はわわわーさんのレビュー
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二人は底辺
小西明日翔 / Comic ZERO-SUM
来世は他人がいい前日譚
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強烈なタイトルとページ数少というところからなんとなく敬遠していて、『来世は他人がいい』のプロトタイプかと思い込んでいました。ちゃった。
吉乃と翔真との出会いを描いた『来世は…』前日譚です。
『…来世は…』で翔真が吉乃に向ける濃すぎる情緒ってやや唐突に感じたし、おじいちゃんの描写いくらなんでも序盤少な過ぎると感じたし、吉乃がいくらおじいちゃんから愛されて育ったとはいえアウェーの東京であの強烈な霧島に強い態度で出られる強い精神性の下地に「?」があったんですが、これ読んで納得。吉乃の強さは元々の物もあるでしょうが、『二人は底辺』中での一件以来、翔真の姉貴分ポジションを獲得していくと共に強固になっていったキャラクター性ではあるのだろう。精神的には吉乃が護る側でありつつ、翔真もまた吉乃の芯になっている。関係性に燃える。
ついでにトリアシショウマという白くて可憐な花があるのを知りました。主な登場人物の名前、花の名だったんですね… 続きを読む投稿日:2020.07.16
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失恋ショコラティエ(9)
水城せとな / 月刊flowers
堂々たる完結
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誰もがこうなると思ってた、
筈。
しかし爽太は全てに対して普通ではない努力をした。
そんな彼が得た全てと彼が人に与えられた全てが詰まった最終巻。大人の味の、苦くて幸せなショコラをご賞味あれ。
苦さ…で終わらないのは何故って?
だって、ショコラは幸せな味がするものだから。 続きを読む投稿日:2015.05.18
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ダンジョン飯 9巻
九井諒子 / HARTA COMIX
確かに表紙の彼はずっと男だった
1
顔面から受ける印象って恐ろしいなと思ったんですが、確かに前巻でも表紙の彼は体格的にどう見ても男性でした。よく考えたらごろつきのような男性相手に格闘交じりで圧勝してる描写でも察せたのですが…色気の無い女…性だと思って読んでしまってたのでじわりと衝撃。自分の目が節穴でした。しょっく。そして今巻で掘り下げられる彼『ミスルン』のエピソードもものすごく面白い。こんなん好きになってまう。
サキュバスのくだりもまた異常に面白い。
何となく片鱗はありましたがライオス→マルシルへの特別な感情が初めてハッキリ示され、これからこの伏線がどうなるか期待してしまうところではあります。理性に強く抑えられつつ示されるだけで、まだ何も起きませんが。というかメインキャラクター間の恋愛抜きで9巻まで面白かったの本当にすごいな。
面白いけど彼らはどこに向かってるの?の問いのヒントもてんこ盛り、至れりつくせりの9巻。誰かに予想されたのとは『違う』未来を勝ち取ってこそライオスらしい気はするのですが果たして。
ダンジョン飯3〜6巻辺りで話がどこに向かうのか分からなくて読むのやめちゃった…という方がいたら取り敢えずこの9巻まで読むのがいい機会になる気がします。今のうちだ。
最終ページまでの満足度がすごい。ワクワクし過ぎて次巻が待ち遠しい。 続きを読む投稿日:2020.06.01
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失恋ショコラティエ(7)
水城せとな / 月刊flowers
やさしくない。つめたくはない。
1
「いい歳だし説教されるのは御免だ」
「だからといって、同じ目線同士の傷の舐め合いもしたくない」
「目下に偉そうに語るほど年寄りぶりたくない」
「自分語りや自分探しをするほど青臭くもなれない」
「でも、…このやりきれない気持ちを分かって欲しい」
そんな全ての「大人になっちゃった」人に薦めたい。
作者の、弱者の味方をしない目線が心地好くもある。8巻末まで物語が一息で続くので7巻&8同時購入をお勧め。 続きを読む投稿日:2014.09.13
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ララバイ・フォー・ガール【電子限定特典付】
松崎夏未 / フィールヤング
素敵な傷痕
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若い頃の、記憶に沈めた引っ掻き傷を愛おしむような短編集。どの作品も色んな意味での『ファムファタール』が描かれ、その視点が女性の友人であったり、本人であったり、男性であったり…どの作品もエッジが利いてい…るのに読後感は温かい感じがします。でもやっぱり引っ掻き傷みたい。百合みがある、くらいの味付け。記憶に残る作品集です。絵がめちゃくちゃきれいです。迷っていたら是非。 続きを読む
投稿日:2021.12.05
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東京タラレバ娘 シーズン2(6)
東村アキコ / Kiss
あったかい
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東村アキコ先生が巻末で描き切ったと言ってる通り、見たかったものは全部見られた最終巻。結構な無力感と絶望感からはじまったタラレバ2がこんなあったかい物語になっていくとは…。ちっちゃいよしおくんがMVPで…す。
タラレBarを少しでも読んでおいたほうがより面白いですね。
血の繋がらない家族がどんどん増えていく感じ、東村先生の周りもそんな絆がいっぱいあるんだろうなと。あったかくて喉越しのいいホットミルクみたいな物語でした。また近いうちに読み返すと思います。 続きを読む投稿日:2021.11.15