
たいようのいえ(9)
タアモ
デザート
物語も佳境にはいってきました
前巻にひきつづき、ラブ要素強めです。この巻の主役は大樹といっても、あながち間違いじゃない気がします。杉本さんが泣いている姿に触れ、基の変化を感じ取った大樹は、真魚に気持ちを伝えるのに残された時間は少ないことを悟ります。そこで彼はどうするのか・・?がこの巻の焦点です。ちーちゃんと織田君の関係も進展を見せます。 「ダメだ、この家では言えない」って台詞がすごく大樹らしくてよかったです。大切なものを壊してまで、わき目を振らずに突き進む人じゃないんですよね。そのへんが、もどかしくもありせつなくもあります。 ラブ要素強めだとシリアスになりがちなので、タアモさんならではのふわっとしたユーモアが少なめなのは残念ですが、物語の節目の巻であることは間違いないと思います!表紙の絵はいつもかわいらしいですが、この巻のは特に好きです。ネギをラッパ?のようにもってるとことか(笑)。
1投稿日: 2016.06.02
セッター思考
竹下佳江
PHP新書
内容は悪くありませんが、ビジネス書としてはやや中途半端かも・・
いわずとしれた女子バレー全日本の名セッター竹下さんの著書ですが、ビジネス書として読むにはやや中途半端かもしれません。「セッター思考」はわかるんですけど、革新的というより素朴であっさりした雰囲気の論の進め方なので、ふーん・・なるほどなーで終わってしまっています。同僚の女性に対する態度の注意点の部分も、根拠となるサンプルはどこにあるのかが曖昧で、いまひとつ説得力に欠けています。 それよりも、竹下さんしか知りえない、過去エピソードの部分にもっとページを割いてほしかったです。こちらは、ギリギリの戦いを切り抜けてきた人ならではの勢いと気迫が文章から感じるので、読んでてワクワクしました!特に五輪出場権を逃した下りは、胸が苦しくなりました。もっともっと、こういう話を読みたかったです。 バレーボール好きにも、ビジネス書から知恵を得ようとする人にも中途半端になってしまってるのが残念。個人的にはバレーに100%ふりきった回想録を読んでみたいです。
1投稿日: 2016.05.31
ホーンテッド・キャンパス 春でおぼろで桜月
櫛木理宇,ヤマウチシズ
角川ホラー文庫
3度目の春は新しい風をはこぶ
森司とこよみが3年生になり、藍が卒業してオカ研もだいぶ変わりました。藍のお別れ会は前巻の旅行で終わりなの!?ってびっくりしたけど、恒例のお花見会にはしっかり藍も出席してたりします。卒業したけど、ちょこちょこ登場します(笑)。 この巻は、いつもどおり(?)のオムニバス式に戻っています。果那から森司へのラインは、エピローグを読んでから読み返すとにやにやできるかも?ひとつひとつの話は重めで、オカルト要素はかなり強く感じました。日本人形に罪はないんですけど、怖い! この巻から新入部員が登場します。冴えないなあ・・とがっかりせず、さいごまで読んでみてください!良いメンバーになりそうな予感に変わるはずです。森司とこよみの恋愛模様は進展なしかと思いきや・・?こんなに次の巻への引きを含んだ終わり方するのはじめてじゃないですか? 読み終わったそばから最新刊が待ち遠しいです。
3投稿日: 2016.05.31
たいようのいえ(8)
タアモ
デザート
ひとつの決着と基の目指すところ
前の巻からつづく慰安旅行。杉本さんは純すぎて、読んでるこっちまでドキドキしちゃいます。この人が恋愛巧者だったら、この物語は成立していなかったでしょう(笑)。 その想いを受ける基はいったいどうしたいのか?いままでぼんやりとしか語られていなかった基の本音と目指すところが、この巻一番の見どころかもしれません。 真魚と大樹の修学旅行もラブ要素強めの展開。ここでいろんな関係に決着をつけさせるシリーズ構成なのかな?大樹もめちゃくちゃいいやつなので、むくわれてほしいものですが。「自分の利のために動いている」という大樹の言葉から一番遠いところにいるのが大樹だと思うくらいです(苦笑)。 おまけ漫画は、音葉目線の小話。このオチ大好き^^
1投稿日: 2016.05.25
たいようのいえ(7)
タアモ
デザート
逆襲の杉本さん
