
龍ヶ嬢七々々の埋蔵金11
鳳乃一真,のん,赤りんご
ファミ通文庫
崩れ出す世界
このシリーズは、各人それぞれの思惑のぶつかり合い、謎へのあくなき探求、裏でのネゴシエーションを重点的に扱っており、主人公も盗賊一家の一員で正義の味方というわけではないのが面白いところ。 もちろんそれだけではなくて、七々々コレクションという異能の力を秘めた道具を駆使したバトル、遺跡と呼ばれるダンジョン攻略、七重島という巨大な学園都市といった、メインどころ(?)も抑えているところもいい。今回は、その七重島のルールが崩れはじめるお話です。 あと一冊で本編終了ということを、あとがきで匂わせていますが、伏線が多すぎてほんとに一冊にまとまるんかい!?と余計な心配してます。上下巻とかで出てくれると嬉しいな(笑)。 最後には仁志さんに笑っていてほしいと思わずにはいられない11巻でした。
3投稿日: 2016.11.23![悪名高き皇帝たち──ローマ人の物語[電子版]VII](https://ebookstore.sony.jp/photo/BT00003156/BT000031565400700701_LARGE.jpg)
悪名高き皇帝たち──ローマ人の物語[電子版]VII
塩野七生
新潮社
悪名の高さは暗君に直結するのか?
この巻では、アウグストゥス亡き後のユリウス・クラウディウス朝の皇帝である、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロの4帝を扱っています。 確かに批判されるべき部分はあるけれど、皇帝としての責務はきちっと全うしたのではないかと思う、ティベリウスとクラウディウスの地味な(?)努力は感心させられますし、暴君の代名詞にされてしまった感のある、カリグラとネロは、利発なところや愛すべきところもあって、決して知性のかけらもないモンスターではなかったとも感じました。 発掘技術の進展による考古学の大発見、それに伴う歴史学の新説の隆盛。そういったものが、歴史上の人物の評価を変えていくというのも、なんだか不思議であり、楽しくも感じます。そういう楽しみが詰まっている本だと思います。
3投稿日: 2016.11.16
ニューズウィーク日本版 (2016年11/8号)
CCCメディアハウス
CEメディアハウス
もう少し踏み込んだ分析が欲しかったかな
習近平さんの内政や外交などについて、及第点かあるいは…という記事がメインです。悪くはないんですけど、もう少し踏み込んでほしかったな。彼は何を目指しているのか、知りたいのはそこなので。 ティーンエイジャーの自殺に関するレポートはなかなかの読み応えがありました。ドローンについても、アマゾンCEOさんが、そのうちドローンで荷物を届ける!と言ってたのを聞いて、10年はかかるんじゃないかと思ってましたが…技術の進歩は凄まじい。 こういう小ネタ(?)記事もピリリと面白いのが、この雑誌のいいところだと思います。
2投稿日: 2016.11.14
ニューズウィーク日本版 (2016年11/15号)
CCCメディアハウス
CEメディアハウス
結果を知ってから読む大統領選記事
このコメントを書いている時点で、すでに共和党のトランプ氏が、2017年から大統領になることが決定しています。それなのに予測記事を読んで意味があるのか?と思う向きもあるかもしれませんが、なかなか読みどころは多いと感じました。 ニューズウィークという雑誌について、スタンスはリベラル、どちらかというと民主党びいき、トランプ嫌い、ヒラリーについては賛否どちらでもある。そういった雑誌の性格を把握しつつ読むと、行間から漂ってくるものが。もちろん、様々な立場の論客が登場して偏向記事にはなってませんけどね。 でも、気分は読み取れる気がします(笑)。
2投稿日: 2016.11.13
ホーンテッド・キャンパス きみと惑いと菜の花と
櫛木理宇,ヤマウチシズ
角川ホラー文庫
ホラー成分は過去最少かも?
