
ニューズウィーク日本版 (2017年12/12号)
CCCメディアハウス
CCCメディアハウス
コロンビア大学講義はよかったです。
コロンビア大学の特別講義と銘打った特集は、読みごたえがありました。 対話形式の講義で、堅苦しさはそれほど感じず、読みやすい。また、過去についての記録を、歴史と記憶というように分けて考えているところも興味深かったです。第1回ということで、歴史の定義についてはあいまいですが、記憶に属する物事については整理されたように思います。 北朝鮮に中国軍を駐留させよという記事は、アメリカが中国と北朝鮮についてどう考えているのかの一端を知ることができる記事です。皮肉っぽいですが、東アジアの歴史や地政学的にというより、東アジアに住む者の肌の感覚として、記事のとおりにはなり得ないでしょう。 他の記事のクオリティは、いつもどおりです。
0投稿日: 2017.12.06自分を休ませる練習 しなやかに生きるためのマインドフルネス
矢作直樹
文響社
今という時を大切にする心を説いています。
書籍版はハードカバーでゆったりしたレイアウトだったのだと思いますが、値段に比して内容は短いです。ただ、内容まで薄いわけではなく、とても示唆に富んだものでした。 全体として、今という時を大切にする心を説いています。 その中でも歩くために歩くといった部分で、足音を立てないように、背筋を伸ばすように、ということを述べていて、読んだときは、なんのこっちゃと思いましたが、その時々の動作のひとつひとつに神経を使うことで、雑念を払うことができることに気づきました。なるほど、と。 名誉教授の方が書かれているというのもあるのか、経済状況がそれを許さない人もいるだろうと思う部分もありましたが、僕自身は考え方の方向性を定めるにあたっての助言になりました。
0投稿日: 2017.12.06ホーンテッド・キャンパス 水無月のひとしずく
櫛木理宇,ヤマウチシズ
角川ホラー文庫
安心して楽しめる安定の内容
おなじみのオムニバス形式で、シリーズを通して楽しんできた方なら 安心して楽しめる内容です。 マイナス点としては、交通事故やいじめの問題について話し合うシーンがあるのですが、 加熱して本筋とあまり関係なくなる部分があるというか、少しくどく感じました。 森司とこよみの関係は、思わせぶりな引きがここ数巻続いていますが、だいぶ前進したと思います。 そろそろ付き合い始めていいんじゃないかな(笑。 恋人同士になったふたりも見てみたいです。
0投稿日: 2017.11.09呉越春秋 湖底の城 六
宮城谷昌光
講談社文庫
一区切りとなる巻
ついに楚への大遠征が行われ、 呉王に率いられた呉軍は目覚しい進撃を続けます。 そして…。 舞台が楚に戻ってきたこともあり、 懐かしい顔が沢山出てきます。 今と昔の違いに想いを馳せながら、 呉の黄金期に影が差し…。 大きく展開が動く、壮大な一冊でした。 題名にもある越が本格的に登場してきて、 次の展開への転換点でもあります。 次の巻は一年後ですか…はやくも待ち遠しいです。
0投稿日: 2017.11.04リカーシブル(新潮文庫)
米澤穂信
新潮文庫
謎と謎解きが中盤から一気に加速するのは米澤さんならでは。
中学一年生の女の子ハルカが主人公ということもあり、 序盤はママやサトルとの関係などの、何気ない日常生活が描かれます。 伏線になっているとはいえ、やや暗めで軽快さがないので、ちょっと退屈な部分も。 一気に面白くなるのは、民話にもとづく謎が周囲の世界を変えはじめてから。 読む速度が四倍くらいになりました(笑。 睡眠時間をきにししつつも、そのまま一気に読了。 読み終わった後も謎は残りましたが、それが良い余韻につながっていると思います。 米澤さんの小説が好きなら、ぜひ一読してみてください。
0投稿日: 2017.10.27やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。12
渡航,ぽんかん8
ガガガ文庫
くやしいけど面白い!
もう最新刊は出ないのではないかと思うくらい間が空きましたが、内容は文句なしです。 ライトノベルとしては少し重苦しい雰囲気ではありますが、 それがこのシリーズの味でもあるので、ここまで読んできた方なら安心して楽しめると思います。 主要な登場人物が全員自然な形で出てきますし、少々忘れていても大丈夫。 展開からして、材木座あたりは出てこないんじゃないかと思いましたが、きっちり登場します(笑。 八幡の言うホンモノは、手に入るのか?手に入るとしたら、どんな形で? ニセモノと忌避していた物事に対しての、対応の変化も見ものです。 はやくも最終巻が楽しみになる。 そんな復活の号砲となる一冊でした。
0投稿日: 2017.10.24骨が腐るまで(1)
内海八重
マンガボックス
青春物語+エログロ
絵はとても綺麗で、コマ割りも読みやすいです。 登場人物もおおむね(?)好感が持てます。 話に入り込めるかは、人を選ぶかな。 殺人の動機と手段が稚拙といってよく、 その後の動きも疑問符がつくんですよね。 この辺は、ミステリ物として読むにはつらい部分かもです。 主人公たちが成熟していないことと、 最初から精神的に追い詰められているので わからなくもないですが…。 仲間内の関係性は興味深いです。 毛色の違う青春物ととらえれば、なかなかに先が気になります。
0投稿日: 2017.10.183月のライオン 13巻
羽海野チカ
ヤングアニマル
二階堂!
前巻の引きからは、あかりさんをめぐっての恋愛模様がメインなのかな?と思いますが、 二階堂が熱いです!桐山君がかすんでしまうくらい(笑。 滑川さんの話も良かったですが、もう少し本編のお話が進んで欲しかったかな? 久しぶりの登場の香子の話はしんみりしちゃいます。 明かりがついていても、彼女はそこに行かなかったでしょう。 サウドストーリー主体の内容と言っていい巻で、 このシリーズが好きな人ならとても楽しめる内容だと思います!
0投稿日: 2017.10.08はねバド!(11)
濱田浩輔
good!アフタヌーン
圧倒的なスピード感
高い画力を生かした、圧倒的なスピード感があります。 台詞が説明の文よりも少ないんじゃない?って部分もあるくらい(笑。 内容は、本格派のスポーツマンガです。 それでだけに、一気に読み終わってしまいます。 何気に巻末のおまけページがないのがかなしいです。
0投稿日: 2017.10.08変態王子と笑わない猫。
さがら総,カントク
MF文庫J
1巻は面白い。これだけで完結してる風さえあります。
主人公は変態、というか色々こじらせたフェチとあふれんリピドーを持った人です。それが変態なのかな(笑)。 この主人公が、とあることから本音しか話せなくなって…。 この1巻はとても面白いです。 笑いあり、シリアスあり、ラノベらしい軽妙さもあり。 もちろん、つぎに繋がるようなひっかかる部分はいくつもあるのですが、 ラブコメとしては答えがほぼでているにで、2巻以降は人を選ぶかもしれません。
0投稿日: 2017.09.07