
異能バトルは日常系のなかで13
望公太,029,宮崎詩織(TRIGGER)
GA文庫
最終巻。卒業の巻
最終巻です。 最終巻出ないかと思ってたところでしたが、 終わりを見届けられてよかったです。 この物語との出会いは1巻無料からだったので、 うまいことのせられちゃいましたね(笑。 この物語らしい結末だなと思いつつ、 もう少し桐生一にやさしい展開でも良かった気がしました。 ちょっとかわいそうすぎる…。 どのヒロインと付き合うことになるのか?という部分は、 うまく料理したなと感心しました。こういう見せ方もあるのかと。 自分は鳩子派ですね(笑。 ただ、冒頭のあとがきかと思うような内容の一人語りは いらなかったと個人的には思います。 あれがあるだけで、 後の展開がなんだか言い訳っぽくなってしまった気がするんです。 運命子が報われなさすぎるので、そこのフォローも欲しかったなあ。 あと、挿絵が一枚もなかったんですが、何故でしょう(笑。 各エンドに一枚ずつは欲しかったかな。 色々書きましたが、ちゃんと物語がしまったのを見届けられて満足です。
0投稿日: 2018.04.28急いてはいけない ~加速する時代の「知性」とは~
イビチャ・オシム
ベスト新書
いつものオシムさん節です
いつものオシムさん節です。 他のオシムさんの本を持っている方には目新しいところは あまりないかと思います。持っていない方には、とても 興味深い本であると思います。 オシムさんの言葉は深い。 ただ、ほんの作りは浅い。 質問を募って答えてもらったというならば、個別に回答をして いただく方が良かったです。少なくとも、僕はそれを期待していました。 推測ですが、企画段階でもそうだったのではないでしょうか。 厳しい言葉になってしまいますが、オシムさんの本の粗製乱造と 言われても仕方ない、もったいない内容だと思います。
0投稿日: 2018.04.25見えない買春の現場 ~「JKビジネス」のリアル~
坂爪真吾
ベスト新書
テンプレートへのアンチテーゼですが、内容は薄いと思います。
先日報道があった郵政職員のパパ活逮捕の記事を見て、 本書に興味を持ち手に取りました。 売買春の歴史から入り、根絶することは困難であるにもかかわらず 一面的な報道と批判ばかりの現実への疑問、JKリフレを中心とした風俗周辺の事情、 関係者の生の声、など、多岐にわたる内容で読み応えはありました。 JKビジネス、特にJKリフレの曖昧さに癒される、という部分は、新鮮で特に読み応え がありました。確かに、こういう癒しは一定の需要がありそうだと納得させられる リアルへの肉薄があります。 利用層に教師や店長などの女子高生と日常的に接する機会が多い人が少なくないのは、 職務上手を出せないという意識からで、ある意味健全、と書かれていたのは苦笑しつつ、 なるほどと納得しました。 ただ、論旨が同じところをさまよっているように感じました、成人の買春と児童買春 をもっと分けて考察してくれた方が、混乱がないと思うのですが…。 また、性の低年齢化を日本の伝統に回帰しただけという意見には首を傾げました。 この辺の事情が曖昧で線引きが難しいのはわかるのですが…。 それと、JKリフレに通うことが、コミュ力の上昇や恋愛道場になると論を展開 されていますが、インタビューを読む限り、それはあくまでも結果で目的では ないので、プラスの側面として持ってくるには弱いと思います。 この本の底流に、買春へのテンプレートな報道や批判への怒りを感じました。 そこは全く同感なのですが、JKという言葉自体が18歳未満を内包しているということ、 妊娠や性病のリスクといった部分について一言も言及がないのはどうかと。 この一冊だけでは偏った微妙な内容と言わざるを得ないというのが正直な感想です。 こういった店に弁護士や福祉士といったカウンセラーチームを送るという筆者さんの 活動には大いに共感したので、今度はそちらのレポートを読んでみたいです。
0投稿日: 2018.04.25はねバド!(12)
濱田浩輔
good!アフタヌーン
益子戦決着と、コニー&なぎさの登場
相変もわらずのスピード感で、一気に読み切ってしまいました。 次の巻までの時間を思うと、寂しささえ感じてしまいました。 益子戦が終わり、益子が抱えていた問題にも光が見えます。 あっけないなと思いつつ、書きすぎると主題変わってしまうし、 きっかけが必要だったのかもしれないと思いました。 素直になった泪さんは可愛いですね(笑。 なぎさはコニーの引き立て役と思いきや…? 次の巻が楽しみです。
0投稿日: 2018.04.04ホーンテッド・キャンパス 墓守は笑わない
櫛木理宇,ヤマウチシズ
角川ホラー文庫
おい、そこのラブコメ組
と、泉水が言うシーンがありますが、 森司とこよみは着実に距離を縮めているようで微笑ましいです。 他はいつものオカ研テイストの短編2つと、 キャンピングカーに乗って宝さがしする中編です。 そろそろ飽きがくるかなーと思いつつ、 毎回あっという間に読んでしまいます。 たぶん、展開の緩急のつけ方がうまいんでしょうね。 次の巻も楽しみです。
0投稿日: 2018.04.04はたらく魔王さま!18
和ヶ原聡司,029
電撃文庫
テンポも内容もいまひとつですが…。
