不浄の回廊
夜光花
キャラ文庫
不浄の回廊
恋愛を主軸にホラーサスペンスっぽさも絡めているあたりがとても夜光花さんらしい話でした。主人公・歩のどこかのんびりとした性格が、暗くなりそうなストーリーに上手く作用して読みやすくなっているのかなと思います。 個人的には西条のキャラが最後までぶれないところがすごくよかったなと。人生を達観しているふうな西条と、浮世離れしている主人公の対比も面白かった。薔薇シリーズのような華やかさはないけど、読んだ後もっと読みたいなと思わせるような内容でおすすめです。
0投稿日: 2014.01.12どうしても触れたくない
ヨネダコウ
どうしても触れたくない
ヨネダコウ
HertZ&CRAFT
どうしても触れたくない
ヨネダコウさんのデビュー作。最近の著作に比べると正統派のBLかなと思います。いい意味でも悪い意味でも読む人を選ばないのではないかと。 ごく普通の社会人であるふたりがお互いを思いやり、相手を思うがゆえに悩むようすが丁寧に描かれています。 主人公二人の距離感が甘すぎず切なくて好きなのですが、他の著作を先に読んでしまったせいか何か物足りなく感じてしまったのが残念。
2投稿日: 2014.01.12ティアドロップ
麻生ミツ晃
ショコラコミックス
はじまりは出会い系
歳の差プラス体格差で、初々しい雰囲気のかわいいカップル。二人が初めて会ったとき、悠介のなかの時間が止まったみたいに大きな瞳でじっと剛毅を見あげるシーンが印象的。台詞なしで描かれる、ふたりが共に過ごすうちに季節が変わっていくシーンなども圧巻でした。 同時収録が2編。そのうちのひとつが、俳優が主人公の「crossing」 役がもらえず、うらぶれていたところにストーカーの青年と鉢合わせして――というストーリー。 このストーカーの子が一生懸命で、主人公のことが心底好きなのが伝わってきてすごくかわいかったです。
2投稿日: 2013.12.16ドント・クライ・ベイビィ
木下けい子
ドント・クライ・ベイビィ
木下けい子
ディアプラス
ドント・クライ・ベイビィ
「巡り合うよベイビィ」の先生の恋人・宝井智が主人公の話。前作では、そのあまりに横暴で自分勝手な人となりに主役二人よりインパクトが強かった宝井。 主人公になっても始終ツンツンしていてちっともいい人ではないのだけど、泣き顔がどきっとするくらい綺麗で見惚れました。そんな宝井にアプローチしてくる獣医の藤堂は宝井の失礼な態度も冷たい対応も笑いながらかわしてしまえるような大人の男で、彼の本心もちゃんと見抜いている。 今作を読んでいて切なかったのは、先生の優しさが実は宝井をすごく傷つけていたということ。宝井は先生のことを何かあったときに真っ先に思い出すくらい信用していたし、昔、先生が言った言葉をきっと信じていた。 飼い主をなくした猫に話しかける藤堂の姿が、誰も信じられないと人の優しさを突っぱねる宝井に言って聞かせているようで泣けました。そんな宝井が少しだけ藤堂に歩み寄るように心の内を伝えるシーンも素晴らしかったです。
2投稿日: 2013.12.10心霊探偵八雲(1)
小田すずか,神永学
月刊Asuka
現実と非現実が織りなすオカルトミステリー
友人が関係するある事件について相談したことがきっかけで八雲の秘密を知ることになった主人公・小沢晴香。八雲とともに事件の解決を試みるうちに、それは晴香にとって忘れがたい過去のある出来事へとつながっていく。 表紙の絵に惹かれての購入でしたが、いい意味で期待を裏切られました。死者の魂が視えるという非現実的な設定でありながら突飛なストーリー展開にはならず、オカルト要素を混ぜた正統派ミステリーで面白かったです。不承不承ながら八雲に協力する刑事・後藤や八雲の良き理解者である叔父・一心など脇キャラも充実しています。 ただ、怖がりのひとは夜中に一人で読まないほうがいいかもしれません!
