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pearl3さんのレビュー
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  • 守り人シリーズ電子版 10.天と地の守り人 第三部

    守り人シリーズ電子版 10.天と地の守り人 第三部

    上橋菜穂子,二木真希子

    偕成社

    1巻から10巻までのまとめレビューです

    女用心棒と チャグム殿下の旅が終わりをつげました。 ココすけのままりんさんがおっしゃっているように ほんとに終わりになってほしくない物語でした。 次を読みたいという逸る気持ちをおさえながら 大切に大切に ちょっとずつ惜しみながら読んで、途中 他のジャンルの本に道草を食ったりしながら読んだのですが それもついに10巻目、この物語の大団円を迎えます。 もう一つ 外伝の巻が残っているのですが、それも惜しみながらもうしばらくは 読むのをとっておこうと思います。 子供時代に夢中になった冒険物語のように ほんとに面白い本は 現実の世界から離れて逃げ込める夢の世界。そう思わせる本でした。 もちろん☆5つです。

    11
    投稿日: 2017.03.15
  • わるじい秘剣帖 : 6 おったまげ

    わるじい秘剣帖 : 6 おったまげ

    風野真知雄

    双葉文庫

    新たな事件がおそいかかる、、

    「越後屋」の事件も解決に向かい、ほっと胸をなでおろしたのもつかの間、今度はかなり血なまぐさい事件の予感が、、 孫の母親、「珠子」をめぐる男たちの葛藤もあり、早く次が読みたい、次の巻が出るのが待ち遠しいのです。 ああ、それにしても 寝返りが打てるようになった、桃子のうつ伏せ姿が亀に似ていて、可愛いからと 亀の模様をの着物を着せたいなんて 桃太郎じいさんには まったく困ってしまいます。

    5
    投稿日: 2017.03.03
  • わるじい秘剣帖 : 5 なかないで

    わるじい秘剣帖 : 5 なかないで

    風野真知雄

    双葉文庫

    江戸の食事がおいしそう

    4巻、5巻、6巻と二日間で 3冊サクサクと読んでしまって レビューも3冊まとめて書いているのですが、6巻までのうち最も好きなのが この巻の「切れない屋」の章でした。 ネタばれになるので 詳しくはかけないのですが、心がほっこり、胸のすくようなお話なのです。 親友「留」も比較的元気で 次々起こる事件に 翻弄されつつも 楽しくゆったりと読めました。 ところで このシリーズに出てくる食べ物はどれもほんとにおいしそう! 桃太郎は 朝は近くの魚市場で 庶民のB級グルメを堪能し、夜は料亭の賄飯に舌鼓をうつという うらやましい限りの食道楽です。 ほんとに うらやましいなあ!

    4
    投稿日: 2017.03.03
  • わるじい秘剣帖 : 4 ないないば

    わるじい秘剣帖 : 4 ないないば

    風野真知雄

    双葉文庫

    妖しい秘剣も繰り出します

    体調が心配な「留」に 懇意にしている医者を紹介し 小康を得て、本の少し、胸をなでおろす桃太郎です。 健康のために 二人で 怪しげな秘剣を工夫するあたり 男どうしの友情は子供っぽいなあと 女の私は上から目線で思うのです。 豪商「越後屋」への嫌がらせがひどくなり、桃太郎は「留」の力も借りて奔走します。 それにしても 家になかなか帰らない夫を 放し飼い(ワタクシ的な表現です)にしている桃太郎の奥方は なかなかの大物だと 私は思うのです。

    4
    投稿日: 2017.03.03
  • わるじい秘剣帖 : 3 しっこかい

    わるじい秘剣帖 : 3 しっこかい

    風野真知雄

    双葉文庫

    桃太郎の息子たちが少しずつ大人に、、

    第二巻で情けない姿を露呈した息子世代が少しずつ、仕事において経験を積み、大人になっていく、前回の汚名挽回とばかりに 事件の探索に努めます。 しかし、こうやって 数十年前のワルじいたちも大人になっていったのでしょう。 男も女もいっぱしの大人になるには相当の経験が必要なようです。 そんな 何気ない日々が続くと思われていた、桃太郎の生活に大きな黒い影が、、 無二の親友、「留」の体に異変が、、心配な終わり方をする第3巻でした。

