砕かれた鍵(百舌シリーズ)
逢坂剛
集英社文庫
松本清張ばりの愛憎劇
この物語単体で読むと、非常におもしろい。腐敗した警察内部のエピソード、犯人の巧妙な犯罪の手口などに引き込まれる。また、松本清張ばりのドロドロした愛憎劇もある。でも、1作目が衝撃的に良かったので、割りを食ってる感じ。
5投稿日: 2014.11.27恋する空港 あぽやん2
新野剛志
文春文庫
仕事小説の王道!
ドラマ原作本。1作目に引き続き、「あぽやん」の日常生活が描かれる。そこには小説的な事件はない。若者の日々の仕事のトラブルや失恋などが淡々とつづられている。これぞ、別の人生が体験できる仕事小説の王道である。
1投稿日: 2014.11.23インシテミル
米澤穂信
文春文庫
ミステリー好きにはたまらない!
密室に閉じ込められた12人の男女の生き残りゲーム。 次は誰が殺されるのかと本当にハラハラする。出てくる凶器、殺人の方法は過去の推理小説にちなんだもの。ミステリー好きにはたまらない。「そして誰もいなくなった」の現代版。読み比べてみてもおもしろい。
7投稿日: 2014.11.21あぽやん
新野剛志
文春文庫
いやされる!
ドラマ原作本。「あぽやん」とは空港勤務の旅行会社の社員。新野さんは実際「あぽやん」だったということで、エピソードがリアル。やはり、経験に基づく話は説得力がある。また、主人公の仕事での成長や、片思いが描かれている。自分の若い時が思い出されて、なんだかいやされた。
4投稿日: 2014.11.21陰陽師
夢枕獏
文春文庫
独特の世界感!
妖怪が次から次へと現れる。鬼の乗り移った琵琶、人間に化ける鵜など現代人には想像もつかない。今昔物語などを題材にしており、平安時代実在したのではと思うほど、描写がリアル。独特の世界感が気に入った。
7投稿日: 2014.11.12幻の翼(百舌シリーズ)
逢坂剛
集英社文庫
これぞ娯楽小説!
1作目よりハラハラドキドキ感はパワーアップ。激しいアクションシーンに倉木と美希のラブロマンスも加わって、単純に楽しめる。これぞ娯楽小説という感じ。このシリーズはまりそうだ。
2投稿日: 2014.11.08百舌の叫ぶ夜(百舌シリーズ)
逢坂剛
集英社文庫
まさしくハードボイルド!
ドラマ化原作本。なぜ、倉木の妻は新宿の爆弾事件に巻き込まれたのか?爆弾事件に関係していた新谷はどこに消えてしまったのか?そもそも「百舌」は誰なのか?なぞがなぞを呼び、緊張感あふれる展開。久々におもしろいサスペンスに出会った。ドラマが人気を集めるのもうなずける。
8投稿日: 2014.10.21信長の棺 上
加藤廣
文春文庫
歴史はミステリー
なぜ、明智光秀は本能寺の変を起こしたのか?どこに、信長の遺骸は行ってしまったのか?の謎を伝記作家の太田牛一が追う。同時代に生きた人物が探偵役であることから、リアル感満載。「歴史とは勝者の作り話に過ぎない。」と自分の目、足で真実を見つけ出して行く。最後は大どんでん返しの結末。まさしく歴史はミステリーという感じ。加藤廣さん75才でのデビュー作というのも驚く。長い人生経験が物語の随所に深みを持たせている。
13投稿日: 2014.10.18時をかける少女
筒井康隆
角川文庫
正統派SF
「時をかける少女」は正統派SF。筒井さんのブラックユーモアと並ぶもう一つの作風。ストーリーは定番だが、筒井さん風にひねりを効かせてあり、おもしろい。ただし、少年少女向けのため、刺激控え目。また、40年以上前の作品で、女の子のセリフが「いやんなっちゃう。」みたいな昭和的で笑える。
10投稿日: 2014.09.28県庁おもてなし課
有川浩
角川文庫
思わず、高知に行きたくなる!
高知県庁のおもてなし課が、どうすれば観光客を増やせるか奮闘する様を描く。坂本竜馬の出身地ぐらいの印象しかなかったが、ホイールウォッチングができること、アジア的な日曜市があることなど高知の魅力が満載。思わず、高知に行きたくなった。「その地方でしかできないこと、食べられない物にこそ価値がある。」という言葉は地方活性化のヒントにもなる。
6投稿日: 2014.09.07