ホウトーさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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龍ヶ嬢七々々の埋蔵金1
鳳乃一真, 赤りんご / ファミ通文庫
宝探しゲームと信念の考え方
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主人公がいきなり勘当されて、ぶっ飛んだ島に送られてぶっ飛んだ住人を救う(?)ためにぶっ飛んだアイテムを探す話。「○○がしたい」という自分の信念が具体的であればあるほど、ブレずに生きていくことが出来る、…というのを伝えらている気がして大変考えさせられる作品。
主人公の正体がひとつの謎とオチになっているので、予測しながら読み進めても面白い。物語中に起こっている事もこの謎や裏側がわかると別の見え方になる。第七話を読む前にその謎や裏側が読みきれる人は素直にすごいと思います。
じっくり読んで2時間半くらいの読書時間だったかと思います。
ラノベとしても面白いので、ラノベが好きな方へはオススメできます。
また、「やりたいことが具体的であるとはどういうことか?」という問いのヒントも描かれているので、やりたいことを探している人なんかも感じるところが出てくるのではないかと思います。 続きを読む投稿日:2014.07.05
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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア3
大森藤ノ, はいむらきよたか, ヤスダスズヒト / GA文庫
様々な冒険者の職業や、特異性のある「敵」の台頭
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「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」ヒロインのアイズ・ヴァレンシュタインが主役。RPG的な「強さ」では、スタートからトップクラスの主役。さらなる高みを目指し、「経験値」以外の方法でさ…らに強くなっていく姿が描かれた物語。
3巻は「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」本編2巻途中から3巻の序盤くらいまでの時系列と平行して動いていた裏話的な物語。アイズの起源となるような話が具体性を持ち始めてきます。本編には描かれていない職業や、新たな「敵」の特異性が際立つ物語にも見えます。本編の主人公ベルは、外伝の視点から見ると完全に蚊帳の外。どこかで、アイズの物語にも食い込んで来るのかが楽しみになります。
約3時間くらいで読み終わりました。
本編とはまた違った「成長する姿に感動」を味わうことが出来そうな話となっています。ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかの世界観がより広がる位置づけにあるシリーズです。本編を楽しめる方ならば、読んで損はない作品です。また、本編のどの時系列とリンクしているかを想像しながら読み進めていくとより楽しめます。 続きを読む投稿日:2015.05.04
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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10.5
渡航, ぽんかん8 / ガガガ文庫
出版業界の社会人(社畜)と彼ら彼女らの「日常」
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ひねくれ者故に友達も彼女もいない高校生・八幡(※ただし、残念ゆえの、一人ぼっちの信念が半端ない)が、「奉仕部」に入り、学園一の美少女(かつ才女)・雪乃(※ただし、突出しているがゆえの、一人ぼっちの信念…が揺るぎない)と出会い、様々な人の問題を導いていく話。
10.5巻は、出版業界にまつわる皮肉を謳った回(いろはす回という側面あり)。
それゆえに今回は、問題そのものが「仕事を出す側の勝手な都合」に見えます。得てして社会の仕事にもこんな側面があるなぁなんて思える一冊です。
2時間くらいで読み終えることが出来ました。
今回の問題の解決方法は至極真っ当。真面目な仕事の進め方に、よくある見立ての甘さに、社畜っぽくハマっている八幡に、なんだか今までの解決策と比べると
むしろ正攻法過ぎて、現実の社会人の「日常」のようでした。八幡なのに現実の社会人っぽい振る舞いが、楽しめるポイントかもしれません。
八幡は知人(友達ではない)が関わると、なんだかんだで社畜ルートまっしぐらだなぁ(笑) 続きを読む投稿日:2015.04.11
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アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者6
榊一郎, ゆーげん / 講談社ラノベ文庫
主人公とは違うアウトブレイクのさせ方
2
高校ドロップアウト,ラノベ作家とエロゲー原画師を両親に持つサラブレッド級おたくが、いきなりファンタジーの世界そのままの異世界へ。日本政府の代表伝道師として封建社会そのものの異世界へおたく文化を流行らせ…る話。
6巻では主人公の補佐役・ヒカルが現れます。 「オタク文化」をアウトブレイク(大流行)させる、という目的は一緒だが、広げ方や考え方が違う。そんな2人がどのように折り合いをつけてやっていくか?という話。
2時間位で読み終わりました。
作中でも一部語られているが、ヒカルのような考え方でアウトブレイクさせるやり方は、現実にも存在する。今回は、むしろ消費者として、このような事例を知ることが出来てよかったと感じました。
作中でヒカルが、トレーディングカードゲームを持ち込むことを提案してきます。その段階で、どのように進展していくのか?、これを考えながら読み進めるとより楽しめると思います。
「何かを流行らせる」というのが作品名通りでひとつのテーマではあるが、マーケティングに寄っているわけではなく、あくまでライトノベルの面白さが前面に出ているので、ライトノベル好きにおすすめです。 続きを読む投稿日:2014.09.21
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鬼畜の家
深木章子 / 講談社文庫
主観語りの罠
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保険金目当てで家族を利用していく母親。その母親も自動車と共に夜の海に沈み、末娘だけが残った。その末娘が語る「鬼畜の家」の所業。それから、関係者から話を聞いていく探偵はさらなる真実に迫っていく。
関係…者からの一方的な話言葉で描かれているのは、もちろん仕掛け。関係者の誰もが気づいていない、衝撃の真実が隠されている。
フェアに描かれており、注意深く物語を見ていけば、第4章の前に「真実」にたどり着く手がかりが随所にちりばめられている。
どんでん返しがいくつもあるので、一気に読むことをおすすめ。
この「真実」に読了前にたどり着くことが出来るのであれば、かなり本質を読み取る力に長けているであろうと言い切れるくらい、巧妙に伏線が張り巡らされているので、挑戦するつもりで読むとより楽しめるかもしれない。 続きを読む投稿日:2016.02.28
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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10
渡航, ぽんかん8 / ガガガ文庫
9巻から一歩引いて
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ひねくれ者故に友達も彼女もいない高校生・八幡(※ただし、残念ゆえの、一人ぼっちの信念が半端ない)が、「奉仕部」に入り、学園一の美少女(かつ才女)・雪乃(※ただし、突出しているがゆえの、一人ぼっちの信念…が揺るぎない)と出会い、様々な人の問題を導いていく話。
10巻は、色々あった高校2年生に終わりが見えてきて、3年生になることで今の関係性が終わってしまうことに不安を覚える人からの依頼をこなす。
今回の八幡の解決策は9巻までに色々な人へ踏み込んできた経緯があってこその内容になっている。しかし、9巻であれだけ、踏み込んでいった八幡だが、10巻の内容は「わかった気になっているのでは?・・・」と思わせるものに見えます。
2時間40分くらいで読み終えることが出来ました。
作中、マラソン大会にて葉山と2人で話を始めるまでに、どのように依頼をこなそうとするかを予想してから読むと楽しめます。今までとはどこか違う解決策になっています。 続きを読む投稿日:2014.12.06