全巻のラストでフリのあった、森司とこよみのデートがついに実現。興味津々のオカ研メンバーがお邪魔虫になるかと思いきや、じつに和やかな(?)デート風景でした。四葉のクローバーを見つけるのが妙にうまいという、森司の役に立たないスキルが生かされる時がきたのか?袖の下に使われる四葉のクローバーのくだりは笑いました(笑)。 他はいつも通りのオムニバス形式で、うち一件は、森司が霊視の体質であることがバレてオカ研に入会することになったときの思い出話。ほかの二件も、霊というより人の執着や思惑の方に物語の軸足が置かれていて、ホラー成分は過去最少といってもいい内容でした。むしろ、人間ドラマへシフトしてきているのかもしれません。 名前すらはっきりわからないのに、森司のお母さんは次の巻もでてきそうだと感じたのは僕だけでしょうか。いいキャラです(笑)。
3投稿日: 2016.11.13
サモンナイト U:X〈ユークロス〉―狂界戦争―
都月景,飯塚武史
ジャンプジェイブックスDIGITAL
いよいよ本番
帝国と聖王国の軍が衝突し、戦争は本格モードに。しかし、その裏で進んでいた事態はより深刻で…という流れです。 あまり書くとネタバレになっちゃうんですけど、ついにメイメイさんがいままではぐらかしてた謎だったことを、語り出したというところが読みどころでしょうか。エルゴの王についても大いに語られます。語りがちょっと長いので、構成に苦労してるな…と感じてしまうのは仕方ないとこでしょうか(笑)。 表紙は、ベルフラウとレックスでサモンナイト3から。マグナが出ればトリスも登場するという具合で、主人公選択で選べる主人公と護衛獣等はいろいろな形で登場してます。でも、まだアティは本格的に登場していません。どこで登場するのか楽しみです。
1投稿日: 2016.10.30
ニューズウィーク日本版 (2016年11/1号)
CCCメディアハウス
CEメディアハウス
モスル奪還作戦も気になります
記事からアメリカ視点のフィリピン観がにじみ出てますね(笑)。ドゥテルテさんは、なめんなよ!と発信してるようにおもいますが、どこまで計算してるんでしょうか。 床に落としたものの、5秒ルールについて科学的に検証してる記事もなかなか良かったです。こういうのって、世界共通なんですね(笑)。
1投稿日: 2016.10.29
カマかけたらクロでした
うえみあゆみ
コミックエッセイ
生ぐさくもなく、綺麗事でもない、うなずける心理描写がうまいです。
インパクトのあるタイトルにつられて購入しました。 内容は、夫の浮気から発した一連の愛憎あふれる日々を綴ったもので、漫画と軽いエッセイが交互に入る形で進みます。かなりなまぐさい題材ですが、目を背けたくなるほど手厳しいというわけでなく、かといって綺麗事で済ませているわけでもなく、淡々と生活の変化やそれに伴う感情のあり方のうつろいを描くのがうまいと思います。 ページ数が少ないので、定価だと割高感が少しあるかも。僕は半額セールで購入しましたが、このくらいが妥当ではないか…と感じました。
3投稿日: 2016.10.26
ゲーマーズ!5 ゲーマーズと全滅ゲームオーバー
葵せきな,仙人掌
富士見ファンタジア文庫
登場人物たちのドタバタをにまにまと見守る
会議は踊る、されど進まず、というような巻かと思ったらラストで大きな動きが。遊園地の仕様を聞いた時点で、どんなアクシデント(?)が起きるのか予想はついていたつもりですが、まさか・・という衝撃のラストでした。 この巻の前半で、ケータの行動原理について長々と書いていたのは、なるほど!と思う反面、登場人物たちに分析させるのもなあ・・と感じたのは、すこし残念(個人差あるかもですが)。でも、全体としての内容は、これまでの巻を楽しめた方なら安心して読み進められると思います。登場人物たちのドタバタをにまにまと見守る感じです(笑)。
3投稿日: 2016.10.22
サモンナイト U:X〈ユークロス〉―理想郷の殉難者たち―
都月景,飯塚武史,和狸ナオ
ジャンプジェイブックスDIGITAL
各戦局を打開するのはだれか?
表紙からもわかるように、サモンナイト4の成分多めの巻です。帝国領土内でのお話が多いから当然といえば当然ですけど、ライとミルリーフをはじめとした面々が本格的に登場します。ますます存在感がなくなっていく主人公のミコトですが、群像劇となりつつあるのでしかたない部分も(笑)。 帝国軍(?)による同時多点攻撃にさらされる仲間たち。レルム村、忘れられし島、ラウスブルグ、トレイユの街(面影亭)で猛攻を受けます。各戦局を打開するのはだれか?という部分を楽しみに読み進めてたらページが終わっちゃいました・・。 まだまだ狂界戦争というキーワードの意味はわかりませんが、次の巻でわかるのかな?楽しみです。
2投稿日: 2016.10.22