シリーズのファンでずっと読み続けていますが、 神討ち編に入ってから迷走しているように感じます。 エミリア失踪編は取れていたバランスが失われているというか…。 前巻の謎の敵の正体に触れるわけですが、 驚くような展開じゃないと思うんですよね。 神界側の陣容が明らかに薄かったので、 この展開は当然あると思っていました。 他の話も、外伝の小話でやってもいいことばかり。 正直、小説としてはテンポも内容もイマイチな出来だと思います。 ただ、日本での日常描写などはシリーズならではの 丁寧さで描かれていますし、新人のバイト君には 笑わせてもらいました。 このままだと、次の巻も惰性で読んでしまいそう。 次の巻での奮起?に期待して星3つとさせて頂きます。
0投稿日: 2018.03.26龍ヶ嬢七々々の埋蔵金12
鳳乃一真,のん,赤りんご
ファミ通文庫
七重島完結編
最終巻です。 謎がかなり残されていたので、内容的には駆け足でしたが、 それがスピード感を生んだ部分もあり、一気に読了しました。 作者の七重島での物語への愛着から、風呂敷をだいぶ広げていたので、 ほんとに完結できるんかい?と懐疑的でしたが、しっかりまとめてくれました! 謎自体は、ある程度真実を匂わせていたところもあったので驚きは少なかったですが、 その周辺の描写になるほどなと思わされました。 最後の迷宮の扱い、彼方とカルマの関係、天災とダルク、 重護と祭の今後、ラストバトルロイヤル…その辺はページ数が足りなかったんでしょう(笑。 絵師さんが交代してからは、各人物の書き分けがうまくいってないように感じました。 いっそ、表紙以外イラストなしでも良かった気がします。 もし続きが出るなら、その形になるのかな? この作者さんの新作も楽しみになる最終巻でした!
0投稿日: 2018.03.12暦物語
西尾維新,VOFAN
講談社
この巻を飛ばして読んでも支障ないような小編集です
この巻を飛ばして読んでも支障ないような小話集です。 すべての小編で、阿良々木暦が主人公ですが、ヒロイン(?)達がひとりずつメインで話に登場してきて、軽妙なやりとりをしつつ、ちょっとした謎を解いていくストーリーラインです。 面白くないわけじゃないですが、話の続きが読みたい!という人には肩透かしかもしれません。僕は読み終わった後、こういうエピソード集もありかな?とは思いました。 主人公の名前とカレンダーをかけたネーミングということもあり、1話進むごとに少しずつ時も進んでいきます。この小編の前後にあった事件についても触れられているので、あとがきにもありましたがシリーズの復習としてもいいかもしれませんね。 個人的に一番面白かったのはストーンかな。ちょっとバカバカしい感じが、物語シリーズっぽい空気感があってよかったです。一方で、ウインドは、展開に違和感を感じました。全体的なお話の展開上仕方ないとは思いますが…。
0投稿日: 2018.02.22ファイナルファンタジーXIV きみの傷とぼくらの絆 ~ON(THE NOVEL)LINE~
藤原祐,いとうのいぢ,スクウェア・エニックス
電撃文庫
FFIVのノベライズという感じは薄いです
オンラインゲームを題材にした小説は、どういうスタンスで書くかがひとつのポイントになってくると思いますが、この物語は現実世界での交流がメインになっています。ですので、FFIVのノベライズという感じは薄いです。 ゲーム内の描写については、苦労しているなあ…という印象で、その世界にいるような描写の後に、ゲームシステムの説明があったり、少しちぐはぐさはあります。ゲームを素直に楽しんでいるような描写の方が、内容にも合っていたかもしれません。なかなか難しいところだとは思いますが。 ただ、丁寧な物語展開で、ライトノベルらしい驚きや痛快な展開というものはありませんが、やさしい読後感がありました。FFIVにというより、オンラインゲームに興味があるなら、読んでみてはいかがでしょうか。 もっとも、この登場人物たちのように、こんなに身元がすぐに分かる人は稀だと思います(笑。
0投稿日: 2018.02.22赤と白
櫛木理宇
集英社文庫
後半の怒涛の展開に読むのが止まらなくなりました。
ホーンテッドシリーズで櫛木さんの作品に入って、重めのホラー作品も読んできました。 本作では、わりと普通の女子高生(一部おかしな人もいますが)が登場人物です。でも、家庭環境は普通…ではなく、大人でも頭を抱えたくなるような問題をはらんでいます。 しんしんと降り続く雪のように、静かに物語は進みます。そして、降り積もった雪の重みに耐えかねたかのように、一気に破局がおとずれます。運命の分かれ目となる夜、次々に巻き起こる感情のうねりに圧倒されてしまいました。 遠からずこうなることはわかっていたんです。重みに耐えていただけで、問題は何も解決されていなかったのだから。でも、どうすることもできない。そのやるせなさが物語の底流に常に流れています。 櫛木さんの小説では、勧善懲悪の懲悪の部分は結構きっちりしていて、悪行(意識的か無意識に課は問わず)を重ねていた人たちは、ほぼ破滅します。中には過酷すぎるんじゃないかと思う登場人物も。個人的には、レクサスの男にもなにか天誅が下るとよかったのですが…。 終章のやりとりもあり、読後感はそれほど重くはないです。でも、胸の底に重いものが残る、そんな小説でした。楽しくはないかもしれないけど、丁寧で面白い小説だと思います。
0投稿日: 2018.01.17