
詰みかけ転生領主の改革 1【電子版書き下ろし付】
氷純,DOMO
MFブックス
腹黒二歳児
中世風の異世界で、現代知識をいかして活躍する話。 ただし、主人公は直接異世界に転送されたわけではなく、あくまで記憶を保持しての転生。赤子からのやり直し中である。 成長するのを待ってはいられない危機的な状況に、領主の息子とはいえ所詮は二歳の幼児というハンデを背負いながら、親の目を盗んでいかに人を動かし事態を変えていくかが見どころ。 「子供のふり」ができるのは逆に強みでもあるのだが。 それにしても、「前世」で何してたか知らないが、ずいぶん博識。どっちかというと理科系か。 知識と教養が学べます(?)
4投稿日: 2013.12.20
空戦魔導士候補生の教官1
諸星悠,甘味みきひろ(アクアプラス)
富士見ファンタジア文庫
デビュー作にしては上出来
けっこうすごい能力はあるんだけど使いこなせず落ちこぼれている生徒チームの成長物語 ……だけだとよくある話だが、タイトル通り、本当の主人公は教官であるカナタのほう。 もっとも、カナタの事情は今のところ断片的な説明と会話から推測できるのみ。 ストーリー進行自体は候補生たちが中心。 落ちこぼれというイメージからは完全にぶっとんでる「女神」様なリコをはじめ、 なかなか強烈な個性で面白い。 出会いのあたりはややベタなわざとらしさがあるが、それ以外は誤字脱字が少し気になるぐらいで、 内容的には問題なく楽しめた。 そういえば「アルケナル」って、「アケルナル」が正しいと思うのだが……
4投稿日: 2013.12.12
冥玉のアルメイン1
築地俊彦,フルーツパンチ
ファミ通文庫
わりとドロドロ陰謀系
注目されることのない立場にいた者が、王たる印をもち、のし上がっていく。 このパターンは戦功をあげるか知略で制するかが基本だが、この作品は思いっきり謀略路線。 「冥玉」という名前からしてダークサイドだし。 話運びや文体は読みやすいし、後味が悪くなるほどエグくもないけれど、 爽やかな英雄譚ではないです。
0投稿日: 2013.12.05
風水学園 逢魔が時の黒猫
夏緑,凪良
MF文庫J
思いがけず泣けた
めったに泣かないんですが・・・ 企みは読めたし、展開もだいたい予想がついたけれど。 最後の救いが、素晴らしい。 小角は優秀だが、優等生という感じではなく、喧嘩っ早い一方で妖魔まで気遣ったりと、どこかアンバランスなキャラクター。 東日流は自分の優秀さを証明することにやっきな分かりやすいタイプだが、意外に人の心を思いやる一面もあったり。 笑えるところはあるけれど、コメディー作品という印象ではない。 「人」と「魔」が関わって起きる、どちらかというと切ない物語。
0投稿日: 2013.11.29
無気力勇者と知りたがり魔王
冬木冬樹,水月悠
MF文庫J
勇者になりたくない勇者
魔王が復活した、あなたが勇者だと、いきなり魔王城に放り込まれてしまった前勇者の孫。 意外にも魔王は、人間を殺したくない、だが世界に闇が満ちると人間を滅ぼすしかなくなる、だからその前に勇者と決着をつけるのだと諦観する幼い少女。 それに対し、勇者は戦わない平和なハーレム(?)生活を貫くことにするが・・・ いろいろな設定が垣間見えるのだが、細かいことはスルーしてもOK。 面倒が嫌いな勇者の気持ちがすべて。 とにかく勇者が「面倒くさい」を連発。「勝てる自信がないことに頑張りたくない」という消極さも。 意外に剣の腕はいいみたいだが。 でも、嫌なことはしたくないというポリシーは、幸せな生活が壊れるのは嫌だから、護るために頑張るという方向にも行ける。 ってことで、ちょっといい話になっている。
0投稿日: 2013.11.22
ベニ・コンプレックス1
曽我部浩人,双龍
講談社ラノベ文庫
猫姉萌え!!
