tameさんのレビュー
参考にされた数
116
このユーザーのレビュー
-
夜は短し歩けよ乙女
森見登美彦 / 角川文庫
総天然色な楽しいファンタジー
2
少し昔風な語り口の「黒髪の彼女」と、普通の大学生「先輩」が交互に語る恋愛ファンタジー。
最初、ファンタジーというのを失念してリアル感覚で読んでいたので、だんだんと奇想天外さが増すに連れて、何それ〜と…スマホを投げ出しそうになりましたが、、、
投げ出さなくて良かった。
楽しくて面白くて。
新しい扉がドンドン開けて行く感覚です。
読み進めて行くうちに彼女の素直さと前向きな強さが大好きになっていきました。
むんと胸をはるところが特に好き。
こんな言い回しが森見ワールドというのかな?
季節ごとに京都を舞台にした4つのエピソードがありますが、特に好きなのは学園祭のお話。
たくさんの登場人物が非常に魅力的で暖かい人達で、それぞれにエピソードを持っていて、一見何も関係ないようでラストには見事にパズルのピースがはまるようにピタリと大団円を迎えます。
彼女に逢うために大変な努力をしているのにすれ違ってばかりで、ちっとも先輩の恋心が伝わらなくて、笑っちゃうけど可哀想。
最後迄、恋の行方を見守りながら読みました。
読後感が良いです。オススメです。 続きを読む投稿日:2014.06.28
-
月魚
三浦しをん / 角川文庫
綺麗
2
他の方が素晴らしい紹介を書き尽くされているのでこれ以上なにも説明は要りません。
なのに何故レビューを書くのか。
この作品が大好きだから書いてみたかったのです。
若い時代の苦く綺麗な掛け替えのない…世界。
ひとつひとつがキラキラとした美しいシーン。
印象はセピア色なのにキラリと天然色が混じるような。
読後感は最高です。
ページ数は少ないのですが、何時までも心に残る大切な本です。 続きを読む投稿日:2014.06.27
-
ホーンテッド・キャンパス
櫛木理宇, ヤマウチシズ / 角川ホラー文庫
好きな女の子を守る為ならオカルト研究会にも入ってしまいます
2
幽霊なんて視たくもないのにオカルト研究会でこよみちゃんを守る森司。こよみちゃんは霊的なものに狙われ安いからだ。
頑張れとエールを贈りたい。
森司の恋が実りますように。
ホラーとしてはそんなに怖くない…ですが、本当にありそうで、それ故にリアリティがあり逆に怖いです。
何故心霊現象が起きるのか、読んでいてちよっぴり辛くなるエピソードもありました。 続きを読む投稿日:2014.06.27
-
妖奇庵夜話 人魚を喰らう者
榎田ユウリ, 中村明日美子 / 角川ホラー文庫
第3話は夷さんがかっこいいし、脇坂刑事大活躍‼
2
第2話はマメ君が話しの主軸になりましたが、3話は洗足家の家令の夷さんが大活躍します。
ぱりっとしたスーツ着てアクションやっちゃったり、救出するため民家に飛び込んだり、女性達からモテモテだったり。
…そして脇坂刑事が今回は大活躍でした。
良く頑張ったねと褒めてあげたい。
刑事らしからぬ、真っ直ぐな男はその優しさで被疑者も被害者も救うのですね。
暗い雰囲気を消してくれるのはキャラ達のテンポの良い会話のシーンでした。
冒頭の伊織と夷の火花が散りそうな舌戦。
ただ雑煮のことなのに、真剣に関東風か博多風かをお互い譲らない激しい論争が繰り広げられる所に、伊織が評する所のウスラバカ刑事の脇坂と癒し系マメ君がほんわかと楽しい雰囲気を作ります。
ホラーに分類されていますが、やはり怖いのは人間の妬みや恨みなのですね。
それを嗅ぎとり、近づき増幅させる青目と言う邪悪な影の存在。
その青目と深い因縁のありそうな伊織ですが、ラストの蝋燭の灯りの中で、庵で薄茶を点てた後、脇坂刑事に青目が何故自分に執着するのか告白する伊織。
驚きの関係性が明らかになります。
最後まで「そら恐ろしい世界感」に引き込まれます。 続きを読む投稿日:2014.06.27
-
孤島パズル
有栖川有栖 / 創元推理文庫
殺人事件と宝探しと読者への挑戦の章と ワクワク感が盛りだくさん
2
江神とアリスの学生シリーズの第2巻にして作者の第2作目です。
今回も夏休みの話しで、推理研の新人女子大生マリアの招きで数億円のダイヤモンドが隠された孤島へ、江神とアリスが宝探しに行きます。
そこで一緒…に泊まっていたマリアの親戚の突然の心中とも殺人事件とも分からない事件が起こり、その後に無線機が壊されていることが判明、凶器のライフルも無くなり、警察へ連絡が出来ないまま、第2の事件が、、、
江神とアリスとマリアは事件に深く関わっている宝探しのパズルも解いて行きつつ、殺人事件を推理していきます。
そしてすべての謎が江神によって解ける前に、読者への挑戦の章が1作目の月光ゲームに続きふたたび掲げられています。
殺人事件の他にパズルの謎解きと島内でのダイヤモンド探し、そして読者への挑戦。
この盛りだくさんなワクワク感にはとても楽しませてもらいました。
第1作目の月光ゲームより個人的にはこちらの方が好きです。
論理を重ねて推理を進める江神はやはり男前ですし、アリスはいつもどおり推理については普通の人でした(笑)
アリスとマリアの会話が面白かったです。今回はアリスは恋は無しですけど。 続きを読む投稿日:2014.06.15
-
神様の御用人2
浅葉なつ / メディアワークス文庫
神様も人の子もモフモフ神も魅力的
1
1巻めを読み終わってすぐに2巻めを購入。
読み終わった感想は「心が暖かくなった」でした。
書籍説明をお読みになればわかるように、今回もバラエティーにとんだ神様の登場でますますお話がパワーアップして面…白くなります。
ホントに声を出して笑ってしまいますよ。
そして今回から美少女女子高生が登場します。
この美少女はある理由から、他人と交流を持てなくなり、哀しみを抱えて生きています。
良彦とモフモフ神のコンビは神様の御用をこなしながら少しづつ少女の心も溶かしていくようです。
人にも神様にも真摯に心を寄せる良彦はやっぱり良いなあ。大好きな主人公です。
そしてモフモフ神はおじさんキャラなのに抱き締めたくなるほどキュートです。
今後も楽しみです。
というわけで3巻めもすぐに購入予定です。
そして改めて日本の神様に感謝の気持ちで祈りを捧げたいと思います。 続きを読む投稿日:2015.07.21