間 文理さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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イン・ザ・プール
奥田英朗 / 文春文庫
不覚にも、電車の中で、ブファッっと。
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ばかばかしくも、面白い、か、面白いけど、ばかばかしい、か。貴重な電車の中の時間を、有意義に過ごしたい方には、お勧めしません。
ばかばかしくも、面白い時間を欲している方には、選択肢の一つです。
現代社会…の病理を記載していまですが、解答は呈示していないことをご了解ください。 続きを読む投稿日:2016.09.16
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スポーツ遺伝子は勝者を決めるか? アスリートの科学
デイヴィッド エプスタイン, 福 典之, 川又 政治 / ハヤカワ文庫NF
読み応えのある、面白い本です。
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驚嘆するほどのデータを駆使して、説得力をもって、”事実”を示していき、どんどんと引き込まれて行きます。
但し、みんなが既に、「知っていること」を、ではあるのですが。。。
陸上をかじったことがあれば、な…じみの名前の裏にある物語りに、スリルを感じるでしょう。
また、ここで示される事実は、トリビアとしても強力なものに。。。え? 陸上のトリビアでは盛り上がらないって? まあ、そういわずに。面白いですよ。 続きを読む投稿日:2016.11.07
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LGBTを読みとく ──クィア・スタディーズ入門
森山至貴 / ちくま新書
結構真剣に読まないと、筋(=論理)を十分には追えないかも。
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この本を手に取る人は、と著者に挑発されて、若干慎重に読み進めました。基本的知識のない私には違和感をもたらす部分があるのですが、そのあとにそこに至る論理が示されていて、(多分)理解できました。理解と同意…は違うのですが、多分、概ね同意できたように思います。この論理を組み立てて、一見正しいことを本当にそうなのかと検証する学問の営みが、性自認、性志向のみならず、全ての私たちが「なんとなく」正しいと感じていることに対して、必要なのでしょう。それが、日本の社会から欠落し始めているような気がしてなりません。「LGBT」についての学問を知りたい人のみならず、今日本を覆っている短絡的な思考(とも言えないもの)に違和感を持つ人は、ぜひ頭の体操に、この本を。 続きを読む
投稿日:2018.06.25
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苦海浄土 わが水俣病
石牟礼道子 / 講談社文庫
美しいことばで綴られた、深い悲しみの海。
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著者の訃報に接し、軽い気持ちで購入。
被害者とその家族の、深い悲しみと苦しみを、美しいことばで紡ぎだし、読んでいる私が、本当は絶望してしかるべき事実を、その被害者と家族の心と、美しい日本語が寸前のと…ころで救ってくれる、そのような「文」でした。
訃報に接してポチッとクリックした自分の軽さに、感謝しています。 続きを読む投稿日:2018.06.25