今は姉を演じているが、将来は妻になるために、自分を大好きになるように弟を仕込んできた紅子。 それが成功しすぎて、結婚相手としてではなく「姉さん」が大好きになってしまったというのが話の発端。 姉を嫁にはできないと、別の嫁候補を探すことになり・・・ ハーレム系だが、一人は姉というのがミソ。あえて妹萌えではなく姉萌え路線。 いろんなタイプの強い女の子たちが次々と主人公に仕え、かつ迫ってくるあたりは『カンピオーネ!』と似た印象だが、ずっとドメスティック。 ベニ姉さんは化猫なので、精神的ショックを受けると幼児返りならぬ猫返りをしちゃうのが、たまらなく可愛い#^_^# 他の女の子たちもすごく個性があって魅力的。 文章ではイラストよりずっと巨乳ですな。
0投稿日: 2013.11.16
バーガント反英雄譚1 騎士の国の最弱英雄
八街歩,珈琲猫
富士見ファンタジア文庫
みんな姉妹
ぜんぶ身内かよ! ・・・これに尽きます。 それが面白いところでもあり、世界を狭めているところでもあり。 出てくる大物が(1名除いて)みんな主人公シュンの姉妹。 シュンだけは唯一の男子で可愛がられてるけど何のとりえもなくて・・・という話。 この作者はメインストーリーに直接関係する以外の人物や状況の描写がおざなりな傾向があるので、 ほんとに身内ばかりという印象。
1投稿日: 2013.11.12
氷結鏡界のエデン 楽園幻想
細音啓,カスカベアキラ
富士見ファンタジア文庫
魔笛を宿した少年
基本的に科学技術世界なので、ファンタジーというより『鋼殻のレギオス』あたりに近いタイプの遠未来。 人間の生活圏の外には致命的な毒を持つ存在がいて、ときに結界を抜けて侵入してくるという状況や、 それらに対抗する戦士として最年少で高位に達しながらも、堕ちて追放された主人公などの設定も、『レギオス』に近い。 もっとも、イラストのイメージどおり『レギオス』より透明感のある作風なので、雰囲気はだいぶ違う。 同じ作者の『不完全神性機関イリス』は、直接に関係する前日譚。 さらには『黄昏色の詠使い』ともつながりがあるようだが、とりあえず最初のうちはどちらも読んでいなくても大丈夫。(実は私も読んでない) 主人公のシェルティスは、私好みのタイプ。 重い過去を負っている割に、のほほんとしていて、でもさらっとすごい実力を見せる。 ユミィはまあ、典型的な頑張り屋のヒロイン。 登場人物はみんなちょっと面白くていい人で、物語は無駄なく丁寧に作られていて、気持ちよく満足できる作品。
2投稿日: 2013.11.08
精霊使いの剣舞
志瑞祐,桜はんぺん
MF文庫J
一見定番だが、けっこう深い
定番ネタがてんこ盛り。正直、ラブコメ的なドタバタはうるさい感じもする。 が、見かけによらず、しっかりとした流れが感じられるファンタジー。 三年前、カミトと彼の契約精霊に何があったのか。クレアの姉はなぜ「災禍の精霊姫」となったのか。 第一巻ではまだ断片的にしか見えないが、過去のあれこれが決して「終わった出来事」ではなく、 精霊そして世界が狂い始めている現在の情勢に直接つながって、物語に深みを与えている。 カミトは色々とひどい扱いを受けつつも、強くて格好いい。 女の子はいろんなタイプがよりどりみどり。 個人的にはエストがやばい#^_^#
1投稿日: 2013.11.08
やじきた学園道中記 1
市東亮子
ミステリーボニータ
待ってました!
めっぽう強い女子高校生2人が、若者たちを苦しめる狼藉者や大人の企みをぶっつぶす話。 いやー、何度読んでも格好いい(^o^) 現代もの(といっても完全に昭和)だが、ノリは時代劇。 第1巻からして、「上さま」とか「お庭番」とかいう世界。 体を張ったアクションと、いい女にいい男、 時代劇や任侠ものが好きな人にお勧め。
4投稿日: 2013.11.01
