
神去なあなあ日常
三浦しをん
読楽
日本人は山と生きるし、日本は森の国ですね
山がなければ、森がなければ、そして、それらに手を懸けなければ、川もないし、海に魚も住めません。そんなこの星の人の生活の原点を静かに思い出させてくれる素敵な小説です。ジャレド・ダイアモンド氏の本にも江戸時代の日本の林業のガバナンスの良さが書かれているように、古来この国は森の木を本当に大切に育て、守ってきました。そんなセンスをなぜか我々が持っていることを寿ぐとともに、この小説をそのまま楽しみましょう。ちなみに、映画もかなりよくできてました。どちらが先でもお勧めです。
13投稿日: 2014.04.30
イラストでわかる 最低限知っておきたいゴルフルール90
マイク青木,A子
ゴルメカ
うまい!理解しやすい!確認しやすい!
なんとなくルールをわかった気でいる方。いまだに、あんな時、こんな時どうするのが本当のルールなのかうろ覚えの方々。おススメです。90とありますが、20分もあれば、全部読んで確認ができます。お試しを。今度は自信を持って、あの人に注意できます。
1投稿日: 2013.12.02
中部銀次郎 ゴルフの神髄 新編 もっと深く、もっと楽しく
中部銀次郎
日経ビジネス人文庫
ゴルフを始めたばかりの方、始めようとされている方にお勧めです
この本はゴルフをもう長年されている方が一番納得なされることがたくさん書いてあります。しかし、敢えてこの本を初心者の方にお勧めします。そしてこの本を自分のゴルフのスキルの成長に合わせて、折に触れ読み返すことをおススメします。もっともっとゴルフが好きになります。
2投稿日: 2013.12.02
オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史1 2つの世界大戦と原爆投下
オリバー・ストーン,ピーター・カズニック,大田直子,鍛原多恵子,梶山あゆみ,高橋璃子,吉田三知世
単行本
アメリカという国、日本という国、そして昭和という時代
自分の生まれ育った「昭和」という時代が非常に気になる私の観点では、この本に書かれている視点は今までにない風景を提供してくれる。アメリカのことを書いているにも関わらず、昭和を左右したアメリカという国が与えた日本という国の別の見方を示してくれている。内容は是非読んで確認していただきたいが、感覚としては、イギリスの画家ターナーの絵の評価に似ている。彼の絵は40年早い印象派といわれるように、当時は異端、際物扱いされ、今見ると調子の狂ったできそこないの印象派に見える。オリバーストーンのこの本に描かれている風景は、自分の頭を70年前に一旦戻して、起きた物事を落ち着いて眺めること、見た目通りまた教えてもらった通りではないかもしれないという解釈の訂正を要求する。まずは第1巻、傑作である。
3投稿日: 2013.12.02
金田一耕助ファイル3 獄門島
横溝正史
角川文庫
ちょっと違った読み方をしてみると…
このお話の謎解きは、別のレビューワの方も書いておられますが、私にとっての横溝ベストの「八つ墓村」に匹敵するぐらい面白いです。ただ、もっとひきつけられるのが、この小説の中で表現されている戦後の昭和の様子です。金田一はじめ登場人物がすべて戦争の影響を受け、戦後の混乱の中を生活している日本の時代のワンシーンが重奏低音のように描かれていることです。おそらくこの後何十年後に日本の歴史をこうした推理小説の中にさえある風景をもとに読み解きなおすことがあるんだろうなと思います。そうした研究がなされても全然おかしくないです。まあ、いずれにしても横溝の小説は、推理小説を超えていて本当にひきつけられます。
7投稿日: 2013.11.08
スティーブ・ジョブズ I
ウォルター・アイザックソン,井口耕二
講談社
ポイントはモノづくりです
同年代で、同じ業界にいる人間として、その卓越したアイデアと実行力にただただ驚かされるのはまあ普通の話のレベルとしても、ポイントは日本人にはおなじみのモノづくりへの憧れと、その楽しさと、作ったものを人に使ってもらううれしさが彼にはとことん身についていると思います。この本を通読してしばしば思うのは、このSteveなる人間はまるで日本人じゃないかということです。単純ですが、やはり我々はモノづくりの民族だとおもます。ゆえにSteveにもある種特別な思い入れを感じるのではないでしょうか?つまり、Sonyがいない日本って考えられますか?
5投稿日: 2013.11.06
生き方
稲盛和夫
サンマーク出版
たぶん、人生には「拠り所」が必要と言うことです
自分も半世紀どうにか生きてこれてつくづく思うのは、いい思いをしたことは、いつもほんの一瞬。後は苦労と後悔と恥ずかしさで満ち溢れてます。そんな思いでぐだぐだ思ってこの本を読むと、稲盛さんの一本筋の通った生き方に励まされます。そして思うのが、何か信じることを心の「拠り所」とすると、ぶれないということです。それが、仏教であれ、誰かの教えであれ。つまり、自分が何のために生きるのかを見つけることにぐだぐだ思う悩むことに意味があるわけではなく、「生きることが私にいろいろなことを期待している」のです。休みなく、ノンストップで。「夜と霧」のフランクルさんもそう言われてます。
1投稿日: 2013.11.02
人類資金III
福井晴敏
講談社文庫
さて、次に行きましょう…。
雪が舞い始めたロシアで、手に汗握る。金が動くのが早いか、ひとが動くのが早いか。ロシアを舞台に大騒動。でも物語をなしているのはやはり人の行いですね。登場人物がみなさんとても映えてます。はい、大至急IVへ。
4投稿日: 2013.10.31
若者よ、マルクスを読もう 20歳代の模索と情熱
内田樹,石川康宏
角川ソフィア文庫
マルクスを読んだ人からもっと話を聞きたくなります
この本の魅力は、大学の輪読ゼミですでに十分「マルクス」を読み込んだ同輩、先輩、先生からの話をじっくり聞いている気分になることです。まあ、もちろん「で、君はどう読んだ?どう考える?述べよ」と突然振られても何の準備もないわけですが…。正直、マルクスは内田先生にどう言われようが、自分で読み込む自信は全くありません。とはいえ、これを取っ掛かりに手を出してみようかな…。
4投稿日: 2013.10.29
ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~
三上延
メディアワークス文庫
うまい!気持ちいい!
これほど見事に今まで第1巻より、ためにためた伏線が絡んでいく小説シリーズもあまり出会ったことがありません。ストーリーテリングのリズムもいいですし、流れが心地よいです。特に、まったくぶれないキャラクターの設定は見事で、よくありがちな「実は…」みたいな逃げ(映画「名探偵登場!」みたいに)がなく、真正面、直球ど真ん中で、小気味良いです。敢えて第4巻でレビューを書いていますが、まだの人はもちろん第1巻から読んでください。1巻から4巻まで未読の人は続けて楽しめるので羨ましい…。
3投稿日: 2013.10.08