杉本さんの独白からはじまるこの巻、前巻での大樹と似た導入です。基と杉本さんの会社の慰安旅行が始まるので、杉本さんの「ガンガンいきます!」宣言が実行に移されるのか見守っちゃいますね。 杉本さんには幸せになってほしいけど、この作品って恋愛要素が薄い方が味が出ると感じます。それだからこそ、真魚のライバルである杉本さんもガツガツいかない人なんだと思いますが!留守番中の大樹と真魚を含めて、ラブ成分多めの巻です。 また、真魚の義妹の誕生会で2回目の帰宅。こちらは、本宮さんの家が真魚が出て行ったことをどう捉えているか描かれます。真魚がプレゼントもらってうれしい!というところの絵がかわいいです。ぽわっとしてるというか。幸せなのがこっちにも伝わってくるかのようです^^
1投稿日: 2016.05.22
ホーンテッド・キャンパス この子のななつのお祝いに
櫛木理宇,ヤマウチシズ
角川ホラー文庫
いままでとは違う8巻
いままでは短編をいくつかあわせた形式だったのですが、今回は一冊まるまるつかってひとつの話を描いています。いつもの(?)オカ研らしいゆるさは若干少な目で、シリアスなオカルト・サスペンスの趣がありました。話の長さに比例して読み味も深いものになっています。 藍の見せ場があまりなかったり、ひょっとしたらこのシリーズでやる予定じゃなかったのかもしれません。オカ研側の登場人物が少しタブついてる印象がありましたので。でも、主人公である森司の見せ場がしっかり用意されているのがよかったです! しかし、この村に出店したセブンイレブンはツワモノですね(笑)。
4投稿日: 2016.05.20
たいようのいえ(6)
タアモ
デザート
大樹と真魚それぞれの帰還
大樹目線でのモノローグ風の回想からはじまるこの巻。真魚が実家に一時帰宅したり、大樹が本格的に家に戻ってきたり、物語に動きがあります。実に「たいようのいえ」らしい展開といった方がいいでしょうか。 好きなシーンは、ちび真魚がそっと傘を差しだすとこ、真魚が落書きしようとしてるとこ、ちーちゃんの涙、それにオマケ漫画。このオマケ漫画大好きです。がんばれがんばれ大ちゃん!ってシーンが特に好き(笑)。
1投稿日: 2016.05.16
あなたの仕事に革命を起こす!「しないことリスト」
中島孝志
ゴマブックス
考えることの重要性という基本
内容は奇抜なところがなく、追い詰められての条件反射ではなくじっくり考えてみよう、というような内容だと感じました。ノウハウ本というより自己啓発本に近いかな。あげられてるリストは、あくまで筆者さんの性質と環境にあわせたものですし。 じつにあっさりしてるので、とても読みやすいです。筆者さんのしないことリストには、「ながなが講釈をたれない」「上から目線の説教はしない」があるんじゃないでしょうか、たぶん(笑)。
1投稿日: 2016.05.16
ホーンテッド・キャンパス なくせない鍵
櫛木理宇,ヤマウチシズ
角川ホラー文庫
彼ら部員全員おさめて、アパートのドアがぱたり、と満足したように閉まった。っていい表現ですよね!
副題のとおり、「鍵」がそれぞれの話でなにかしらの働きをします。最後の鍵はほほえましかったです。 オカ研のメンバーもあいかわらずで、安定した面白さがあります。学生運動のくだりはちょっと唐突でくどいかな~と思ったりしましたが、永遠の彼女のくだりはしんとした落ち着きのある話でよかったです。シリーズをここまで読んできている方なら、間違いなく楽しめるクオリティです。 表紙は譲り合いながら相合傘している場面ですね~。ほほえましくて、このふたりにはぴったりくる場面だと思います。途中、森司が卑屈すぎて少しいらっとしますが、最後は・・? 書籍説明に巻数がないのですが、7巻目ですよ^^
1投稿日: 2016.05.14
ホーンテッド・キャンパス 雨のち雪月夜
櫛木理宇,ヤマウチシズ
角川ホラー文庫
いつもよりホラー成分多めです
今回はホラー要素強めに感じました。解決したのか何とも言えない終わり方をするのは初めてだし、プロの霊能力者が一目見て逃げ出しちゃうくらいの強力なヤツも登場します。のちの話でも出てきそう。 この巻で、なぜ藍がオカ研の副部長をしているのかが描かれるのも見どころです。カン違い男が寒々しいです(笑)。藍が一番嫌いそうなのに、理解してないところが特に。 オマケ(?)の話も怖いです。これが第1章ってことは続きがあるのかな?それとも本編のあの家につながるのか。そこはおぼろげですが、本編の人物が関わってない分ホラーっぽさ倍増です。 クリスマスということで、バイトに頑張る森司。うまくいったのでしょうか…それは読んでみてのお楽しみで(笑)。
1投稿日: 2016.05.11
