litsさんのレビュー
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355
このユーザーのレビュー
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龍ヶ嬢七々々の埋蔵金11
鳳乃一真, のん, 赤りんご / ファミ通文庫
崩れ出す世界
3
このシリーズは、各人それぞれの思惑のぶつかり合い、謎へのあくなき探求、裏でのネゴシエーションを重点的に扱っており、主人公も盗賊一家の一員で正義の味方というわけではないのが面白いところ。
もちろんそれ…だけではなくて、七々々コレクションという異能の力を秘めた道具を駆使したバトル、遺跡と呼ばれるダンジョン攻略、七重島という巨大な学園都市といった、メインどころ(?)も抑えているところもいい。今回は、その七重島のルールが崩れはじめるお話です。
あと一冊で本編終了ということを、あとがきで匂わせていますが、伏線が多すぎてほんとに一冊にまとまるんかい!?と余計な心配してます。上下巻とかで出てくれると嬉しいな(笑)。
最後には仁志さんに笑っていてほしいと思わずにはいられない11巻でした。 続きを読む投稿日:2016.11.23
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進撃の巨人(21)
諫山創 / 別冊少年マガジン
ついに地下室へ…!
3
この巻は、前半と後半に大きく分かれます。巨人の力を誰に使うのか?という前半と、ついに明かされるグリシャの地下室に眠る謎の後半。
前半は手に汗握る展開で、理性から考えれば当然…と思われる答えがある中で…の葛藤と衝突。極限状況下だけにその選択は重く、ページをめくる手が止まりませんでした。文字通りの意味で。
後半は、ついに明かされる地下室の謎。これについては、今までの物語の筋に散らばっていた伏線があまりにもたくさんあったため、大きく予想を外した方はほとんどいないんじゃないでしょうか。それでも目を釘付けにするのだから尋常じゃありません。
サシャの寝言(?)や巻末のお遊びなど、シュールなユーモアも好きです。早くも四月が待ち遠しい21巻でした。 続きを読む投稿日:2016.12.13
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マギ(31)
大高忍 / 少年サンデー
この展開を少年誌でやってしまえるところがマギっぽくて好きです。
3
内容的には30巻の延長線上にある巻という位置づけでしょうか。新世界で奮闘するアリババは、世界のカラクリに近づいてしまい痛い目を見ますが…それで終わる彼ではありません!そして、その裏ではアラジンたちが身…を隠さざるを得なかった事情が描かれます。表紙の人物がだれか、もうバレバレですね(笑)。
内容的には、マギのイチファンとしては存分に楽しめましたが、大部分は胸踊る冒険劇もなく地味です。超がつくほど地味です(笑)。これをやれてしまうのがこの漫画の強みだと思いますが、次の巻でいよいよ最終決戦の戦端が切って落とされそうで、最後はワクワクさせてくれました。
さて、ここまで風呂敷をひろげたのをどう収めていくのか。とても楽しみです。巻末のおまけ漫画は、彼らが同時代に生まれていたらと想像をかきたてられて、よかったけどさみしさも感じちゃいました。 続きを読む投稿日:2016.12.14
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はねバド!(9)
濱田浩輔 / good!アフタヌーン
団体戦終了と次への序章
3
理子さんと橋詰さんの戦いは、技術というより心理的な要素がクローズアップされます。推薦組のトップで強豪校の現エースという、実力では大きな差がある中、橋詰さんを苦しめるものとは?理子のがんばりが爽やかなだ…けに、その対比がより重苦しくのしかかります。
後半は、主人公であるにもかかわらず、ダークサイドへまっしぐら(?)だった綾乃さんへのフォローを入れたという感じのエピソードと、次への序曲。不器用な二人のやりとりがくすぐったく、それを見守る感じでしょうか(笑)。
表紙に描かれているように、近いけど近すぎない関係が、この二人なんだなとも思います。 続きを読む投稿日:2016.12.16
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カマかけたらクロでした
うえみあゆみ / コミックエッセイ
生ぐさくもなく、綺麗事でもない、うなずける心理描写がうまいです。
3
インパクトのあるタイトルにつられて購入しました。
内容は、夫の浮気から発した一連の愛憎あふれる日々を綴ったもので、漫画と軽いエッセイが交互に入る形で進みます。かなりなまぐさい題材ですが、目を背けたく…なるほど手厳しいというわけでなく、かといって綺麗事で済ませているわけでもなく、淡々と生活の変化やそれに伴う感情のあり方のうつろいを描くのがうまいと思います。
ページ数が少ないので、定価だと割高感が少しあるかも。僕は半額セールで購入しましたが、このくらいが妥当ではないか…と感じました。 続きを読む投稿日:2016.10.26
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ゲーマーズ!5 ゲーマーズと全滅ゲームオーバー
葵せきな, 仙人掌 / 富士見ファンタジア文庫
登場人物たちのドタバタをにまにまと見守る
3
会議は踊る、されど進まず、というような巻かと思ったらラストで大きな動きが。遊園地の仕様を聞いた時点で、どんなアクシデント(?)が起きるのか予想はついていたつもりですが、まさか・・という衝撃のラストでし…た。
この巻の前半で、ケータの行動原理について長々と書いていたのは、なるほど!と思う反面、登場人物たちに分析させるのもなあ・・と感じたのは、すこし残念(個人差あるかもですが)。でも、全体としての内容は、これまでの巻を楽しめた方なら安心して読み進められると思います。登場人物たちのドタバタをにまにまと見守る感じです(笑)。 続きを読む投稿日:2016.10.22