litsさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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水滸伝 六 風塵の章
北方謙三 / 集英社文庫
秦明の輝きと、聞煥章の暗躍
3
巻の始まりは、官軍の将である秦明の説得と勧誘。花栄を通じてその人となりと実力は梁山泊も把握していましたが、仲間に引き込むのは至難と思われていました。そこで魯智深の出番となります。秦明と魯智深の対峙は、…剣戟を交わすものではありませんが、こういう形の合戦もある、と思わせる重厚感があります。
続いて、ニ竜山の再編が描かれます。揚志亡き後、梁山泊外で最大の要衝と言っていいこの山寨群は、新しい指導者を得て姿を変えていきます。その再編の最中に官軍の攻勢を受けますが…?
百八星とひとくちに言っても、その個性は様々で、そこが魅力でもあるのですが、将として大軍を率いる能力を持つのは数えるほどです。まあ、林冲は並びなき勇者なので、軍中にどっしり構えるのではなく、陣頭に立って疾風のようにかけてほしい!というのもありますが(笑)。
最後は、青蓮寺に動きがあり、聞煥章という天才肌の参謀が登場します。またたく間に青蓮寺の中枢に入り込み、戦略の転換までしてのけます。最大の標的は、旅の途中にある宋江の捕縛。王和の軍や北京大名府だけでなく、西京河南府なども巻き込む戦いの予感です。さらに、地方軍のスリム化と将校の能力の見極めも兼ねている大戦略。
読み終わったら、自然に次の巻に手が伸びてしまう一巻でした。 続きを読む投稿日:2017.01.31
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ホーンテッド・キャンパス 春でおぼろで桜月
櫛木理宇, ヤマウチシズ / 角川ホラー文庫
3度目の春は新しい風をはこぶ
3
森司とこよみが3年生になり、藍が卒業してオカ研もだいぶ変わりました。藍のお別れ会は前巻の旅行で終わりなの!?ってびっくりしたけど、恒例のお花見会にはしっかり藍も出席してたりします。卒業したけど、ちょこ…ちょこ登場します(笑)。
この巻は、いつもどおり(?)のオムニバス式に戻っています。果那から森司へのラインは、エピローグを読んでから読み返すとにやにやできるかも?ひとつひとつの話は重めで、オカルト要素はかなり強く感じました。日本人形に罪はないんですけど、怖い!
この巻から新入部員が登場します。冴えないなあ・・とがっかりせず、さいごまで読んでみてください!良いメンバーになりそうな予感に変わるはずです。森司とこよみの恋愛模様は進展なしかと思いきや・・?こんなに次の巻への引きを含んだ終わり方するのはじめてじゃないですか?
読み終わったそばから最新刊が待ち遠しいです。 続きを読む投稿日:2016.05.31
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この素晴らしい世界に祝福を! 6 六花の王女
暁なつめ, 三嶋くろね / 角川スニーカー文庫
前半はちょい微妙ですが、後半から面白くなりました。
3
この巻の舞台は主に王都となります。魔王軍に都まで攻め込まれているわりには、身分制度が強固すぎる印象で、舞台装置なのはわかりますが、最初の方は読んでてもあまり面白くないなーと思ってしまいました。
面白…くなるのは、クリスが本格的に登場してからでしょうか。日本からこの世界に送られた人たちが持っていた神器がどうなるのか、前巻から気になるところだったのもあり、なかなか読み応えのある展開。
欲を言えば、他のパーティメンバーも絡んでくるともっと良かったんじゃないか、それまでの展開がやはり冗長に感じるというあたりでしょうか。それでも、読み終わりは爽やかなものがあり、次巻に期待って感じにまとまってるのはさすがだと思います(笑)。 続きを読む投稿日:2017.02.12
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文藝春秋SPECIAL 電子版 2014年秋号
文藝春秋 / 文藝春秋
戦争論というよりは安全保障論に近いかも
3
複数の論者による寄稿で成り立っている本なので、表紙にある池上さんの成分は薄めです。実に硬派な論が多く、様々な視点から語られていて、さらにはボリュームもたっぷりで、価格分以上の内容です。
ただ、リーダー…端末で読むと図がみづらく、ipadで読むと論文が読みづらいという構成上の問題があるように思います。これは好みですが、前半はipad等で、後半はリーダー端末で読むといいかもしれません。
これで300円は破格だと思います。 続きを読む投稿日:2015.04.21
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四月は君の嘘Coda
新川直司 / 月刊少年マガジン
あっという間に読み終わってしまった・・
3
この本は、完全に四月は君の嘘本編のファン向けです。だからこそ、ファンにはたまらない内容になっています。4コマ漫画はオマケ的な位置づけかもしれませんが、こちらも楽しめました。
どの話も軽やかな展開の中…にキャラへの愛情がつまっているかのようで、本編を読み返したくなりますね!一番の見どころは、やはりナギと三池が中3になったお話でしょうか。本編の公生たちと同じ年齢になった二人がどうなったのか。本編を読んだ人ならとてもとても気になるんじゃないでしょうか(笑)。
ラストは、かをりのお話。先に出てきた話と軽くリンクしているのが素敵です。やっぱり、四月は君の嘘は面白い!と再確認させられた一冊でした。 続きを読む投稿日:2016.09.09
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ホーンテッド・キャンパス 白い椿と落ちにけり
櫛木理宇, ヤマウチシズ / 角川ホラー文庫
デート後の森司とこよみの関係が気になります
3
内容は、安定のオカ研テイスト。椿の話は、シリーズファンならば途中で話の流れがわかるはずです。それだけ慣れ親しんだということかな?もちろん、そこから話をひねってるので、十分楽しめます。
デートして進展…があるのかと思いきや、そこはいつもの森司とこよみで。ニヤニヤしつつも暖かく見守る感じかなあ(笑)。この二人が結ばれたらシリーズが完結してしまうわけで、早く進展して欲しいような、そうでもないような。不思議! 続きを読む投稿日:2017.04.02