
高校事変 III
松岡圭祐
角川文庫
米国まで巻き込む壮大さ…
きょうび社会問題化してるイジメを ストーリーの芯に入れ、解説でも 言われるように「絶体絶命」 「荒唐無稽」な、幽霊や宇宙人に 遭遇するよりも有り得ない話しに 仕上がっています。 そしてⅠとⅡの登場人物がまるで 伏線だったように現れ、イジメと 強大な悪に挑みラストには皆、 脳波が変わるくらい正常な高校生 となる。 サイコパスと判定される主人公 優莉結衣ですら自覚なき涙を流す ラスト。 Ⅱで登場した妹凛香は敵か味方か。 米国海兵隊までをも巻き込む戦争に 勝てるのか。 今回登場しない兄弟姉妹もまだ いる上、Ⅱで登場したあの人物が そうだったとは。 こりゃ嫌がどぉでも、Ⅳを期待 せずにはおれませんね。 あのバトミントンやろうや、他の 兄弟姉妹の登場に期待大。
1投稿日: 2019.09.24蛇鏡
坂東眞砂子
文春文庫
官能入りホラー(ミステリー)…
最近お気に入りの、 故・坂東眞砂子 さん作品。 いやぁ、あいかわらず官能入れて きますね。 ま、好きだけどさ。 表題である三大神器の蛇鏡に まつわる蛇神伝説。 今回も坂東ワールドと、話中の 蛇神水濠にドップリ浸かり、 薄ら寒い汗をかかせていただき ました。 フィクションとはいえ、取材や 文献を徹底的にやったんだろう なと感じる大作でした。 そしてまたホラーでありつつ、 ミステリー要素を挟んできて ラストは、えぇ!?そんな?と、 なります。 結局、蛇神なんか迷信で 一件落着と思わせぶりのところ を、わき腹に不意にパンチぶち 込まれた感、おもしろかった。
0投稿日: 2019.09.11葛橋
坂東眞砂子
角川文庫
夏に読みたい本…
表題作含む3つのストーリー。 土佐っぽの方言満載。 ホラーでありながら、それぞれ に官能表現もチラホラ。 表題作の葛橋なんぞは、 ラストに命果てると同時に 射精まで。 恵比寿さんの「鯨の糞」も 面白かった。 最終的に5千万円の大金が、 あぁいうカタチで転がり込んで くるとは恐るべし。 一本樒の被害者をかばうために やったことが、結果的には 殺人者をかばっていたという 驚愕の事実。 ホラーの中にビミョーな ミステリー要素があって首筋に 汗かきながら読み終えました。 作者さん亡くなられてるので 作品に限りがありますが、 また読みたい作者さんですねぇ。
0投稿日: 2019.08.31狗神
坂東眞砂子
角川文庫
ホラーというよりSFかも…
坂東真砂子さんって頭いい んだろうなと思い、ヤホーで 調べました。 やはりすごい経歴と人生。 残念ながら、すでに お亡くなりになってますが 惜しい人が亡くなられたものです。 狗神筋の一族の、その数奇で 狂気な物語。 本家の女であり、知らぬこと とは言え近親相姦と堕胎という 絶望的経験をした美希。 未だ迷信紛いの言い伝えが続く 村へ教師として赴任してきた晃。 2人の運命の出会いから恐怖が 始まる。 背中にイヤぁ~な汗をかく作品 でした。 冷房緩めの部屋で読むのに もってこいな本です。 晃が現れ、年齢が明かされた 時点ですでに、もしやとは 思いましたが、ビンゴでした。 自分は絶対に経験したくない 薄ら寒い、鳥肌ものな話し でした。 ※作中、土佐弁がたっぷり 出てきますが、何とか気合いで 意味はわかります【笑】
0投稿日: 2019.08.27あなたもスマホに殺される
志駕晃
角川文庫
ホラーではなくイヤミスかな?
