
文藝春秋SPECIAL 電子版 2014年秋号
文藝春秋
文藝春秋
戦争論というよりは安全保障論に近いかも
複数の論者による寄稿で成り立っている本なので、表紙にある池上さんの成分は薄めです。実に硬派な論が多く、様々な視点から語られていて、さらにはボリュームもたっぷりで、価格分以上の内容です。 ただ、リーダー端末で読むと図がみづらく、ipadで読むと論文が読みづらいという構成上の問題があるように思います。これは好みですが、前半はipad等で、後半はリーダー端末で読むといいかもしれません。 これで300円は破格だと思います。
3投稿日: 2015.04.21やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10.5
渡航,ぽんかん8
ガガガ文庫
表紙も中身もいろはの巻!
10巻の表紙はどう考えても陽乃さんじゃないよな~男が表紙だと売り上げに影響があるのかな~と思ってましたが、この巻は完全に一致してます。表紙も中身もいろはの巻で、雪乃や結衣がかすむほどの活躍ぶり。本編だったらどうかなという内容ですが、10.5巻という位置づけだったら面白いです。特に八幡のリアクションとかがね(笑)。 川崎さんをおしのけて第3のヒロインに成り上がった感もありますが、関係が固まってきている奉仕部の面々に動きを出すキャラとしての側面が次巻以降に強くなっていくのではないかと思わせる存在感だったように感じました。雪乃や結衣のピンチに八幡を揺り動かす役目は、いろはなのではないか?と活躍に期待してます。 単独の巻としても短編集ではありますが、笑わせてくれる展開もしっかりもりこまれていて、あっという間に読み終えてしまいました・・。コンビニに買い物に行く比企谷兄妹のやりとりをほほえましく思いつつ、次の巻を待ちたいと思います。
2投稿日: 2015.04.03放課後の魔術師(7) スマイル・ウィズ・ユー
土屋つかさ,ふゆの春秋
角川スニーカー文庫
怒涛の展開の最終巻
前巻にひきつづきの内容なのもありますが、今までに物語中で張り巡らせていた伏線を一気に回収しているので、展開もめまぐるしくスリリングです。話の展開がスピーディで、魔術戦もこれまでになく熱く、シリーズ最高のデキだと思います。カイトとホノカのやりとりがほほえましくて好きです。悪ぶってるけど、カイトが良いヤツすぎるんですよね。ラストシーンは、アキが学生ではなく先生なのでちょっと違和感を感じました。正直、アキは学生という設定でも違和感なかったかも。このシリーズ、もう少し読んでみたかったな・・と思わせる最終巻でした。
0投稿日: 2015.04.02放課後の魔術師(6) ミスティック・トリップ
土屋つかさ,ふゆの春秋
角川スニーカー文庫
二巻構成の前編
このシリーズでは珍しく1巻で完結せずに次の巻につづくつくりになっています。場所をイギリスに移しての話なので、ボリュームも半端ないということでしょうか。キアカルの本拠地であり、アキ達が修行を積み、悲劇を経験した、諸々の因縁の地で各陣営の思惑が交錯します。これまで話に出てきただけの「島」や「大規模戦闘」についても明らかになっていきます。最大の目玉(?)は、アキの師匠の登場でしょう。彼女のぶっとびぶりが可笑しい。
0投稿日: 2015.04.02放課後の魔術師(5) スパイラル・メッセージ
土屋つかさ,ふゆの春秋
角川スニーカー文庫
すこし複雑だけれども
ハルカの査問と平行して進められる陰謀との戦いを描いた巻です。ジェシカシステムの設計者が登場し、キアカルの闇について描かれることになりますが、味方であるはずのキアカルが・・という内容は、鴉とのシンプルナ戦闘エピソードをいくつか挟んでからの方が効果的だったかもしれません。敵である鴉と戦ってるはずなのにちょい役みたいで、敵が存在感を示す前に味方内部の闇を描いても物語が膨らむ前に複雑ってしまってます。単巻で見れば見せ場は熱く面白いだけに、その辺がすこし残念に思いました。
0投稿日: 2015.04.02やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。9
渡航,ぽんかん8
ガガガ文庫
前半の鬱屈をふきとばす!
