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yakitoriさんのレビュー
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  • ユダの覚醒 上

    ユダの覚醒 上

    ジェームズ・ロリンズ,桑田健

    竹書房文庫

    題名のユダ(裏切り者)の意味が意味深・・・・

    一時期立て続けに読んでしまい私の中でインフレーションを起こしていたロリンズ作品ですが、一年ぶりに再開しました。久しぶりのシグマフォースでしたがやはり面白い。アクション物って最初の掴みが大事だと思うのですがギルドのセイチャンがいきなりグレイに助けを求めてくる冒頭から思わず引き込まれます。またインドネシアのクリスマス島で発生した奇病の調査に乗り出したモンクとリサにも海賊が襲いかかり、あれよあれよという間に戦いの渦中へ。 今回はマルコポーロが当方見聞録で書き残さなかった失われた旅行記を追ってワシントン、イスタンブール、インドネシア、カンボジアと各地をめぐりながら天使の言葉、ジャンクDNA、レトロウイルスなどのキーワードを元に話が進みます。また本作でもグレイの両親が人質に取られギルドに従わざるを得ない状況に陥ったり、世界規模で拡散し出した奇病を止める必要に迫られたりと相変わらずタイムリミット感を煽る展開になるのですが、一番の見所は何と言ってもグレイとセイチャンの関係でしょう。信頼と裏切りの間を行ったり来たりする二人の関係から目が離せません。 そして本作から登場するコワルスキーという隊員が作者の別作品「アイス・ハント」に出ていたあのコワルスキーだったとあとがきを読んでビックリ!似てるけど別人だと思っていただけにニンマリしてしまいました。どうやら作者の作品世界はいろいろと繋がっているようで他の単発モノの登場人物が本シリーズでも今後出てくるようですね。また一つ楽しみが増えました。

    8
    投稿日: 2016.06.30
  • 銀河英雄伝説 2

    銀河英雄伝説 2

    田中芳樹,藤崎竜

    週刊ヤングジャンプ

    ヤンが原作っぽくてイイ感じ

    ラインハルトとキルヒアイスの少尉時代のエピソード「白銀の谷」がメインですが、いよいよ同盟軍側の話もスタート。成る程、ユリアンがヤンの養子になるところからですか。どうやら次はイゼルローン要塞攻略話になりそうですが、同盟お馴染みキャラの登場が楽しみです。しかしキャゼルヌ先輩、イケメン過ぎ(笑)

    3
    投稿日: 2016.06.19
  • 多重人格探偵サイコ(23)

    多重人格探偵サイコ(23)

    田島昭宇,大塚英志

    角川コミックス・エース

    ラスボス戦

    フュージョンした弖虎と美和は遂にラスボス・若女に辿り着く。そして遂に最終決戦の幕が切って落とされた!次こそ本当の最終巻。果たして弖虎たちは若女を倒して磨知を取り戻す事が出来るのか? 今回もアッという間に読めます。

    4
    投稿日: 2016.06.16
  • 妖神グルメ

    妖神グルメ

    菊地秀行

    The Cthulhu Mythos Files

    クトゥルー神話+高校生+料理という三題噺的物語

    ソノラマ文庫版を読んだのがウン十年前になるが、当時は今ほどクトゥルー神話は有名ではなくココに出てくるキーワードの半分も理解せずに読んでいた。基本、邪神復活を目論む教団と阻止しようとする各国の諜報機関が主人公のイカモノ天才料理人をひたすら奪い合うというコメディタッチな内容でクトゥルー神話+高校生+料理という三題噺的物語。普段はボーとした昼行灯なのにこと料理を作るとなると燃える天才料理人になるギャップ萌え主人公ですが、最後にこう来たかというオチが用意されています。このオチが納得できるかどうかで傑作・駄作の評価が分かれそうな作品。私的には好きなオチですがね。 できれば同時期に書かれた「インベーダーサマー」と「風の名はアムネジア」も復刊お願いします。

