間 文理さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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イノセント
中村うさぎ / 新潮社
読み始めてすぐ、、しまった、間違った世界に手を出してしまったと思ったのですが。
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あっという間に引き込まれて、そのストーリーの展開に飲み込まれてしまいました。
凄まじい、吸引力でした。その点では、文句なしの五つ星。
でも。本を読む理由は何かと考えてしまいました。何か、得る。または、…暇をつぶす。
得るものは。。。読み終わってもまだどんでん返しがあるかも、という恐怖感を残し、でも、何か得たかなあ。。。
暇をつぶす。プロフィールにあるように、暇をつぶす暇はないのよ。その上、面白すぎて一気に読んでしまったので、暇つぶしにもならない。。。
ということで、三つ星です。 続きを読む投稿日:2016.07.04
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告白 あるPKO隊員の死・23年目の真実
旗手啓介 / 講談社
日本人の必読書ですね
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国家と個人の関係について、国家が個人に対して何を行うかについて、個人が国家に対して何を行うかについて、考えることを好まない人が増えているようにみえる日本において、これは国民必読の書だと思います。
そ…して、なんやかんやといっても、この取材をし、これを出版するNHKは、なくなったら困るメディアだと思いました。イギリスのBBCのように、NHKの基盤を固めることが、日本人と日本国のために、必須でしょう。 続きを読む投稿日:2018.06.25
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ぷにんぷにんぷ
前川さなえ / 幻冬舎単行本
素晴らしい表現力です。ああ、そうだったのかと、その深い思いを受け取ることができ、
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ああそうだったと、その日々を鮮やかに思い出させてくれます。
これから家族を持とうと思う人すべてに、家族を持つべきか考えている人すべてにお勧めします。
また、子どもを育て上げた人にも、その日々をまた味わ…うために、お勧めです。
そして日本の社会の仕組みを作り上げるべき方々全員に、子どもをお持ちであろうとお持ちでなかろうと、子どもを持とうと思っておられようと思っておられまいと、無理矢理にでも、読ませたい。 続きを読む投稿日:2016.07.21
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神様の背中~貧困の中の子どもたち~
さいきまこ / フォアミセス
神様の目が届かない子どもがいるんじゃない、"子どもたちに背を向けているのは神様なんかじゃない 私たち大人だ"
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戦慄を感じる、phraseです。
社会のシステム、の問題なのでしょうが、私たち一人一人の心の問題、であるべき、という問いかけなのでしょうか。
本当に偶然、読み始める直前にポプラ新書の「貧困の中の子ども…、希望って何ですか」を読み終えたところだったので、この物語の真実性が迫ってきました。
現在のにっぽんで、自助と自己責任を唱える人たちには、対極にある考えで、共感困難でしょうか。
でも、そうではないと感じている人たちには、是非読んでもらいたいと思います。そうすれば、にほんが、より優しく、素晴らしい国になるような気がします。
ところで、ポプラ新書の「貧困の中の子ども、希望って何ですか」の7章、英国の挑戦で触れられていますが、英国の労働党のトニー・ブレアが、"Education!, education!!, education!!!"と叫んで総選挙を戦ったときに、ちょうどロンドンに住んでいました。
ブレアの労働党は、メイジャーの保守党に圧勝しました。それはそれは、英国全体が高揚に包まれていました。日本でも、そのような日が来ればいいですね。 続きを読む投稿日:2016.08.12
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ふしぎな部落問題
角岡伸彦 / ちくま新書
にほんに、期待を持てる本です。それに加えて、攻撃的なところがなく、バランスがとれていて、読みやすい。
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大阪に生まれ育ち、意識することなく同和教育の存在を感じ、政党との対立に生臭いものを嗅ぎつつ、でも放置してきた欠損した知識のパズルが、それなりにはまって、視界がだいぶ良くなりました。
日本の部落差別が、…人種差別とは違う要素を含んでいて、それが問題の構造を複雑化しているという呈示は、呈示されるまで、気がついていませんでした。きちんと問題意識を持っている人たちには、自明だったのかもしれませんが。。不勉強を反省。
橋下氏にはまったく感心せず、仲間内の与太話では同窓会から追い出すべきだ、などとくだをまいてますが、ここに記載されている件については、橋下氏に悪意をもつ人物の、もしくは自分をpromoteしたい人物の、質にあきれ果てました。
最後の章、主人公たちの、さり気ない、だけどまさに「正しい」行動に、久しぶりに心の明るくなる、にほんの将来に希望をもてる思いをしました。
一言、おすすめです。 続きを読む投稿日:2016.08.23
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大人のいない国
鷲田清一, 内田樹 / 文春文庫
子どもたちだけでも回せるシステムができた。
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そこまで、日本が進歩したため、日本から大人がいなくなったと。そうかも知れない。。。私も、55歳になったけど、子どもっぽいよね。。。
愛国心についての論証は、興味深いものでした。以下、若干の抜粋
「同胞…たちを糾合することには熱心だが、自分と意見を異にする人々をも包括しうる水準を探り当てることには不熱心な人間を「愛国者」と呼ぶことは私にはできない。」
「集団が維持されるための必須の、唯一の条件は「同胞については、おのれ一個の好悪や正否や利害得失と行った主観的判断を停止させること」」
「「不快な隣人たち」を国民国家のフルメンバーとして受け入れること。それが現代に残された唯一の愛国心の形」
ものを考えることはしんどい。でも、考えることが、大人の責任。大人の責任を果たしていない人たちに、公的な組織を率いる資格は無い。でも、一見できちゃっているのが、進化した日本、ということでしょうか。
読んでいて楽しくはないけど、でも、大人になるため、読んどいた方がよさそうね。 続きを読む投稿日:2016.09.16