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litsさんのレビュー
いいね!された数354
  • 宇宙100の謎

    宇宙100の謎

    福井康雄

    角川ソフィア文庫

    天文学的な観点から宇宙を知るには良い入門書

    この本の特徴は、宇宙ものによくある写真や図がほとんどなく、ひたすら平易な文章で綴られていることだと思います。 公募した質問に対して、天文学の専門家が丁寧に説明していくので、とても読み応えがあります。一方で、学者さんが書くものですからユーモアはほとんどなく、物理学的な説明も多いので、さらっとした読み物を期待していると、少し違うかもしれません。 想像力をいっぱいに膨らませるというよりは、地道な光学観察と物理的計算、CPUによるシミュレーションといった、天文学的な観点から宇宙を知るには良い入門書だと思います。

    3
    投稿日: 2016.10.17
  • 吉田の日々赤裸々。 『ファイナルファンタジーXIV』はなぜ新生できたのか

    吉田の日々赤裸々。 『ファイナルファンタジーXIV』はなぜ新生できたのか

    吉田直樹

    ファミ通の攻略本

    FF14やFF11にふれたことのある人にはとても親しみのある内容です

    昔FF11をプレイしていたころ、FF14がサービス開始になり、たくさんの人がエオルゼアに旅立っていきました。ところが、1ヵ月もしないうちにほとんどの人が帰ってきて、あれは遊べるレベルにない!と口々に言っていました。時は流れ、FF11を引退したあとMMORPGとは縁がありませんでしたが、FF14が新生される!という記事を偶然見かけ、理由もよくわからずに興奮をおぼえたものです。 そして、いざ新生FF14を始めてみると、ログイン400人待ちの文字が・・。今では笑い話(?)になったログイン戦争です。奇跡的にインできた人は、アウトしないようにあらゆる工夫をこらしていたのも記憶してます。その後もいろいろありましたが、FF14をプレイし続けています。 前書きが長くなりましたが、この本は、僕のようなFF14やFF11にふれたことのある人にはとても親しみのある内容です。当時の裏話が満載なわけですから!一方で、MMOとは関係のない話も多く、ウオッシュレットについてこれほど熱弁をふるうコラムというのを初めて読みました。しかも2回にわたって(笑)。PRの難しさについて語っているところが特に興味深かったです。自分のミスはミスとはっきり書いているところも面白かったです。普通ぼかしますよね?(笑) ゲームが面白ければ、どんな人が開発しているのかに興味はなかったのですが、著者である吉田さんのひととなりが文章からにじみ出ていて好感を持ちました。ドライな合理主義者でありながら、心の根っこに大きな愛情と真っすぐさを持っている人なのかなあと。興味深い一冊でした。 本書の欠点としては、Reader端末ではほとんど読むことができない構成になっていることでしょうか。横組みで、文字がつぶれるほど小さく、アップにすると処理が遅くてイライラします・・。結局、僕はiPadで読みましたが、Reader端末で読みたい!という方はご注意ください。

    4
    投稿日: 2016.10.14
  • 拉致と決断(新潮文庫)

    拉致と決断(新潮文庫)

    蓮池薫

    新潮文庫

    拉致被害者としての眼から北朝鮮を捉えた一冊

    読み終わった正直な感想としては、蓮池さん一家はよく無事に日本に帰ってこれたものだという素朴なものです。無事・・という表現にもひっかかりはあるのですが。北朝鮮のような統制が強い社会では、至るところに落とし穴を感じさせ、冷静な状況分析と判断なくしては、処刑や収監とはいかなくとも、悲惨な境遇にと陥っていた可能性も十分感じさせるものでしたから。 努めて平静を装い、子供たちにまでも「在日朝鮮人」であると偽らざるを得なかった苦しい決断をした経緯が、淡々とした叙述によってよりリアルさを伴い、ページから目が離せない吸引力を生んでいます。表に現れない、苦悩の時間がいかに長かったかも、わが身のように感じてしまいます。 また、北朝鮮社会が80年代の余裕を失って、原始的な「資本主義もどき」の市場化を余儀なくされていく様も、そこに生きる人たちの息遣いが聞こえてくるようで、彼らの運命に思わず息苦しくなったものです。すべてがすべて首領様の指示どうりに動いているわけではない生の姿がそこにはあります。 拉致被害者としての眼から北朝鮮を捉えた一冊です。