    5
    投稿日: 2016.06.10
  • バイコヌール宇宙基地の廃墟

    バイコヌール宇宙基地の廃墟

    ラルフ・ミレーブズ

    三才ブックス

    宇宙好きなら一見の価値アリ。

    バイコヌールと言えば米ソ冷戦時代からスパイ・冒険・SF小説などではお馴染みの地名でアマゾン=マナウス、CIA=ラングレーと同列で語れる程、ソ連もしくはロシアの宇宙基地と言えばバイコヌール。(笑) 今だに現役の宇宙基地でNASAがスペースシャトル計画を終了してからは国際宇宙ステーション(ISS)への玄関口、ソユーズの打ち上げ基地としても有名。また欧州宇宙機関の火星探査機「エクソマーズ」もつい最近この基地から打ち上げられたばかりで、宇宙好きなら知らない人はいない宇宙基地である。 この写真集はその現役バリバリで稼働している発射台のすぐ隣にある整備棟の廃墟の中にひっそりと格納されていたロシア版スペースシャトルの往還船「ブラン」とロケットブースター「エネルギア」を写した写真集。 とにかく、おおおおおお、スゲェ〜、スゲェ〜としか言葉が出て来ない。一度しか正式飛行しなかった幻のロシア版シャトルと一度も使われなかったロケットブースターが廃墟と化した整備棟の中に佇む姿はその巨体が漂わせる圧倒的な迫力と共に不思議と胸に迫って来る物哀しい哀惜感がある。 今の価格(300円)なら買って損なし、一見の価値アリです。

    5
    投稿日: 2016.05.28
  • 機動戦士ガンダム THE ORIGIN(17)

    機動戦士ガンダム THE ORIGIN(17)

    安彦良和,矢立肇,富野由悠季,大河原邦男

    角川コミックス・エース

    人々の想いが交差する宇宙(そら)へ

    劇場版IIIのオープニングと同じくキャメル艦隊との戦闘から始まる本巻ですが、シリーズ当初手こずった相手もニュータイプ部隊へと覚醒したWBの敵ではなくアッサリと撃退。そして補給の為に立ち寄ったサイド6で展開する人々の憎愛劇。ミライの婚約者カムランを挟んでの四角関係やアムロの親父さんとの苦い再会とララァとの運命の出会い。いよいよ物語も終盤へ向けて盛り上がってまいりました。 圧巻なのは宇宙(そら)へと戻って来たアムロがニュータイプとして開花する戦闘シーンで特に最後に描かれる墜した敵の数を数えなら戦う「伝説のコンスコン隊リックドム12機撃墜」にはシビれまくり。

    8
    投稿日: 2016.05.26
  • プラチナエンド 2

    プラチナエンド 2

    大場つぐみ,小畑健

    ジャンプSQ.

    いよいよ始まった神候補によるダークなバトル

    デスノートは死神の力を使い、神になろうとした男の話でしたが、本作は天使の力を使い、神になろうとする人々の話。真逆の設定なのに読んだ感じは同じくダーク。第2巻はそれぞれの思惑を持った神候補による頭脳戦、肉弾戦がスタートする。ここで描かれるのは我々が想像する神の愛「博愛」とは全くの無縁の自己愛。エグい展開ですが面白い。

    3
    投稿日: 2016.05.22
  • 遠隔機動歩兵 -ティン・メン-

    遠隔機動歩兵 -ティン・メン-

    クリストファー ゴールデン,山田 和子

    ハヤカワ文庫SF

    オズのブリキ男は人間に戻ることができるのか?