目的不明のSNS、自殺相談室。 ホラーだと先入観を持っていた 物語は、読み進めるほどに ドンドンかけ離れていき、 カルト宗教や洗脳の類に なっていった。 でも、それはそれで なかなか面白い。 ドンデン返しは驚くほどでは なかったがラスト、響子の旧姓 を聞いて「あれ?」と思う。 何ヶ所か読み返したけど、 よくわかんなかったなぁ。 息子の父親はNで、響子の旧姓 はO。 一体どぉゆぅ事? ま、いっか、モヤっとしたまま 忘れる言葉にしよっと。 それにしても鈴木信二、 可哀想に。 どっかで逆転満塁弾打って くれるかもと希望しつつ読んだ けど、そうはさせてくれなかった。 残念無念。
0投稿日: 2019.08.20スーパーカブ 5【電子特別版】
トネ・コーケン,博
角川スニーカー文庫
オヤジ的思考の女子高生…
挿し絵の女子高生からは、 およそ想像しえないオヤジ的 思考な主人公の小熊。 その絶対に有り得ない主人公 の思考こそが、この作品の 醍醐味。 話中ちょくちょく挟んでくる 小話や回りくどい言い回しが、 よりオヤジチックで面白い。 今回の題材はバイク乗りに ありがちな入院生活。 バイク乗りに限らずだが、 整形外科に入院すると入院者 同士の奇妙な相関図ができ あがりますね。 内科外科系とは患者の質が 違いますし。 ラストは椎のリトルカブでの 長距離走行。 ややドタバタと終わらせた感 がありますが、次号での 大学生生活の布石とするので しょう。 小熊らの学生生活、楽しみです。
0投稿日: 2019.08.11死にぞこないの青
乙一
幻冬舎
アオの正体とは!?…
控えめな少年の何気ない 日常が、担任教師の心無い 言動がエスカレートしていき、 少年の目には「アオ」が見えだす。 アオとは何者か。 この担任教師はどこまで クソ野郎なのか。 ややイライラする語り口の文体で、 モヤモヤしながらもサラッと 読んでしまった。 アオの正体はアレだったのね。 この作者さんの文体って、ホント 特徴的ですよね。 他にこんな文体の書き手って 読んだことないな。 多分、苦手な人はまったくムリ でしょうね。 僕も本来、こういうの苦手 なんですが、この作者さんに 限ってはOKなのが自分でも 不思議。 高専出なのに小説家、 いい感じです。
0投稿日: 2019.07.31ビット・トレーダー
樹林伸
幻冬舎文庫
株の知識がなくても楽しめます…
絵に描いたような幸せ家族に、 ある日突然訪れた息子の列車 事故による死。 そこから残る父母と娘に絶望と、 人生のギャンブル感。 うぅむ、なかなか良かった。 正直、株の話し全然わからん ので、どうだろと思ってたけど。 株の説明もわかりやすいし、 ページ数まぁまぁ多い割には ゴテゴテしてなく読みやすい。 株を題材としつつ、家族とその 周りに関係していく人物たちの 意外な人間模様が小気味良い。 ラストは時間との闘いで怒濤の ハラハラ感。 多少のドンデン返しも含み、 これにて一件落着的な締め括り。 泥臭さがなくて、最後は心が スッキリする作品でした。 おもしろかったぁ。
0投稿日: 2019.07.27高校事変 II
松岡圭祐
角川文庫
次回は身内同士の闘いか!?…
前作で衝撃的な大暗躍をした ダークヒロイン優莉結衣。 前回の騒動後2ヶ月しか 経たぬ間に、またもやとんでも ない事態に巻き込まれてゆく。 今回もどんだけ死ぬんだよって くらい、ボッコボコに人が死に ます。 まぁ、極悪人ばかりですが。 常に警察に監視されてる結衣 だが、ことごとくその網の目を 抜け、かつ天才的な犯罪能力で 難関を突破してゆく姿が実に 小気味良い。 話中、優依と同じ伝説の半グレ 集団に育てられた腹違いの 兄弟姉妹の話題が出た時点で 予測はついたが、あぁいう ラストとは。 次回は北斗神拳伝承者のごとく 身内で闘うのか乞うご期待 ですね。
0投稿日: 2019.07.25死者ノ棘 黎
日野草
祥伝社文庫
玉緒のルーツが明るみに?…
1作目でダークな使者玉緒が 気になって、続いてこの黎も 読みました。 今回、玉緒の正体に多少触れる 場面が出てきて、そのベールに 包まれた人ではない者のルーツが 少しだけ明るみに。 しかも同族がいるとは驚愕っ。 これはまた更なる続編のニオイが する。 特別、ハラハラするわけでもなく、 ページめくりが止まらないって ほどでもないのに、気がついたら スラスラ読んでました。 ってことは、面白いってことなの でしょう、きっと。 ストーリーの中で、玉緒から棘を 授かった者同士を絡ませるのは、 やや反則ですね。 軽く何が何だかわかんなくなって しまうわぁ。 単に読解能力が低いだけ?(。-∀-)
0投稿日: 2019.07.20