種類出版されたのは、色々思う方もいると思いますがこれはこれで面白かったです(特に記憶喪失end)。個人的には、紫堂君・宗方さん・楡崎バージョンの3種類のendにすれば良かったのにと思いました。
0投稿日: 2015.03.24明治失業忍法帖 じゃじゃ馬主君とリストラ忍者 1
杉山小弥花
プリンセス
明治という時代の息吹を感じさせる漫画です
少女漫画・小説の世界で、喜怒哀楽のはっきりした真っ直ぐな性格の主人公というのは、よくある造形です。この漫画の主人公である菊乃も、そのような真っ直ぐな心根の持ち主です。ただ、菊乃が他の漫画・小説の主人公と違うと思うのは、世間の風に真っ向勝負で向き合っているところです。明治という時代は、世の価値観が変わる過渡期です。時代を先取りした生き方をする菊乃は、たとえ困難があろうとも、困難を面白がること乗り越えようとします。その乗り越え方が、偽装結婚です。 情報量の多い、かつ、面白い漫画です。ヒーローポジションのはずの清十郎も、癖があって妙に惹かれるキャラクターです。とてもお勧めです。
0投稿日: 2015.03.24なりゆき斎王の入内 ~この婚姻、陰謀なりけり~
小田菜摘,凪かすみ
ビーズログ文庫
イラストが綺麗、美形キャラの美しさを堪能できます。
主人公の塔子は、熊野神社の社家の娘、親王である父に命じられ伊勢の斎宮になったのですが、父と異母姉が呪詛の疑いをかけられたことにより、斎王を解任。熊野に帰れると喜んだのも束の間、呪詛の疑いをかけられ、流行病で亡くなった父と異母姉の魂を鎮めるために、東宮に入内することに。 時代考証がちょっといまいちかなと思うところがありますが、塔子の真っ直ぐな気性と自分で考えて行動しようとする姿に、魅力を感じます。また、塔子の叔父である、熊野神社の宮司がとてもかっこいいです。叔父と言っても、まだ若いです(平安時代は、叔父と姪でも結婚できます)。主人公の相手役が叔父ではないは残念ですが、次巻以降も楽しみな作品です。
1投稿日: 2015.02.13しにこん!!2 ―死と婚活の巫女は山脈を越えて病に挑む―
ぶんが秀徳,櫻木けい
KADOKAWA
しにこんを読んでいると聖性と言う言葉の定義について考えます
死の巫女と務めと、婚活戦士を両立するマリアベルは、相変わらず面白いキャラです。 マリアベルにツッコミを入れるメメントモリ様(死の神様)のおかげで、面白さがさらに際立ちます。 物語は、邪教徒や神敵とのバトル、死の勇者の過去などの、シリアスさを増していきますが、マリアベルの婚活魂のおかげで、楽しく読むことができます。 この作品は、小説家になろうでも掲載中です。物語の大筋の流れはネット連載と同じですが、出てくる勇者や巫女、舞台となる国が異なります(2巻読了の時点では)。どちらも面白いので、ネット連載と電子書籍の両方で読んでいく予定です。
2投稿日: 2015.02.12聖グリセルダ学院の事情
鮎川はぎの,凪かすみ
ルルル文庫
主人公は、暗殺者にも、貴族の子弟が通う学院の学生にも向いていない
横柄巫女と宰相陛下シリーズの後世の物語です。横柄巫女と宰相陛下シリーズは、読んでいないためよく分かりませんが、聖剣の巫女、聖獣などが出てきます。 主人公のティエサは、本当に暗殺者見習いだったのかと思うほど、内気で人見知りする少女です。暗殺者にも、貴族の子弟が通う学院の学生にも向いていないように思えます。学院から浮いている少女が、同じように浮いている青年に素性を探られて……、と言う形で物語が始まります。 学院は、大学のようなところだと感じました。みな一年生ですが、年齢はバラバラです。内乱がやっと治まったサディル国に、このような学院を組織する余裕などないように思えますが、設定としては面白いです。
0投稿日: 2015.01.08イシュタルの娘~小野於通伝~(1)
大和和紀
BE・LOVE
イシュタルの娘というほどの物語になるのかな
小野於通という人物の存在は、別の歴史小説に登場していたこともあり知っていました。 別の歴史小説に出てきた於通は、不思議な人と言う感じでした。イシュタルの娘に出てくる於通は、不思議な力を持つけれど一人の少女であると言う感じです。自らの教養で世を渡ろうとする才女、於通が、どのような経緯でイシュタルの娘となっていくのか楽しみです。他の歴史上の登場人物たちも魅力的に描かれています。
2投稿日: 2015.01.08死と彼女とぼく(1)
川口まどか
Kiss
不思議な力に憧れはあるけれど
目に見えないものを、見る力・聞こえない言葉を聞く力、そういう不思議な力に憧れは持っていますが、本当にそういう力を持っていたら人生困りますよね。不思議な力を持つ少年少女が、普通じゃない日常生活を送る物語です。一人だと、持て余してしまう能力ですが、同じような能力を持った相手と出会うことでお互いを支えあっていく。古い感じの絵柄ですが、構成もねられていて、面白いです。
1投稿日: 2015.01.08源氏物語 あさきゆめみし 完全版(1)
大和和紀
Kiss
源氏物語だけど少女漫画
源氏物語は、色々な方がそれぞれの解釈で独自の作品が作られている物語です。大和和紀 さんの「源氏物語 あさきゆめみし」もその一つです。 1巻だと、まだまだ光源氏は子供っぽいです。子供っぽい光源氏がどのような大人に成長していくか楽しみです。
0投稿日: 2015.01.08光の楽園3 十騎長サグディン
涼原みなと
C★NOVELSファンタジア
変わり者の十騎長サグディンの行く道はどこにあるのか
光の楽園Ⅰと光の楽園Ⅱの主人公リュートガルトと、エデレイドは、エデイン建国の民エデイン人でした。光の楽園Ⅲの主人公十騎長サグディンは、アイスニル族です。エデイン人から見たアイスニル族は蛮族であり侵略者ですが、十騎長サグディンはアイスニル族の中では変わり種です。変わり者のサグディンが、厳しい世間の風の中でどういう道を選ぶのか。完結してしまうのが残念なほど面白いです。 また、リュートガルトも再登場します。2巻よりも活躍してます。リュートガルトとサグディンの絡みの描写が足りなかったのが残念です。
1投稿日: 2014.11.17