pearl3さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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守り人シリーズ電子版 10.天と地の守り人 第三部
上橋菜穂子, 二木真希子 / 偕成社
1巻から10巻までのまとめレビューです
11
女用心棒と チャグム殿下の旅が終わりをつげました。
ココすけのままりんさんがおっしゃっているように ほんとに終わりになってほしくない物語でした。
次を読みたいという逸る気持ちをおさえながら 大切に大切…に ちょっとずつ惜しみながら読んで、途中 他のジャンルの本に道草を食ったりしながら読んだのですが それもついに10巻目、この物語の大団円を迎えます。
もう一つ 外伝の巻が残っているのですが、それも惜しみながらもうしばらくは 読むのをとっておこうと思います。
子供時代に夢中になった冒険物語のように ほんとに面白い本は 現実の世界から離れて逃げ込める夢の世界。そう思わせる本でした。
もちろん☆5つです。 続きを読む投稿日:2017.03.15
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わるじい秘剣帖 : 1 じいじだよ
風野真知雄 / 双葉文庫
すてきなちょい悪爺さんです
10
それまで家庭のことにも もちろん子育てにも まったく縁のなかった ちょい悪爺さんが、 生真面目な息子が外に作った孫と出会い、子供の可愛さに目覚めます。
主人公桃太郎は 元目付、頭の回転もよければ 剣…の腕も一流ですが いかんせん年には勝てず、目や瞬発力のの衰えを感じています。でも、そこは経験値!ちょっとした工夫で まだまだそんじょそこらの剣士には負けません。
若い時からの親友であり、同僚の「留」といろいろな事件を解決していきます。
孫への愛情や 男臭い友情、 おきゃんな 孫の母親との交流など たくさんの横糸が うまく織り合わされて、 楽しく 心温まる小説が紡がれています。 続きを読む投稿日:2017.02.18
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百年の記憶 哀しみを刻む石
三木笙子 / 講談社文庫
決壊する石
10
石が人の感情に呼応して それを受け止めきれないほどになったとき、その記憶が 石に閉じ込められる。
そうなることを不思議な少年、野見大地は「石が決壊する」といいます。
そして、それがこの物語のキーワード…です。
決壊した石に閉じ込められた古い記憶が やがて二人の少年の間に 事件を起こし、古い謎も解き明かされていきます。
三木笙子さんの作品にいつも描かれるテーマ(私が勝手にそう思っているのですが)「友情」は今回も美しく心を清浄に洗い流すようでした。
文句なしに☆5つです。 続きを読む投稿日:2016.12.14
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猫又お双と消えた令嬢
周木律 / 角川文庫
懐かしさを感じるミステリー
9
舞台は第二次正解大戦後すぐ、空襲にも焼けず残ったボロ屋に住む大学院生と猫又少女のお話です。
インテリと妖怪のコンビが ミステリーを解決しますが、なんといってもこの本の魅力は くっちゃね村のねむり姫さん…がおっしゃっているように 江戸川乱歩シリーズを彷彿とさせるレトロな雰囲気です。
そして、物語の中で人々が使う昭和初期のような丁寧な言葉づかいも懐かしく好ましい、、
結局、だれもなくならず、血も流さず、最後に皆うまく収まっていくところが 肩を凝らさずゆったりと読めるお話でした。 続きを読む投稿日:2016.04.08
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竜の雨降る探偵社
三木笙子 / PHP文芸文庫
三木笙子さんの作品にはまりそうです
9
この本は 推理小説なのですが 素敵なファンタジーでもあります。
戦後間もないころの東京で 元神主の経歴を持ち、幼馴染で 雨の日だけ営業される探偵事務所の櫂と やり手社長の慎吾が 殺人事件などの謎を解い…ていきます。
最後の章で はからずも二人の本当の関係と正体が解き明かされますが tameさんのレビューにも書かれているように 本当に穏やかで上品な印象の作品で 感動的でもありました。
この作品の作家にとても興味を持ちました。 続きを読む投稿日:2016.11.26
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下町ロケット
池井戸潤 / 小学館文庫
わくわくのドラマ仕立て
8
テレビでおなじみの本なので、多くの人があらすじについては知っていると思います。主人公の周りを悪玉、善玉が入り乱れ、涙あり、喝采ありで 読む人を飽きさせません。
日本の技術者たちのモノづくりに対する誇り…や 気概というものが 織り込まれて 面白く読み進めます。続編を読むのが楽しみです。 続きを読む投稿日:2015.11.27