2投稿日: 2013.12.09兎オトコ虎オトコ 2巻
本間アキラ
兎オトコ虎オトコ 2巻
本間アキラ
ショコラコミックス
悪戯とかいてホンキとよむ
同時収録の短編です。1巻に収録されていた「嘘とかいてホンキとよむ」が好みの話だったので、2巻に続編が載っていてうれしい。 相変わらずカズシに振り回されまくっている、あんちゃんが可笑しかった。あんちゃんは怒っている顔が可愛いと思います。カズシは徹底して無表情なのがかっこいいと思います。 恋愛関係というよりオカンと息子みたいなことになっているこの二人がどう進展していくのか今後の展開が楽しみ。 本編では卯月と野浪の関係に変化があり、1巻に引き続き安定の面白さでした。
2投稿日: 2013.12.09兎オトコ虎オトコ 1巻
本間アキラ
兎オトコ虎オトコ 1巻
本間アキラ
ショコラコミックス
兎さんと虎さんの恋模様
王道でありながらベタにはなっていないのが魅力的な漫画です。特に絶妙なタイミングで主人公二人が動物に例えて描かれるところがすごくよかった。 たとえば、野浪が先生を追いつめて食べようとするシーン。普通に描かれていたら読み流していたと思う。それが兎さんと虎さんになったことで、うわっ!と読む手が思わず止まりました。 野浪が無意識に先生の顔をじっと見つめたり、先生に関しては駆け引きしたりできない純情さもよかったです。先生がヤクザを怖がる普通の人間なのも。 王道でかわいい話が読みたいときに、おすすめです。
1投稿日: 2013.12.09悪魔は微笑む
斑目ヒロ
悪魔は微笑む
斑目ヒロ
コミックマガジンリンクス
悪魔は微笑む
コメディなのかシリアスなのかはっきりして欲しかったなというのが正直な感想。コメディだと思って読んでいたら急にシリアスになったりして、どちらの気分で読んだらいいのか最後まで気持ちが定まらなくて集中できなかったです。翔太もそうだけど、寿史が特にギャグ絵(?)ばかりなのががっかり。ギャグ漫画でもないのに、丸描いて点々みたいな絵を大きなコマで見せられるのはちょっと……。 寿史との誕生日の約束のくだりは切なくて好きだし、翔太の突き抜けた性格もいいと思うのでギャグコマが多かったのだけが残念。
2投稿日: 2013.12.08タイトロープ
夏目イサク
タイトロープ
夏目イサク
ディアプラス
男同士の絆
夏目イサクさんの著作のなかで一番好きなカップル!主人公ふたりとも男気あふれる性格で大好きです。 しっかりもので大人びた性格の主人公・直樹と、直樹の前では子どもっぽいところを見せつつも中身は芯のある男前な性格の龍之介。特に、龍之介が直樹のことになるとある意味バカになるのが、人間味があってよかったです。自分に向けられる恋情を鬱陶しそうにかわす直樹と、龍之介の鬱陶しいくらいの片思いが読んでいて面白い。 同時収録の『どうしようもないけれど リターンズ』は、島野が休日を黒川の家で過ごしていたところに父親が来てしまうという話。島野のエプロン姿がかわいかった。
2投稿日: 2013.12.08イケメン君とさえない君
秀良子
イケメン君とさえない君
秀良子
gateau
イケメン君とイケメン君の彼女と、さえない君
イケメン君とイケメン君の彼女と、さえない君の話。ゆるやかに低空飛行して着地する紙ヒコーキのような雰囲気の話でした。 主人公はさえない君だけと、彼女の存在が大きいせいかイケメン君目線で読んでしまってBLを読んだという感じはあまりしなかったです。 さえない君を巻きこむ必要があったのかなぁとも思うし、もう一度大切な人をなくす恐怖に怯えて涙するイケメン君を見るのは辛かった。 さえない君目線で読むとまた感じかたが違ってくるかと思いますが、私はイケメン君に感情移入してしまったためBLなのか微妙という点で★2つです。
1投稿日: 2013.12.08