9巻前半は、どうにもならない現状に八幡の思考がのたうち回るような内容で、読んでるこっちもどんよりしてしまい、いくらなんでも長すぎるだろう・・と思っていましたが、中盤の展開を熱いものにする下敷きになっています。作中の「先輩はもっとクールな人かと思ってました」って言葉が物語っているかもしれません。 それにしても、平塚先生は良い先生すぎじゃないですか!?今までもずーっとそうだったけど、言葉に思慮と暖かみがあり、物語に深みを与える存在だと思います。表紙なのも納得。ディスティニーランドのシーンは流れ的に唐突に思いましたが、今後に大きく関わってきそうないくつもの出来事が起こり、こちらも目が離せません。きっと、コースターで雪乃が口にした言葉を成し遂げたとき、この物語は終わるんじゃないかな・・なんて寂しささえ感じました。
0投稿日: 2015.02.17やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。6.5(イラスト簡略版)
渡航,ぽんかん8
ガガガ文庫
8&9巻読了後に読んだほうがいいと思います
タイトルの6.5巻のとおり、文化祭のすぐ後、体育祭についての内容です。位置づけ的には6巻のフォローといったところでしょうか。 6巻での後味の悪さが7巻までにどう変わったのか?それが気になったので6巻の直後に読んで満足したのですが、おまけ(?)の後半部分のクリスマスパーティは読むんじゃなかった・・と後悔しました。 クリスマスエピソード冒頭に8&9巻読了後に読むのをおすすめするというようなことが書かれていたのですが、体育祭エピソードの勢いあまって読んでしまいました。大きなネタバレはありませんでしたが、9巻後の人間関係などはやはりわかってしまうので。8&9巻がシリアスな内容なだけに、8&9巻を読んでいる時に、ちょっと、いや・・かなり後悔しました。 そこだけが注意点で、内容については満足いくものでした。自制心に自信なければ9巻読了後に読むのをおすすめします!
3投稿日: 2015.02.17やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。6(イラスト簡略版)
渡航,ぽんかん8
ガガガ文庫
八幡は自分に優しくなれるのか
廉価版はイラストが表紙だけしかありませんが、これで300円近く安いのは嬉しいです。Reader端末で読むと、妙な形のフォントが散見されますが、これは完全版でも一緒なのかな?描写が丁寧なので、挿絵はなくても問題ないと思います。少しさみしいですけどね。 学園ものの定番である文化祭を描いたこの6巻。今までの1~5巻も面白かったですが、スピード感やクライマックスの哀しさはそれらを大きく凌駕していると思います。読み終えるのがさびしかったくらいです。それくらい、この6巻の出来はすばらしい。これを読むだけでも5巻まで読む価値がありますよ。 主人公の八幡については、スクールカースト内で思考停止する多数派に対してのアンチヒーローで、それ以上でもそれ以下でもないと思っていましたが、みくびっていたようです。彼の解決法は最低と言われるかもしれません、他に方法があったのかもしれません。でも、誰でも救ってしまう。救われた本人に自覚がなくとも、感謝のかわりに嘲笑をあびせられても。 その姿は、この作品にしか描けないヒーローがそこにいると感じさせるものでした。孤高をうそぶきながら、寂しさも感じていないわけないはずの主人公がどうなっていくのか、ますます楽しみにさせてくれた巻でした。
3投稿日: 2015.02.03俺の妹がこんなに可愛いわけがない
伏見つかさ,かんざきひろ
電撃文庫
タイトルで敬遠するにはおしい作品
アニメ化もされわりと耳にする作品ですが、タイトルのネーミングからずっと敬遠してました。1巻が格安で読めるキャンペーンがあったので、どんなものか読んでみようと思いきや・・面白いじゃないですか! 起承転結がはっきりしているタイプの話の筋ではいりやすく、文章も安定していて読みやすい。ところどころにちりばめられているユーモアあふれる(?)描写にはおもわず声をあげて笑ってしまうほどのセンスがあります。しょーもなさを笑う系の笑いのとりかたなので、合う合わないはあるかもしれませんけどね。シリアスな場面はとことんシリアスで展開が速く、ページをくる手も自然とはやまり、緩急もいい感じです。 根底に流れる暖かさがあり、最後はほのぼのさせてくれるのが一番気に入りました。殺伐とした物語に疲れた方はぜひ!とおすすめしたいです。
1投稿日: 2015.01.10放課後の魔術師(4) ワンサイド・サマーゲーム
土屋つかさ,ふゆの春秋
角川スニーカー文庫
短編集かと思いきや
短編をあわせて、その間を各キャラの視点の小話でつないである、今までとは構成の異なる巻です。この巻は、やっぱり紫(プルピュラ)の魔術師ベルの登場につきるでしょう。天才肌の魔術師で、奔放だけど・・弱気なところもあるけど・・一直線につきすすむ姿が魅力的です。魔術サイドのハルカの友達というポジションとなるばかりでなく、敵勢力と戦う上での重要な戦力ともなるという。味方陣営に魅力的なキャラがそろってくると華があっていいですね。アキの鈍感ぶりがもはや犯罪級であることも書かれています。いつか刺されそう(笑)。
0投稿日: 2015.01.10