Queen M.さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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異世界最強は大家さんでした 1
ゆうたろう, okama / アース・スターノベル
暇つぶしにはなる
3
基本路線は『うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない』と『先代勇者は隠居したい』を合わせたような感じ。
聖剣やら強大な力やらを保持したまま一介の冒険者をしている元勇者の、親バカ丸出…しな日々。
でも、『うちの娘』のほうが上品で洗練されているし。
『先代勇者』のほうがしっかりとした世界観とストーリー展開だし。
いちおう楽しく読めて暇つぶしにはなるが、その程度にしては値段が高いので、買うならキャンペーンとかの時にどうぞ。
続きを読む投稿日:2015.06.06
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パーム (0) お豆の半分
獸木野生 / ウィングス
独特の作風な大河ストーリー
3
絵も内容も何もかも、日本離れした独特の作風がすごい。
派手なアクションやシュールな展開があるかと思えば、重い現実が描かれたり、神秘的なファンタジー要素もあり。
探偵には向いてなさそうな、元医者のヘタ…レ日系人カーター。
壮絶な過去を持つ、でも意外に暢気で家庭的なジェームス。
ライオンに育てられた野生児、天然でマイペースなアンディ。
メインキャラとなるこの3名の他、個性的な多くの人物が、日常と非日常を演じる。
シリーズが進むにつれて広がっていく、まさに大河な世界にも注目。
今は普通の少女マンガ誌に近くなった『ウィングス』だが、創刊直後は知性派というか、雑誌自体が独自のセンスで類を見ない存在だった。
『パーム』は確か創刊第2号から掲載。長らく看板作品のひとつだったこのシリーズを、あらためて最初から読めるのはとても嬉しい。
続きを読む投稿日:2015.07.24
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へっぽこ鬼日記
田中莎月, 伊藤明十 / 角川ビーンズ文庫
むちゃくちゃ運のいい、不運な男
3
鬼と呼ばれる人たちが暮らし忍者が殺し合う戦国時代的な異世界で、自分と同姓同名の「鬼」の体に入り込んでしまったらしい主人公、藤見恭。
ちなみに鬼といっても、普段の見た目は人間と変わらない。というか、人間…という概念はないらしい。
女子向けラノベで少年が主人公の場合のパターンで、いろいろ未熟だし本人の自己評価もさほど高くないのに、周囲のすごい男たちにやたら好かれてしまう。
キョウ様(体の本来の持ち主)はツンデレらしいが、ときどき恭自身の優しい性格が出るからよけいに慕われることに。
で、
「わけがわかっていないので人並みの反応ができなかった」とか
「適当にやったことが思いがけない結果になった」とか
「キョウ様がちょっと助けてくれた」とかなのに、
誰もかれもが深読みしまくり買いかぶりまくってくれるという不思議な展開に。
本人の意図が相手の考えと全然ずれていてもうまくいく。
この有り得ない運の良さ(?)に笑っちゃいましょう、という話。
けっこう過酷な戦いの世界だったりもするのだが、基本的にはお笑い系。
続きを読む投稿日:2014.10.06
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世界の終わりの世界録<アンコール> 1 再来の騎士
細音啓, ふゆの春秋 / MF文庫J
今度はファンタジー
3
周囲に見下されていた少年が、すごい人(?)たちに認められ、自分の力を見出していく。
これまでと違ってわりと普通のファンタジーっぽい作品だが、質の良さは変わらず。
いじめに近い扱いを受けても、卑屈にな…らずに現状を認めた上で前向きに努力していくレンの姿が素敵。
一方、行動を共にする女性陣は、すごく強くて格好よく、ついでに楽しい。
ファンタジーでも、やっぱり他の作品とつながりがある世界らしい。
時々ファンタジーっぽくない用語も出てきたり。
いちばん近いのは『S.I.R.E.N.』か。
というか、大天使フィアって、あのフィア? だとしたら、相当時代が離れているかも。なにせ性格が・・・
喫茶店の名前にもニヤリ。 続きを読む投稿日:2014.10.03
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ユア・マイ・ヒーロー1 八雲たつ出雲
幹, ぶーた / 講談社ラノベ文庫
ヒーロー志望少年、がんばる
3
主人公が「ヒーロー志望」というのと、「神さま」たちが普通に声をかけてくるのが独特。
八雲の上司(?)はアマテラスさま。
元・神さまの黒猫もついている。
霊能者云々の設定はありがちだが。
頑張る若者た…ちを見守る大人たち、という雰囲気が底流にあって、なんとなく暖かい印象の作品。
ちなみに『神様のお仕事』とは同じ世界。立華聖って、あの「立華」です。
で、《彼女》というのは黒須千鳥らしい。 続きを読む投稿日:2014.06.19
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S.I.R.E.N. ―次世代新生物統合研究特区―
細音啓, 蒼崎律 / 富士見ファンタジア文庫
細音啓らしいファンタスティックなSF
3
新作だが、『エデン』や『イリス』と通じる雰囲気も。
SF的設定のファンタジーとファンタスティックなSFは似て非なるものだと思っているのだが、この作品は後者だろう。
伝説の生物をモチーフに生命工学で造…られたバイオテスタ。
基本的に人間の役に立つための存在だが、暴走して鎮圧が必要になることもある。
主人公のミソラは、世界最高のバイオテスタ研究者アナスタシアの弟子であり、
バイオテスタと人間の共存共生を体現すると同時に、その成果である「方程式」を身に宿す。
そんなミソラが助けた天使型バイオテスタの少女は、アナスタシアが言っていた「本物」の天使なのか?
通常のバイオテスタの力を超えた幻獣たちはどこから現れたのか?
やや説明が多くて、科学用語が苦手な人は、もしかしたら少ししんどいかも。
ちゃんと理屈があるらしい、程度に読み流しても構わないとは思うが。
キャラではレイレイが面白い。
最初は『エデン』のレオンみたいな位置づけかと思ったら、もっといろいろと、設定の本質にかかわる立場。 続きを読む投稿日:2014.05.20