
戦闘員、派遣します!
暁なつめ,カカオ・ランタン
角川スニーカー文庫
悪行も軽いノリで
厨二気味エロ男子だが実戦経験は豊富な戦闘員六号と、美少女アンドロイドのアリス(男言葉で六号と区別がつきにくいのが難)が、魔王がいたりするファンタジー的な異世界ならぬ異星で、先進的な武器と悪人的手法で人助けする話。 魔物を前にしても、変人ばかりの部隊を任されても、怪人に慣れてるから平気、というのが妙に説得力あったりして。 キサラギは、技術力こそすごいものの、世界征服できるほどの組織には見えないのだが。いったいどうやって地球を征服したんだか。 基本はありがちな感じだが、ちょっとひねりが効いて、楽しく読める。
1投稿日: 2018.04.21
異世界迷宮の最深部を目指そう 10
割内タリサ,鵜飼沙樹
オーバーラップ文庫
童の未練を解くには
ティティーを救うには、「第五十の試練」に立ち向かうしかないと気付いたカナミ。命を削りながら導いた結末は。 表紙は妙に楽しそうだが、泣ける展開。 基本的にいい子なんだよねえ。いい子だからこそ起きた悲劇の物語。 一方の「光の理を盗むもの」ノスフィーは、その対極という感じだが、こちらの決着はお預け。舞台は1年ぶりの地上へと移る。 この変貌ぶりは・・・
0投稿日: 2018.03.31
セブンキャストのひきこもり魔術王 4
岬かつみ,mmu
富士見ファンタジア文庫
副会長の名前が判明
ついに表紙を飾った副会長がメイン。 さすがに名簿上の名前はあるらしいが、幼馴染のブランでさえ本名を知らなかった理由は・・・ 実はすごい人かも?という展開だが、やっぱりこの人はポンコツがいいよね。 七分野に対応した七教授が勢ぞろいするのも注目。ロリとか魔導書とか、実に個性的。 アンジェの心境の変化や、デュセルの前向きさも魅力的。
0投稿日: 2018.03.09
王太子妃殿下の離宮改造計画
斎木リコ,日向ろこ
レジーナブックス
帝国の超技術がすごい
いきなり異世界に呼ばれたとか、転生したとかのパターンではなく、日本育ちだが定期的に帝国で淑女教育も受けているハーフのお姫様。 帝国は日本との交易が普通に行われていて、ファンタジーっぽくない現代技術が普及しているのが独特。魔導と合わさって、むしろ超技術の域になっていて笑える。 そんな出自のヒロインが他国に嫁いで離宮を超近代的に改造してしまう話だが、知識や技術がすごいのは周囲の面々で、本人は基本的に普通の女子大生キャラ。魅力はむしろその開き直りぶりか。 今後は恋愛話や政治話の要素も強まってきそう。
0投稿日: 2018.03.09
デーモンロード・ニュービー2 ~VRMMO世界の生産職魔王~
山和平,伊藤宗一
GA文庫
今度は共闘で
魔王の世界に攻め込むという正統派のイベントは、第1巻で大々的にやってしまった。 そこで今回は、イベント用の新しい世界を舞台に、魔王と一般プレーヤーが混じり合って行動する形に。 新登場の魔王さんが微妙に脱力系。アキカはもうすっかり大人気アイドルですな。 楽しい夏イベントの割に、最後はものすごい死闘になって、盛り上がりもばっちり。 子供時代の因縁の相手の話も絡んでくるが、そんなに深刻な事態や重い話にならないのがこの作品。 例によって岩手の食材もたっぷり。
0投稿日: 2018.03.04
デーモンロード・ニュービー ~VRMMO世界の生産職魔王~
山和平,伊藤宗一
GA文庫
ゲームの楽しさを描く
