
美丘
石田衣良
角川文庫
一生懸命生きるということ
「わたしひとりだけが気づいているんだ。生きてることは奇跡で、永遠に続くものじゃない。ここにいるみんなだって、命には終わりがあるって頭ではわかってる。でも、心と身体の底から、命の素晴らしさや限界を感じているのは、わたしだけ。」 引用ここまで 死に直面しないと感じることはできませんね、こんなことは。 毎日必ず朝を迎えるものだと思っている自分には、重い言葉でした。生きること、死ぬということを真剣に考えさせられる本でした。 電車で読まないことをおすすめします。
1投稿日: 2013.10.05海の底
有川浩
角川文庫
自衛隊3部作 第三弾
自衛隊3部作の第三弾です。 またまた出しちゃった、怪獣(笑) しばらくエビ食べれないなぁ。 前2作と同じく、この世界に馴染むのに少々時間はかかりましたが、巨大甲殻類の襲撃という突飛な設定なんだけど、人間の強さ、弱さがうまいこと書かれてます。くそ生意気な中学生も、大人気ない自衛官も、健気な望ちゃんと弟の翔。警視庁のお偉いさんと現場。現代社会の問題点とか、人間の本音と建前とか、小学生から中学、高校と大人になっていく過程での考え方、各世代のホンネと建前とか・・・ よくぞこれだけ詰め込んだねぇ~と感心してしまうくらい。 自分はどうだったかな?って思い出しながら読みました。 最後は望ちゃんのかわいさににっこり。
3投稿日: 2013.10.04空の中
有川浩
角川文庫
自衛隊3部作 第二弾
いわゆる自衛隊3部作の第二弾です。作者さんは3部作というつもりは無いそうですが。 ジャンル分けするとどのジャンルなんでしょうか?SFと恋愛とあわせたような感じかな? 未確認生物の想像がうまくできなくて、作品の世界に入り込む(慣れる)までに少々時間はかかりましたが、有川作品らしく、登場人物みんながいい味をだしております。人間の弱さ、狡さ、賢さ、美しさ・・・ まったく想像もつかない自衛隊という設定も魅力の一つですが、人間らしさを色んな角度から見れるし、考えさせられるし、そこに思わずにこっとしてしまう恋愛ストーリーが入ってきて、最後に笑顔で読み終えることのできる気持ちの良い作品だと思います。 普段はあとがきはほとんど読まないのですが、この方のあとがきは面白いので必ず読むようにしています。是非あとがきまで読んでください。
13投稿日: 2013.10.04ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。
辻村深月
講談社文庫
タイトルの妙
NHKでドラマ化が決まりながら、散々揉めたうえに訴訟にまでなり、不本意な形で話題になってしまった作品です。 あらすじは(BOOKデータベースより) 地元を飛び出した娘と、残った娘。幼馴染みの二人の人生はもう交わることなどないと思っていた。あの事件が起こるまでは。チエミが母親を殺し、失踪してから半年。みずほの脳裏に浮かんだのはチエミと交わした幼い約束。彼女が逃げ続ける理由が明らかになるとき、全ての娘は救われる。 女性の友情の描写が生々しいというか印象深いです。 いろんな伏線が張られていて、最後に全部がつながるという、ありきたりな書き方なんでしょうけど 単純な私はやっぱり「やられた!」と思ってしまいました。 親子関係だったり、友情だったり、いろいろ考えさせられる作品でした。 この方の人物の描き方が好きです。ちょっと贔屓の作家さんなので、若干星は甘めかも。
4投稿日: 2013.09.29海猫(上)
谷村志穂
新潮社
繊細な描写
上下巻あわせたレビューを。 はじめての谷村志穂作品。内容的にちょっと重いかなと思いましたが、読み始めると一気に読破。 とても繊細な描写です。こういうところはやっぱり女性作家ならではなんでしょうか。 映画化されましたが、なるべく映像は見たくない主義なのでみてません。自分の頭の中で想像して感じたいから。 タミ、薫、美輝の3代にわたる愛を描く物語。重苦しい内容ですが、不思議と後味は悪くないです。 女って強い。
1投稿日: 2013.09.29永遠の出口
森絵都
集英社文庫
青春小説
第一回本屋大賞の四位に選ばれた本です。 内容は、とある普通の少女の小学生から高校生までの九年間を描いたもの。誰もが経験したであろう親近感を覚えるようなエピソードだったり、思いがけない物語だったり。一人の少女の成長していく過程を描いた小説です。 女性らしくやわらかい文章(気のせいかひらがなが多いような気がする…わざとかな!?)で読みやすいし、言葉使いや言い回しが好きです。この頃の自分や友人たちを思い出し、懐かしい気分に浸れた作品でした。
1投稿日: 2013.09.28続・森崎書店の日々
八木沢里志
小学館文庫
普通の日常を綴った小説
タイトルの通り「森崎書店の日々」の続編です。 神保町で暮らす人々の出会いと別れを描いた小説。 読んでいる間、その場所に自分が一緒にいるような気分になって、のんびりしたいときに読むには最高の一冊です。
1投稿日: 2013.09.28森崎書店の日々
八木沢里志
小学館
あったかいおはなしです
ほっと一息つけるようなほんのりあったかいお話です。 どこにでも居そうな人達の日々を綴ったお話です。 こういうあったかい人達に囲まれた人情味のあふれる環境ってうらやましなぁ。 こういう環境だと心って成長するんだろうなぁ。 とにかく気軽に読めて気持ちが良くなる本です。
3投稿日: 2013.09.27八日目の蝉
角田光代
中公文庫
せつない・・・
理由はどうあれ犯罪なので、罪を犯した人に肩入れしてはいけないのでしょうが・・・血のつながりはなくても母親以上に母親だし、心情も理解できることのほうが多いし・・・せつない・・・ とにかく幸せになってと祈るばかりでした。 ドラマにも映画にもなりましたが、読むだけで景色、登場人物の表情まで浮かんできます。映像では表現できない文字ならでは迫力が感じられると思います。映画、ドラマをみて、ストーリーを知ってる方もぜひ本を読んで欲しい。
0投稿日: 2013.09.26阪急電車
有川浩
幻冬舎文庫
思わずにっこり
読み始めてすぐに、この展開でどうやって終わるんだろう??って余計な心配してしまいましたが、全くの杞憂に終わりました。 どの話も見事につながって、気持ちよく読み終えることができました。 情景がパッと浮かびます。 美帆ちゃんがかわいくて、思わずにっこりです。 「あとがき」の最初に2行でまたにっこりでした。
5投稿日: 2013.09.26