    21世紀末、アメリカは世界の紛争地帯に秩序をもたらすべくティン・メンと呼ばれる遠隔起動歩兵部隊を紛争地へと送り込み「力による平和」を実現させていた。ところが国際テロ集団「アナーキスト」よる大規模世界同時テロ攻撃が起こり事態は一変する。ダマスカスで平和維持活動に従事していたケルソはこの攻撃によりティン・メンのボディに閉じ込められてしまう。「ロボットの破壊」イコール「死」という状況に陥った彼らは、操縦者当人が眠るドイツのヴィースバーデン目指して絶望の旅を始めるのだが…。 話はダマスカスのティン・メン部隊とG20に出席していたアテネのアメリカ大統領、ティン・メン操縦者が眠るドイツの基地の三視点で進行。とにかくアメリカ憎しのテロリストがこれでもかと言うぐらい攻めて来るので息をつく暇がなく、一見平和に見えたドイツの基地でも内部からの破壊工作が進行し手に汗握る展開に。 相手の事情を考えず力ずくの平和を押し付けるアメリカに世界中のテロ集団が結託して一斉蜂起するという状況は、今の世界情勢ではあり得ないとは思いますが、もしかしたら?とは思わせる設定。平和を持たらす為の行為が新たなる憎しみや悲しみを生み出し、負の連鎖に繋がって行くという今の世相を反映した作品になっています。 遠隔操作するロボットを操作して紛争地で平和維持活動を行うという設定は、ジョー・ホールドマンの代表作「終わりなき平和」を彷彿とさせますが、テイストはボブ・ラングレーの「衛星軌道の死闘」が近いかも。とにかく最初から最後まで冒険小説に徹したエンターテイメント作品になっており、アクションに次ぐアクションでSF成分はティン・メン設定のみと少なめ。なので読み終わってもSF読んだ!というよりは冒険小説読んだ!という気になります。

    8
    投稿日: 2016.05.01
  • マルドゥック・アノニマス 1

    マルドゥック・アノニマス 1

    冲方丁

    ハヤカワ文庫JA

    匿名という存在

    ボイルドとの死闘から2年。イースターズ・オフィスには新たなるメンバーが加わり、ウフコックにも相棒ができていた。ところがスラム専門の弁護士サムが企業の内部告発者ケネスの保護を持ち込んだ事から街の新興勢力〈クインテット〉とぶつかることに。ただこれはマルドゥックの覇権を争う新たなる戦いの幕開けに過ぎなかった・・・。 テイストはヴェロシティに近い。クランチ文体ではないので読みやすいがギッチリ詰まった文章で読み応えは十分。とにかくエンハンサー(強化者)が沢山出てきてそれぞれ獲得したギフト(能力)を駆使して戦いまくるので魔界都市<新宿>やワンピースのような展開に。その中で相変わらず煮え切らないウフコックに結構イライラします。(笑) 瀕死者を勝手にエンハンス(強化)しまくる<ドクター・ホィール>とゲーム運用者の<ファンド・マネージャー>。謎の二人によって仕掛けられるマルドゥック裏社会への新体制構築ゲームや内部告発者ケネスの真相などまだまだ謎だらけの本作ですが、ウフコックは本シリーズ最終巻まで匿名の存在(アノニマス)で在り続けることができるのか?

    7
    投稿日: 2016.04.16
  • 機動戦士ガンダムUC11 不死鳥狩り

    機動戦士ガンダムUC11 不死鳥狩り

    福井晴敏,矢立肇・富野由悠季,カトキハジメ,虎哉孝征

    角川コミックス・エース

    素直にうれしい。

    TV放送開始記念。前日譚の1つ「戦後の戦争」とシリーズ後半の1エピソード「不死鳥狩り」の中編二編での構成。 戦後の戦争は、本編前に起こった〈シナンジュ強奪〉事件を追うオッサン二人の熱いエピソード。UC計画をお膳立てする為に仕組まれた事件をエコーズのダグザと情報局のロッシオが追いかけます。福井さんお得意の中年親父のオトシマエのつけ方がカッコ良い! 不死鳥狩りは、本編には登場しない暴走したRX-0 三号機の捕獲作戦を軸に描かれるMS戦。スタークジェガンやネオ・ジオングとの戦いがタップリと描かれているのでMS好きには堪りません。またサイコミュ絡みでの強化人間の悲恋物語にもなっているのでガンダムワールドを堪能できます。 ゲームや映像の特装版特典として書かれたモノなので読めないのではと諦めておりましたが、この様な形で補完してもらえたのは素直に嬉しい。

    7
    投稿日: 2016.04.08
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