ホウトーさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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ノーゲーム・ノーライフ 1 ゲーマー兄妹がファンタジー世界を征服するそうです
榎宮祐 / MF文庫J
「ゲーム」という概念や捉え方を考えながら見るとさらに面白い
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「ゲーム」と呼ばれる全てのものに異常に強いが、社会不適合な兄妹が、「ゲームが全て」な異世界へ飛ばされてしまうお話。
gameの日本語訳には、「ゲーム」「遊び」「競技」といった意味の他にも、「(競技に…おけるような外交・政治などの)駆け引き」や「(相手を負かす秘密の)策略,計略,たくらみ」、「 (競争を伴う)仕事,職業」といった意味もあり、まさにそれらが密接に関わってくる話です。
※実は、gameの日本語訳には「冗談,戯れ,からかい」というものもあり、それに該当するキャラクターも出てきてます(笑)
大変読みやすい作品であり、ゲームの勝ち方や進め方はぶっ飛びながらも理屈が通っている(気がする・・・)ので、すんなり入ってきます。
まさに、「人生における大切なことはすべてゲームから学んだ」的な兄妹であり、ゲームの概念や捉え方が広がった気がする作品でした。 続きを読む投稿日:2014.06.08
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アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者8
榊一郎, ゆーげん / 講談社ラノベ文庫
二次作品での人間らしさの表現
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高校ドロップアウト,ラノベ作家とエロゲー原画師を両親に持つサラブレッド級おたくが、いきなりファンタジーの世界そのままの異世界へ。日本政府の代表伝道師として封建社会そのものの異世界へおたく文化を流行らせ…る話。
8巻では、皇帝の影武者として人形を作成し、言われたことを言われた通りにしか出来ないドワーフが魔法でその人形皇帝らしく動かすために奮闘する話。 同時に伏線であろうひとつの大事件が起きますが、あくまで今回の主軸は「人形を人間らしく動かす」ということであろう。
2時間位で読み終わりました。
「人形を人間らしく動かす」というのが主軸と記載したが、それは作中の人形そのものだけではなく、それを操るドワーフにもそのまま当てはまる。
現実でのボーカロイド(初音ミク)などの裏側を想像できる話になっており、二次作品の共通の葛藤部分にもフォーカスがあたっているので、現実の二次作品に、どのように当てはまるだろうかと考えながら読んでも面白い。
「何かを流行らせる」というのが作品名通りでひとつのテーマではあるが、マーケティングに寄っているわけではなく、あくまでライトノベルの面白さが前面に出ているので、ライトノベル好きにおすすめです。 続きを読む投稿日:2014.11.15
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アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者10
榊一郎, ゆーげん / 講談社ラノベ文庫
インターネットの力(脅威)
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高校ドロップアウト,ラノベ作家とエロゲー原画師を両親に持つサラブレッド級おたくが、いきなりファンタジーの世界そのままの異世界へ。日本政府の代表伝道師として封建社会そのものの異世界へおたく文化を流行らせ…る話。
10巻は、9巻の続きです。日本に帰ってきた主人公と、異世界の取り巻き達は、各国のエージェントに狙われつつ、なんとか異世界に帰ろうとする話。10巻も9巻も、現実のオタク文化の流行に関わるネタがあまり入っていないように感じた。しかし、ある国のエージェントを追い払うために、インターネットの力を使うシーンがあり、その点に関しては、現代っぽいやり方だなぁと関心しました。
2時間位で読み終わりました。
今までの展開を考えても色々な伏線がきっと張られているのだろうと感じます。
「インターネットの力を借りてエージェントを退ける」この具体的なやり方を予想しながら読むとより楽しめるかと思います。
「何かを流行らせる」というのが作品名通りでひとつのテーマではあるが、マーケティングに寄っているわけではなく、あくまでライトノベルの面白さが前面に出ているので、ライトノベル好きにおすすめです。 続きを読む投稿日:2014.11.29
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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10
渡航, ぽんかん8 / ガガガ文庫
9巻から一歩引いて
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ひねくれ者故に友達も彼女もいない高校生・八幡(※ただし、残念ゆえの、一人ぼっちの信念が半端ない)が、「奉仕部」に入り、学園一の美少女(かつ才女)・雪乃(※ただし、突出しているがゆえの、一人ぼっちの信念…が揺るぎない)と出会い、様々な人の問題を導いていく話。
10巻は、色々あった高校2年生に終わりが見えてきて、3年生になることで今の関係性が終わってしまうことに不安を覚える人からの依頼をこなす。
今回の八幡の解決策は9巻までに色々な人へ踏み込んできた経緯があってこその内容になっている。しかし、9巻であれだけ、踏み込んでいった八幡だが、10巻の内容は「わかった気になっているのでは?・・・」と思わせるものに見えます。
2時間40分くらいで読み終えることが出来ました。
作中、マラソン大会にて葉山と2人で話を始めるまでに、どのように依頼をこなそうとするかを予想してから読むと楽しめます。今までとはどこか違う解決策になっています。 続きを読む投稿日:2014.12.06
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ゴールデンタイム1 春にしてブラックアウト
竹宮ゆゆこ, 駒都えーじ / 電撃文庫
別の自分を持つ人達の物語
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大学デビュー、東京デビュー、一人暮らしデビューの多田万里と一見完璧に見える加賀香子、そして加賀香子に付きまとわれる柳澤光央の三人を中心に大学生活とその恋愛模様が描かれる話。
1巻はまさに、大学デビュ…ーをした主人公が様々な人々と出会い、関係を築いていく話。
2時間くらいで読み終わりました。ページ数の割にテンポよく読めました。
このレビューの題名がヒントでもあるが、本作では冒頭と終わりに若干の仕掛けがあります。冒頭で橋の上で俯いているのが誰であるのかが、最後の10ページまでには、分かるようになっているかと思います。それがどういう意味であるかは次巻以降かに見えます。楽しみです。
著者の他の作品を見ても分かるように、淡い恋模様を存分に楽しめる作品です。そういうのが好きな方には断然おすすめです。 続きを読む投稿日:2015.01.04
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デュラララ!!
成田良悟, ヤスダスズヒト / 電撃文庫
散りばめられた物語とその収束の鮮やかさ
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舞台は池袋。非日常に憧れる少年、喧嘩上等のチンピラ、ストーカーもどきの電波娘、趣味で情報屋を営む青年、ヤバイ患者専門の闇医者、魔物に魅せられた高校生、そして漆黒のバイクを駆る“首なしライダー”。それぞ…れの主人公がそれぞれの物語を語っていき、収束しては離れ収束しては離れていく。
第1巻にして登場キャラクターが多く、前半は一見してまとまらなさそうな展開。物語が後半に向かうに連れてだんだんと繋がりが見えてきて、最後にひとつの場面に集まる展開は一気読みしたくなります。
だいたい3時間くらいで読み終わりました。
非日常に憧れる少年「帝人」にはひとつの秘密があります。それを予測しながら読み進め、10章終わるまでに予測出来ればすごいです。
伊坂幸太郎さんの作品の「陽気なギャング」シリーズや「アヒルと鴨のコインロッカー」が好きな方や、三谷幸喜の「THE 有頂天ホテル」が好きな方には大変楽しめる作品です。 続きを読む投稿日:2015.07.12