
キャリア こぎつね きんのもり 1
石井まゆみ
YOUNG YOU
心に傷を持った少女とキャリアガールの物語
この本に最初出会ったのは 古本屋さんで 第一巻と二巻だけ読み、ずっと探していました。 電子書籍を専用機器で読んでいるため コミックは画面が小さすぎていやだったのですが、ついに我慢ができず、全巻大人買いし、続シリーズの「キャリアこぎつねきんのまち」までそろえてしまいました。 いつも思うのですが、マンガでも小説でも 子供を可愛く魅力的に描けている作品は文句なく面白い! この作品も 意に違わず めちゃくちゃ面白い作品でした。
3投稿日: 2016.01.13
亡霊は夜歩く 名探偵夢水清志郎事件ノート
はやみねかおる,村田四郎
講談社青い鳥文庫
このシリーズ第2巻目です
この本の著者はやみね かおるさんはもともと小学校の先生で 子供たちに読書を勧めるため、自らが本をかきだしたのだそうです。 ここで起こる事件は決して殺伐とした殺人事件とかではないけれど、学校や近所のちょっとした謎が発端となって 不思議な事件が起こります。 今回は 15年前に起きた少女の哀しい事件が発端となる難問でした。子供たちに いろいろ考えさせるきっかけとなる事件でした。
2投稿日: 2015.12.07
二つの母国に生きて
ドナルド・キーン
朝日文庫
自分が生まれた国と精神的に育ててくれた国のはざまに生きた人の言葉
2011年、東日本大震災の直後 日本に帰化することになったキーン氏のことは記憶に新しい。そのキーン氏が日本との絆を結ぶことになったいきさつやその来し方について描かれています。 特に、今は亡き著名な文人たち、とくに三島由紀夫とのつながりなど 貴重なエピソードが興味深くつづられています。日本の文学を考えるためにも 一度は読んでおいて損はない本です。
5投稿日: 2015.12.04
踊る夜光怪人 名探偵夢水清志郎事件ノート
はやみねかおる,村田四郎
講談社青い鳥文庫
懐かしく 面白い
私はれっきとした中年以上の大人ですが、、子供時代 本に夢中になった時の感動をまた味わいたくて 時々 児童文学を読みたくなります。 この本は 親に買ってもらっていた中学生向けの月刊誌に連載されていた推理小説といった趣の物語です。 主人公の少女と 同級生の淡い恋心という隠し味もあって すいすいと楽しく読み進めます。 ただ、このシリーズはどれが第一巻なのか タイトルだけではわからず、これは第5巻でした。作者のあとがきでわかりました。そこがちょっと 分かるようになっていればいいなあ。
2投稿日: 2015.12.01
韓国人が暴く 黒韓史
シンシアリー
扶桑社BOOKS新書
お隣の国とどのように付き合っていけるのか?
昔、「イザヤ・ベンダサン」という自称ユダヤ人がかいた日本人論がありました。この本はそれを彷彿させるような日本社会と韓国社会という二つの社会への理解があります。 著者は 韓国生まれの生粋の韓国人歯科医と自称していますが、社会学、人文学への理解と智識が深く、専門の学者でないのが不思議なくらいです。 読めば読むほどお互いの国の距離が感じられて 絶望的な気持ちにもなりますが、この本を書いたのが、韓国の人で、このように考えている人もいることを知るのが、一つの救いでもあります。
6投稿日: 2015.11.06
おせいさんの落語
田辺聖子
角川文庫
昭和のおとぎ話です。
少女時代になじんだ田辺聖子さんの本を久しぶりに楽しみました。 聖子さんの本はいつも男と女、特に中年男女の哀しさ、滑稽さが描かれています。この本も 関西弁を駆使して、落語風に 大人の哀切が面白おかしく 描かれます。あしらわれている、時事問題は 昭和の香りが色濃く、昭和生まれの私は なつかしくほのぼのと読みました。
2投稿日: 2015.10.05
武士道セブンティーン
誉田哲也
文春文庫
漢な少女が活躍する!
一言でさわやかな高校部活物。青春小説です。ほんとはこの本 武士道シックスティーンから始まっているのですが、私はこのセブンティーンから読んでしまいました。そのせいか、最初は内容に入り込めませんでしたが、1/3ぐらいからぐっと、面白くのめり込んでしまいました。 なんといっても、ダブルヒロインの二人の少女の性格と剣道スタイルが好対照で魅力的。とりわけ磯山香織は 女の私も夢中になるような男らしい 侍な少女です。エイティーンでの今後の二人の成長と活躍が楽しみです。
3投稿日: 2015.10.02
ペリー提督日本遠征記 上
M・C・ペリー,F・L・ホークス,宮崎壽子
角川ソフィア文庫
太平の夢にまどろんでいた日本の門戸がついにアメリカによってこじ開けれれることになる
この物語は戦国時代末期、日本が ポルトガル、およびオランダとの付き合いから始まって鎖国時代へと入り、江戸時代末期のペリーによる黒船来航までの歴史的推移が描かれている。 ペリー提督の日誌を中心に歴史家F.L..ホークスが編纂したものであるが、欧米側からの世界の勢力図における日本の位置や日本の商業権益をめぐって 各国がしのぎを削る様子が日本の外側からの視点で描かれ、いかに危うい時代を日本が乗り越えてきたのか 感無量である。 この上巻で黒船来航の第一回目、ペリーが一年後の再来を約して江戸を離れるところまでが描かれる。 日本人としての私は 悔しい思いもしたり、改めて、エキゾシズムをたたえた日本の魅力を感じたり、ページ数の割にあっという間に読んでしまいました。
4投稿日: 2015.09.06
霊道紀行
辛酸なめ子
角川文庫
目からうろこのスピリチュアル
霊界物、いわゆるスピリチュアルが大好きな私にとって この本は 目からうろこの本でした。 ご自身が憑依体質なのか、いろいろな霊体験(?)をしていらっしゃるのですが、その感じ方はちょっとななめで ユーモラス。エスプリの聞いた文章には 思わずにやりとしてしまいます。 普通のスピリチュアル本ではありませんが、ちょっぴり悲しいとき、つらいとき、そして、霊障に悩んでいるとき、この本を読んだら、なんだかあほらしくなるかもしれません。 なめ子さんの特異な世界観と文章が 今の私に ドンぴしゃだったので、評価は☆五つです。
2投稿日: 2015.09.02
あしたも、さんかく 毎日が落語日和
安田夏菜
文学の扉
児童文学ですが、大人にとってもこの上なく面白い!
小五の圭介のじいちゃんは 何年も前、仕事の理髪店を 突然辞め、落語家を目指した。。自分の独演会のため、孫の貯金にも手をだし、家出し、行方不明状態。そんなある日、学校でうまくいかないことがあり、むしゃくしゃしている圭介は帰宅途中、じいちゃんと再会する。じいちゃんは落語がすごくうまくなっていた。物語の中で、子供も青年も老人になってからも、人は同じように悩み、自分を完成させていくんだなあとしみじみ考えさせられるお話です。物語の中で 語り部 圭介が 終始、関西弁で話しているのも コミカルで楽しいお話です。
2投稿日: 2015.08.23