このゲームにおける「魔王」は、プレーヤーによる持ち回り制の役職みたいなもの。 任期中は普通のプレーヤーのような楽しみ方ができない代わり、魔王だけの特典もあったりする。 最後に運営側の人物が語るのが象徴的なのだが、重い事情とか陰謀とかがあるわけでなく、純粋に楽しいゲームとして描かれているのが気持ちいい。 ゲーム内では敵になる妹とも現実では仲良しだし、PKをやってる連中もたいして深刻ではない。 主人公のレア物引き当て体質も、嫌味なチートにならずに、初心者らしさとうまくバランスが取れている。 あと、本筋と全く関係ない妙に詳しい料理話(主に東北の食材)も楽しい:-)
0投稿日: 2018.03.04
ようこそ実力至上主義の教室へ 7.5
衣笠彰梧,トモセシュンサク
MF文庫J
番外ではなく幕間
7巻のその後と、8巻からの話の準備。まさに7.5巻。 いつの間にか女子との付き合いが増えた綾小路が、いきなりクリスマスデート。 経験不足で戸惑う一方でいろいろ計算していたりと、相変わらずギャップのある二面性が面白い。 デートの相手は佐藤だが、話のメインは軽井沢との関係。こちらも情と計算の両方が絡む。 堀北兄は関わってくるが、妹は出番なし。鈴音ファンには残念かな。 恋愛話だけではなく、今後に向けたシビアな話も。 敵が龍園から南雲に代わり、登場人物の立ち位置や関係を新たに配置し直す感じ。 試験のようなクラスで越えるべき課題はないが、読んでも読まなくてもいいような番外編ではなく、あくまで本筋の流れにある巻。
0投稿日: 2018.03.04
悪役令嬢後宮物語6
涼風,鈴ノ助
アリアンローズ
6巻です
第一部、感動のクライマックス、というところか。 もっとも、ディアナ自身は毒で寝込んだ後に牢屋に直行なので、あまり活躍シーンはない。 見どころはむしろ、ついに信念をもって立ち上がるジュークとシェイラ。 その他の面々も加わって、ディアナにとっては、これまでの行動で培われてきた信頼が実を結び、一人で抱え込んで戦う必要はないのだと知る物語となっている。 今回の事件のあらましに加え、クレスター家と王家との関わりなど、いろいろと種明かし。 これでめでたし、と終わってもいいぐらいの展開だが、まだ終わらない。 これまでファンタジー要素はほとんど見せなかったシリーズだが、今回いろいろと背景の世界が見えてきたので、今後はそちらも本筋に絡んできそう。
0投稿日: 2018.02.12
誰かこの状況を説明してください! ~契約から始まったふたりのその後~8
徒然花,萩原 凛
アリアンローズ
相変わらずのノリでとっても楽しい
サブタイトルが「その後」になっても、まだまだ続くらしい。 娘になれそめを訊かれて答えに詰まる元契約夫婦。 そこは誤魔化して、では彼女が生まれる直前のお話を・・・という流れ。 前巻はサブキャラがメインだったが、今回は普通にヴィーが主人公。 いちおう事件も起きるが、旦那様の配下は皆さん優秀なので、わりとさらっと解決。 物語としてはまったくどうってことない日常寄りのストーリーだが、語り口が相変わらずのノリで、何度も笑ってしまった。
1投稿日: 2018.02.12
勇者に滅ぼされるだけの簡単なお仕事です10
天野ハザマ,ジョンディー
アルファポリス
神様たちが出てきちゃったから
闇の神ダグラスが登場したり、光の神ライドルグが介入したり。 無理やりな展開というわけではないのだが、なにせ神様たちが直接あれこれすると、必然的に話が片付いてしまう。 しかし、面白そうな話のネタがいっぱいあるので、これで終わるのは非常にもったいない。 この人とあの人とはもっと詳しく話をさせたい、というのが何組かあるし。 そういえばサンクリードが勇者として表に出ることも結局なかったし。 平和・共存をもたらし維持するために必要なものは何かというテーマとしては、 第一部・完という感じ。 シリーズとしては星5つにしたい魅力的な作品で、この先も読みたい。
0投稿日: 2018.01.14
