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九州男児さんのレビュー
いいね!された数1516
  • 灰色の虹

    灰色の虹

    貫井徳郎

    幻冬舎

    母なる偉大さとは…

    家族、婚約者、裁判関係者に いたるまで、誰一人として信じて もらえず、見に覚えのない殺人罪 として懲役6年を科せられた 江木雅史。 すべてを失った雅史が絶望の淵 から、復讐の鬼と化して行動を 開始する。 あぁ、挫けそうなほどページ数が 多かったが面白かった。 この本を読むと、世の中の犯罪って 意外に「冤罪」多いんだろうなと 思ってしまう。 雅史の味方がひとりもいない中、 唯一息子の無実を信じて疑わない 母聡子。 母親の存在って、どんな場面に おいても偉大ですね。 その偉大なる母の行動が、ラスト 意外なドンデン返しへと繋がり 楽しませてくれた。

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    投稿日: 2020.05.06
  • 命の値段

    命の値段

    北龍二

    いるかネットブックス

    食後の爪楊枝程度…

    アメリカンジョークのような、 ベリーベリーショート小説。 短しさにもほどがあるわって レベル。 うぅむ、感想も何も浮かばないな。 結婚指輪4ヶ月分を費やして アタックした彼女にフラれたての ホヤホヤ、近未来の金欠大学講師。 指輪を持って買い取り屋の門を くぐる。 そこにいたゴスロリ店員は死神。 その死神との軽妙なやりとりで、 あっけなく終わります。 まぁ、食後の爪楊枝程度ですね。 大作を読んだあとの、口直しに いいかもしれません。

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    投稿日: 2020.04.20
  • ラメルノエリキサ

    ラメルノエリキサ

    渡辺優

    集英社文庫

    ヤンキー思考の復讐癖女子高生…

    何事にも「復讐」で返す 女子高生の小峰りな。 そんな彼女を 「ラメルノエリキサ」と 意味不明な言葉を残し、 斬りつけて逃げた通り魔が 現れちゃったから、さぁ大変。 幼き頃から彼女の復讐癖を知る姉。 完璧なる母。 別れた彼氏。 見た目とギャップがありすぎて 笑える思考の持ち主である 小峰りなは、一体どぉやって 犯人までたどり着き、はたまた 家族との絆を見直していくのか。 この声に出さないんだが 乱暴な思考がとっても面白い。 いいとこのお嬢さん的なはず なのに、思考は普通にヤンキー的。 濃い内容ではないがページ数も 手頃だし、爽やかに楽しめました。

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    投稿日: 2020.04.03
  • 高校事変 VI

    高校事変 VI

    松岡圭祐

    角川文庫

    見逃せない展開…

    例によりその刊行の速さから、 その時々の時事ネタがチョイ チョイ挟まれることにより、 ひょっとして結衣って実在 するんじゃ?と、あり得ない 錯覚を起こしてしまいそう。 今回も終始ドキドキもんでした。 沖縄の米軍基地での熾烈な戦い、 毎度必ず織り込んでくる未成年 女子に対する凌辱。 終盤にホッとさせといてからの ハイジャックと上空での戦い。 あわせて、史上最悪の半グレ 集団の遺伝子をひく者が、 まだ存命し活動していることを 匂わせる展開。 シリーズを追うごとに人としての 心が芽生えていく結衣。 うぅむ、この先の展開がますます 見逃せない作品だ。

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    投稿日: 2020.03.27
  • 絶叫

    絶叫

    葉真中顕

    光文社文庫

    絶叫はしないけど…

    惨殺遺体で発見されたNPO代表、 神代武。 飼い猫に死後、遺体を食われ ながら孤独死した鈴木陽子。 家庭におさまることができず 悩む刑事、奥貫綾乃。 世の貧困問題とこの事件とが、 一体どぉ繋がっていくの だろうか?ってなわけで、 面白かった。 ちょっとページ数多くて 躊躇ったけど、ぐいぐい イケました。 あぁ、救われない話しだなぁと ブルーな気持ちになりながら 読んでいましたがラストの方 もしやと思ったら、あぁいう ことにしたわけねぇ、なるほど。 タイトルの「絶叫」は、作者の 意図が理解できなかったな。 なんで絶叫なんだろ? そこだけが謎でした。

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    投稿日: 2020.03.21
  • 世界が赫(あか)に染まる日に