    2
    投稿日: 2016.10.14
  • サモンナイト U:X〈ユークロス〉―叛檄の救世主―

    サモンナイト U:X〈ユークロス〉―叛檄の救世主―

    都月景,飯塚武史,和狸ナオ

    ジャンプジェイブックスDIGITAL

    話が加速する3巻

    表紙のとおり、サモンナイト2の色が強い巻でした。主人公のミコトが、マグナやアメルと行動を共にしてるから当然といえば当然なんですけどね! サモンナイトシリーズは、主人公の選択や結末をプレイヤーにある程度まかせるシステムをとっているため、その想いを壊さずに小説を書いていくところに工夫してますと前巻のあらすじにあったのですが、かなり苦労されてますね(笑)。マグナが登場してるってことはトリスは?という部分や、護衛獣を4人全員登場させる下りは、そうきたか!という思いでした。 ミコトに新しい力が加わり、歴代英雄とそん色ないレベルまで昇るきっかけを得ました。敵軍の3悪人(?)もそろい、陣容が固まってきました。そして、リィンバウム3国の一角である帝国の皇帝が代わり、ついに全面戦争突入間近に・・。 話が加速する3巻です。

    1
    投稿日: 2016.10.14
  • サモンナイト U:X〈ユークロス〉―黄昏時の来訪者―

    サモンナイト U:X〈ユークロス〉―黄昏時の来訪者―

    都月景,飯塚武史,和狸ナオ

    ジャンプジェイブックスDIGITAL

    いよいよ本筋に入るぞ、というつなぎの巻

    ますますサモンナイト色が強まってきました。ミモザととギブソンの結婚式に始まり、セルボルト家の後継者争い、ハヤトとマグナの対峙…と続きます。これらの単語にピンとこない方は読むのに苦労するかもしれません。 サモンナイトの世界の人物達への作者の愛情をひしひし感じますし、さらりと説明も入りますが、やはりゲームから入った愛着ある人の方が楽しめるのではないでしょうか。 ちょっと反則ではないかと思うくらい強力な黒幕(?)が登場し、これから物語は本格化していきそうです!それにしても、マグナとアメル達のエンディング後の生活は、彼ららしくって実に微笑ましいと思います。英雄の一人なのにね。

    2
    投稿日: 2016.10.10
  • ニセコイ 25

    ニセコイ 25

    古味直志

    週刊少年ジャンプ

    最後までベタを貫いた完結編

    最終巻ということで、表紙のデザインも1巻を模したものになっています。全員集合の方が好きですが、こういう遊びの要素まで最後までベタを貫いたのも良いと思います。小野寺さんの可愛さで読み続けてたようなものなので、僕は邪道な読者なのですが(笑)。 前巻までの流れを、そのまま完結に持って行ったのがこの巻ですので、驚きというものは正直ほとんどありませんでした。物語を楽しもうというより、最後を見届けようという気持ちの方が強かったからかな。でも、万里香と千棘のやりとりはジーンとしました。この二人は、この後も互いを刺激しあう良い友達としてすごしていくんじゃないかなと感じさせたので! 長期連載で話が広がり気味だったのを、ちゃんと完結までもっていったのは素直に評価されていいんじゃないでしょうか。ぐだぐたなまま、あとは想像してね!で終わる物語も多いですし、完結を見届けられてよかったです。後日譚は、個人的にはいらないと感じましたが、ファンサービスとしてアリだと思います。 斜に構えるのではなく、王道(?)といわれるような展開をうまくアレンジしていて、安定して面白い漫画でした!

