Shuttle0131さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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火星の人
アンディ・ウィアー, 小野田和子 / ハヤカワ文庫SF
えーと、言葉が見つかりません…。たまらなく面白い![追加コメント:映画も見ました]
16
めちゃくちゃ面白いです。この面白さ伝える方法が見つかりません。もう読んでもらうしかないです。自分的にはノンストップで楽しんだSFとしてはホーガンの「星を継ぐもの」以来です(もちろんぜんぜん話に内容は違…いますけど)ハードSFと銘打たれていますが、というより、トムソーヤや宝島を読んだ時のわくわく感に近いかも。うーん、ちょっと違うかな。でもこれをハードSFというのもなあ。まあ、とにかく読み始めたら止まりませんでした。こんなに夢中で読んだSFはホントに久しぶりです!おすすめ!あ、それからSFを今まで読んだことがない人にも是非是非!これたぶんSFと分類しなくてもいいです…
[追加コメント]映画も素晴らしくよくできてます。私は不覚にも泣きました。順番は本-->映画、です。 続きを読む投稿日:2015.08.10
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神去なあなあ日常
三浦しをん / 読楽
日本人は山と生きるし、日本は森の国ですね
13
山がなければ、森がなければ、そして、それらに手を懸けなければ、川もないし、海に魚も住めません。そんなこの星の人の生活の原点を静かに思い出させてくれる素敵な小説です。ジャレド・ダイアモンド氏の本にも江戸…時代の日本の林業のガバナンスの良さが書かれているように、古来この国は森の木を本当に大切に育て、守ってきました。そんなセンスをなぜか我々が持っていることを寿ぐとともに、この小説をそのまま楽しみましょう。ちなみに、映画もかなりよくできてました。どちらが先でもお勧めです。 続きを読む
投稿日:2014.04.30
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人類資金VII
福井晴敏 / 講談社文庫
長い間待たされましたが…。
10
これから1巻から読まれる方は、ちょっと大変ですね。でも(途中でもいろいろありますが)面白いコンゲームが待っていますので楽しみに読み進めてください。よくもまあこれだけの身体能力と頭脳を持った人間たちを多…層的に描けるものだと感心しきりです。それに文章もうまい!福井風文章が日常の会話の中でも移ってしまいそうです。電子版で読みましたが、本屋で7巻の厚さを見てびっくりこんな厚さだったんだ…。電子版万歳!2015年現在の国際・社会情勢を頭の片隅に置きながら、今読む本として非常に興味深かったです。 続きを読む
投稿日:2015.08.10
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幼年期の終わり
クラーク, 池田真紀子 / 光文社古典新訳文庫
不朽の名作、旧訳よりは読みやすかったです。が。。。
8
もちろん、訳の差分の問題もありますが、むしろ2015年という今、この物語をどう読むか?SFの古典として読むか、はたまた今の社会情勢や文化背景を思い浮かべながら読むか、の立ち位置が問題となるくらい古典に…なっています。今やこの物語が最初に語られてから社会状況は大きく変わり、予想もつかなかった社会的、政治的パワー不均衡が存在してます。私としては残念ながら旧訳を読んだ時の恐ろしく感動的な感覚は戻ってきませんでした。むしろ人間至上主義的なちょっと鼻につく感じが後味として残ってしまったことが意外でした。まあもっとも新訳「ソラリス」を読んだ後だったので、特にその感覚が強調されたのかもしれません。逆に「ソラリス」の普遍的な問題提起が改めて評価したくなりました。ん?何の読後感想書いてるんだっけ? 続きを読む
投稿日:2015.09.05
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ソラリス
スタニスワフ レム, 沼野 充義 / ハヤカワ文庫SF
どのようにも読める不思議な物語です。私の読み方は…
8
旧訳は読んだことはなかったのですが、今回ポーランド版原典から全訳がされたと聞いて手に取ってみました。もちろん、SFに(ハードSF)に分類されるのでしょう。おそらく私はコンタクトものとして読んだと思いま…す。というのも、読んでいる最中では自分がどのように感じて、理解して味わっているのかわからず、読了してようやく自分がどのように読んだかが分かったからです。蛇足ながら書かせてもらうと、物語とは全く関係なく、そんな話も出てきませんが、「ひも理論」を思い出しました。つまり、ひもはまだ理論的にも実証的にも完成していない考え方ですが、もし人間の理解を超えた宇宙の仕組みを直接的に理解してしまう何かが存在し、それと接触した人類はどのような行動を取り、何を考えることになるのだろうか?という妄想です。そもそも「人間の理解を超える」というのはどういう意味なのか。そんなことを考えさせられた作品でした。お奨めします。 続きを読む
投稿日:2015.08.22
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それから
夏目漱石 / 岩波文庫
すさまじい…。夏目漱石恐るべし。
8
現在、改めて朝日新聞に連載中ですが、むかし最初の方だけを読みかじっていただけだったので、ちゃんと最後まで読んでみました。夏目漱石の「それから」はこんな話とは知りませんでした。迂闊でした。最後の方はもう…ノンストップ。これが当時新聞に連載された時はおそらくとんでもない反響だったんでしょうね。今、読んでもこの文章から感じる迫力は、まったく色あせていないですね。驚きです。(とはいえ、この感触は、いろいろ様々経験して、この歳になって読んだからかなあ…) 続きを読む
投稿日:2015.08.22