
この素晴らしい世界に祝福を! 12 女騎士のララバイ【電子特別版】
暁なつめ,三嶋くろね
角川スニーカー文庫
次の展開につなぐ中休みの終わり?
前巻は原点回帰のお話で、この巻はその流れに沿ったものです。 ただ、前巻めぐみん主体だったのが、今巻は表紙の通りダクネス主体です。 美人で常識家なんだけど変態、というダクネスのキャラが立ちすぎるくらい立っていて、 このすばらしい一巻だと思います。 ガズマも、クズっぷりを発揮しながら、きちんと自分の気持ちを伝えるところは とっても良かったです。めぐみんとの爆裂デートも笑いました(笑)。 シリーズファンなら安心できる内容です。 次巻がはやくも楽しみ!
0投稿日: 2017.09.07夜のピクニック(新潮文庫)
恩田陸
新潮文庫
歩いているうちに高校生になっているような不思議さ
歩行祭という、80kmという長距離を夜をはさんで2日間で歩ききる 学校行事の進行に合わせて物語は進みます。 題材から分かるかもしれませんが、劇的な展開はありません。 しかし、歩み続けるかのように、先に先に読み進めてしまう。 登場人物はどこにでもいそうでありながら好感が持て、 彼らの関心や悩みは高校生真っ只中と感じさせ、 行事の進行が詳細に書かれていることも相まって、 小説の舞台である歩行祭が実に身近に感じられます。 高校生の頃に戻ったような…。 もっと高校生やっとけばよかったなと思います(笑)。 不思議な小説だと思います。 タイトルに惹かれるものを感じたなら、読んでみてください。
1投稿日: 2017.08.17花物語
西尾維新,VOFAN
講談社
もの悲しく忘れがたい物語
殴る蹴るのバトル展開はなく、登場人物が少ないため掛け合いも少なく、 そういったものを求めていると肩透かしをくらうかも? ただ、この物語を忘れがたくさせているのは、通称悪魔様の存在が大きいです。 悪役なんですが、ねじくれているんですが、もの悲しく忘れがたい登場人物です。 悪魔様の考えには首肯できないけれど、完全に妄論と片付けられない迫力がありました。 神原は、自分らしさを求め悩むし、罰としての悪魔の手にも複雑な思いを語ります。 しかし、それは堂々めぐりといってもいいもので、そこに現れた悪魔様の存在が、 神原を揺り動かしていきます。その結末は…? 神原が転んで、痛いのに笑いが止まらないシーンがいいです! 評価は分かれそうですが、僕はこの物語はとても好きです。
0投稿日: 2017.08.15すべてがFになる THE PERFECT INSIDER
森博嗣
講談社文庫
有名作であることに恥じないクオリティをしっかりと持っています
ミステリーのツボを押さえつつ、 緊迫感のある展開、深まるばかりの謎、 そして想像を超える真実、爽やかさを感じさせるラスト。 登場人物も良い。 森さんの構成力をはじめとした力量の高さを感じますし、 有名作の名に恥じない内容を持っていると思います。 また、20年前の作品ということもあり、 フロッピーが登場したり、今の常識から考えると?な部分もありますが、 この物語を20年前に構築したことは素直にすごいと思います。 強いて挙げるならば、ちょっとしたユーモアに欠けるので、 読んでいて息が詰まりそうになるところでしょうか。 シリアスな展開なので仕方ないところですが… 個人的には通風口はもう少し欲しかったです。
0投稿日: 2017.08.15子産(上)
宮城谷昌光
講談社文庫
上巻は子産の父の代からはじまります
北の晋と南の楚という大国にはさまれた中原の国である鄭。 上巻の主人公は鄭とう国そのものと言えるかもしれません。 春秋時代も中盤ともなると、礼の力が後退し、 力の論理が頭をもたげてくる時代。 その大国同士の争いの余波をどうかわしていくのか、 信義の重さとは、滅亡の淵に立つのを避けるには。 幾人もの執政の判断は手に汗握るものがあります。 子産の代になると内政面についての話も多くなるので、 外交・軍事が前面に出る上巻は、躍動感をより感じます。 上巻だけでも手に取ってみてはいかがでしょうか。 下巻まで読んでしまうと思いますけどね(笑)。
1投稿日: 2017.07.31はたらく魔王さま! ハイスクールN!
和ヶ原聡司,三嶋くろね,029
電撃文庫
本編が好きな人からすると、原点回帰と感じるかも?
本編が好きな人からすると、原点回帰かも?と感じました。 本編の1~2巻にあたる部分が、真奥がマグロナルドの店員じゃなくて、 高校生だったら?というIFの世界で描かれています。 正社員を目指すんじゃなくて、生徒会長を目指す魔王ってのも なかなか新鮮でした。あくまで本編あってのスピンオフですが、 これはこれでアリだと思います。 本編終了後にでも、ハイスクールNの続編出してほしいな。
0投稿日: 2017.07.31犬はどこだ
米澤穂信
創元推理文庫
犬はあまり関係ないかも。
ジャンルがハードボイルドになっていますが、米澤さんの文章は読みやすく、 ユーモアが織り交ぜてあり、終盤のスピード感は見事。 一気に読み終わってしまいました。 物語の結末は、なんとも言えない重いものを胸に残しますが、 それがこの小説の味なんだと思います。 登場人物のいずれにも強い印象は感じませんでしたが、 ミステリー好きではなくとも、十二分に楽しめるクオリティを感じました。 爽快な読み味を求める人には合わないかもしれませんが…!
0投稿日: 2017.07.27この素晴らしい世界に爆焔を! 1
森野カスミ,暁なつめ,三嶋くろね
MFコミックス アライブシリーズ
原作好きなら、内容に満足できると思います。
高い画力を生かしたコミカライズで、 原作のイメージを壊さないで楽しめます。 コミカライズは、原作の人気にあやかってるからか 玉石混交というイメージなのですが、これは気合入ってます。 爆焔シリーズの原作自体のストックが少ないので、 この先の工夫が気になるくらい、展開はちょい速めです。 原作好きなら、内容に満足できると思います。
0投稿日: 2017.07.16この美術部には問題がある!(1)
いみぎむる
電撃コミックスNEXT
肩ひじ張らずに楽しみたいときにいいかもです。
一巻から、すでに絵の完成度が高いと思います。 コマ割りもとても読みやすいです。 内容は、ゆるい日常系+ほのかな恋愛風味で、 肩ひじ張らずに楽しみたいとき、ついつい手が伸びてしまいます。 そんな不思議な魅力がありますね!
0投稿日: 2017.07.16はたらく魔王さま!17 【電子特別版】
和ヶ原聡司,029
電撃文庫
シリーズをとおして一番微妙な内容に思います。
神討ちの戦いというクライマックスを前に、 地球での生活や、戦いの後のことを考えるというのは、 このシリーズらしさがあっていいと思います。 ただ、明確な答えが出たかと言えばそうでもなく、 神討ちの戦いにむけての準備もそれほど進まず、 消化不良感の残る巻でした。 せめて、どれかに答えが出ていれば物語が進んだと 感じられたと思うのですが・・。 次の巻に期待!という感じかな、というのが素直な感想です。
0投稿日: 2017.07.16