    7
    投稿日: 2017.02.26
  • わるじい秘剣帖 : 2 ねんねしな

    わるじい秘剣帖 : 2 ねんねしな

    風野真知雄

    双葉文庫

    孫の子守も板についてきました

    主人公桃太郎は 息子の不始末の罪滅ぼしにと 孫のために金子を稼ぐ算段をします。 折しも 難事件を解決すると 褒美のお金を町奉行からいただけるという話が舞い込みます。 さてもさても 古くからの相棒「留」の力も借りて、おじさまパワー全開です。 ちょっと不良のちょい悪爺さんは あくまでもかっこよく、不肖の生真面目息子は情けない。 今どきの若いものは といいたくなるようなご時世にぴったりの第二巻でした。 すごく面白かったです。一巻に続き ☆5つです

    5
    投稿日: 2017.02.21
  • わるじい秘剣帖 : 1 じいじだよ

    わるじい秘剣帖 : 1 じいじだよ

    風野真知雄

    双葉文庫

    すてきなちょい悪爺さんです

    それまで家庭のことにも もちろん子育てにも まったく縁のなかった ちょい悪爺さんが、 生真面目な息子が外に作った孫と出会い、子供の可愛さに目覚めます。 主人公桃太郎は 元目付、頭の回転もよければ 剣の腕も一流ですが いかんせん年には勝てず、目や瞬発力のの衰えを感じています。でも、そこは経験値!ちょっとした工夫で まだまだそんじょそこらの剣士には負けません。 若い時からの親友であり、同僚の「留」といろいろな事件を解決していきます。 孫への愛情や 男臭い友情、 おきゃんな 孫の母親との交流など たくさんの横糸が うまく織り合わされて、 楽しく 心温まる小説が紡がれています。

    10
    投稿日: 2017.02.18
  • 百年の記憶 哀しみを刻む石

    百年の記憶 哀しみを刻む石

    三木笙子

    講談社文庫

    決壊する石

    石が人の感情に呼応して それを受け止めきれないほどになったとき、その記憶が 石に閉じ込められる。 そうなることを不思議な少年、野見大地は「石が決壊する」といいます。 そして、それがこの物語のキーワードです。 決壊した石に閉じ込められた古い記憶が やがて二人の少年の間に 事件を起こし、古い謎も解き明かされていきます。 三木笙子さんの作品にいつも描かれるテーマ(私が勝手にそう思っているのですが)「友情」は今回も美しく心を清浄に洗い流すようでした。 文句なしに☆5つです。

    10
    投稿日: 2016.12.14
  • 竜の雨降る探偵社

    竜の雨降る探偵社

    三木笙子

    PHP文芸文庫

    三木笙子さんの作品にはまりそうです

    この本は 推理小説なのですが 素敵なファンタジーでもあります。 戦後間もないころの東京で 元神主の経歴を持ち、幼馴染で 雨の日だけ営業される探偵事務所の櫂と やり手社長の慎吾が 殺人事件などの謎を解いていきます。 最後の章で はからずも二人の本当の関係と正体が解き明かされますが  tameさんのレビューにも書かれているように 本当に穏やかで上品な印象の作品で 感動的でもありました。 この作品の作家にとても興味を持ちました。

    9
    投稿日: 2016.11.26
  • アイヌと縄文 ――もうひとつの日本の歴史

    アイヌと縄文 ――もうひとつの日本の歴史

    瀬川拓郎

    ちくま新書

    日本のもう一つの歴史

    日本列島の北と南に縄文人の直系の子孫、原日本人ともいうべきアイヌと琉球の人々がいます。 そのうち特にアイヌの人々は 2000年以上もの昔から 弥生の文化に取り込まれることなく 「続縄文人」として暮らしてきました。 歴史に 「もし」という言葉は存在しないといわれますが、アイヌの人々の姿は 日本人の取りうべき もう一つの日本の歴史だったかもしれないのです。 この後に私がレビューを書いた「2700の夏と冬」という本で、およそ2000年から3000年前の縄文人と弥生人のラブストーリーが描かれていますが、、この「アイヌと縄文」を読んでから 読むと、納得しながら さらに興味深く読むことができます。 古代の日本に興味がある人はぜひ読んでほしい本です。

    7
    投稿日: 2016.10.02