
幻想郵便局
堀川アサコ
講談社文庫
ジャンル不詳だけど面白い
あの世とこの世の境目が郵便局という設定がおもしろい。登場人物もみんな個性的で魅力的だし、女性らしいやらかい文体で読みやすかったです。 功徳通帳のはなしだけで1冊書けてしまうくらい面白い発想だと思います。 ファンタジー? ホラー? サスペンス? ジャンルもよくわからないところがまたいい感じです。映画館のほうも読んでみたいです。
7投稿日: 2014.02.14夢を与える
綿矢りさ
河出文庫
リアルすぎてちょっと怖い。。。
幼い頃からチャイルドモデルをしていた夕子。彼女は、母の念願通り大手事務所に入り、ついにブレイクするのだが。夕子の栄光と失墜の果てを描いた作品(Bookデータベースより)。 作者の体験談ではないとは思いますが、そうなのかな?と勘繰りたくなるくらいリアルで、ちょっと怖いくらいでした。多くの人は夢を与えられる側の人間のなので、夢を与える側の苦悩など考えたことなんかありませんでしたが、「夢を与える側の人間は、夢をみてはいけない」っていう一言がもの凄く印象的でした。 おそらく好き嫌いのはっきり分かれる作品だとは思いますが、個人的にはとても好印象です。 やっぱりこの人天才だなぁと思います。
2投稿日: 2014.02.10チア男子!!
朝井リョウ
集英社文庫
ザ・青春!
王道のスポーツ、青春物語。読み終えた時の清々しさはスポーツ青春ものならではです。 電車の中で読みましたが、笑ったり、泣いたり大変で、電車内ではかなり危険な人物になってました。 好き勝手な方向に向いてた奴らが、徐々に同じ方向に向かっていき、最後はみんな一つになるのが手に取るようにわかります。 自分も彼らのすぐ近くにいて、彼らの成長をずっと見続けているような気になります。 表現もやわらかく、とても読みやすい文章でした。 何かに打ち込むって素晴らしい!
5投稿日: 2014.02.07限界集落株式会社
黒野伸一
小学館
どうなる?日本の1次産業
限界集落と言われる過疎・高齢化のため社会的な共同生活が困難な地域に、起業のためにIT会社をやめた主人公が休息のために訪れた。村の人たちと交流するうちに限界集落をなんとかしようということに・・・というお話です。有川浩さんの「県庁おもてなし課」の後に、読んでしまったので、正直またこんな話か・・・と思ってしまったのですが、そんなふうに感じたのは最初だけで、先が気になって一気に読み終えました。もう少し展開がゆっくりでもいいのにと思いましたが、展開が早いからこそ次の展開が気になったのかもしれません。 世の中このようにうまくはいかないと思いますが、1次産業が発展してこそ2次、3次産業の発展につながるんだなぁとあらためて理解できました。少子高齢化が深刻な社会問題となっているいま、おもしろかったではすまされない現実が日本のどこかにあるのかと思うと複雑な心境です。 物語としてもとても面白いし、今の日本がかかえている問題を世に訴えるにも良い作品だと思います。
3投稿日: 2014.01.27県庁おもてなし課
有川浩
角川文庫
続編希望!
作者の出身地でもある高知県のおはなしです。 このまま高知県に売ってもいいんじゃないと思えるくらいクオリティが高い観光アイデア満載でした。かなり勉強したんだろうなぁと余計なことも考えてしましましたが。 お役所の融通の利かなさと利益しか求めない民間の考え方と、官民の良い所、悪いところがぶつかり合うところが楽しく、そこにお得意の色恋沙汰が入ってくれば面白くないわけがありません。 有川作品で初めて男性キャラをいいなぁと思いました。他の作品の男性キャラが悪いわけではありませんが、女の子のかわいさのほうが際立っていたので。もちろんここで登場する女の子も十分かわいいですけどね。 爽やかな読了感がなんともいえず良いのですが、やっぱりこの後のおもてなし課がどうなったとか、掛水くんがどんな具合に成長していくかとか、多紀ちゃんとのその後とか、吉門さんと佐和ちゃんの話とか・・・気になることがいっぱいある!続編が読みたくなる1冊です。
31投稿日: 2014.01.24遥かなる水の音
村山由佳
集英社文庫
不思議な読了感
うまく説明できませんが・・・ 最初から最後までなんかふわふわした感じで、それでいて物語りに引き込まれているというこれまでで初めて経験した不思議な感覚でした。 「僕が死んだら、その灰をサハラにまいてくれないかな」。亡き周の希望を叶えるために共にモロッコへと旅立つ4人。いまの恋愛関係の行き先に不安を覚える緋沙子。近づきつつある老いにおびえるゲイのフランス人、ジャン=クロード。ふとしたはずみで身体の関係ができ、気持ちの整理がつかない幼なじみの浩介と結衣。愛の深さ、強さとは。そして生きることとは。様々な愛の形を描いたロードノベル。(BOOKデータベースより) 亡くなった周の遺言で散骨するためにサハラ砂漠を目指します。旅を通して登場人物それぞれの視点から、恋愛、結婚、宗教、文化、生きるということ・・・様々なテーマが表現されています。あまりにもスケールが大きすぎてちょっと現実離れした観もありますが、とにかくいろんなことを考えさせらた作品でした。描写が繊細で、読み終えたときに感じた疲労感が、本当に旅をしてきたかのようで心地良かったです。
2投稿日: 2014.01.21約束
石田衣良
角川文庫
「生きる」というメッセージ
7つの物語からなる短編集。 あとがきで作者も書かれているように、「さまざまな喪失によって止まった時間が流れだすときを描き出す連作」だった。 どの物語も悲しいけれど元気をもらえる内容です。 比較的易しい文章で、どの年代の人が読んでも作者の明確なメッセージがしっかりと伝わると思います。多くの人に読んでほしい作品です。
2投稿日: 2014.01.15ふちなしのかがみ
辻村深月
角川文庫
ホラー系短編集
5話からなるホラー系の短編集です。 評価がはっきり分かれそうな作品です。私は辻村さんファンなので少々贔屓目の評価になりますが。 作者の思い通りに『あの人はどうなった?』『あれはなんだった?』と思いながら話が終わります。いろいろ想像を膨らませたり、消化不良だったり・・・。 『いけないことを』抱えながら最後まで読んでくれたらと後書きに書いてある通り、まんまと作者の狙い通りに読んだというか読まされました。 心地よい読了感を得られるストーリーではないのでさらっと読むことをおすすめします。
0投稿日: 2014.01.02思い出のとき修理します
谷瑞恵
集英社文庫
タイトルがGood!
まずタイトルに惹かれました。 舞台が寂れた商店街というのがなかなかアジのある設定です。 派手な展開はありませんが、どのストーリーも心暖まるほのぼのとした短編連作集です。 「茜色のワンピース」が一番好きかなぁ。
2投稿日: 2013.12.22ラブコメ今昔
有川浩
角川文庫
ベタ甘な自衛隊物語
我々の生活を命懸けで守ってくれている自衛隊員。 普段は当たり前だと思っているので、特に考えたこともありませんが、これほどまでに 命の保証がない職業はないでしょう。自衛隊員やその家族の覚悟はとても重いし、考えさせられますが、 そんな自衛隊員の恋愛物語ですから、とても興味深く、楽しく読めました。 こういう広報も必要だよねぇ。。。
2投稿日: 2013.12.13