    2
    投稿日: 2016.10.09
  • 3月のライオン 12巻

    3月のライオン 12巻

    羽海野チカ

    ヤングアニマル

    続きを読める幸せを感じました

    前の巻はシリアスなお話が多かったので、ゆり戻し(?)で、明るい話が多いと感じました。 一番目立ってるのは雷堂さんじゃないですかね(笑)。棋竜防衛なるか?奥さんは戻ってきてくれるのか!?滑川さんはやりすぎなくらいの存在感で、ついつい笑ってしまう独特の間があって好きです。 あかりさんのお相手探し(?)も進展を見せます。夏祭りで転びそうになったあかりをとっさに支えた二人が最終候補なのかな?僕は年取ってる方の人の方が川本家の風景に溶け込む気がしました! 零君でなくても絵日記…というか壁紙にしたい暖かな団欒のコマ、配信してくれないかなあっておもわず思っちゃうくらい素敵な絵です。羽海野さんの絵は、絵自体に愛情がこもってるというか、こういう場面が好きで仕方ないんだろうなって感じさせる暖かみがあります。 ずーーっと待ってた甲斐があった12巻。次はもう少し早く読みたいけど、面白いからいいかな…でもすぐにでも読みたいです(笑)。

    6
    投稿日: 2016.10.02
  • エルドライブ【elDLIVE】 6

    エルドライブ【elDLIVE】 6

    天野明

    少年ジャンプ+

    引き続きシリアスモードでぐいぐい読ませます

    表紙はニノチカで可愛らしいのですが、中身はかなりハードです(笑)。 絶望的な状況の中、今一緒にいるみんなと生き残るために…!という宙太の姿はカッコ良いです。さすが主人公!名前だけの登場だったマディガン課長が登場し、いよいよ反撃開始です。 エルドライブ内の暗闘も根が深そうで、この先どうなるのか予想もつきません。まさか本部に乗り込むとは思いませんが…。マザーズと相対する日が来るのでしょうか。 オマケ企画は、本編のシリアスモードにひっぱられて暗いです(苦笑)が、扉絵コレクションなのか、美麗なイラストがいつもより多めに収録されていたのは嬉しかったです。 幼なじみがまだ二人行方不明中なんですが、キングとの対決に絡めてくるのか、それとも…?次巻が待ち遠しいです。

    1
    投稿日: 2016.09.27
  • エルドライブ【elDLIVE】 5

    エルドライブ【elDLIVE】 5

    天野明

    少年ジャンプ+

    急展開!

    急展開。この一言に尽きると思います。 前巻の最後も、デミルという組織の見せ方が十分じゃない中でやりすぎでは…と感じましたが、それすらぶっ飛ぶ急展開で、一気に話はシリアスモードに。 どれくらいの急展開かというと、このヘブンサイダー編(?)でこの漫画終わってもおかしくないと感じるくらい。 いやあ…派手にやりましたね。僕は味方キャラはもっと大事に扱ってほしい派なので、やりすぎというか話の可能性を狭めてしまったようにも感じました。 しかし、シリアスモードで一気に話に引き込まれ、次が気になるのは間違いありません!

    1
    投稿日: 2016.09.27
  • エルドライブ【elDLIVE】 4

    エルドライブ【elDLIVE】 4

    天野明

    少年ジャンプ+

    小話の連続の先に待つものは

    バトル寄りだったバランスを学園生活も交えながら警察モノとしての側面を強めてきた巻だと思います。 比較的小さな事件を一話単位で解決していく流れなので、ヴァリエーションはありますが、スケール感はあまりなく、巻の最後に大きな動きがあります。 ベロニカは、美鈴のクールさを別角度から崩すという、人間関係に動きを出すために投入されたと思ったのですが、そこまででもないですね。そこは個人的に少し残念。美鈴は人間味がもう少しでた方が良いキャラになると思うので!

    2
    投稿日: 2016.09.27
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