    世界が赫(あか)に染まる日に

    櫛木理宇

    光文社文庫

    歪んだ友情と復讐劇…

    従弟の祥太を凄惨なイジメに より、片目を失い昏睡状態に 陥れられた上、祥太の妹までも 凌辱された緒方櫂。 自殺願望のある目立たない クラスメート高橋文稀。 2人の出会いが加害者である 長谷部兄弟への壮絶なる 復讐制裁劇へと発展していく。 うぅむ、ゾッとする表紙絵に つられて読み始めたが、 なかなか興味深かった。 長谷部兄弟への制裁前に、 無関係な罪深き罪人たちに 予行演習をする場面は、 経験者は語る的な怖さがあった。 ハムラビ法典の 「目には目を歯には歯を」の 解釈場面には頷けました。 なかなか心中複雑な内容だった が、目が離せなく面白かった。

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    投稿日: 2020.03.08
  • 希望が死んだ夜に

    希望が死んだ夜に

    天祢涼

    文春文庫

    貧困が生む悲しい事件…

    親友のぞみの殺害を自白した 冬野ネガ。 その真実はいかなるものか。 上司の命を受け、刑事になっての 初陣を賭けたが、それを捨てて まで事件の真相に挑む真壁。 生活安全課から真壁の相棒として 選抜された、「想像力」で事件に 取り組む女性警官仲田。 うぅむ、地味に面白かった。 真壁に命令した城戸の事件後の 結論が曖昧だったのが気になった。 全体としては、貧困家庭がなす 悲しい事件というお話し。 途中、涙が出そうな場面もあり、 我が国の行政に物申したくなり ました。 現実社会でも普通にあるん でしょうね。 僕自身、裕福な家庭育ちでは なかったので感慨深かったです。

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    投稿日: 2020.03.02
  • 復讐教室 連鎖

    復讐教室 連鎖

    山崎烏

    双葉文庫

    伏線なき黒幕…

    前作と同じく伏線のない ところから、目まぐるしい 回転でドンデン返しを もってきます。 正直なところ内容は薄いん ですけどねぇ。 なのにこれがサクサク 読めちゃうという不思議。 読んでる最中に「ないない」と 口ずさみながらも、ないない 話しを読んじゃいます。 ひょっとしたら書いてる途中に 「あ、これも足しとこ」ってな 具合で、思いついたことを 後出し後出しで足してるような 進み方します。 こういう感想だと酷評に 聞こえますが前作に同じく、 僕は割と好き。 ただし、伏線のない黒幕を 知ってるので、再読する楽しみ のない作品だとは思いますけど ねぇ。

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    投稿日: 2020.02.26
  • 復讐教室

    復讐教室

    山崎烏

    双葉文庫

    あり得へん中学生の復讐劇…

    読み始めに内容の稚拙さから、 失敗感が半端なかった。 伏線も何もないとこからの 何でもありで、韓流ドラマ的に どんでん返しの連続。 読み終えは少し疲れた。 とはいえ他の読者さんは割と 酷評が多い中、割と僕は嫌い でもなかったな。 中学生がどんだけ過酷な人生 歩んでるだよ、とツッコミ どころ満載でしたが。 話中、あれ?どういうこと?と 悩むくらい復讐の黒幕が二転三転。 何となくラスト近くで、ひょっと したらヤツが黒幕か?と思ったら ビンゴでしたけどね。 始まりと終わりを別の人が書いた ような不思議な話しでした。 続編的な作品も買ったので読んで みよう。

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    投稿日: 2020.02.19
  • 一度死んでみた

    一度死んでみた

    澤本嘉光,鹿目けい子

    幻冬舎文庫

    痛快ドタバタコメディー…

    表現下手な父、薬剤会社社長の 野畑計。 その娘、七瀬。 仕事人間で、妻百合子の最期を 看取ることもできず、親子間の 亀裂は広がるばかり。 若返りの薬研究の副産物である 2日間だけ死ねる薬、ここから 物語はドタバタコメディータッチ になってゆく。 ページ数が少ないので映画の ダイジェスト版っぽい。 どちらが先か知らないけど。 表紙で映画配役を見ちゃったんで、 堤真一や広瀬すずしか妄想が 出てこないのは残念だった。 でも、こういう話しは大きく 外れないですね。 食事で言えばカレーライス的な感じ。 笑いあり伏線あり 人生を学ぶとこあり 楽しめました。

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    投稿日: 2020.02.07
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