
模倣の殺意
中町信
創元推理文庫
匠だけど騙される喜びがやや低め
作品をとおして何か考えさせらるような内容ではなく、トリックで驚かすことを主題に置いたミステリ。 作品の性質上、どうしても技巧に関する話になってしまいます。 匠だけど騙される喜びがやや低めかな、という印象。惜しい。 最近出た新刊だと思って読んでいたので、トリックのために敢えて一昔前の時代を舞台にしていると思っていたのは内緒。
2投稿日: 2017.03.31北乃杜高校探偵部
乾くるみ
講談社ノベルス
鮮度が大事な作品
ミステリというよりも、青春グラフィティの比重が高め。時事ネタが使われているので、鮮度が落ちてしまっている感は否めないところが残念。
0投稿日: 2017.03.31鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様
朱川湊人
集英社文庫
大正ロマン溢れる世界
表紙のモダンなフォントとタイトルに惹かれて、内容は知らずに購入しました。 睨んだとおり大正ロマン溢れる世界の物語でしたが、まさか、あやかしが出てくる物語とは思わなかった。 ジャケ買いもいいけど、やぱりストーリーは事前に調べておくべきですね
0投稿日: 2017.03.31妖奇庵夜話 その探偵、人にあらず
榎田ユウリ,中村明日美子
角川ホラー文庫
歪んだ世界
遺伝子的に違いがある、人とは違う人、妖人。 遺伝子が違うといっても、大半は身体能力の優劣やユニークな嗜好性に差が表れるだけで、遺伝子を調べない限り個人差で片付けられそうな範疇に収まっています。 しかし、この作品世界の人々は、見た目は変わらず結婚して子を残すこともできるのに、遺伝的に異なるから妖人は人ではない、と区別という名の差別をしています。 この思想は外国人を肌の色で差別する思想と同じ様に思えてとても恐ろしいと思った。 こんなことしてると、いずれ妖人はクーデターを起こすんじゃないでしょうか?
2投稿日: 2017.03.31オニマル 異界犯罪捜査班 鬼と呼ばれた男
田中啓文
角川ホラー文庫
とっても田中啓文らしい作品
普通の刑事が事件を捜査する物語だと思っていたので、想像と違う内容に驚いた。だけど、この驚きは欲しくなかったかな。 もっとも、角川ホラー文庫であることを考えれば想像に難くないはずですが、電子書籍だとレーベルってあまり意識しないで買ってしまうんだよね。内容はとっても田中啓文らしい作品でした。
0投稿日: 2017.03.31奇談蒐集家
太田忠司
創元推理文庫
クライマックスが絶妙
真実が明るみになるのに比例して高まる恐怖、ゾクゾクくる感覚が心地良い。夏の季節にピッタリな作品です。 果たして氷坂の推理はあたっていたのか。方便だったのか。読み終えた今になっては、後者に思えるところが薄気味悪い。
1投稿日: 2017.03.31消失グラデーション
長沢樹
角川文庫
まるで、マイノリティ特区
個々のケースは違うけどひとつの学校にこれだけ性の悩みを抱えている人が集まるならマイノリティを感じることはないんじゃないかと思えてしまい、悩みの深さを感じられなかった。 叙述トリックはよかっただけに勿体無い。
1投稿日: 2017.03.3199%の誘拐
岡嶋二人
講談社文庫
昭和の傑作
いろいろ語りたいことはありますが、ネタバレになるので書けません。 ただ、読んでいたら現在の日本で身代金目的の誘拐事件を成功させることはできるのか? というのが気になりました。 今度、現代を舞台にした誘拐事件を扱った本も読んでみよう。
1投稿日: 2017.03.31妖怪文化入門
小松和彦
角川ソフィア文庫
まるで学術本
気軽に妖怪について知ることができると思ったのですが、まるで論文を読んでいるような気になりました。 娯楽として本を楽しんでいるので、もう少しポップな語り口の入門書を探したいと思います。
1投稿日: 2017.03.31カナクのキセキ5
上総朋大,さらちよみ
富士見ファンタジア文庫
一巻は面白かった
ネガティブな発言はしたくないんですが、出てくる人がみんな利己的すぎ。 うーん、一巻は面白かったのになぁ・・・
0投稿日: 2017.03.31