
神様の御用人8
浅葉なつ
メディアワークス文庫
二柱がいちばん好き
一柱は、この世への興味を失った知恵の神、案山子姿の久延毘古命。 「たぶれっと」も使いこなす神は、ネットの知識だけで何でもわかった気になっている現代の若者の姿か。 二柱は、神となった狸、金長大明神。その「本当の物語」とは。 良彦の調査と並行して語られる、ただの狸だった頃の物語の結末が感動的。 今回いちばん面白かった。 三柱は、今の時代にあるべき顔を求める八幡大神。 これもいい話だが、パターン的にややマンネリ感もあるか。 今回は、三柱で孝太郎が少しだけ絡んでくる以外は、お馴染みの顔ぶれがほとんど登場しない。穂乃香はおまけでようやく登場。 でもむしろ、それぞれの神の物語をしっかり楽しめてよかったと思う。
0投稿日: 2018.12.09
こちらラスボス魔王城前「教会」
原雷火,へいろー
KADOKAWA
ラスボスがいるのは魔王城でなく教会のほうか
腹黒鬼畜ロリコンお人好し(笑)な最強神官の、面倒だけど楽しそうな日々。 「おお勇者よ、死んでしまうとは情けない」と勇者その他を蘇生するセーブポイントなのだが、まだここでセーブした人間はいないはずなのに、いろいろ遊びに来る。 お向かいの魔王たちも遊びに来る。 とりあえずみんなで人助け?
0投稿日: 2018.09.04
異世界迷宮の最深部を目指そう 11
割内タリサ,鵜飼沙樹
オーバーラップ文庫
けっこう笑える楽しい巻
今回のノリを端的に表しているセリフ。 「あの伝説の天然女たらしの英雄『アイカワカナミ・ジークフリート・ヴィジター・ヴァルトフーズヤース・フォン・ウォーカー』!!」 一年ぶりのいろんな再会と、アイドとの対決に向けた準備段階の巻だが、アイドの狂気を除けば、予想外に明るい雰囲気。 化物級なのに天然で残念すぎる主人公カナミ。 同じぐらいヤバい存在のティティーも、心を解き放たれた今は、なかなか自由だし。 カナミがいない間頑張ってきたスノウは、再会シーンが可愛い。 千年前の知り合いだけど、ちょっと面白い新キャラも登場。 不穏な部分が見え隠れしても、何とかなりそうな楽観的な気持ちでいられるから、初期に比べるとずいぶん雰囲気が変わったものである。
0投稿日: 2018.09.04
狼領主のお嬢様
守野伊音,SUZ
カドカワBOOKS
泣ける
好きかと言うと微妙だが、泣ける。 転生ものだが異世界転生ではなく、普通に転生して生存する関係者と再会する話。 無知は罪かもしれないが、教えられなかったことに責任はないよな。 この巻はまだ前編、結末には至らず。
0投稿日: 2018.08.11
最弱無敗の神装機竜≪バハムート≫15
明月千里,春日歩
GA文庫
フギル強すぎだけど
プロローグの戦場から一転、本編に入るとのんびりラブコメ。 この二つのシーンの間に何があったのかがこの巻の主題だが、見どころはやっぱり戦闘パート。 ルクスはこちらのパートではぶっ倒れているだけなので、その他の七竜騎聖の面々が超人すぎるフギル相手にどう対応するのか。 いちばんの活躍はマギアルカさん。次いで、いいところをさらっていくシングレン。 とにかくすごい。 ラブコメパートでは、いよいよ告白解禁で本命が決まる・・・と思ったら。 なんというか、流されやすい奴だな、ルクス君(^_^;
0投稿日: 2018.07.03
ミリオン・クラウン1
竜ノ湖太郎,焦茶
角川スニーカー文庫
すべてを失った青年の物語
一真のすごい能力などは、最初にあっさりと明かされる。 本編はむしろ、家族、友人、故郷、すべてを失ったと見えた一真が、過去はちゃんと今につながっていると知る感動の物語。 そこらへんが説明されてしまったので、次の巻からは雰囲気が変わるかもしれない。 一真の心情には感動できたが、それ以外の設定や描写はあまり魅力を感じなかった。 「退廃」は意味合いが違うような。
0投稿日: 2018.05.28
未踏召喚://ブラッドサイン(7)
鎌池和馬,依河和希
電撃文庫
ついに白き女王に対抗する召喚物が
褒美村という名前からして普通じゃない、冥乃河の里。 初代浄瑠璃の葵のキャラがいい感じ。いかにも裏はありそうだけど。 白き女王と恭介がくっつくのが最高と信じるシャルロットの協力を、どう取り付けるのか。 F国の歴史や、ドクトルSによって恭介が「造られた」経緯も語られて、けっこう盛りだくさん。 そして、恭介の反逆はついに実を結ぶも、まだ最終巻ではない。 間違いなく一つのクライマックスではあるが、盛り上げて、どん底に突き落として、大逆転して、また落として・・・
0投稿日: 2018.05.28
どうでもいいから帰らせてくれ
灰猫陽路,阿倍野ちゃこ
HJノベルス
乙女ゲームだけど乙女ゲーム的じゃない
いかにも乙女ゲームな世界で、ヒロインでも悪役令嬢でも転生者でもない主人公ルルリーア。 本来ならただの脇役であったろう彼女が、攻略対象であろうイケメンたちの注目を浴びるようになるという展開自体は乙女ゲーム小説的だが、キャラたちのノリがなぜか熱血系だったり。 空気を読まない主人公以外のところでは、けっこう深刻な話のようだが、そこは今のところほんのちらっとしか出てこない。 世界設定は陳腐な感じもするが、キャラクターがみんな妙な方向に濃いので、だんだんクセになるというか、意外に面白い読後感。
0投稿日: 2018.04.30
未踏召喚://ブラッドサイン(8)
鎌池和馬,依河和希
電撃文庫
ど派手な戦い
「白き女王」が倒されて、世界の雰囲気が一変。 とにかく勢いというか迫力というか、今回は桁違いのハイテンションで物語が進む。 生身で行くか?!という展開もあれば、召喚師が戦争に手を出すとこうなるのね、という展開も。 そこに「色彩なき童女」も割り込んで、混迷状態。 章ごとの「まとめ」は、本文中では具体的に書いていないレベルまでサクッと解説し、勢いを加速。 毎回こんなだと疲れるが、今回だけならむちゃくちゃ面白い。 それでもこのシリーズ、テーマはあくまでラブコメらしい・・・
0投稿日: 2018.04.24
異世界魔法は遅れてる!⑧
樋辻臥命,猫鍋蒼
オーバーラップ文庫
第一部クライマックス
黎二には魔術師とバレたし。その後は初美も合流するし。 そんなこんなで、前半は、皆と改めて親交を深めるコーナーという感じ。 なんか最後はズタボロになってるけど(笑) 後半は、ハドリアス公爵邸でウニベルシタス一派とのあれこれ。 こちらは格好いい見せ場がいろいろ。水明はもちろん、初美、黎二も。 ただ、初美が斬りまくった結果が一言もなしってのはなぜ? 水明と黎二の共闘がとってもいい感じだったので、次巻はまたしばらく別行動になりそうなのが少し残念かも。
0投稿日: 2018.04.21
